封印の地。
そこでは、霊亀と言われている存在を封印されている場所。
しかし、長い時が経っている事もあって、それらの文献の多くはかなり劣化している。
「それにしても、まさか勇者様がこうして調べてくれるとは」
「いや、俺は何もしていないよ。
2Bとライザのおかげで、なんとかなっただけだから」
その最中、霊亀に関する事を調べる為に、二人に協力して貰い、修理している。
元々、魔道ゴーレムである2Bは、正確な破損状況などを調べる事ができ、その報告を元にライザが錬金術で修理を行ってくれる。
それによって、これまで破損していた所がより正確に分かるようになった。
そうして、調べた結果、分かった事もある。
霊亀はこの世界存在する守護獣。
世界を守護する役割を持つ「四霊」と呼ばれている魔物の1体。
山を丸々背負えるほどの巨大な亀の姿をしている。世界の生物の命や自らの存在と引き換えに、厄災の波を防ぐ結界を張る役目を持つ。
その役割に関して、俺は思った事としては、波から護る役割を持つと言われる霊亀。
しかし、今はこうして波が発生しているのに、封印が剥がれないのは、やはり現状でも波の脅威に十分に対抗する事ができているから。
「だけど、もしも勇者が死に、世界を護れないと判断した時の最終手段という訳か」
それを考えれば、勇者の役割はかなり重い。
だけど、同時に俺はあの時に起こった出来事を思い出す。
波を止めた鍵の力。
あれは何を意味するのか。
気になる事は未だに多くある。
「とにかく、霊亀の封印をより強固にしておかないとな。
かなり厄介な事になる可能性があるからな」
「それは困るな。
俺としては、そいつには早く目を覚まして欲しいからな」
聞こえた声。
俺はすぐに振り向く。
そこには丸い眼鏡をかけた人物がいた。
これまで見た事のない人物であり、俺はすぐにその手に鍵を手に持つ。
「誰だお前は」
「勇者だよ、ただし別の世界のな」
その言葉と共に、既に本を開く。
俺はそれと同時に鍵を開こうとする。
しかし、俺の下に何かが開く。
「お前の能力って、面倒なんだよなぁ。
捕まえて、有効利用する方法も見つからないからな。
だから、お前にはあいつの相手になって貰うとするわぁ」
そう、気味の悪い笑みを浮かべると共に、俺はそのまま吸い込まれる。
「ぐっ」
既にこの場から動く事はできない。
同時に俺を見守っていただろう存在に目を向ける。
「これを、あいつらにっ」
俺はすぐにそれを真っ直ぐと投げる。
奴はそれに疑問に思っているようだが、それをすぐに取った影が、その場から去って行った。
同時に、俺は、世界から、その存在が消えた。
「ぐっ」
投げ出された空の上。
俺はすぐに鍵へと手を伸ばす。
見れば、目の前には海があり、無人島があった。
だからこそ、すぐに着陸できるように鍵で守護者を呼ぼうとした。
だが
「えっ?」
見れば鍵の数が減っていた。
しかも、その数は6本。
見た事のない形。
疑問に思いながらも、俺はすぐに発動させようとしたが、まるで反応しない。
「マジかよ」
そのまま、俺は海へと激突する。
衝撃はかなりある。
ステータスはそれ程高くない。
それでも、なんとか耐え切れた。
「ぷはぁ、本当にどこだここは?」
そんな疑問があった。
何もない。
どこまでも続くだろう海。
「とりあえず、あそこまで泳いでみるか」
ここがどこなのか分からないけど、このまま海にいたら何時、襲われるか分からない。
俺はそのままなんとか無人島だと思われる場所に向かって、泳ぐ。
心地良い海であり、本来だったら、こういう所で過ごしたい。
けど、さすがにこのままという訳にはいかない。
やがて、無人島に辿り着く。
白い砂浜。
周りには、ヤシの木がある。
「ここは一体」
「えっと、人?」
その言葉に俺は思わず振り向く。
黒の長髪をツーサイドアップにまとめ、ゴシックドレスの上から、黒い羽織を肩に掛けている。
「本当に人だ。
えっ、君は?」
「俺?
俺は、王心空だ。
君は」
「俺は風山 絆。
四聖勇者の一人の狩猟具の勇者だよ」
「えっ?」
「えっ?」
俺は、その言葉に疑問に思い、思わず呟く。
それに合わせるように、絆もまた声を出す。