「おぉ! なんか寝ていたら、何時の間にか辿り着いた!!」
「それは良かったです」
目的地であるリンドブルムへと辿り着くと共に、デルタは大きな声を出しながら、周囲に注目を集めていた。
それを見ながら、ニューは愛想笑いで答える。
その後ろにいる俺という犠牲を見ないように。
「ニュー、マジでヤバいから」
「というよりもソラは、なんでそんなにぐったりとしているんですか?」
「……さぁ、私には分かりませんねぇ」
ニューがこちらの方を見ないようにしている。
本当に、今は不味い。
「ほら、ソラもさっさと「何、ソラ様を困らせているんだ」あぁ?」
同時に俺を起こしている影。
見ると、そこには。
「ゼータ様」
「おぉ、りっ、じゃなくてゼータか」
すると、そこにはゼータが俺に肩を貸してくれた。
同時にゼータはため息を吐きながらも。
「おい、雌猫、なんでお前がここにいるんだ?」
「聖域を最も調査したのが、私だからだ。何よりもソラ様と行動するんだったら、私が一番適任だろう。
という事で、帰って良いよ、ワンちゃん」
「お前が守れるとは思えないねぇ、その点ではこっちが一番なのです!」
「強さは関係ないよ、だって、ソラ様には守護者がいるからね。そういう点では私のような技術の方が必要なのさ」
「やるですか!」
「あぁ」
それと共にデルタとゼータの2人は睨み合っている。
この状況はかなり不味い。
ただでさえ、この先、大きな戦いがあるのに。
「……さて、どうしようか」
「どうすると言われても、私に何か考えがあると思いますか?」
「うぅん」
この状態の2人を止める方法など、ほとんど皆無に等しい。
せめて、ここで目立つのを防ぐ方法だけでも考えないと。
そう思いながら、俺は周囲を見渡した。
「とりあえず、まずは目立たない場所に行きたいな」
「確かにそうだね、このままじゃ、目立ち過ぎるからね」
俺の意見を聞いて、ゼータもまた同意してくれた。
それにしても周りからの視線を感じる。
それもかなり珍しい物を見るような視線だ。
「おい、なんだ獣人同士の喧嘩か?」
「しかも、なんか男を取り合っているようだけど」
「ヤバくない」
「「……」」
本格的に目立ち始めた。
それに対して、俺達は冷や汗を掻いている。
「とりあえず、何か、美味い物でも食べに行くか?」
「そ、それが一番ですね。そして、これからの事を考えましょう」
「そうだね」
俺とニューは、なんとかこの場を納めるように言う。
すると、デルタとゼータは。
「肉!」「魚!」
その言葉を同時に告げた。