「何か問題でも?」
「正直に申しますと、あの男だけでは生き残れるとは到底思えません」
「えぇ、そうですねぇ」
「ならば」
「ですが、それは1人の場合です」
「というと?」
「あのお方を敵に回す必要はありません。何よりもあの方が敵となるような事をしなければ良いのですから」
「それは一体」
「悪行でしょうね、度を超した」
「さて、ここが紅の塔ね」
俺は、ユキメに促されるがままに紅の塔へと向かった。
出会っていない間に、彼女の身に何が起きたのかは、俺は知らない。
もしかしたら、この出来事自体も罠の可能性もある。
そう、理解しながらも、この塔には用がある。
「あぁ、まさか、こんな所で無謀な奴が出てくるとはなぁ」
そう、俺が紅の塔に入ろうとしたら、上から何か声をかけてきた。
見ると、そこには凶器染みた目でこちらを見つめる白髪の男がいた。
片手は失っており、その脚には鎖がある。
それだけでも門番にされており、囚われているのは一目で分かる。
「退け、悪いが、こっちは少し用事があるんだ」
「あぁ、退けって言う程に、お前が強いのかよぉ!!」
そう、白髪の男は、その手に持つ武器をこちらに向かって、襲い掛かろうとする。
だが、俺はそれに合わせるように鍵を一つ取りだし、そのまま発動する。
「現れろ、羊の守護者」
同時に、白髪の男は吹き飛ばされる。
それは、俺が召喚した守護者が放った鉄球によって、天高く、吹き飛ばされる。
そのあまりの威力に、その男の脚を拘束していた鎖は引き千切られてしまう。
「メイド、レム、ただいま参りました」
ふわりと、地上へと降り立つと同時に黒いメイド服を身に纏い、青髪にメカクレをした少女レムがそこに立っていた。
そう、レムは、そのまま俺の横で頭を下げる。
「おぅ、ありがとう。それで気になっていたけど、ラムさんは」
「ラムに何か用かしら」
すると、その正反対の場所にラムが現れた。
その見た目はレムとうり二つだが、その髪色はピンク色であり、一部がレムよりも小さい。
「どこを見て言ったのかしら」
「いいえ、何も。
それよりも手伝ってくれるかな、ちょっと、あの塔で調べ物をしたいんだけど」
「嫌よ、面倒くさい」
「えぇ」
その言葉に対して、俺はどうするべきか。
「レムはお手伝いします!」
「なんか、いつもありがとう」
「そもそも、この塔に行く必要があるのかしら?」
「まぁ、そう考えるのも仕方ないけどね、どちらにしても」
俺は、空を見つめる。
「なんだか、直感だけど嫌な予感がするんだよねぇ」
ユキメに言われた事がきっかけだけど、同時に俺自身も気になっていた。
なので、ある意味丁度良いと考えて、乗り込む事にした。
「本当に曖昧なのね、まぁ、良いわ。
塔を登っている間は、ラムの脚になっておきなさい」
「また、面倒な、まぁ良いけど」
この紅の塔での探索を行う際に、呼び出したのはラムを目的にしていた。
「それじゃ、レム、護衛をお願い出来るか?」
「はい、姉様とソラ様は、レムが守りますので」
そうしながら、速効で吸血鬼だと思われる存在をすぐに倒した。
幸い、今は昼。
吸血鬼の弱点である日を剥き出しにさせれば、問題ないだろう。
「それじゃ、行くとするか」