たぶん、この場面が好きな人は多数いますが、台無しにしてしまいました。
おそらく、今回出る守護者が戦闘になると、被害がかなりとんでもない事になると予想したので、結果的にこうなりました。
岩谷は、フィトリアとの約束を守る為に正面から関所を抜けようとする。
そこで、待ち受けていたのは、よりもよって、一番話が通じそうにない北村だった。
「元康、話がある。
こちらに戦う意思はない。
ここを通してくれれば、それで良い」
そう、北村に言う。
だが
「言いたい事はそれだけか」
「なに?」
「言いたい事は、それだけか!
盾の悪魔!!」
その叫びと共に、問答無用に槍で襲い掛かる。
それに対して岩谷は慣れたように、盾で受け止める。
「話も聞かずにか」
「洗脳の盾を使い、フィーロちゃんやラフタリアちゃんを奴隷として使う。
なんて、卑劣な」
「そんな盾はない」
「言い訳、するんじゃねぇ!」
そのまま、再び攻撃を仕掛ける。
「ちっ、話を聞け!」
そう、説得を続けようとするが
「思えば、俺がこの世界に召喚されたのは、お前を倒す為だったんだなぁ!」
そうまるでこちらの話を聞かない様子。
「お前、そんなにこの前、逃げられたのが悔しいのか」
そう問いかけようとする中で。
「お前にとって、錬や樹は、その程度だと言うのか」
「・・・なんで、そこでその2人の名前が出てくるんだ?」
そこで出てきた言葉に対して、俺は思わず首を傾げる。
「お前達が、2人を殺した事は既に知っているんだ」
「はぁ、またかよ。
お前なぁ、その情報は本当に合っているのか」
「教会の影からの確かな情報ですわよ。
鍵の勇者によって、支配された街で姑息な罠をかけて、2人を殺害した
「空っお前まで」
「いやいや、支配されたって」
俺は思わず、呆れてしまう。
「なんだって、その街の領主は暗殺された。
それによって、亜人達が大きく支配地を広げている。
それは紛れもなく、敵対行為と言えるでしょ」
「暗殺に関しては、俺は知らん。
けどな、お前達はまず、あの領主が何をしていたのか、知っての発言か」
「言い訳をするつもりか」
「言い訳も何も、本当の事を言っているだけだろ」
それに対して、俺は呆れるしかなかった。
「よくも、自分の都合の良いように」
そう言っている間にも、大きさは四方40メートル。かなり大きな雷で構成された檻だ。
「これは」
「捕縛の雷檻」
「設置型の罠で、術者と対象を閉じ込める魔法道具よ」
「もう逃げられないぞ、2人の仇を取らせて貰うぞ!」
「落ち着いて、話を聞け!
お前は、自分の目で確かめていない事を信じるのか!」
「俺は、俺の信じる仲間を信じる!」
そう、岩谷は言う。
その瞬間だった。
「いい加減にしろ」
「えっ」
その声は怒りだった。
そして、その怒りの主は誰なのか、察した。
鍵から溢れる光。
それが誰なのか察した。
それは、俺達の前に現れたのは。
「獅子王」
「あの時の」
「空」
「ごめん、抑えきれなかった」
それに対して、俺は思わず謝罪する。
幸い、レベルアップしているのと、彼女自身が魔力を押さえてくれているおかげで倒れる程ではない。
「あなたが、なぜ」
「先程から聞いていれば、愚かな事ばかりを口に出しているからだ」
「愚かな事っ」
アルトリアは真っ直ぐと北村を睨み付ける。
「お前は、信じる事を没頭し、疑う事をまるでしていない」
「それの何が悪いんだ!
疑う事は、まるで信用していない事じゃないのかっ」
「疑いもするけど、それでも信じたい。
その先にあるのが、信頼だ。
疑う余地のない所まではっきりしていない状況まで、お前はまるで行動していない。
全て、そこにいる奴からの情報でしかない」
そう、言い放った。
「そんな事は」
「ならば、お前は1度でも岩谷の行動に対して何かしたのか」
「岩谷に対して」
それに首を傾げる。
「お前は岩谷がそんな事をする訳がないと信じた訳でも、確実にやっているのかと疑った訳でもない。その反対もまるでしていない。
その状況で、信頼だと?」
「俺はっ俺はぁ!!」
そう、混乱する最中。
「え――」
「メルちゃん!」
「キャアアアアアアアアアアアアア!」
「ウワアアアアアアアアアアアア!」
「わ、私は王女よ、魔物風情が何の権威があってそんな無礼を――」
「な、フィーロちゃ――ふべ!」
そして迷い無く、元康達とその仲間を岩田の足元に蹴り飛ばし、高速魔法を駆使してその足元に来る。
フィーロを初めとした敵味方が全員岩谷の足元に集まった状態だ。
「ごしゅじんさま! 全力で防御!」
「い、いきなり――」
「いいからはやく! 上に多重展開!」
そうしている間にも。
「・・・空、あの子を」
「えっ、あぁ?」
「くっ! わかった!」
フィーロの剣幕に押され、咄嗟に行う。
それと同時に、俺もまたアルトリアの言葉に従うように行う。
すると、同時に岩谷が展開した盾にまた覆い被さるように泥も現れる。
それと共に、放たれた光の柱を吸収する。
「んっ魔力が?」
そう疑問に思っている間にも、俺はその違和感を首に傾げる。
「大きい魔力だから、吸収した。
大丈夫か?」
そう、俺を心配そうに声をかけたのは、足下まで届きそうな青い髪に山羊の角を思わせる角。
それが盾の上の泥を展開していた山羊座の守護者であるティアマト・ラーヴァが問いかける。
「この方は」
「ラフタリア、知っているのか?」
「えぇ、亜人の母と言われた人物で、魔力を吸収する泥を自在に操ると言われている方です」
「そう、お母さんはかなり強いから」
そう、自慢げに言う。
「今のは一体」
「これは、まさか憎き亜人の母まで従えるとは。
本当に、鍵の勇者は罪深い」
そう、俺達に声をかけたのは、神父だった。
「これはこれは、自己紹介が遅れましたね。私は三勇教会の教皇です」
「あんな威力の魔法を槍の勇者やこの国の王女が居る所で撃つとか……何を考えているんだ?」
「槍の勇者様……ですか」
そう、岩谷の言葉に対して教皇の答えは
「私共が信仰いたしておりますのは人々を救い、波から世界を救う三つの勇者の事です。各地で問題を起こし、ましてや信者を貶めるような勇者は偽者なのですよ」
「なん、だと」
それは平坦に、まるで日常会話をするかのように教皇は答えた。
北村はそれに対して、唖然とした表情で教皇を見る。
「次期女王候補の方々は正義の為に、いえ、既に盾の悪魔によって殺されているのです。今、そこに居るのは生きる屍なので、気にする必要はありません」
「なんとも……まあ」
ラフタリアさんも酷い暴論に怒りを通り越して呆れていた。
「神の慈悲に感謝をしなければいけないのに盾の悪魔は侵略行為をしました。ですから私が神の代弁者として浄化に来たのです」
「ふざけるんじゃないわよ! 私は次期女王よ! 盾になんて殺されるはずが無いじゃない!」
「いえいえ、こちらでは既にそう決まっているのですよ。ご安心ください、マルティ王女。貴女の代わりに国を継いでくれる者はこちらで準備しております。全ては神のお導きです」
「それって、ようするに、お前達の都合の良いように言っているだけだろ」
そう、俺は思わず言ってしまう。
「さぁ、どうでしょうね。
だけど、私としては、苦渋の決断でしたがね」
「それは、俺達を「いいえ、鍵の勇者様だけですよ」えっ」
それに対して、俺は首を傾げる。
「歴代で最も最強とされている獅子王様。
それが戻られたと聞いた時は感動した。
ですが、あなた様は、鍵。
ですから、どうすれば良いのか、最後まで迷いはありました。
ですが」
そう、ティアマトを見つめる。
「亜人の母をも従えるならば、話は別。
獅子王様を解放する意味でも、あなたを殺させてもらう」
「本当に極端だな」
そう、俺がそう言っていると。
「ハンドレッドソード!」
「流星弓!」
突如上空から大量の剣と一筋の矢が教皇に向けて降り注いだ。
「何だ!?」
教皇はすぐに防御する。
声の方向に視線を向ける。そこには――
「おや? 貴方達は神の裁きによって浄化されたはず、何故居るのですかな?」
錬と樹が立っていた。
「勝手に殺してもらっては困るな。俺達の死体を確認したか?」
「危機一髪でしたね。どうにか間に合いました」
臨戦態勢で錬と樹は俺たちに声を掛ける。
「まあ、あんな魔法を放ったら死体なんて確認する気は起きないだろうが、それが命取りだったな」
それは、確かにこれらの状況を見れば、納得する。
「影とか言う集団に助けられてな」
「ええ、危機一髪でした」
「え? 影って俺達に尚文の居場所を教えてくれた奴等だろ? 教会側のはずだぞ」
「一枚岩じゃないという事だろうな」
「「もうすぐ討伐隊が到着する! 神妙にお縄に付け!」
錬が勝利宣言をするかのように言い放った。
しかし、教皇の奴、微塵も焦りを見せない。
「何人来ようと私達の勝利は揺るぎませんよ。今ならどんな軍隊が来ようと数など無意味!」
そう、まるで悪役染みたセリフを言う。
「俺達は伝説の勇者だぞ」
「ここは、こらしめないといけないようですね」
「言っても分からないようだな」
「あぁ、非常に不服だが、ここは共闘するしかないようだっ」
「あぁ、俺達、勇者5人っ」
「共闘といきまっ」
そう、恰好をつけて台詞を言う3人に対して、ティアマトが拳骨をする。
「なっ何をするんだ」
「まずは、ごめんなさいでしょ」
「えっ、ごっごめんなさい」
その言葉に、その場にいた俺を含めた全員が呆気を取られた。
「いや、そのティアマトさん、ここで何を言っているの」
「この状況、盾の勇者は悪い事をしていなかった事を照明している。
なのに、まるで今も盾の勇者が悪い事をした前提で話しているのは、お母さんとして、見過ごせません」
「いや、それは、その」
「そんな事をしたら、いつか痛い目に合います」
「そんなのは」
「勇者以前に、子供でもできる事です。
さっ」
そう、ティアマトはそのまま岩谷に向けさせる。
呆気を取られている。
その状況に。
だが
「…いや、ティアマト、今の状況は、それは良い。
俺はこいつらと共闘するつもりは」
「盾の勇者も、意地になっていたら、いつか災いになるから」
そう、今度はそのまま頭を撫でる。
「なんでしょうかねぇ、この茶番は」
「それはまぁ、こうする為だけどね」
そう、全員が向こうに向いている間に、俺は既に教皇の横にいた。
それに呆気を取られている間にも、俺はそのまま鍵をそのまま教皇の手に持つ武器に突き刺し、そのまま閉める。
「なっ」
すぐに振り回すが、直前で、俺はティアマトの泥の盾で守られる。
「貴様っ何をっ」
すぐに、その武器を発動させようとした。
だが
「なっ」
「あぁ、やっぱり。
できるんだ、これ」
そう言いながら、俺は鍵を見つめながら言う
「どういう事なんだ?」
「アルトリアが、離れる前に教えてくれたんだ。
鍵で封印しろって」
そう、くるくると鍵を回す。
「封印、まさか、鍵で、そんな事が」
「最初に言っただろ。
神の封印だろうが解放でき、逆に封印を施すこともできるって」
「こんなっ封印如きっ」
そう、顔を真っ赤にさせているが教皇。
「よしっ、これならば」
「君達、三人はまず、岩谷にごめんなさいしてから」
「えっえぇ」