女神の試練が行われる場所へと辿り着いた。
既に侵入ルートの幾つかは把握しており、行動は何時でも出来る。
だけど、今回はある意味大人数で移動する為に、会場で待ち受ける必要がある。
「という事で、なんとか出来ないか?」
「なんとかと言われても、その状況を俺にどうしろと」
そう言いながら、俺は現状、両腕に引っ付いているデルタとゼータをなんとかして貰う為に為に尚文に聞く。
昨日の夜の行為が終わった後も、デルタとゼータは決して離れようとせずに互いに睨み合っている状態だ。
一応は、周囲には顔が見られても、正体がばれないようにしているが、それでもかなり目立っている。
「どうにかしてくれよ。お前なら何かできるんだろ? 盾なんだし」
「無茶を言うな! というか盾だからって何でも解決すると思うんじゃねえ!」
「それは、そうだけどさぁ」
これからの作戦の為にも、2人をどうにかして欲しいんだけど。
こうなったら、同じ獣人であるラフタリアちゃん達ならば。
「えっ、私に!?」
「私は……えっと、ナオフミ様次第ですかねー」。
くそぅ……頼れる仲間はいないのか!
「デルタ、ゼータ、何をしているのかしら?」
「ひっ!!」「っ!」
すると、背後から話しかけてきたのは、アルファだった。
なるべく隠密行動を行う為であったらしいが、こちらに来ていたらしい。
「えっと、アルファ様、これはその」
「彼と久し振りに会えて、はしゃぐ気持ちは分かるけど、作戦が終わってからにしなさい」
「うっ、分かりました」
アルファからの鶴の一声で、ようやくその場は治まった。
全く……これで本当に大丈夫なのか? 不安しかないぞ。
まあ良い、今はそれよりも、女神の試練が起きた時にどう動くかだ。
俺が、鍵を開ければ、ドアが開かれるのはすぐに分かる。
だからこそ、なるべく目立たないように行動しておきたいが。
「タイミングは?」
俺はアルファに問いかけると、コクリと静かに首を縦に振った。
「おそらく彼が」
そう、アルファはまるで確信をするように言う。
それに対して、俺と尚文は互いに見つめる。
「……今回、上手にやると思うか?」
「まぁ、やるんじゃないのか?」
俺は少しだけ嫌そうな顔をしつつも答えた。
それから女神の試練が行われた。
各々が目立たない場所で待機しながら、俺達は待ち構えていた。
同時に女神の試練は順調に行われる。
そんな中、シドの名前が聞こえる。
「……んっ、これって不味くないか?」
というよりも、なぜシドの奴が女神の試練に参加しているんだ
まさか、奴は、何か目立つ為にと思ったが、見ると奴はこれまでのモブを徹するようにな顔をしている。
だが、俺と尚文は直感的に理解した。
「「あっ、これ、あいつ自身も想定していなかったな」」
シドは中二病であるが、それは影の実力者として行動をしている。
だからこそ、こういう目立つ行為は避けたいはず。
「……そう言えば、この前の学園の時から、何やらシドの奴、王女様に好意を寄せられたと聞くけど」
「確か生徒会長だっけ? だけど、そんな嫌がらせをするようには」
「……嫌がらせじゃなくて、もしも恋人になる為の方法だとしたら」
「あぁ、なるほど」
それと同時に、俺達はなんとなく察した。
そして、シドがこちらを見ている。
遠くの会場ではあるが、ある程度場所も分かる。
それと共に。
『これ、どうしたら良いの?』
『『知らねぇ』』
まさか、シドの思考に同意する時が来るとは思わなかった。