紅の塔の内部を進む。
その際に、俺達が行った行動としては、かなり大胆な作戦であった。
「なんというか、ここまで派手に壊すとは」
俺は、周囲を見渡しながら見る。
その先には、紅の塔の壁や天井をレムが破壊していた。
「えっと、いけなかったんでしょうか」
「まぁ、ある意味、戦術としては間違っていないけどな」
この紅の塔の中を支配しているのは、ほとんどが吸血鬼。
ある意味、ファンタジーの世界では馴染み深い種族。
「かなりの強さを誇っているけど、その分、弱点はかなり分かりやすいからな」
吸血鬼の弱点である太陽の光。
それを晒す為に、こうしてレムが破壊している。
同時に、敵の位置はラムの力によって、把握している。
「なんとか資料室の近くに行きたいんだけど」
「・・・ソラ様、他に気配が」
「吸血鬼が雇った刺客か?」
そう考えていたが、俺達の前に現れたのは黒いフードを身に纏った人物達。
そこに見覚えがあった。
「んっ、もしかしてベータか?」
「お久しぶりです、ソラ様」
そこにいたのは、まさかの人物だった。
ここに来ていたのは、俺達だけだと思っていたので、まさかいるとは思わなかった。
「なんでここに?」
「実は、シャドウ様が赤い月の予言を察していた様子なので。
既にこの地にも訪れている為、我々は先んじて調査を」
「あぁ」
たぶん、赤い月だなぁと思っていた程度の言葉だと思うが結果的には助かる。
「それで、ここの調査という訳か、資料室の場所は」
「既にここに。
そして、この紅の塔の本来の主が復活すると風の噂で」
「・・・そいつも止めないといけないという訳か」
「はい、なので」
「あぁ、とりあえずは、そこの鍵を開けるわ。
案内頼めるか?」
「了解しました、その後は」
「そいつをなんとかしてみるわ」
元々、潜入を目的に紅の塔に入ったが、その情報を無事に持ち帰れるのか。
そして、それが本当に必要な情報なのかどうか確かめるにも、人数があまりにも足りない。
それを考えれば、ベータを含めたシャドウガーデンがここに来てくれたのは丁度良かったと言える。
「それじゃ、とりあえず、ここに来たメンバーに関して、あぁ」
それと共に、俺は、そこにいるメンバーを見る。
その中には、かなり見覚えのある人物が1人いた。
「えっ」
こちらの顔を見て、その人物、ローズ先輩もまた目を見開いていた。
「・・・666番、彼の正体に関しては、極秘よ」
「あの、ベータ様、あの方は」
「鍵の勇者様、シャドウガーデンの協力者の1人よ、この場においては本当に心強い人物よ」
「心強いですか」
そう疑問に思っている声を背後に、そのまま案内された。
その場所は、厳重な扉で閉ざされており、侵入するのは難しそうだ。
「こちらです」
「んじゃ、開けるか」
その言葉と共に、俺はその扉を開ける。
同時に、発動するはずの罠も、鍵を通して、解除され、そのまま開かれる。
「罠も発動しない?」
「鍵の勇者は、この世のあらゆる物を開閉する事が出来る。例え、どのような物でもね」
「それじゃ、俺はこの辺で、上に登ってくるから資料は後で」
「お気を付けて」
そのまま、俺はベータ達を資料室に残したまま、そのまま上へと登っていく。