「勇者?」
その言葉を聞いて、その場にいた多くの人達はきっと疑問に思っただろう。
その言葉を知っているのは、僅かだろう。
「だけど、勇者だとしても!」
それと共に波によって召喚された魔物達が襲い掛かる。
その数は凄まじく、おそらくはこのままでは被害は甚大だろう。
しかし。
「開け、青龍の守護者!」
それと同時だった。
俺の手に持った鍵がそのまま天に向ける。
すると、鍵から出てきた青い光がそのままドアが現れる。
「久し振りと言いたいけど、とりあえずは」
ドアから現れたメリジューヌが現れると共に、俺の方に手を振る。
だが、それは一瞬。
そのまま、空にいる魔物達に目を向けると、その両腕の剣を交差させる。
すると、そのまままさしく青い流星を思わせる動きで、周囲にいた魔物達に攻撃を仕掛ける。
魔物達もすぐにメリジューヌに気づき、攻撃を仕掛けようとする。しかし、それよりも早く、まるで流れるように、そして舞うような攻撃を繰り返す。
その光景を見て、誰もが驚き、そして、呆然とした。
そうして、数秒後。
そこには立っている者は誰もいなかった。
それだけじゃない。
周りにいた人間達は、ただただ、目の前の出来事に対して理解できず、唖然としていた。
「へぇ、あのようなのもいたのか」
「……まぁな」
その横にはシャドウになりきっているシドがいた。
この状態のシドに対して、突っ込む奴はいない。
何せ、下手したら、こっちの方が強いからだ。
だから、今の状態なら大丈夫だろうと思い、俺は普通に会話をしていた。
「なんだっあれ! なんだあれ!?」
「鍵の勇者は世界を繋げる。知らなかったのか!」
「ならば!」
すると、アルバートは、こちらに向かって突っ込んで来る。
鎧の聖武器を持っているという事もあって、力任せに。
「だったら、見せてやろうか、守護者の連携を」
「なに?」
すると、俺は複数の鍵を取り出す。
「守護者、連結召喚! 蟹! 黄龍!」
その言葉と同時に、メリジューヌは消える。
代わりに現れたのは戦場ヶ原さんだ。
「いきなり呼び出して、まったく」
こちらに対して、ため息を吐きながらも、迫るアルバート。
「……なんだか息臭いわね」
「えっ」
同時に、そのままアルバートは空を飛ぶ。
蟹の守護者である戦場ヶ原さんの影響で重力が無くなり、重量のある鎧を着ているアルバートを簡単に吹き飛ばす事が出来る。
そして、それを見届けると同時に戦場ヶ原さんの代わりに現れたのは黄龍の守護者である立花響。
その拳は。
「真っ直ぐと貫く!」
「なぁっ!?」
その言葉に対して、驚きを隠せないアルバート。
同時に、拳は、そのままアルバートに一直線にぶつかる。
鎧には確かに拳は当たったが、鎧通しでの一撃だったのか、そのままアルバートは、そのまま遙か向こうへと飛ばされた。
「……」
その光景を見たシドはかなり不満そうだった。
「……お前、まさかとは思うけど」
「……出番、なかった」
「えぇ」
その一言に対して、俺は思わずため息を吐く。
「あのな、波は対処しないと、かなり不味いんだぞ」
「分かっているさ、んっ?」
すると、シドは何かに気づいた様子。
それに、俺も視線を向けた。
「なんだ?」
そう、呟いた次の瞬間だった。
俺達の目の前の光景が瞬く間に変わった。
「これって、まさか?!」
「転移かっ!」
以前のキョウで感じた強制転移。
それも自然の物の為、対処が遅れた。
俺達は、それに抗う事が出来ずに、そのまま転移をしてしまう。