「さて、銃の聖武器を手に入れたのは、良いけど、あとは勇者を探すべきだけど」
未だに、俺はこの聖域に関して謎が多すぎる。
何よりも、1人なので、どこに向かえば謎だ。
だからこそ、俺が取るべきは。
「とりあえずは開けまくるか」
そう、俺はすぐに眼前にある扉へと目を向ける。
目の前にある扉は、強固に閉ざされている。
だが、俺の持つ鍵は、それらを開く事が出来る。
鍵を開いた先。
そこから待ち受けるのは。
「全く、本当にどうなっているんだが」
死体の山。
既に破棄されたと思われる兵器。
最初に、この世界に来た時には、同じファンタジーの世界かと思ったが、実際には一度滅びて、再度発展した世界。
その証拠が、改めて俺の目の前に広がっている。
そうして、俺が扉を開ける。
「今度は、真っ白な空間かって」
「あぁ?」
すると、俺の目の前にいたのはデルタだった。
それも全裸の。
「一体、どういう状況」
「おぉ、まさか、そこから出てきたのか!」
そう、デルタは驚いたようにこっちを見ている。
「というよりも、どういう状況なの?」
「合流出来たようね」
「んっ?」
すると、そこにはデルタ以外にもアルファもいた。
それと見れば、そこにはアレクシア様にローズ先輩もいた。
その横にはなぜかベータがいたが。
「これって、どういう状況?」
「そこにいるディアボロス教団のネルソンとデルタが遊んでいたのよ」
「貴様、戯れ言を!何よりも、その小僧が何を」
そう、ネルソンが言っていると、俺の手に持っている物を見て、驚きを隠せなかった。
「なっ、なぜ、それを貴様が持っている!」
「それ?」
すると、周囲は、俺の持つ銃へと注目した。
「あれって、銃?」
「だけど、なんで」
すると、アルファもまた驚いた様子だった。
「まさか、既に見つけていたとはね」
「聖武器同士は引き合うみたいだからな」
「聖武器?」
その単語を初めて聞いたローズ先輩は首を傾げる。
「神から与えられ、勇者と呼ばれる者に渡される武器。
それらは世界を救う力を持つ。あの銃はその聖武器の一つだけど、ディアボロス教団が管理していたようね」
「長年、我らの中で勇者を探していたがっ、見つからず、他に渡らないように管理していたはずっ、だが聖武器が引き寄せるという事は」
「そういう事、俺も一応、勇者な訳」
それを聞いて、ネルソンは笑みを浮かべる。
「ならば、貴様を捕らえ、実験すれば、勇者を生み出せる訳か!これは願ってもない収穫だ!」
そうすると、ネルソンは既に100を遙かに越えている。
「うわぁ、キモ」
それに対する正直な感想を呟くと同時に、俺はデルタをそのまま抱える。
「えぇ、何をするんですか?デルタはもっと狩りたいのに」
「いや、面倒だから、一気に終わらせるんだよ」
「終わらせるだと、貴様、何を言って」
そう、ネルソンが1人、倒れた。
「なっ、これは」
「あぁ、とりあえず聞くけど、向こう側には、こっち側の人間はいないんだな?」
「えぇ、それは問題ないわ、けど、相変わらず無茶苦茶なのね、守護者というのは」
「守護者だとっ!」
同時に、ネルソンは、自分に襲っていた正体に気づく。
俺の後ろに立つ少女。
「女の子?一体、何時の間に」
「まさかっ、女神の試練のオリジナルっ」
「オリジナル?」
それに対して、首を傾げている様子。
「まぁ、それがどういう訳か分からないけど、とりあえずは」
「鼠の守護者、ペストよ」
そう、俺が言うよりも先に、ペストがその名を告げた。
「がはぁ、一体これはっ病っ、しかし、なぜ治癒がっ」
「まぁ、ペストの力はどちらかというと概念に近いからな。黒い風の中にいれば、病となり死ぬからな」
「がっがぁぁ」
そうしながら、次々とネルソン達は死んでいく。
「これって」
「という事で、後ろに下がってろ、ペストがコントロールしてくれるから、こちら側に来ないようにしているけどな」
俺の顔は、見られないように注意している。
最も、デルタが俺の上に乗っている為に、問題はないと思うが。
「さて、もうそろそろ良いだろうな、私はこれで帰るわ」
「お疲れ様っと」
そう、ペストの言葉と共に、姿が消える。
同時に先程まで白く染まっていた空間は消えた。
同時に。
「うわぁ、マジか」
そこには、失神しているネルソンがそこにいた。
「一体、何が」
「分身を操っていただろうけど、どうやら痛みまで伝わったんだろうな」
「痛み?」
それに対して、疑問の声が出た。
「ペストは、死の恩恵を黒い風に乗せて与える。だからこそ、奴は本来だったら断っていたはずの痛みも流れた。死に対する恐怖も。
それらが全て、奴の中に襲ったんだろうな」
「数で圧倒した結果、反対に苦しんだ訳ね」
アルファは素直な感想を呟く。
その時。
「アルファ様、調査が終わりました!」
「イプシロン。なら下見は終わりね」
同時にそのまま、踵を返し引き返す。
「待って、あいつは」
「どちらにしても、人間としては終わっているだろうな、あらゆる恐怖を感じたから」
そう、俺は鍵で既に扉を開いた。
同時に、俺はそのまま歩く。
聖域での、未だに分からない事は多い。
もしかしたら、まだ聖武器の情報が残っている可能性がある。
「まぁ、それも、また今度にするか」
そう呟きながら、脱出してから、一時間後ぐらいだった。
聖域があったと思われる場所は、思いっきり爆発した。
「・・・デルタ、あれって」
「おぉ、ボス!凄いです!!」
聖域は、シドの馬鹿によって破壊されてしまった。