化け物と戦う巫女(高校生)がショタを人質にされて犯される話です。


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趣味全開の作品です。
エロジャンルとしては以下の通りです。

・おねショタ ・ショタおね ・凌辱 ・憑依 
・アナル責め ・媚薬 ・首絞め 
・妊娠 ・出産 ・快楽堕ち



魔ヲ討ツ巫

「はぁっはぁっはぁっ」

 

鬱蒼(うっそう)と木々が生い茂る森の中、時刻は既に日没を過ぎて宵闇が支配している頃合いとなっていた。そんな状況で独り、少年は息を切らしながら走っている。

その背後からは——、

 

「キシャーーーー」

 

「うわぁぁぁぁぁぁっ」

 

一般的な成人男性を一人くらいなら丸吞みしてしまえるであろう、異常な大きさの蛇が迫っていた。大人から見ても恐怖するサイズのそれは、まだまだ未成熟な少年からすれば泣き喚きながら逃げるに足りる、トラウマ級の容姿であった。

凄まじいスピードで迫りくる大蛇は、背中を見せて逃走する少年に向かって大きな口を開くと捕食態勢に入る。月明かりが照らす空から光が消え、少年の姿は真っ暗な闇に閉ざされる——、はずであった。

 

「ふぅ、危ないところだったね」

 

白い装束に身を包み、深紅の袴(はかま)をはためかせ、美しい女性は軽々と少年を抱え上げながら跳躍していた。黒い長髪をたなびかせて軽やかに着地すると少年を地面に立たせて、背後の大蛇に向き直った。

大蛇と対峙する彼女の両手には、掌よりも少し大きいくらいの札が数枚握られている。姿からして巫女か何かであることが推測でき、そうなれば手にしているものがお札の類なのだと予測できるものなのだが、実際に彼女が手にしている札はどこからどう見ても有名な玩具の一つ『トランプ』だった。

 

「今日の相手は図体ばかりが大きいだけの蛇さんね。さぁ、ぶちのめしてあげるから掛かって来なさいな」

 

自分の体格よりも数段巨大な化け物相手にも臆することなく、少年の目の前に立つ美女は高らかにそう言った。和の衣装に西洋の玩具を手にしているという、微妙にミスマッチなその風貌に疑問を感じさせない堂々とした凛々しさに、少年は胸を高鳴らせた。

 

「ッ、キシャーーーー!!」

 

女性の放つプレッシャーに一瞬怖気づいた様な仕草を見せた大蛇だったが、すぐさま態勢を整えて喰らい付かんと襲い掛かる。

 

「はぁ、…やっぱり図体がデカいと鈍いのね」

 

呆れたような、落胆したような。溜め息交じりにそう言葉を溢すと、女性は手にしていたトランプを放つ。アニメや漫画でよく目にするような『トランプ投げ』の要領で放たれた数枚の札は、大蛇目掛けて鋭く宙を駆け抜けていく。そして——、

 

「怨(オン)、念(ネン)、全(ゼン)、祓(フツ)、絶(ゼッ)、魂(コン)、抜(バッ)、恨(コン)、悪霊退散っ。破ァッ!」

 

呪文のように何かを唱えた彼女が叫び、放たれたトランプが眩い光を纏う。

純白の閃光は矢の如く。数枚の札が一直線を描いて飛翔し、一瞬にして大蛇の体を切り裂いた。

 

「グガアアァァァァッッ!!」

 

森中に響く断末魔を上げて、恐ろしい大蛇は黒い煙を噴き出しながら段々と消滅していってしまった。

女性は一息吐くと少年に身体を向けて膝を曲げ、視線を合わせて訊ねる。その際、白い服装の胸元から僅かに谷間が少年の目に映った。はっきりと大きさがわかるような明るさではなかったが、それでも確かな膨らみが見えて少年は頬を赤らめる。

 

「どこか怪我は無い? 大丈夫?」

 

優しい声色で心配してくれている彼女に少年はコクコクと頷き、無事を伝えた。

 

「そう、なら良いわ。早く帰りましょ」

 

安心したのか、女性は微笑むと立ち上がって少年の手を取って歩き出す。少年もこけないように付いて行く。

 

背の高い木々が立ち並ぶ森の中で、女性と少年は歩いていた。少年の歩幅に合わせているのか、とてもゆっくりとした歩調だった。

 

「私の名前は“遠山(とおやま) 御鈴(みすず)”、高校三年生よ。君は?」

 

「た、“只乃(ただの) 諸唄(しょうた)”……、小学四年生……です」

 

「そんなに怯えなくっても大丈夫だってば~。…それで、諸唄くんはこんな時間まで森の中で何をしていたの?」

 

「宝探し……、友達としてたんだけど。途中で飽きて帰っちゃって……。でも、僕は楽しかったから一人で……」

 

「そうだったの。でも楽しかったからって、いつまでも遊んでちゃダメでしょ? ご両親が心配するじゃない」

 

「……ごめんなさい」

 

「謝るのはお家に帰ってから、お父さんお母さんに。ね」

 

「うん……」

 

「よろしい」

 

そう言って御鈴は少年に笑顔を向ける。眩しく可愛らしい彼女の表情に、少年は照れて顔を背けた。すると、女性の表情が変わる。

 

「その膝、どうしたの?」

 

「……えっ?」

 

少年はそう言われて自分の膝に目を向ける。するとそこには虫に刺されたような炎症の痕が小さく三つ、出来ていた。

 

「痒くない? 痛みは無い? 熱は……無さそうだね。マダニとかだったら病院に行った方が良いだろうけど、体に異常は?」

 

「え…と、特に無いよ」

 

女性の勢いに気圧されつつ、少年は素直に答えた。

 

「そう? なら蚊かなぁ、…いや少し違いそうだけど……」

 

ブツブツと俯きながら呟く女性に何か声をかけようか考えている少年。だが、その必要無く彼女は顔を上げて言った。

 

「取り敢えず今は保留で親御さんに相談しましょう。今ここで考えていても仕方無いし」

 

「う、……うん。そうだね」

 

美人ではあるが、どこかペースの掴みづらい女性に少年は戸惑う。自問自答を終えて表情の明るさを取り戻した御鈴は、ふと少年に疑問を投げかける。

 

「そう言えば家はどこなの? 自転車とか無かったみたいだから、そんなに遠い場所ではなさそうだけど」

 

「えっと、黄昏(たそがれ)町の暗々(くらぐら)団地」

 

「あ、そうなの!? ……あぁ~。“只乃”って聞いたことあると思ったら、同じ団地の人だったのね。そっか、もうこんなに大きくなったんだね」

 

「え、……同じ団地? お姉ちゃんが?」

 

唐突な事実に困惑している少年に、女性は納得したように頷くと自身の近況を話して説明をし始めた。

 

「私の苗字は元々“高田(たかだ)”っていうの。知ってるでしょ?」

 

「うん。はす向かいに住んでる……」

 

「そうそう。それで、諸唄くんが産まれて暫くした後にとある事情で私は山の神社に住むことになったの。……あぁ、ちなみに事情っていうのはさっき見た蛇さん絡みね。で、私は殆ど団地にいないから君は多分知らなくて当然なの」

 

「そう……なんだ」

 

少年はそう聞いて、あからさまに肩を落とした。その様子に怪訝な表情を浮かべて女性は訊ねる。

 

「? なんだかガッカリしてそうだね」

 

「っ、別に! ガッカリなんてしてないよ……」

 

「……あ。ふ~ん」

 

少年の心情に当たりが付いた御鈴は頬を緩めてニヤケ顔になり、少年を問い詰めだした。

 

「も、し、か、し、てぇ~。私のことが好きだったりする? しちゃう? しちゃうのかぁ~?」

 

「っ!」

 

「おやおやおやおやぁ~。その反応は、図星かなぁ~。図星なのかなぁ~?」

 

「ち、違うよっ! 別に好きな訳じゃ……」

 

「そんな隠さなくても良いのに~。しょうがないよねぇ~、私って可愛いもんねぇ~。でもなぁ~、一目惚れされちゃう程なのかぁ~」

 

「……違うって言ってるのに…………」

 

「ふふっ、まぁそういう事にしておいてあげる。だから、いつでも暇があったら遊びに来てよ。『悠山(ゆうざん)神社』の場所はわかるよね?」

 

「うん。学校の行事で何度か行ったことあるよ」

 

「それならよかった、いつでも待ってるからね」

 

そう言うと、御鈴は先程までのニヤケ顔から一転して優しい微笑みを少年に向けた。空に浮かぶ月明りで照らされて、少年の目にはより一層美しく映り赤面した。

彼女の笑顔で顔を赤らめた少年の表情を女性は見逃さず、またニヤケ顔に戻った。

 

「本当に君は可愛いな~」

 

「え……、いま何か言った?」

 

「ふふ、べっつにぃ~」

 

嬉しそうな表情で少年を抱え上げると、御鈴(みすず)は少年を背負った。

 

「今日は気分良いから背負って帰るよ。膝を酷使するのも良くないしね」

 

「っ! お、降ろしてよ。恥ずかしい……」

 

「だぁいじょうぶ、誰も見てないし。家の前に着いたら降ろしてあげるから」

 

「……、もう」

 

どこまでもマイペースな御鈴に呆れて少年は溜め息を溢す。しかし、なんだかんだ言いながら彼女の背中には心地よい温もりがあり、ほのかに甘く爽やかな良い匂いが漂っているため、いつの間にか少年は寝息を立て始めていた。

 

◆◆◆

 

「お、……お邪魔します」

 

「いらっしゃい。こっちにおいで~」

 

山で御鈴に救出されてから三日後、少年は約束通り『悠山神社』に来ていた。

目的としては例の不審な炎症もすっかり消えた事を報告したかった、ということが一番ではあるがやはり彼女に会いたかったという理由も少なからずあった。

初めて異性の家へ遊びに来た少年は緊張しながらも、彼女と再会できた喜びで気分は弾んでいた。特に、今日の彼女はあの時とは違った私服姿であったので、少年の嬉しさは倍増だった。

 

「少し待ってて。今お茶を用意するから」

 

「う、うん」

 

少年が通された部屋は凡そ二十畳はある和室の大広間だった。

いきなり女性の個室に入れると思っていたわけでは無いが、少年としてはどこか物悲しい気分になった。

 

「お待たせ。…はい、どうぞ」

 

一分とかからず御鈴は飲み物とお菓子を乗せたトレーを持って部屋に戻って来た。そしてオレンジジュースの入ったグラスを少年の前に置き、自分の前に湯気立つお茶が入った湯飲みを置いて、お菓子を机の中央付近に置いた。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「さて、早速だけどトランプする? ポーカーで良いかな? あ、ちなみにチェンジは一回だけね」

 

「はい。大丈夫です」

 

「よ~し、ボッコボコにしちゃるわい」

 

意気揚々とカードをシャッフルし始める御鈴は、とても楽しそうだった。言ってしまえば高々トランプゲームをしよう、というだけなのに何が彼女をそこまで楽しそうにさせるのか理解できなかったが、少年は特に言及しなかった。

 

(友達とか、いないのかなぁ……)

 

そっと心の中だけで、そう思う事にした。——したのだが。

 

「……、何か失礼なことを考えてない? 怒らないから、ほら言ってごらん」

 

少年は人一倍素直なようで、考えている事がすぐ顔に出てしまうようだった。内心で考えていた事に彼女が問い詰めてきたため、少年は心臓が口から飛び出そうな程に驚く。

 

「っ、別に……何も考えてないよ」

 

しかしそれでも、本当の事を口にすると半殺しにされそうな威圧感を放っている彼女を前に口を割ることは出来ず、不可能とわかっていても黙っていることにした。不穏なオーラを纏(まと)う彼女を前に少年は内心で死を覚悟する。

そんな少年の態度にあからさまな不信感を抱いていた御鈴だったが、暫く何も言わず少年を見ていると特にそこから言及すること無く視線を両手のトランプに戻した。

 

「まぁ、良いわ。じゃあ罰ゲームを用意しましょうか」

 

「え、何で……ですか?」

 

「ふふん、こうしましょう。負けた方は勝った方の質問に何でも答えること。そう、何でも……ね」

 

そう言う彼女の表情は、とても悪そうなものだった。

ちょっとした恐怖心に怯える少年をよそに、トランプを混ぜ終えた彼女は自分と少年に五枚ずつカードを配る。

 

「さぁ、いくわよ! 決闘(デュエル)ッ」

 

「デュ、決闘(デュエル)……」

 

御鈴の勢いに圧倒されっぱなしの少年は、困惑しながらも彼女のペースに乗った。

そうして開いた自分の手札は『♤5,♡A,♡K,♢3,♧7』と見事にバラバラであり、現段階では勝ち目が無さそうであった。対する御鈴は——、

 

「成程、ねぇ。じゃあ私は四枚変えちゃおっかな~」

 

と口にしながら手札から四枚のカードを伏せて出し、山札の上から同数を引く。そしてそのカードを見た瞬間、彼女の頬(ほお)が引き攣(つ)った。

 

「は、ハーハッハッハッ。これは私に勝利の女神が微笑んだようね、勝ちよ勝ち確よ。さぁさぁさぁ降りるなら今の内よ、無様な敗北を私に見せるのが嫌ならしょーが無く見逃してあげるから。ほら」

 

「いや…あの、……まだチェンジしてないので……」

 

「いやいやいや、無駄だから。そんな抵抗、惨めになるだけだから止めときなさい。私、悪い事は言わないから」

 

「えっと……僕も四枚、チェンジで……」

 

おずおずと手札から四枚のカードを場に捨てて、少年は新たなカードを山札から引いた。その様子を見て御鈴は鼻を鳴らしながら言い捨てる。

 

「折角の私の温情を無下にするなんて失礼な子だね。良いわ、叩きのめしてやるから」

 

少年がカードを確認したのを見ると、「せーの」の合図で二人は手札を明かす。御鈴の手札は『♤2,♡2,♡5,♡6,♧4』と、2のワンペア。対する少年の手札は——、

 

「♤K、♡K、♢K、♧8に♧10……。キ、キングのスリーカード……だって?」

 

御鈴よりも強力な役だった。

そんな事実が受け入れられなかったのか、彼女は声高らかに抗議した。

 

「何よそれ、チートよ。反則よ。どーせカードに何か仕組んだんでしょ、このイカサマ師めぇ! コラ、吐けぇ」

 

「ま、待ってください。カードを切ったのはお姉さんで、このトランプもお姉さんが準備したものじゃないですか」

 

「そ、れは……そうだけど」

 

イカサマを疑うには圧倒的に不利な状況だった彼女は何も言い返せない。怒りが収まったと安心する少年に、彼女は自棄になってこう言った。

 

「いいわよ、私の負けで。それで、何が訊きたいのかしら? こ~んな罰ゲームを用意しておいて適当な質問とかしないでしょうねぇ、この助兵衛めっ」

 

「罰ゲームを言い出したのもお姉さんじゃないですか……」

 

心底呆れかえった少年に緊張は無く、殆ど自然体で会話が出来ていた。

 

「それじゃあ…えっと、前に襲ってきた化け物について、教えてください」

 

「…………」

 

その話題を出した途端、御鈴の表情が真剣そのものになった。

こういう反応をされることは何となく分かってはいた事なのだが、再び少年の心に緊張感が走る。

「やっぱり訊いちゃダメでしたか」と少年が言い出そうとした時、深く息を吐いて、彼女は少しだけ悩ましい様子で呟いた。

 

「う~ん、まぁ被害者だし知ってた方が良いのかな。別に絶対隠さなきゃいけないことでもないんだし」

 

「教えて……くれるんですか?」

 

僅かに予想外だった展開に少年は驚く。絶対に断られると思っていたのだ。

 

「全く面白くもない話だけど、それでも良いのかな?」

 

「っ、はいっ。教えてください」

 

「……わかった」

 

そう言うと彼女は佇まいを正して少年と向き合い、話を始めた。

 

「…と言ってもどこから話そうかな……。えっとね、あの夜に森で諸唄(しょうた)くんを襲ったのは『妖魔(ようま)』っていう化け物で、人の魂を食べて生きてる存在なの。私の家に伝わる書物によると元々は亡くなった人の魂だった、っていう説もあるらしいけど実際のところはよくわかっていないわ。…まぁ、そういう不確かな話はどうでもよくて、要は人を襲う化け物がひっそりと存在しているっていうだけのことよ」

 

「でも…そんな話、お母さんから聞いたこと無いよ。森がそんなに危ない場所なら、もっと注意してくれるはず……ですけど」

 

「まぁ、そうなんだけどね。人が『妖魔』に襲われる頻度はそんなに多くなくて、その上『妖魔』を見たことが無い人にその存在を認知することが出来ないから、注意しようにも出来ないものなのよ。本当なら注意喚起するだけで被害は楽に減らせるはずなんだけど、そうもいかないのが辛い話なのよ……」

 

「そう、だったんですね……」

 

見るからに肩を落としている御鈴を見て、少年は何とも声を掛け難くなった。しかし、彼女はすぐさま機嫌を戻して話を続けた。

 

「そんなわけだから、『妖魔』から人を護る存在として私のような存在——『滅魔巫女(めつまみこ)』っていうのがいるわけよ。私たち『滅魔巫女』は担当している地域の土地神様から神力をお借りして、『妖魔』と戦う力を身に付けているの。奴らは文明兵器による物理攻撃なんかじゃ無傷だからね」

 

「そうだったんですか。……それで、あのトランプも?」

 

「あぁ、そうね。これのことでしょ?」

 

そう言って彼女は私服の胸ポケットから数枚のトランプを取り出した。少年があの晩に見た、普通のものとは一回り前後は大きなトランプだ。彼女はそれらを少年の前に置いて説明を始める。

 

「これはトランプに見えるけど、ちゃんとした武器で『呪符(じゅふ)』っていうの。これは先輩の知り合いに特注で作って貰ったトランプに師匠と二人で神力を籠めた代物で、私のメインウェポンよ。カードのスートによって効果が違ってて、ざっくり言うと♤は攻撃で、♡は治療で、♢は補助で、♧は……まぁ、設置する罠みたいなものかな。正直に言って使う事が無いから余ってるんだけどね」

 

「へぇ……、すごいですね。これがメインウェポンということは、他にも何かあるっていうことですか?」

 

「? ……えぇ、そうだけど」

 

「良ければ見せて頂けませんか?」

 

「わ、わかったわ」

 

今までのオドオドとしたような態度から一転して食い気味な姿勢を見せる少年に、御鈴は少しだけ後退る。そして、スカートのポケットから八面ダイスと将棋の駒を机の上に出して見せた。

 

「こっちの八面ダイスは『結界石(けっかいせき)』っていう特別な石で、神力(じんりき)を籠(こ)めると結界を張ることが出来るようになるの。それから、こっちの駒は所謂『依代(よりしろ)』と呼ばれる物で神の使いを封じてあるわ。主に索敵や人命救助の手助けをお願いするの。実は、あの晩に君を見つけてくれたのもこの駒に封じてある神の使いだったのよ。私はこの子に“天雅(てんが)”って名前を付けているの、可愛いでしょ?」

 

「……、どうして玩具モチーフの道具ばっかりなんですか? 特に、メインウェポンのトランプなんて態々(わざわざ)特注して製作する必要は無いんじゃないでしょうか」

 

「ん~、そうだね……。それは確かにそうなんだけど、私って遊ぶのが好きだから。他の巫女たちが使ってる装備って遊びが無いからね、それが単純に気に入らなかっただけなのよ。それに、こういう玩具モチーフだったら普段持ち歩いていてもそこまで目立たない物ばっかりだしね。実際に職務質問は頻繁に受けててね、…まぁ巫女服姿の女子が深夜徘徊なんてしてたら当然と言えば当然なんだけど……」

 

「そうだったんですね。……でも本当に助かりました、ありがとうございます」

 

「あぁ、別に良いのよ。それが仕事だから」

 

一通り説明を終えた御鈴は自分の武器をそれぞれ仕舞って、普通のトランプの束を手にした。そして再度シャッフルし始める。

 

「よし、それじゃあ第二回戦。始めるわよ~」

 

「……え、……ああ、はい。よろしくお願いします」

 

「今度こそ私が勝って質問してやるからね。覚悟しなっ!」

 

「…………」

 

「……何よ、その沈黙は。何か言いたいことでも?」

 

「いえ、別に……何も」

 

前の勝負と同じなら自分が負けることは無いのではないか、と考えていた少年。だがそれを口にすることは当然無く、取り敢えず押し黙っていた。

 

「ふん、まぁ良いわ。どーせエッチなことでも考えていたんでしょ。男の子なんて、年中エロいことしか考えてないもんね~」

 

「そ、そんなわけないじゃないですか!」

 

「どーだか。まぁ、私のこのスタイルを前に発情しない雄なんていないもんね~。こ~んなボンキュッボンのダイナマイトバディを前にしたら、ドコがとは言わないけどそそり勃(た)っちゃうもんね~」

 

「……ボン、キュッ…ボン……?」

 

彼女の発言に引っ掛かりを覚えた少年は、つい彼女の身体を凝視してしまう。

確かに胸の膨らみはあり、腰もすらっとしていてスタイルの良さは理解できる。しかし、本人の言うようなボンキュッボンとは少しだけ遠いような気がしてならない。

少年の視線を感じて、御鈴は不服そうに睨みつける。

 

「何よ、何か可笑しなことでも? これでもDカップあるのよ。Dもあるのよ。高校生でDカップなんて、十分大きいでしょうが!」

 

「は、はい。そうですね……」

 

「……あ、あっー! そう言えば君のお母さん、グラビア並みのスタイルだったわね。そりゃ勝てないわ、あれは無理。確かにあんなのを毎日見てたら確かに、巨乳の基準が爆上がりするわけだわ」

 

「っ! お、お母さんは関係無いでしょっ」

 

「いやいや、あれに関係無いは通じないって。……あ~、一度で良いからあのサイズの胸を揉んでみたいわ~。揉むだけじゃなく吸いたいわ~。なんだったら挟んで欲しいもん、顔とか腕とか脚とか……絶対気持ちぃ~だろーなぁ~」

 

「…………」

 

机に突っ伏しながら欲望を駄々洩れにしている御鈴(みすず)を見て、「実はおじさんが女の子の姿をしているだけなのでは?」と思わずにはいられない諸唄だった。

 

ちなみに、この日は日没前までポーカー勝負やスピード勝負等に興じていたのだが、御鈴が勝てたのは瞬発力を問われるスピード勝負でだけだったことは、また別のお話である。

 

◆◆◆

 

《『妖魔(ようま)』ノ気配有リ。方角、南西。距離、三町(さんちょう)》

 

(出来ればメートルで教えて欲しいんだけどねぇ~)

 

“天雅(てんが)”のナビゲートを聞きながら、御鈴は内心で不満を漏らしつつ森の中を駆けて行く。

以前に只乃 諸唄が『妖魔』に襲われてから三ヶ月程度が経過し、それまで音沙汰無かった森で久々の襲撃が予想されると報告を受けた彼女は、周囲への警戒を保ちつつ敵の存在を探索する。『妖魔』による人への襲撃は頻繁に起こる物ではないものの、これまでの周期から考えると少なくとも二ヶ月に一度は発生するものであり、三ヶ月も異変が起きないのは逆に不自然な事であった。

 

(それもよりによって今日、諸唄(しょうた)くんが行方不明になるなんて……)

 

不吉な事態の組み合わせに、御鈴は胸がざわついた。普段は楽観的で何処か緊張感に欠けている事を自覚している彼女でさえ、この状況の異常性には感じるものがあるのだ。

「何か、非常にマズイ事が起ころうとしている」、と。

彼女は本能的にそう感じているのだ。

 

(せめてあの子だけでも無事なら良いんだけど…………)

 

例の襲撃以来、週に二回前後の間隔で遊んでいた少年に対して御鈴はそれなりに特別な感情を抱いていた。そんな彼の安全を、彼女は祈らずにはいられなかった。

 

《『妖魔』ノ反応。『妖魔』ノ反応》

 

「っ!!」

 

“天雅”が『妖魔』の存在が周囲にあることを伝え、御鈴は足を止める。そして視線の先にいた存在に驚く。

 

「諸唄くんっ!!」

 

その人物は背を向けて立っていたが、彼女にはそれが“只乃 諸唄”であるとはっきり認識できた。どこか雰囲気の違うその佇まいに訝(いぶか)し気な表情を浮かべつつも、彼女はゆっくりと彼に歩み寄る。その時——、

 

「っ!?」

 

彼女の腕が何かに捕らわれた。否、正確には彼女の右手首に魔法陣のようなものが囲っていて、そこから動かすことが出来ないのだ。

 

「くっ……」

 

このままではマズイと御鈴は意識を集中させて神力(じんりき)を発動しようとした。が、どうにも上手く力を扱えない。神力を高めようとしても必ず阻害されて、普段通り力を使用することができない。

 

「掛かりおったな、マヌケ巫女め」

 

「っ」

 

目の前の少年がゆっくりと振り返る。その表情はいつもの幼い顔つきではなく、邪気に満ち溢れた禍々(まがまが)しいものであった。恐らくは『妖魔』の仕業で間違い無いのだろうが、それにしても背筋が凍りつくようなオーラを感じ取れる。

右手を封じられていようとも相手を倒さなくてはならない。

自身の使命を思い出した御鈴が攻撃をしようとトランプモチーフの『呪符』を取り出し、何かに取り憑かれた少年目掛けて放とうとする。しかし、それは叶わなかった。

 

「なっ!?」

 

勢いをつける為に振りかぶった左手首も魔法陣によって拘束されてしまった。ただ、両手が使えなくなる程度の窮地は今までにも経験してある。

御鈴は勢いよく右脚を振り上げて靴を蹴り飛ばす。実は、彼女の靴には両方とも八面ダイスと同じ『結界石』が仕込まれてあるのだ。これを相手の近くまで飛ばして神力を発すれば結界を生じさせ、少しの時間は相手を封じることが可能となる。——そう、その神力さえ使用できれば——。

 

「っ、しまった……」

 

彼女はこの短時間で忘れてしまっていた。自分は今、神力を封じられていることに。

つまり彼女の先程の行動は、単に相手へ靴を蹴り飛ばしただけとなった。

 

「実力はそこそこあるようだが、どうやらお頭(つむ)の方が幾分か足りていないようじゃな」

 

「うるさいっ! 相手を拘束しないと戦えない卑怯者がっ」

 

「卑怯なものか、これも立派な戦術だろう。……ま、その粗末な脳みそに何を言おうと理解できるはずも無いか」

 

「くっそ、一々挑発しやがって~」

 

「ほっほっほっほ。どうも、相手を侮辱するのが大好きな性分でな」

 

「…性格悪すぎるでしょ」

 

目の前の『妖魔』と言葉を交わしながらも、御鈴は打開策を思案し続ける。神力を使用出来ないこの現状、出来ること等殆ど無いのだがそれで諦められるようなら『滅魔巫女』は務まらない。

 

(とにかく今は撤退しないと……。“天雅”が存在を維持できてるってことは、完全に神力を消されているわけじゃなく、この魔法陣によって出力の制限をかけられている可能性が高いわね。なら……)

 

意識を“天雅”に集中させて、少しずつ少しずつ神力を蓄えさせる。そして——、

 

「破ァッ!」

 

それを一気に解き放つ。すると、周囲に眩い光を放って消滅した。

 

「なにを……」

 

そして『妖魔』の怯んでいる内に逃げ出した。その両手首にあったはずの魔法陣は見る影も無く、拘束は完全に解かれていた。その光景に『妖魔』の取り憑いた少年は驚き、目を見開いた。

先程“天雅”が放った光は『破邪の閃光』と呼ばれ、低級の『妖魔』であれば一瞬で消滅させられ、更に相手の術式を打ち破る効果もある。本来であれば『妖魔』相手に少なからず殺傷能力を有する光なのだが、神力を制限されていたことや元々戦闘向きの使いではなく索敵特化の使いであったことから、一切のダメージも入れることは出来ない。ただ、この状況においてはそれが最善だと彼女は考える。

 

「仕切り直しよ。……それで、誰のお頭(つむ)が足りないって? もう一度、言ってみて貰えるかしら」

 

「ほっほっほっほっ。いやはや、思っておったよりは考えの働く娘じゃ。すまんすまん、先程の発言は訂正しよう」

 

「あら、そう? 訂正はしなくて良いから、早くその子を解放して欲しいんだけど。って言うか、解放しないなら容赦無く消し飛ばすわよ」

 

『呪符』をヒラヒラとちらつかせながら御鈴は警告する。しかし、相手の『妖魔』は特に気にすることはなく、余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)と言葉を交わす。

 

「おお、それは怖いな。……して、如何様に儂を消してみせるのかのう」

 

「そんなもん、この『呪符』で——」

 

「ほう、成る程な。ではしてみるが良い。……この小童(こわっぱ)の命が亡くなってしまっても良いと言うのなら、な」

 

「っ! それってどういうことっ!?」

 

少年の口から発された衝撃的な『妖魔』の言葉に御鈴は驚愕し、相手を問い質す。その様子を見た少年の顔が不気味に歪み、より不快感を増す笑みを浮かべた。

 

「なに簡単なことじゃよ。儂はこの小童と身体,意識を共有しておる、それだけじゃ。仮に儂を祓(はら)おうとするならば、この小童の意識諸共祓う事になるのう」

 

「……本当に卑怯ね」

 

『妖魔』の言い草に、彼女は苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべた。相手の言う通りであるならば、彼女に少年を救う手立てが無いことになる。

 

「——じゃが、儂も鬼ではないからのう。儂の要求を呑もうと言うならば解放してやっても構わんがの」

 

「……何が狙いなの」

 

ある程度予見していた展開に、御鈴はさめざめとした声色で訊ねる。

 

「まあ、まずは自己紹介から。…儂は“魂返(タマガエ)”という『妖魔』じゃ。いや、正確には半分だけ『妖魔』ということになるかの」

 

「……どういうこと?」

 

「いや、儂も深くは理解できていないんじゃがのう。半分は生物として存在し、もう半分はこうして何かに憑依することで存在していられるんじゃ」

 

「……その子に憑依したのは、あの晩の時だったのね」

 

「ほっほ。正解じゃ」

 

その返答を聞いて彼女は唇を噛み締めた。やはり、あの炎症痕を見た瞬間に何かしらの手を打っておくべきだった、と後悔ばかりが押し寄せる。

 

「そしてここからが問題なんじゃが、儂の半身である生物としての存在が寿命で消えかかっておる。そこで、お主には儂の半身を産み落として貰いたいんじゃ」

 

「っ、ふざけないでっ! なんで私がそんな——」

 

「嫌と言うなら断ってくれても良いぞ、この小童は永遠にこのままじゃがの。我が身可愛さに人の子の命を見捨てようと言うのならば、その選択もまた良し」

 

「——っ」

 

『滅魔巫女』としての自分を取るなら今すぐにでも『呪符』を叩きつけて祓うべき。だがそれはつまり、一人の少年を自らの手で殺害することと他ならない。それも、ここ数ヶ月でよく遊んだ親しい少年を——。否、彼女の唯一とも言える親友を——。

最初から彼女にもわかっていたことではあったが、選択の余地など無い。

 

「……っ、わかったわよ。やってやろうじゃないの、この野郎。…ただし、終わったら『妖魔』としてのお前は消えて無くなると思え」

 

「ほっほっほっほ、威勢が良いのう。……よかろう、終われば消えてくれよう」

 

「交渉成立、ね」

 

そう言って御鈴は“魂代”の取り憑いている少年に近づく。そして彼の数歩前で仁王立ちして睨みつけた。

——「性交渉(ヤ)るなら早く性交渉(シ)ろ」——

視線だけでそう言っているようだった。

 

「……随分と勇ましい娘じゃな。して、念のため縛らせて貰うぞ」

 

御鈴の圧に押されつつも“魂代”はそう言って口から何かを吐き出した。それは白く粘ついた物質で、彼女の身体にくっついて細く伸びながら周囲の木々や地面にもくっつき、彼女の全身を緩く固定した。蜘蛛の糸と似たような性質を持つそれは、ある程度まで引っ張ると伸びて千切れない。完全に拘束するつもりはなく、あくまでも逃走させないための首輪としての役割だろう。

 

(……これも何かの術式?)

 

奇妙な感触に考察をしていると、“魂代”の声が耳に届いた。

 

「さて、最初は気分を盛り上げる為にもお主が先導せよ。意識は少年に返しておいてよろう。しっかり射精させるんじゃよ」

 

「っ、わかってるわよ」

 

“魂代”の言葉に御鈴が頷いた後、少年が項垂(うなだ)れる。そして、次に顔を上げた時に浮かべていたのは恐怖と不安で圧し潰されそうな、怯えた表情だった。

 

「大丈夫、全部私に任せてくれて良いから。ばっちこい、よ」

 

当然、彼女も恐怖で圧し潰されそうだった。これから彼女は望んでもいない——ましてや宿敵の子を孕む為に行為を強制されている。嫌でないはずがなかった。しかし、自分の不安や恐怖を目の前の少年に見せるわけにはいかない。自らの失態は、他ならない自分で始末を付ける。

覚悟を決めて、御鈴は少年の腕を掴んで引き寄せると自身の胸に押し当てた。

 

「っ、お姉ちゃ——」

 

「いいから。……好きなように触って、いい…から」

 

「……ぅ、うん」

 

怖がらせてしまったかもしれない、と反省したのも束の間。少年は覚束ない手つきで彼女の胸を触り始める。恐らく、自分がしなければならない事を共有している意識から理解させられているのだろう。

揉む——と言うよりは掴んでいる、という表現が近しい手つきにも彼女は反応を示す。

 

「ん、はぁ……ぁぁ。っく、…ふぅ、んふ…んん」

 

半分くらいは少年を興奮させるための演技だが、もう半分は胸を触られることによって本当に感じて声を漏らす御鈴。自分で致す際に何度も触って揉んだことのある胸だが、こんなにも感じたのは生まれて初めてだった。それは相手が少年だからなのか、それとも他の理由が——。

 

「あん、ふぁ……あっ、…くぅ、ん…んぅぅ。はぁ」

 

まだ行為を始めて数分と経っていないが、彼女の乳首は既に勃っていた。痛いくらいに膨らんだ先端に少年の掌や指が触れる度にビクビクと身体が震えて、身体の内側から熱を感じてくる。

慣れていない手つきだが、だからこそ予測不能な動きで御鈴は昂っていく。

 

「んっ、くふぅっ…ち。ちょっと、待っ……てぇ…。っ、ああぁ!」

 

不自然な程に興奮が抑えられない御鈴は少年による胸の愛撫で、呆気なく絶頂(イ)かされてしまった。膝がガクガクと震え、秘部からトロっとした液体が滴り落ちる。

 

「お姉ちゃん、……大丈夫?」

 

心配そうな表情を浮かべて覗き込む少年に、御鈴は紅潮した顔で笑顔を見せる。傍目(はため)から見て大丈夫とは言えない様子だったが、彼女が心配させまいと気を遣っているであろう事は少年にも理解でき、何も言えなかった。

 

「今度は……お姉さんの番、だからね……」

 

達したばかりでうまく力の入らない手を使いながら、御鈴は少年の服をはだけさせた。そしてそのまま、片方の乳首を指で弄りながらもう片方の乳首に唇を寄せて吸い上げる。

 

「ああぁっ、お姉……ちゃっ——」

 

ペロペロと舐めたり、チュウッと吸い出したり、音を立てながら少年の乳首へ刺激を送り込む。また、それと同時に空いた手で少年のズボンのチャックを下ろして、小さく可愛らしい肉の棒を取り出した。

そして、滑らかな手つきで少年のイチモツを扱き始める。

 

「ああっ、あぁっ、だ…めぇ」

 

「っっっ……」

 

蕾のような陰茎を手の平で優しく擦ると段々と膨らみ始め、イチモツが大きくなる度に少年の口から女の子のような可愛い声が漏れ出している。その声を聞くだけで、御鈴の興奮は否応なしに高まっていく。

——なんだか、身体がいつもと違う——。

自分が攻めているのに、その反応で自分が攻められる。そんな状況を理解すると、更に一層気分が高まっていくのを彼女は実感していた。

 

(……このくらいのサイズなら……)

 

高まり続ける興奮によってぼんやりとした思考の中、彼女はある事を閃いた。

少年の乳首か手と唇を離すと、徐に自分の衣服をはだけた。大きく開いた胸元からインナーを捲り上げて下着を晒し、更にその下着も外してしまう。そして——、

 

「っ、ふあぁっ! お姉っ、ちゃんっ……」

 

しゃがみこんだ後に少年の陰茎を自身の乳房で包み込んだ。挟み込んだ肉棒から心地よい温もりが伝わり、隙間から僅かに顔をだしている皮被りの亀頭から確かな雄の臭いを感じ取り、御鈴は益々発情する。

 

「んっ、ふぅっ、ぅ、はぁっ…あぁ、んん。…じゅる、じゅず、じゅりゅりゅっ」

 

「お姉、ちゃん…。そんなところ、汚いよ……」

 

「んふ…らいじょうぶ……。キミのおちんちん、おいひぃ……じゅるる」

 

御鈴は自分でも何を言っているのか分からない状態にあったが、それでも本心を伝えたような気がしたことだけは確かだった。

少年の陰茎を胸で包み、時々顔を出す亀頭を唇で食むと何とも言えない幸福感で満たされたのだ。自分の涎と我慢汁でベトベトに濡れた肉棒のむせかえる淫らな匂いで、思考力は段々と麻痺していく。

 

(もう、我慢できない……。これを口一杯に頬張りたい……)

 

ぼぅっとした頭でそう考えた次の瞬間には、勝手に身体が動いていた。

自慢の谷間から愛しい肉の蕾を解放すると、御鈴はそれを考えた通りに口で咥え込む。口内で愛する温もりを感じ、雄っぽく強い風味が喉を越えて鼻孔(びこう)を突き抜け、まるで危ない薬を服用したかのような気持ち良さに彼女の全身が浸っていく。宿敵が憑依している事などすっかり忘れ、発情しきった雌に堕ちた彼女は頭を前後に動かし始める。

 

「んじゅっ、じゅぷ、じゅぷ、じゅる、ぐぷっ、ぐじゅっずりゅっ」

 

「あっ、ああっ」

 

初体験の感覚に襲われる少年は、何が何だか理解することも出来ずに蕩けた声を漏らし続ける。

淫猥(いんわい)に陰茎を刺激していた御鈴だったが、ふととある事が気になり口を離す。そして、少年に質問を投げかけた。

 

「そう言えば、諸唄くんって精通は経験ある?」

 

「せ、いつう……?」

 

「えっとぉ…、白いおしっこみたいなものなんだけど……。わからないかな」

 

「……? おしっこは黄色いですよね?」

 

「あぁ~。……じゃあ、せーえきは知ってる? 学校で習った?」

 

「あ、…はい。赤ちゃんを作るのに必要なものだ、って習いました」

 

「そっかそっか……」

 

一通りの問答を終えて、御鈴は僅かに逡巡すると微笑んで上目遣いに少年を見つめた。

 

「それじゃぁ~……。精通、経験してみよっか」

 

「っっ」

 

その蠱惑(こわく)的な表情と言えば、普段の奔放で活発な彼女からは想像できない程に淫靡(いんび)で魅惑的なものだった。それこそ、サキュバスか何かが憑依したかのような、捕らえた獲物は絶対に逃さないという強い意志を含んでいるかのような——。

その表情に魅入られた少年は、より一層と股間に血が巡る。一般的な小学生男子の可愛らしい陰茎がピクピクと震えている様子を見て、御鈴は嬉しそうに微笑む。

 

「はぁ…んむ」

 

再び肉棒を咥えた彼女は、先程とは異なり長く緩やかな動きで少年の息子を責め立てた。音はあまり立てず、静かに舐るように刺激する。

根本に唇が接触するまでゆっくりと口内に侵入させ、口を窄(すぼ)めつつ舌を絡めながら頭を引く。そして今度は、裏筋に舌を添わせて吸い付くように奥まで咥える。時折首を傾けて角度を変え、刺激が一辺倒にならないような工夫を交えつつ焦らないよう、丁寧に口淫(こういん)を施す。

 

「はぁっ、はぁっ、ああっ…ぅ」

 

性の快感を未だ体験したことの無い幼気な少年に、自分が実際に身体で教えている——。

 

「ん、ふふっ」

その事実による背徳感から御鈴は止まらなくなり、知っていることは全て試したいと考え始めていた。いつぞやに級友から借り受けた薄い本で見知ったテクニックを、記憶の奥深くから探りつつ実践してみる。

今まで腰を抑えていた両手を少年の臀部(でんぶ)に移動させ、手探りで菊の門を探り当てた。そして皮膚を傷つけないように慎重な手つきで穴の奥へと指を侵入させていく。

 

「あっ、ふああぁぁ!!」

 

少年の肛門は温かく、きゅっと締まっていた。かなり動かしづらい状態ではあったが、全く動かせないというわけでもない。

そう判断した御鈴は乱暴にはならないように細心の注意を払いつつ、少年のアナルを指で責めていく。湿り気の無い腸壁を擦りながらフェラの動きは緩めない。

 

(さぁ~て、どんな反応をしてるのかな?)

 

依然として蕩けきった声を漏らしている少年の表情を見ようと、イチモツを咥えたままで御鈴は顔を上げた。そこで目にしたのは、——何かに怯えたような少年の顔だった。

何か間違っていたのか。それとも、初めての経験に慣れていないだけなのか。

原因を考える彼女の耳に、か弱い声が響く。

 

「い、たい……」

 

(いたい? ……っ、痛かったの!?)

 

そこで彼女はハッとした。よくよく思い返してみれば、このプレイをしている時はローション等で濡らしてから行うのが殆どだった。濡れていない状態で身体の内側を擦られても気持ちいいはずが無いのに——。

少年の痛みを少しでも軽減させるため、自分の指を湿らせられるものを探し始める。

 

(……少し汚いけど、ごめんね)

 

流石にローションは持ち合わせていない彼女が思案した結果、心の中で少年に謝罪をしつつ肛門からゆっくりと指を引き抜く。そして僅かに躊躇(ためら)った後、その指を自身の秘部へと押し当てた。

 

「んんっ、…ふぅぅ」

 

下着をずらして、熱い粘液の溢れる割れ目へ指を挿し入れると、御鈴は指全体へ絡めるように愛液を擦り付ける。暫く馴染ませてから指を女性器から出すと透明な糸を引いているのが確認できた。

 

(これだけ濡れていれば、多分大丈夫……)

 

今度こそは苦しめないよう確認をして、自身の愛液で充分に湿らせた指を再び少年の菊門へと挿し込んだ。傷つけないことを最重要事項として念頭に置き、先程よりも慎重に腸壁を擦る。

暫く丁寧に刺激を送り続けた御鈴は、少年の反応を確認するためにフェラチオを一旦止めて、少年の様子を窺った。

 

「あっ、あぁ、…はぁっ、き……もち、いぃ」

 

すると、そんな言葉が彼女の耳に届いた。表情には未だ不安の色も残っているが、それでもかなり辛そうな印象は無くなっている。少なくとも、痛みは感じていなさそうである事だけは確かだろう。

その事実に嬉しくなったフェラを再開した御鈴はラストスパートとばかりに口でイチモツを扱く速度を高め、アナルへの責めも少しだけ激しくする。彼女の足りない経験では少年の前立腺がどこにあるかなど知るわけも無いが、それでも気持ちよくさせたいという一心で敏感な部分を探し続ける。

 

「ああっ、もう、だ……めぇ! なに…か、でるぅっっ」

 

「んじゅぅっ、…はぁっ、いいよっ。このまま……んぷぅ、…らひてぇ」

 

我武者羅に頭を前後させ、指の腹で少年の内側を擦り上げる。

そうして不規則に動かしていた彼女の指がある一ヵ所に触れた瞬間、少年は目を見開いて弓なりに身体を曲げた。そして——、

 

「んっ! んぐぅぅ~~っっっ!」

 

白濁の噴火が彼女の口内で引き起こされた。

初めての射精だからかその量は凄まじく、暴れるように吐き出される精液は留まる事を知らずに彼女の口から溢れ出す。

数年分の凝縮された種汁の濃度と量は彼女の予想を遥かに上回り、溺れるような精の濁流と雄の生臭さで意識が飛びそうになっていた。もしこれを彼女が膣で受けていたならば、瞬く間に下腹部が膨れ上がり一発で妊娠確定だっただろう。

 

「んんっ! …ぷぁっ、……はぁっ、はぁっ、…あぁ……」

 

「はぁ、はぁ、はぁ、……おねぇ…ちゃん……」

 

数十分にも感じられた射精が漸く終わりを迎え、少年のイチモツから口を離した御鈴は粘液の塊を吐き出す。幾らかは飲み込めたのだが流石に解き放たれた量が量だったため、大部分は飲み込めるはずもなく吐き出さざるを得なかった。

肩で息をしながら御鈴は徐に身体を投げ出した。

 

「…………?」

 

初めての射精によって倦怠感を覚えている少年は彼女のその行動に首を傾げた。困惑の表情を表に出している少年に、ある程度息を整えた彼女は言った。

 

「まだ、射精せるでしょ? 今度は、こっちに…………ね」

 

“魂代”に要求された時は嫌悪感しか抱けなかった行為だが、発情している今ならば何も不快感は無かった。寧ろ、この行為で少年を救えると言うのならば拒絶する道理など何一つ存在しない。

 

「リードはしてあげるから、…好きに動いていいんだよ……」

 

「っ!」

 

彼女の腕や脚に付けられた“魂代”の糸(?)は周囲の木々と固定してある彼女を空中に留めた。その位置は偶然か否か、少年の陰茎と彼女の膣口が丁度同じくらいの高さでキープされていた。

少年は疲労感や倦怠感が吹き飛んだかのような軽い足取りで彼女の下へと吸い寄せられると、彼女の秘部をまじまじと観察し始める。先程までのフェラで何度も小さく絶頂していた彼女の恥丘からは透明な粘液が止め処なく溢れ続け、その周囲をグショグショに濡らす大洪水を起こしていた。

 

「……、すぅーーっ」

 

濃い雌の匂いが充満する彼女の股座に顔を近づけて少年は深く息を吸い込む。そして、その空気を肺一杯に溜め込んだ後に吐き出した。

 

「っ、んんっっ~~~」

 

少年の吐いた息が彼女の秘部を撫で、御鈴の腰がガクガク震えた。尿道のすぐ上にあるクリトリスが痛いくらいに張り詰めてピクピクと震えている。

非常にいやらしい光景をじっくりと堪能した少年は、腰を上げておずおずとイチモツを彼女の割れ目に当てがった。

 

「ここで……いいんだよね…………」

 

「ん…うん、そこだよ。初めてだから、ゆっくり——」

 

少年の身体を抱き入れようと御鈴が腕を伸ばした瞬間、ガチガチにいきり立った肉棒が容赦無く突き入れられて亀頭が彼女の子宮口を叩いた。

 

「んぎゅぅぅっ!?」

 

予想外の衝撃に襲われて御鈴の口から情けない声が漏れる。

鈍い激痛が全身を走り、破瓜の血が地面に滴り落ちる。痛みが引いて来た頃に彼女は恨めし気な表情で少年を睨む。

 

「ゆっくりしてって……、言おうとしたのにぃ~」

 

「ごっ、ごめんなさいっ! 穴にいれようとしたら、おちんちんが勝手に吸い込まれて……」

 

「…………」

 

少年の表情を見るに嘘を吐いているようではなかった。寧ろ、自分でも何が起きたか理解できずに困惑し、恐怖しているようだった。

 

(私もだいぶ興奮してたし、吸い付きが良かっただけ……なのかな)

 

真相は不明のままだが、少なくとも少年に非は無さそうであった。

それがわかった御鈴は再度呼吸を整え、出来る限り優しい声色で少年に言った。

 

「わかったわ。じゃあ、私が慣れるまではなるべく動かないで。…良い?」

 

「うん。……ごめんなさい」

 

「ううん、こっちこそごめんね。好きに動いていい、って言っておいて」

 

「お姉ちゃんは悪くないよ。痛かったんだよね……」

 

「…まぁ~、うん。少しだけ」

 

御鈴は申し訳なさそうに笑うと上体を起こして少年の腰を掴む。そして、ゆっくりと自身の腰を前後に動かして抽挿(ちゅうそう)を開始した。

 

「はぁっ……んあっ……っふ、ぅぅ……」

 

発育しきっていない子どものイチモツだが、完全に勃起すれば想像以上の大きさで、少年の陰茎は濡れそぼった御鈴の女性器をゴリゴリと擦り上げていく。

 

「ああぁっ、んぅっ、ふあぁ、あっ、しゅ…ごいぃっ」

 

「お姉……ちゃんっ、……もう。……でる、ぅっ」

 

まだ挿入してから数分と経過していなかったが、精通を経験したばかりで性的興奮が冷めやらない少年の我慢は既に限界近くまできていた。また、御鈴の方も予想していなかった快感に流されて早くも絶頂間近だった。

もうお互いに止められなくなっていた。前回の射精から程なくして、グツグツと煮えたぎるような白濁の奔流が狭い蜜壺の中で暴れ出す。

 

「イッ、絶頂(イク)ゥゥッッッ~~」

「でるっ! でちゃうぅぅっ!!」

 

初めての膣内射精(なかだし)。精通時ほどではないが、やはりその勢いは凄まじい。

爆発したかのような勢いで放たれる精液は御鈴の子宮口を力強く叩き、痺れるような快感が彼女の脳を直撃した。体内でビクビクと震える少年のイチモツが更に大きくなった気がしたが、今の彼女にそちらへ意識を向けられる余裕が無かった。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 

破瓜の痛みなどとうに忘れ、快楽に溺れた彼女は貪るように腰を動かす。性行為の快感をその身体に刻み付けるかの如く、だらしなく開いた口端から涎を溢(こぼ)しながら一心不乱に少年を求めた。

 

(わたし……いま、なにして…………)

 

しかし、ふと冷静になった自分が警鐘(けいしょう)を鳴らした。そして今の自分を再確認し、途轍(とてつ)もない羞恥心に襲われる。

少年の意思も考えず無闇に腰を振るだけの自分を鑑みて、御鈴は考え直した。

 

(これじゃあ、諸唄くんのおちんちんをディルド代わりにしてオナニーしてるだけ……。諸唄くんの好きなようにさせてあげないと……)

 

自らが目の前の少年と交わした約束を思い出し、御鈴は少年の腰から手を離した。

痛みを感じない程に麻痺したこの状態なら問題ない。

そう考えて少年に笑顔を見せる。

 

「好き勝手に動いてごめんね。でも、もう大丈夫だから。君の思うように——」

 

そう言って少年の方を見やると、異常に気が付いた。少年は俯(うつむ)きつつ呻(うめ)き声を漏らしているだけで、まるで生気というものを感じられない。まるで操られているかのような。

 

「お、ねぇ……ぢゃん」

 

一言だけそう呟くと、少年は彼女の両胸を力一杯に握り締めて、ガッチガチに怒張した陰茎を膣奥まで叩きつけた。

 

「い゛い゛ぃっっ!?」

 

不意打ちで襲われた激痛に御鈴は目を見開いて呻いた。

乳房を握る握力も、膣内で張りつめている肉棒も、全てが少年のソレではない。その上、今目の前にいる只乃 諸唄は意識が無い。

亡者のように戯言を繰り返し、加減を知らない力で、乱暴に御鈴を犯している。

 

「ちょ、ちょっと待って! どうしたの、諸唄くんっ!」

 

明らかな危険を察知した御鈴はどうにか逃げようと藻掻(もが)くが、“魂代”の糸によって拘束された彼女にそれは叶わない。

反抗の意思を感じ取ったのか、少年は右手を乳房から離して彼女の首を握り締める。

 

「がっ、あぁぁ…………」

 

気道を圧迫された御鈴の喉から潰れたような声が漏れ出す。呼吸を遮断される苦しみから逃れようと、更に彼女は藻掻く。

 

「あ゛あ゛ぁぁぁっ……」

 

そんな彼女を戒めるかのように、少年は彼女の左胸に齧りついた。およそ子どもの顎とは思えない強靭な力で噛み締められた乳房が内出血を起こす。痛みを訴えて止めてもらおうとするも、彼女の口からはっきりとした言葉が出せない。

酸素が薄くなり、抵抗する力の衰えた彼女が大人しくなると、少年は彼女の首から手を離して乳房に嚙みつくのを止めた。

 

「っ、はっ、はっ、はっ、はぁっ」

 

漸く窒息の苦しみから解放された御鈴は大きく口を開けて酸素を取り込む。目尻に涙を浮かべて、彼女は少年を見る。

 

「お゛ねえ、ちゃん……、おね、え゛ぢゃん…………」

 

いつもの様子は見る影も無いその様子に、最早どんな感情を向ければ良いのか分からず只管に彼女は困惑するしか無かった。

何が起きたのか。どうしてこうなってしまったのか。

そんなことを考える暇も与えられず、少年は乱暴にピストンを開始した。

 

「あぐっ、う゛ぅっ、う゛あ゛っ、んんぅ゛っ」

 

一突き毎に子宮を潰される苦痛に襲われ、嗚咽混じりの嬌声を上げる御鈴。

このままで少年を助けられるのか——。

そう考えずにはいられないが、どうにか少年を助け出してやりたくとも何かしら反抗の意思を見せようものなら、先程と同じような苦しみを味わうことになる。いや、もしかすると先程以上の苦痛を与えられるかもしれない。

そう考えると彼女の身体から力が抜けていく。何かしたくとも身体が本能的にそれを拒絶するのだ。

 

「っ! ぐっ…あ゛あ゛ぁぁぁっ」

 

考えあぐねていると、少年は徐(おもむろ)に乳房から手を離すと根元から絞り上げるような手つきに変えて力強く握り締める。靭帯を引き千切られそうな激痛に、御鈴は悲鳴を上げるしか術が無かった。

そして、それに伴って少年のピストンが更に加速する。

 

「いや゛っ、あ゛ぁっ、あ゛がっ、うぐぅっ」

 

成人顔負けのパワフルな抽挿に、四肢を拘束されて神力を封じられている彼女はただただ無力な存在だった。恐怖によって弱まっていた快感も段々と高まり、喉から漏れる声に色気が付いていく。

 

「あぁっ、んはぁっ、あう゛ぅっ、…い゛っ、いぃぃっ!?」

 

「だ…………す、げてぇ………………」

 

愛液と精液でヌルヌルのグチョグチョになっていた御鈴の膣内に、計三度目となる少年の射精。その時彼女の耳に届いたのは快楽で蕩けているようなものでなく、かと言って性欲に溺れた獣の遠吠えのようなものでもない。——苦しみから救いを求めるか弱き少年の悲痛な聲だった。

その意味に一瞬、理解が及ばなかった彼女だったが、次の瞬間にその真意を嫌でも知ることとなった。

 

「ほっほっほっほっ。お疲れ様じゃ、小娘よ。愛する少年と最期に出来た思い出作りは楽しめたかのう?」

 

「……は? ……それってどういう——」

 

「儂の名前は“魂返(タマガエ)”。その名の通り、憑依した宿主の魂と入れ替わる能力を持っておる。……宿主の絶頂に伴って、な」

 

「——っ!」

 

対峙している『妖魔』の語った真実に御鈴は言葉を失った。少年を救おうとした彼女の行為は、寧ろ少年の寿命を縮める結果にしかならなかったのだ。

大切な人の存在と約束を守れなかった絶望に打ちのめされながらも、肩を震わせて化け物に抗議する。

 

「…嘘つき……。あの子のことを、解放するって……約束したのに……」

 

「んん? 儂は嘘なんぞ吐いとらんよ。儂は確かに『解放してやる』と約束したが、儂がこの身体から出て行くなど一言も言っておらんからな。“生”という苦しみから、小童の魂を解放してやったんじゃから感謝の一つくらいは言ってくれても罰は当たらんのじゃないかのう」

 

「っ、何が『儂も鬼ではない』よ! とんだド畜生じゃないっ。つまらない虚言なんて聞きたくもない! そんなふざけた事を言ってないで彼の、——諸唄くんの魂を早く返しなさい! 血も涙も無い屑めっ!」

 

「なんじゃ、五月蝿いのう……。現代に生きる『妖魔』の儂を、時代遅れな鬼なんぞと同程度に見られては困るわい。それに、こんな事になったのは全てお主の確認不足と実力不足が原因じゃろうて。その八つ当たりを儂にして何になるんじゃ?」

 

「くっ……」

 

思いの丈をぶつけるように怒鳴るも、横暴ながら芯を突いている“魂代”の言い分に御鈴は何も言えなくなる。

実際、憑依された直後であれば大きな儀式を執り行うなり何なり出来ることは幾つかあった上、師匠や先輩,同輩等に頼る事も出来ていた。つまり、現在のこの状況全ては自分の怠慢(たいまん)が招いた結果でしかなかった。

それでも、言いようのない後悔と怒りを誰かしらにぶつけることしか、今の彼女は気持ちの整理が出来ない状態にあった。

 

「……ところで、もうそろそろ儂の半身を産む準備をして欲しいものなんじゃが」

 

「……、何言ってんの? もう性行為は終わったでしょ…………」

 

「ん? お主は何か勘違いをしておるようじゃのう。今までは単なる前戯、本番は今これから行うんじゃよ」

 

「本当にふざけないでよ……。これ以上何をしようって——」

 

そう言いかけた瞬間、彼女の膣内に入ったままだった少年のイチモツが熱く滾(たぎ)り始めて熱を放ち、更に肥大化していくのを感じた。

 

「っ!? 何これっ、まだ大き——っ!?」

 

初めて挿入した時でさえ既に小学生のものとは思えないサイズを誇っていた肉棒は、最早一般的な成人男性のソレすらも超越した領域まで成長していく。つい先ほどまで処女だった彼女の蜜壺がミチミチと音を出して悲鳴を上げ、ズキズキとした痛覚が駆け巡った。

 

「いっ、…ああぁ゛ぁ゛ぁっ!」

 

御鈴の悲痛な絶叫が森中に木霊(こだま)し、周囲の草花がざわざわと揺れる。苦悶(くもん)の表情を浮かべる彼女に“魂返”は笑う。

激痛に顔を歪ませながら、御鈴は半開きの双眸で痛みの根源である結合部を見た。彼女の瞳に映った光景は、常人離れした巨根によって歪にボコっと膨らんだ下腹部という信じ難いものだった。膣壁から圧迫された膀胱が、堪らず尿意を訴える。

 

「はっ……ああぁ…………」

 

どうにか理性で聖水の結界を防いだ頃、男根の肥大化は止まり全身を駆け巡る痛みも鎮まりかけてきた。脂汗をかき、涙を流しながら呼吸を整えつつ、御鈴は率直な疑問を“魂代”に投げかける。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……ぁっ。……あの子の身体に何しているの…? 普通に考えて、おちんちんがこんな大きさなわけがない……。ねぇ、教えなさいよ……」

 

「ほう、あれだけの苦痛と発情を与えられながらそこまで正常な思考を保てるとは。お主は本当に、根性だけは並外れておるな……」

 

「御託はいいから、……早く答えろっ」

 

護りたかった少年の魂を目の前で消しておきながら、その上で更に大切な身体へ何かしているというのであれば、たとえ刺し違えても目の前の化け物を滅殺するだろう。

今にも激昂しそうな精神状態で余計な感情を排除し、彼女は刺すように睨みをきかせる。

 

「…、儂の本体は蜘蛛でな。蜘蛛ならば当然、産み付けるのは卵じゃろう? さすれば、小童の身体では無理があるのじゃから都合の良い形へ改造するのが自然じゃろう」

 

「——っ」

 

その返答を聞いた瞬間、御鈴は懐に忍ばせていた『呪符』を取り出す。

それはJOKERの札であり、僅かでも神力を籠めれば大抵の『妖魔』を滅することができる、文字通りで彼女の切り札だった。特別な手法で作製しているそれは、おいそれと使用できない貴重品なのだが、そんなことを気にしていられるような心理状態ではない。

一切の躊躇(ちゅうちょ)も無く最短距離で札を少年の身体に叩き付け、身体の内に宿るありったけの力を籠めて解放した。

 

「……成程、そんな隠し技を持っておったとは。本当に侮れん娘じゃな、お主は」

 

「っ、なんで……………」

 

だが、その札は効力を発揮せず目の前で無情にも破かれた。

 

「お主を括り付けておるその糸、…それは儂が独自に編み出したものでな。神力やら妖力やらといった奇怪な力を、全てその内側に閉じ込めて放出できなくするものでのう。……いやはや、かの魔法陣に頼りきっておったら儂は手痛い反撃をもらうところだったわい」

 

「そん…な……」

 

魔法陣で拘束されていた時は力が上手く扱えないという分かりやすい弱体方法だったが、現在は十分な神力を体内に感じている。そこから、御鈴は自分が神力を使用出来る状態にあると錯覚してしまった。

——完全な、彼女の判断ミスだった。

 

「さて、これ以上何かされる前に済ませた方が良いかもしれんのう」

 

「ひぎぃぃぃっ!!」

 

膣内でパンパンに膨らんだ肉棒が遂に律動を開始した。イチモツが引き抜かれようとすると、絡み合うように密着している彼女の肉襞(にくひだ)がこそぎ落されるように引き摺(ず)られる。

実際、小陰唇は引っ張られて薄く伸ばされていた。

 

「…お゛ごぉっ!!」

 

そして、カリ首が出口間近にさしかかると膣奥まで亀頭が叩き込まれた。グリグリと子宮口が潰されるように擦られ、再びゾリゾリと肉襞が引き出されていく。

 

「も゛う……やめ゛でぇ…………。あ゛う゛ぅっっ!」

 

弱々しい彼女の言葉が“魂代”の耳に届くことはなく、力強いピストンは続けられる。

少年との愛ある行為は勿論、暴走状態にあった彼との行為とは比べるまでもない圧倒的な快感の暴力に、御鈴は意識を保つので精一杯だった。——否、もう意識も飛びかけているような状態だ。

 

しかし、ある瞬間に彼女を犯す腰の動きが止められる。

 

「…はへ?」

 

一瞬何が起きたか分からず、御鈴は素っ頓狂(すっとんきょう)な声を漏らした。呆けた表情の彼女に、“魂代”は冷え切った声色で問いかける。その顔は今まで以上に邪悪な笑みで歪んでいた。

 

「そういえばお主、この小童の菊門をつつきよったのう。何が目的だったか知らんが、身体と意識を共有しておる儂もあれには苦しめられたわい」

 

「っ、あ…れは——、」

 

「お主も一度、経験してみるが良いぞ」

 

少年を悦ばせようとした行動が裏目に出た。

冷ややかな声が御鈴の鼓膜を震わせた直後、細くともしっかりとした硬さを持つ二本の指が彼女のアナルを貫く。

 

「っ、い゛だあ゛あぁぁっ!」

 

容赦なく深々と突き入れられた二本指はそのまま、乱暴な動きで彼女の腸壁を蹂躙(じゅうりん)する。愛情の欠片もないその動きは敏感な肉の壁を傷めつけ、ジンジンとした痛覚が脳天を貫き開いた口が塞がらない。それは愛撫などとは程遠く、最早拷問の類だった。

 

「ほれほれほれ、先程までの非礼を詫びよ。さすれば儂も赦(ゆる)してやらんこともないぞ」

 

「い゛い゛ぃっ、ごめんなざいっ! ごめんなざい゛ぃっっ! わだじをぉっ、ゆるじてぐだざい゛ぃっっ」

 

体内を爪で引っ掻(か)き回されるという壮絶な痛みによって発狂しそうな御鈴は、相手が誰であるかなど考える余裕もなく壊れたように謝罪の言葉を繰り返した。

だがしかし、“魂返”は首をゆっくりと横に振りながら「なっとらんのう」と呟く。

 

「何と言っておるのかよく聞こえん、誠意も伝わらん。本当に赦しを請うておるのか?」

 

「あ゛あ゛ぁぁぁっっ!!」

 

心底呆れた様子で言い捨てると腸壁を擦り上げていた指でその一部を挟み、力いっぱいに引っ張り出した。それも、『妖魔』特有の人間離れした膂力で——。

御鈴はこれまで戦闘で何度か痛めつけられたことはあるが、体内を摘(つ)ままれて引き摺られという経験などしたことがない。

目の前が白む程の激痛に苛まれながら、それでも必死に謝罪の言葉を口にする。

 

「ずみまぜんっ、わだじが悪がっだでずっ! どうかわたじをゆるじでぐだざいぃっ!」

 

半ば半狂乱になりながらも聞き取りやすいように心掛けながら言葉を紡ぐ。

その様子を見た“魂返”は溜め息を一つ吐いて頷いた。

 

「まぁ、よかろう。及第点としておくわい」

 

指から力を抜いて肉の壁を解放しアナルから引き抜く。暴力的な蹂躙を受けた彼女の肛門からは血が滲(にじ)みだしているが、それを気に留める者も気に留められる者もこの場にはいない。

凄絶な苦痛から解放された御鈴はぐったりとして、ピクピクと痙攣(けいれん)していた。抵抗する力どころか、既に指一つまともに動かすことさえ困難な状態だ。

 

「…まったく、折角赦してやったというのに感謝の一つも無いのか。……まあそれよりも、この指を洗いたいんじゃが……。……ほれ、尿や潮でも吹いてみせんか」

 

「あぅ……、ぁぁ……」

 

糸に支えられて力無く浮いている彼女の下腹部を、パシパシと叩く。すると遂に我慢が限界を迎えたためか、意識が飛んで筋肉が弛緩したためか、彼女の尿道から黄色い液体がぱしゃぱしゃと途切れ途切れに吹き出した。

それを見て満足そうに頷くと、肛門を穿った指にかけて洗い流す。“魂返”は彼女の尿で洗った指を嗅いで顔を顰(しか)めた。

 

「ふむ、ちと匂うがまあ許容範囲じゃろう。…さて、そろそろ産み付けて仕舞いにするかのう」

 

そう言うと、“魂返”は彼女の腰を両手でがっちりとホールドして生殖行為を再開する。先程までよりも力強く、そして素早く抜き差しを繰り返す。

 

「あ゛ぅ…あ゛ぅ…あ゛ぅ…あ゛ぅ…」

 

御鈴は完全に意識が飛んでいるのか、ピストンにあわせて潰れた声が漏れるだけ。そんな彼女に「やりすぎたかのう…」と独り言ちて、“魂返”は僅かに逡巡した後、自身の唇で彼女の唇を塞いだ。そして、長く伸ばした舌を喉奥に侵入させると、特殊な唾液を流し込んむ。

 

「…………、っっ! んぶぅぅぅっっ!!??」

 

暫くすると意識の戻った御鈴が目を見開き、上体を起こそうとした。が、それは“魂返”によって阻まれる。

 

「ようやっと目を覚ましたか。気をやったままでは気分が乗らんからのう、ちょっとした気付け薬のようなものを飲ませてやったんじゃ。…まあ、どちらかと言えばその副次的な効果が目的じゃがの」

 

「……? なに——」

 

彼女がそう言いかけた時、ドクンと大きく彼女の心臓が脈を打ち、彼女の身体に異変が生じ始めた。

全身の血液が異常なほど速く隅々まで巡り出し、五感全てが驚く程敏感になっていく。更に呼吸は不規則に乱れ、身体の奥が高熱を帯び始めた。吸っても吸っても酸素が足りない感覚に陥り、御鈴は吐き気と頭痛に襲われる。

 

「その副次的な効果というのは、所謂(いわゆる)『媚薬』でな。人間相手に使うのはちと危険な代物ではあるのじゃが、まあお主なら耐えられよう。寧(むし)ろ、お主であればより良い反応を見せてくれることが期待できそうじゃ」

 

思考のまとまらない頭で、それでも彼女は必死に相手の言葉を理解しようとした。だが、“魂返”が理解しきるためにに必要な時間を充分に与えてくれるはずもなく、彼女が何か言うよりも早く腰を引いた。

 

「い゛い゛い゛い゛いぃぃぃぃっっっ!?」

 

その瞬間、受け入れきれない快感の大波が彼女の脳内に押し寄せる。

視界がチカチカと明滅して耳鳴りが聞こえた。全身から鳥肌が立ち、アナルを責められていた時とは違った意味で意識が飛びそうになる。

そんな彼女の反応を見て「良い良い」と“魂返”は満足げに頷いた。

 

「その調子で、是非とも儂を楽しませてくれたまえ」

 

「ぇっ、待っ——、あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁっっ!!」

 

御鈴が制止する間も無く、凶暴な肉の棒が子宮口まで叩き込まれる。そしてすぐさま引き抜かれては、再び力強い勢いで奥を衝く。

乱暴という言葉が陳腐に思えるような激しい行為でも、媚薬の効果からか彼女の子宮は疼いて疼いて仕方ない。これだけ凄まじいピストンでさえ、物足りないと感じてしまう。

 

(死゛ぬ゛ぅぅっ! 殺゛ざれ゛るぅぅっ!)

 

まるで人を人として扱わない非道な“魂返”の抽挿に感覚が麻痺してきた頃、唐突に腰の動きが止められた。デジャヴを感じるその行動に御鈴が恐る恐る相手の様子を窺う。恐怖に屈して弱弱しくなったその瞳に映るのは、少年を乗っ取った“魂返”が快感に染められている悍(おぞ)ましい表情だった。

 

「だっ、…らめえ゛ぇぇっ! 意識っ、飛んじゃう゛うぅぅぅっ!!」

 

一突き毎に相手の肉棒と共に自身の内臓が出入りしているような錯覚を受け、必死になって行為を中止しようと叫ぶ。だが、それで止めるようなら“魂返”はこのような要求をしてくるはずがない。

愛情という言葉をどこかに忘れた、無造作で暴力的かつ一方的なピストン運動が彼女を責め立てる。

 

「あ゛あ゛ぁっ、お゛う゛っ、おごっ…お゛お゛ぉぉっ! ん゛ん゛っ!」

 

身体全てを上に押し上げるような勢いでイチモツを突き込まれ、消化しかけている物が全て口から逆流しそうになり、両手で咄嗟(とっさ)に口を覆う。

身体が壊れるか、精神が壊れるか——。彼女はその選択に追い込まれていた。

 

「早速じゃが射精(だ)すぞぉっ! 奥にしっかりとぉっ!」

 

「ちょっ、待っ……」

 

薬の効果で疼(うず)きっぱなしの子宮に卵を産み付けられるとどうなるのか——。

想像しただけでも身体の震えが止まらなくなるような不安と恐怖に塗りつぶされ、無我夢中に抵抗する。力が入らずとも、神力を封じられていようとも、そんな最悪の未来だけは回避せねばと御鈴は必死になって藻掻(もが)いた。

 

「鬱陶しいのう。大人しくせんかっ」

 

「っ、お゛お゛ぉ゛ぉっっ!!」

 

我武者羅(がむしゃら)に暴れる彼女に苛ついた“魂返”は、彼女の腰を力一杯に抑えつけると仰向けの状態から180°回転させてうつ伏せの状態に変えた。それによって擦れる部分が変化し、彼女はみっともなく喘ぎ声を漏らした。

 

「あ゛ぁっ…あ゛あぁっ!」

 

その状態で獣のような声を上げつつ、ただただ女性器を貫かれる御鈴。

——そして、危惧していた事態は起きてしまった。

 

「でるぞっ、ふんっっっ」

「い゛や゛あ゛あ゛ぁぁぁっっ!!」

 

思い切り奥まで突っこんだ男性器は子宮口を一思いにこじ開けて子宮まで侵入し、細かい粒々の卵を大量に解き放った。その量といえば、ただでさえ陰茎の大きさで膨らんでいた下腹部が更に大きく丸々と膨張し、彼女の腹部は臨月を迎えた妊婦と大差ない容姿へと変貌(へんぼう)を遂げるほどであった。

 

(もう……だめ…………)

 

全ての力を使い果たし心身ともに疲労困憊となった御鈴は静かに気を失った。異様に重たくなった腹部に不快感を覚える暇も無く、彼女は目を閉じてしまう。

 

「ふぅ。……これからも儂の孕み袋として頑張ることじゃな、娘よ」

 

意識を失う間際、しわがれた声音でそんな言葉が聞こえたような気がしたが彼女に確認する気力は無く、瞬く間に視界が常闇へと誘われた。

 

◆◆◆

 

“只乃 諸唄”という少年が失踪して一年が経過した。

いつからか町内にある森への立ち入りが全面的に禁止となった。その少年と同時期に行方不明となった“遠山 御鈴”の失踪事件を皮切りに、件の山へと足を踏み入れた者が次々と行方を眩ませているためであった。

そういった曰く付きスポットには興味本位で立ち入る者が後を絶えないものだが、御鈴の信仰していた神社に祀(まつ)られている土地神様の加護のおかげかか、身体から追い出された少年の魂が抱えていた無念によるからか、それとも単純に行方不明者の数が異常過ぎたからか、とにかく失踪事件は日を追うごとに数を減らしていた。

 

そうして立ち入る者が殆どいなくなった森では、夜になると狂気じみた艶(なま)めかしい嬌声が響いていた。

 

「あぁっ、…あ、はっ…………はあぁっん」

 

通常のものより一回り,二回りも太い蜘蛛の糸によって身体を雁字搦(がんじがら)めにされた身重(みおも)の女性が、両肩を上下させながら何度目か経験する出産の苦痛と快楽に悶えていた。ただし身重と言っても、三つ子が宿っているであろう程に大きく張り詰めた彼女の腹部から産まれてくるのは、人の子などではなく育ちきった成虫と変わらないサイズの蜘蛛の仔である。

 

「っ、…あ゛あっ! 産まれるっ、またぁ……産まれるぅぅっ!!」

 

彼女が恍惚(こうこつ)とした表情で顔を歪ませていると股間の割れ目から液体が溢れ出し、程なくしてカサカサと六本の脚を動かしながら蜘蛛がその姿を現した。それも一匹や二匹なんて程度ではなく、二十匹は確実に超えているであろうという夥(おびただ)しい数である。

本来は異なる種族から産み落とされた子蜘蛛たちは一目散に母体を攀(よ)じ登り、乳首の奪いを始めた。むず痒いようなくすぐったいような感覚を与えられ、出産絶頂を終えたばかりの彼女に性的興奮を与えられる。

終わる事の無い快楽地獄に身体を痙攣させている彼女のもとに、一人の少年が歩み寄って来た。——否、正確に言えば既に人ではないのだが——。

 

「ほっほっほっ。これは重畳(ちょうじょう)重畳、想像以上の結果じゃ。これほどの出産を終えても母子ともに無事とは、これも娘の神力によるものか……」

 

「はぁ……はぁっ、ぁぁ……、はっ……っ~~」

 

下卑た笑みを浮かべながら言葉を投げかける“魂返”に、自由の利かない身体を震わせつつ焦点の合わない瞳で御鈴は壊れたように笑顔を浮かべる。

 

「足りないぃ…、まだ…足りないよぉぉ…………。早く…っ、早く次を……孕ませて欲しいのぉ……」

 

普通であれば回数をこなす度に慣れていき、あらゆる感覚は鈍くなるものだ。しかし、この出産においては百近い回数を経験させられようとも慣れる気配が無く、むしろ回数が増す毎に段々と襲いくる快感は強く激しくなっていく。

失踪事件以前の彼女からは想像できない淫靡で浅ましい姿を見て深く息を吐くと、“魂返”は彼女の下腹部を踏みつけて力を入れる。

 

「っ、んほおぉぉぉっっ」

 

「随分と下品な小娘に堕ちたもんじゃのう。尊厳というもんは頭に無いのか?」

 

「はへぇ…、そんなもの……どうでもいいのぉぉ…。そんにゃことより……ぶっとくて逞しいおちんぽが欲しいっ、にょぉっ!!」

 

「ほっほっほっ! 雌臭い匂いを撒き散らして発情しよって、仕方のない孕み袋に堕ちたようじゃのう」

 

「んあっ、ああぁぁっあん」

 

少年の右脚がめり込むくらいに踏みつけられても尚、彼女は嬉しそうに蕩けた声をあげて悦びを露わにする。この一年で力関係は明確に刻み込まれ、半年近くまで抵抗し続けていた彼女も媚薬入りの唾液を過剰摂取させられた結果、彼女の脳は全身から送られる快楽信号しか受け付けなくなってしまった。

一度堕ちてしまえばあとは速く、狂ったように快感を求め続ける廃人へと成り果てるのに時間はそうかからなかった。

完全なるマゾヒズムに目覚めさせられた御鈴の顔へ唾を吐きかけると、彼女の下腹部から脚を上げる。そして、その足元では踏み躙(にじ)られた箇所を愛おしそうに撫でながら涎を溢して余韻に浸っている雌が一人。

昔の彼女を知っている者が今の彼女を見て、その名が浮かぶ者はいないだろう。彼女はこの一年であまりにも無惨で残酷な変貌を遂げてしまった。

 

(とは言え、もう半身をこれ以上産み付ける必要は無いからのう。小娘もまだ若いんじゃから今は一先(ひとま)ず死なんように管理しておけば、あとはここに放置しておいても良さそうじゃな)

 

産んだ子どもたちに囲まれて幸せそうに笑顔を浮かべ続ける彼女を見て内心でそう考えた“魂返”は、口角を吊り上げると振り返ってその場を後にした。

主がその場を立ち去ったことにも気づかず、御鈴はこの世全ての苦痛から解放されたような気がしていた。疼いてやまない自身の性感帯を慰めながら、夢見心地で愛しき肉棒へ想いを馳(は)せ続ける。

 




長いので前編,後編に分けようかと考えたのですが、導入部分もまぁまぁ大切なので一つに纏めて投稿しました。
今回は純粋に竿役が酷い目に遇う事も無い、薄い本界隈ではありふれている感じの作品にしました。こういうのも良いですよね。

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