「……まさか、力を封印出来るなんて、思いませんでした」
あれから、俺は紅の塔にいた最後の吸血鬼ことエリザベートから詳しい事を聞き始めた。
どうやら、エリザベートという女性はどうやらかなり昔に眠っていたはずだった。
その時には自分の力が暴走してしまい、3日間で3つの国が壊滅的な被害を出したらしい。
だからこそ、自らを止める為自分の心臓を刺して、死んだはず。
「だけど、こうして生きているという事は」
「えぇ、どうやら、私は生きてしまったらしい。そして、ここにいる吸血鬼に利用されそうになったらしいけど」
そう、自分の身体を見て、驚きを隠せない様子だった。
どうやら、彼女の力を封印している結果なのか、力が暴走する心配はないようだ。
「というよりも、結構嬉しそう?」
「えぇ、まさか太陽の下で歩けるようになるなんて!」
そう言いながら、かなり喜んでいる様子であった。
どうやら、力を封印した事について、むしろ前向きな様子だった。
「これからどうするつもりだ?」
「そうね、どうしようかしら」
そう言っている時だった。
「エリザベート様」
「えっ、メアリーなの」
すると、何かエリザベートと似た赤い髪の女性が来ていた。
「赤き月の日だと思っていましたが、一体これは」
「……ふむ、どうやら問題なさそうか」
何やら信頼している人物だとは、その関係を見る限りでも分かりやすい。
「あなたは一体」
「んっ、まぁ鍵の勇者。少し用事があって、ここに来ただけだ。
そのついでに、このエリザベートに封印をかけた」
「封印、それは一体」
「吸血鬼としての力かな。まぁ段階的に踏めば、封印は解けるけど」
「そうなの? てっきり解けないのだと思っていたけど」
「嫌だったのか?」
「むしろ、解けない方が良いけど」
そう、エリザベートは言っているようだが、向こうは向こうで驚きに目を見開いていた。
「まさか、本当にですか」
「まぁ、はい」
どういう状況が未だに分からないけど。
とりあえず、封印を解く方法だけは伝えておく事にした。
吸血鬼の力を使いたくない事は、話していて理解出来たが、それでも必要な時が来るかもしれない。
「とりあえずはベータを通して、シャドウガーデン全体に情報を回しておこう。
他にも色々と情報の整理をしたいし」
紅の塔は、今回の1件で、おそらくは支配者がいなくなる。
それは、この無法都市をさらなる混沌に支配させる可能性はあるかもしれない。
だけど、とりあえずは世界が崩壊しそうな事件を止められた。
それだけは、良しとしよう。
「やり方はかなりエグかったけど」
「それは言わない約束で」