※この作品はR-18です。

鍵の勇者の召喚記   作:ボルメテウスさん

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名探偵猫猫

俺達は、尚文の紹介で、無事に案内された。

その場所へと行く道中、俺と猫猫は変装を行っていた。

なのだが。

 

「・・・主よ、一つ聞きたい」

「なんだ?」

「なんで、私達は、このような格好をしているんですか」

 

そう、猫猫は問いかけてきた。

俺達が現在、身に纏っている格好はいわゆる探偵と言える格好。

猫猫は普段とは違う格好であり、推理のメインは主に猫猫という事もあり、彼女はシャーロックホームズを思わせる格好をしている。

対して、俺は、ワトソンを思わせるスーツを身に纏っており、所在がバレないように変装もしている。

そんな俺達を見てか。

 

「尚文君、本当に彼らを、その信用しても良いの?なんだかとっても怪しいのだけど?」

「・・・まぁ、多分、大丈夫でしょう」

 

前の方で、こそこそと話している声がかなり聞こえているぞ。

というよりも、そこはちゃんとフォローをして欲しい。

なんとか、俺達はすぐに目的地へと辿り着く。

どうやら、武神祭の観覧席であり、アイリス女王以外にも、貴族が多く見られる。

 

「あの、アイリス様、そこにいる方は?」

「えっえっと、この方達は、尚文君の紹介で来てくれた子達よ。

なんでも将来が有望らしく」

 

そう、どうしたら良いのか迷っているアイリス様。

だが、そんなアイリス様が話している間に、誰かが来た。

 

「尚文、あれは?」

「あぁ、例の国王だ」

 

尚文は、それと共に、俺はその方向を見る。

オリアナ国王の目を、俺は見る。

その目は、見る限りでも虚ろであり、確実に怪しい。

だが、周囲は、それを見ても特に可笑しいとは思っていない様子が見える。

 

「さて、どうしたらって」

 

俺がそう悩んでいると、ふと猫猫がオリアナ国王に近づいていた。

 

「・・・ふむ」

「何かな、そこの娘は」

 

猫猫の態度に、近くにいる部下の男達を見る。

 

「あぁ、なるほどねぇ」

 

それに対して、猫猫はそのまま頭を掻く。

同時に面倒臭そうに、そこから離れる。

 

「おい、貴様、国王の前で無礼だぞ」

 

そう、猫猫に対して、近くにいた部下が前に出る。

 

「無礼ですかねぇ、既に自分の意識もないそこにいる方に」

「っ」

 

その猫猫の一言。

それに対して、部下の顔は一瞬だけ驚きを隠せない様子だった。

 

「意識がない、それって、どういう事なの」

 

そこに、アイリス女王は疑問に思ったのか、問いかける。

 

「いやぁ、これを言ったら、絶対に周囲の人、私達を殺しに来るでしょう。

だから言う訳にはいきませんよぉ、とてもじゃないけど」

「貴様」

「だって、そうでしょ、私が無礼である事や、理由をつけてね。

どのような証拠を並べても」

 

そう、猫猫はあえて、アイリス女王の方へと目を向ける。

まるで、試すように。

その視線を見て、アイリス女王は。

 

「・・・分かりました。では、この場における彼女の話を聞きましょう」

「アイリス女王!何を」

「彼女の言葉が偽りだった場合、責任は私が取ります」

 

そう、アイリス女王の言葉と共に、猫猫はそのまま頭を下げる。

 

「そうですね、まず、私が注目したのは、国王様の瞳でございます。

目の焦点が合っておらず、どこか虚ろな状態となっています。

これによって、この方の意思はほとんどない状態となっています」

「何を馬鹿げた事を言って」

「ならば、国王様、質問でございます。こちらにおられるお方が、これまで行った事、答えられますよね」

 

そう、猫猫は、俺に向けて言う。

 

「まさか、知らない訳はないですよね、あれ程の有名なお方を」

「知っている」

 

そう、猫猫の質問に対して、王様は肯定するように言う。

だが。

 

「そうですか、まぁ、この男はいわゆる面倒な男で、結構な女と関係を持っていますが」

「間違ってはいないけど、その言い方」

 

猫猫の毒舌に対して、俺は思わずため息を吐く。

 

「まぁでも、有名なのは私の国ですからね、もしも国王様が知らなくても、仕方なかったのですが」

「・・・なんで、嘘を」

 

アイリス女王は、そのまま国王を見つめる。

 

「それは、勿論。自分で判断が出来なくなっているからですよ。文字通り、人形のようにされて」

「どういう事なの」

 

そうしながら、猫猫は国王に近づく。

 

「国王様の口元から僅かに見える涎のような後、そして髭に染みこんでいる甘い香り。

これは、おそらくは違法な薬物の匂いでしょう」

「なっ、なぜ、国王が、そんなのをっ」

「おそらくは、それを飲ませて、傀儡にしようとした奴がいたんでしょう。まぁ、このような虚ろな状態ですから、常に人形師のように近くにいる男が怪しいと考えますが」

 

猫猫の、その一言。

同時にアイリス女王の視線は、その部下へと目を向ける。

 

「なっ、アイリス女王、何を考えておられるんですか!」

「先程までの話で、少し私も心当たりがありますので。詳しい話を聞かせて貰えないでしょうか、ドエム・ケツハット」

「「「・・・」」」

 

そう、真剣な場面だろう。

だけど、俺達は、その名前に対して、思わず笑いそうになっていた。

 

「ちっ、何を言って「あぁ、でしたら、国王ご本人に聞いてみますか?」はぁ?」

 

すると、猫猫は俺に持たせた鞄から道具を取り出す。

 

「私、こう見えて薬剤師でね、大抵の毒の知識はあります。

そこまで薬が回っている状態ならば、完全に治す事は出来ませんが、一瞬だけ意識は取り戻せるでしょうね」

「陛下っ「薬、飲んで貰っても宜しいでしょうか、国王様」っ」

「分かった」

「良かったです、国王様からの許可を貰いましたので」

 

ドエムはすぐに国王に向けて、何かを言おうとした。

だが、それよりも、猫猫の言葉が先だった。

そしてそれに対して国王が答えた。

 

「それでは、準備を始めますので、少々、お待ちよ。

その間の見張りを誰かを」

「それじゃ、私がやろう」

 

そう、名乗りだしたのは、ハンバーガーを食べている女性だった。

 

「べっベアトリクス様がっ」

「何か問題でも?」

 

それに対して、反対する者はいなかった。

だからこそ、そのまま、そこから離れる事にした。

 

「それにしても、よく分かったね」

「えっ、半分、嘘っぱちだけど、そこははったりと言っておくわ」

 

猫猫は、少し放れた所で、疲れたように言う。

 

「えっ、そうなのか?」

「嘘って、どこからなんだ?」

「薬を飲めば、正気に戻るって所。その前は本当だけど」

 

猫猫は面倒そうに言う。

 

「つまり、傀儡にされているのは、本当なのか?」

「一瞬だけ匂ったけど、あの匂いは麻薬に近いね。おそらくは一種の依存症になっており、そこから思考が停止している状態になっているね」

「それじゃ、元に戻す事は」

「無理だね、戻そうと思っても、何年もかかるけど」

「だったら、どうするの?」

 

そう、ベアトリクスが問いかける。

何時の間にか、乗り気になっているけど。

 

「その、協力してくれるんですか?」

「そうね、あそこにいた男は気に入らないのもそうだけど、君達、何か面白そうだから」

「そっそうですかぁ」

 

余りにも天然過ぎる回答に対して、俺も猫猫も困惑を隠せなかった。

 

「それで、どうするの?」

「正気を戻す事は出来ないんだったら、証拠を見せれば良いと思う。

だから、盗む」

「盗むって」

「あのドエム野郎の所から」

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