ディアボロス教団であり、今回の1件に大きく関わっていると思われる鎧の男。
そいつに関する事である。
カラスによる追跡は行ったが、現状、奴らの目的は分からない。
「それで、鎧の男がこの学園にいる可能性があると」
「あぁ、カラスによる追跡である程度は分かった。
でも奴が、何を目的にこの学園に何か変わった事はあるか?」
俺は、そのまま尚文に相談する。
「・・・強いて言えば、ディアボロス教団か押収したアーティファクトか」
「・・・なぁ、尚文」
「分かっている、明らかに関係している」
そう、俺達は、変わりなく会話をしている時だった。
午前中最後の授業が少し早めに終わった。
「今から生徒会選挙の候補者と応援の生徒会長の演説があるので、みんなまだ席を立たないように」
先生が先走る生徒達に言った。
「どうでもいいけど三年って今どこ行ってんだ」
「さぁ」
「三年生はですねぇ、今週は課外活動で……」
そう、クラスの中では先生の話よりも自分達の話題で言い始めていた。
すると教室の扉が開いて二人の女生徒が入ってきた。入れ替わりで先生が出ていく。
確か、今の生徒会長のローズ・オリアナだったか?
尚文としては、既に情報を手に入れており、王族という事で少し苦手意識があるようだ。
「えっと、本日は先生に貴重な時間をいただきまして、生徒会選挙の……」
そう、話し始めた瞬間だった。
俺も尚文も何かを感じた。
「・・・おい、尚文」
「あぁ」
周囲はまるで何も気づいていない様子だった。
それと共にシドの方を見る。
シドの方は既に何かを感じており、その手で何かを動かしている。
その中には、シドが隠しているスライムスーツの一部を動かしている。
だけど、その動作が可笑しい。
「ちっ!」
「ちょっ」
それと同時に、尚文は駆け出す。
同時に、俺もまた、後ろへと下がる。
なるべく目立たないように。
同時に鍵を取り出しながら、ステータスを確認する。
「魔力は無くなった訳じゃない。つまりは吸収系」
それと共に、先程の尚文の話を思い出しながら、状況を確認したい所。
「にしても、まさかこういうの久し振りにやるとはな」
「これはこれで、王道的で良いよねぇ」
すると、何時の間にかシドが隣にいた。
「・・・シド、一応聞くが、この状況はどう思う」
「くくっ、中々に良い展開じゃないか、まさしく影の実力者が発揮する良い場面だ」
「そうかよ」
それと共に、俺は呆れながらため息を吐く。
相変わらずの様子で、何よりだ。
「それにしても、尚文は何をしに、飛びだしたの?」
「まぁ、今回の1件に関係がありそうな奴を護りに行った」
「なるほど、つまり、もしや尚文が主人公なのか!」
「・・・まぁ、ある意味、間違ってはいないな」
とりあえず、こいつを気分良く働いて貰う為に、尚文には犠牲になって貰おう。
すると、シドはさっそく、目的の人物である尚文を見つけた。
「おぉ、あれか」
すると、尚文は既に戦い始めていた。
おそらくは研究者だと思われる少女の前に現れて、盾でその攻撃を防いだ。
同時に、騎士である二人と連携を行っているようだが。
「やりにくそうだねぇ」
「尚文の力を最も発揮してくれるラフタリアちゃんとフィーロがいないからね」
この状況でラフタリアちゃんは人質と共にいる。
現状、魔力が使えないとはいえ、多くの実戦を経験しているラフタリアちゃんならば大丈夫だろう。
「ふむ」
「・・・おい、シド」
すると、シドは目を輝かせていた。
「ベテラン騎士に若い騎士!そして護衛対象である少女!そして、学園にいた主人公!なるほどぉ、これはなかなかにぃ」
「・・・・」
駄目だこいつ、早くなんとかしないと。
「さてっと、この状況では」
「えぇ、どれにするの!僕、そういうのも結構好きなんだよねぇ!!」
「あぁ、もぅ五月蠅いなぁ、たく」
とりあえず、俺が出来る事は尚文が無事に情報を集められるまで援護に徹するしかない。