ウルティマの活躍によって、俺達は無事にその場を脱出する事ができた。
俺達がその後、すぐに向かった場所は、かつて俺が滞在していた街だった。
この街では、亜人が多く住んでおり、盾の勇者である岩谷に対しても好感的であり、無実を信じてくれた。
そして、どうやら解放した子の中に、ラフタリアさんの知り合いがいたらしい。
その事に関しては、俺も知らなかったので、驚きを隠せなかった。
その後、1日の間、疲労の回復を務めた俺達。
だが、その間に、どうやら、フィロリアルの女王とされるフィロリアル・クイーンであるフィトリアから、様々な情報を教えてくれた。
彼女が、ここに来たのは、どうやらウルティマの気配を感じたのがきっかけであり、その危険性を確かめるように見に来たらしい。
「鍵の勇者は、過去にはいなかったのか?」
だからこそ、俺はその話題が気になり、聞いてみた。
それに対する返答は。
「いなかった。
そもそも、鍵の役割が未だに分からないから」
「鍵の役割」
それに対して、俺は疑問に思ってしまう。
最初に、シノンから鍵の勇者の守護者に関する説明を受けた際の言葉。
「世界を守る為の存在。
世界が混沌に陥らない為のシステムだと聞いたけど」
「それは、その守護者の言っている事は間違いはないでしょう。
ただし、この世界では、本当に初めて」
「この世界ではか」
フィトリアの言葉を聞いて、俺は妙な言い回しだと感じた。
「そうでなければ……」
そこでフィトリアは言葉を濁した。
言いたい事は何となくわかるような気がする。
「つまり、鍵は、この世界ではない何かという訳か」
核心には迫れていないようだけど、なんとなくは理解できた。
この世界で初となる鍵の勇者の出現。
今まで、鍵の勇者に関しての記述がされなかったのも、謎が多い事も納得できる。
ただ、ここで一つだけ疑問が生まれる。
鍵が世界を護るシステムなら尚の事、なぜ、このタイミングで俺が召喚されたのか。
その疑問が解けない限り、安心はできない。
まあ、今は疲れているし、考える時間が必要だと思ったので、休息を取る事にした。
そして翌日。
フィトリアの言葉を聞き、次に他の勇者と出会った時には、説得をしようと言う話になった。
岩谷は、未だに冤罪をかけられた事を根に持っている。
それでも、波からの脅威を。
そして、元の世界に戻る為にも協力をするべきだ。
「……はぁ、そうだな」
その事に関して、岩谷も同意してくれた。
そんな感じで話し合いを終えた後、俺達は次の町に向かって旅立った。