俺とシドの行動は基本的に傍観である。
俺自身は、守護者を召喚する事が出来なければ、戦闘ではほとんど役に立たない。
人質を考慮しない動きを行えばなんとかなるが、それでは問題が大きすぎる。
魔力を使えない現状では、尚文達がこの状況をどうにかしてくれるのを待つしかない。
そして、シドは。
「防御力に優れているとは聞いていたけど、それ以外にも機転がある。盾の使い方もそうだけど、全体を見る力もある」
尚文達の動向をまるで、映画を見るように優雅に観察している。
改めて、シドは基本的に思考は狂気に満ちた中二病である事は変わらない。
魔力が使えない状況ではあるが、必要最低限の魔力で学園内のディアボロス教団を次々と殺していく。
それらの行動は、シャドウガーデンの面々が動く為の準備に尚文達の動きも助けている。
「いやぁ、これで夜におけるシチュエーションはバッチリだね!」
この思考がなければ、本当にバッチリだよ。
しかし、そんなシドだが、腕を組みながら見ていた。
「にしても、ネームドキャラではあるけど、果たしてこのまま進めたら良いのかなぁ」
「というと」
それと共にシドはある程度の事実を予想しているだろう。
奴自身は未だに遊びであると考えている。
だが、そんなシドの表情を見るに。
「嫌なシナリオなのか?」
「そうだね、まぁ、ある程度は話していたからね。それに状況的に見たら、黒幕は分かるでしょ」
「そうか」
まだ、そこまで調べた訳ではない。
だけど、少ない情報と共に既に羽川さんにある程度情報を貰い、結論も出ていた。
「本当に嫌になるよ」
「まぁ、悪役としての設定は満点だけどね」
「人間としては最低だがな」
その言葉に同意するかのようにシドは首を縦に振る。
「それで、今回は何を召喚するつもりだ?」
シドはそう、俺に対して問いかける。
その最中で、これまでの鍵を見ていく。
傍観するしかない俺達は、今、ゆっくりと夜になるのを待つしかないが。
「……シド、少し付き合ってくれないか」
「えぇ、僕は尚文達の活躍を見てみたいのにぃ」
奴らの動きに釘付けになっているシド。
だけど、こういう時、どうすれば良いのか。
「そうか、こういうスーパーエリートエージェントのような活躍にはシドが必要だったのに」
「スーパーエリートエージェントっ!」
瞬間、シドは思わずこちらを見る。
「そうだ、今から敵の様子を観察しながら、重要アイテムを奪取する。
そして、奴が重要アイテムを取りだそうとするが、それがない。
そんな時に」
「捜し物はこれかと現れる影の実力者! 良いねぇ!!」
シドは目を輝かせて立ち上がる。
「よし行こう! さぁ行こう!! すぐにでも行こう!!!」
単純な奴め。