※この作品はR-18です。

鍵の勇者の召喚記   作:ボルメテウスさん

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猫猫の罠

 あれから俺達は、その打ち合わせをした。

 

 簡単で単純。

 

 騙されるかどうかも分からない程の。

 

「それで、薬を作る事は出来たんですか?」

 

「それが、なかなかに難しいですね」

 

 アイリス女王の問いかけに対して、猫猫は頭を下げながら答える。

 

「やはりガセでしたか、これだから」

 

「えぇ、本当に困った事に。薬の解析をするには、設備が足りなかったので」

 

 ドエムの奴は、そんな猫猫の言葉に対して笑みを浮かべていた。

 

 本当に、王の麻薬の効果を打ち消すような薬を作り出されたら、ドエムの奴にとって不都合だ。

 

 だけど。

 

「はっ、やはりこのような探偵に頼りにはなりませんな」

 

「えぇ、本当に、薬を持っていた奴を見つける事は出来たんですけど」

 

「っ」

 

 その一言が、ドエムの表情は一変する。

 

 それは余裕の表情はなんとか保とうとしている。

 

 だが、そんなドエムに対して、猫猫は俺に目を向ける。

 

「このように、薬は容器の中に入っていました。王宮内で発見されました。それを拾った人物は、どうやらそこにいる方に近い方でしたねぇ」

 

 そう、猫猫はドエムに問いかけるように言う。

 

 ドエムは、ぎっと猫猫を見つめてから、口を開く。

 

「証拠はあるのか」

 

「証拠と言われましても、私にはこの薬を見つけるのがやっとでしたので。

 

 何よりも、この薬を見つけるだけでもやっとでしたので」

 

 そう、猫猫はわざとらしく言う。

 

 それに対してドエムは。

 

「そうか、どうやらこれで理解した」

 

「と言いますと?」

 

「お前達が王を愚弄する気である事が」

 

(はい?)

 

 俺は思わず心の中で声を上げてしまった。

 

 だってそうだ。いきなり話の流れが変わるんだから。

 

「……どういう事ですか? どうしてそうなるんですか?」

 

「簡単なことだ。貴様らが持つその器。それが毒という証拠があるのか!」

 

「そうですか、私はこの薬だと確信していますが」

 

「なぜならば、それが貴様のその毒の器は、まるで違う物だからぁ!」

 

 そう、ドエムは俺達に向けて、叫ぶ。

 

 それに対して、周囲は静かになった。

 

 それが何を意味するのか。

 

 そして、猫猫は裾で口元を隠し。

 

「やっぱ、馬鹿なんだなぁ」

 

 小声で、呆れたように言う

 

「何が可笑しい」

 

「いえ、私はこれが発見した毒だと言っただけです。器は確かに違いますよ、ほら」

 

 そう猫猫は、自身の懐から、先程の毒が入っていた器を見せる。

 

「えっ」

 

「器の形を知っているのは偶然かそれとも、元々知っているんですか。毒が入っていた器を」

 

 その瞬間。

 

 ドエムは、既に終わっていた。

 

「さて、どうやらドエム・ケツハット殿。あなたには聞かなければならない事が出来たようですね」

 

 その瞬間、アイリス女王を含めて、その場に居た全員が立ち上がる。

 

 そんな中で、ドエムを捕らえようとする。

 

 しかし。

 

「幸い、試合の方へと夢中な様子で」

 

「っ」

 

 それと共に、窓が閉められる。

 

 そして、それと共に、現れたのはおそらくはディアボロス教団の人員だろう。

 

「……聞きたいが、猫猫、戦闘能力が」

 

「あると思いますか」

 

「だよねぇ」

 

 俺達はどうするべきか考えていた。

 

 だけど、こういう時には。

 

「例え、闇の中だろうと、真実は晒されるという事」

 

「まさかっ」

 

 だが、瞬間、その闇の中から現れたのはシドがシャドウとして姿を現した。

 

「タイミング、狙っていたな」

 

「そうだねぇ」

 

 俺と猫猫は、そう呟いた。

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