※この作品はR-18です。

鍵の勇者の召喚記   作:ボルメテウスさん

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無人島の勇者

この無限牢獄に閉じ込められて、既に一年以上の月日が経った。

 

あれから、俺は鍵を上手く使う事はできなかった。

 

というよりも、この無限牢獄では、それはほとんど意味がなかったからだ。

 

無人島という、この環境において、俺の鍵は何も役に立たない。

 

さらに、守護者を呼び出そうにも、それを行う事はできなかった。

 

それに関して、絆から教えて貰った情報としての予測。

 

無限牢獄は、四方に囲まれている結界のような場所。

 

だからこそ、俺が召喚しようにも、その結界が邪魔となってしまう。

 

「まぁ、そのおかげでオレと一緒に行動できるんだけどね」

 

そう言いながら、絆は俺と一緒に行動してくれた。

 

レベル1であり、ほとんど弱かった俺にとって、絆が本当に助かっている。

 

というよりも、この状況。

 

「なんだか、ヒモみたいな感じがするな」

 

「ヒモって、言われても。

 

まぁ、実際にそうかもね」

 

そう、冗談半分に笑いながら絆は笑みを浮かべる。

 

絆は高い戦闘能力を持っており、彼女が魔物と戦う。

 

そこから入手した物を元に、様々な料理を作っている。

 

「いや、本当に助かっているよ。

 

オレは料理が、ほとんど出来なかったからね」

 

その言葉と共に、俺が作った魚料理を見ながら、涎を垂らしている。

 

年齢としては、俺と同じぐらいの18歳だと聞いているが、その容姿を見る限りだと、まるで子供だ。

 

「でもさー……こんな所で料理をするなんて思わなかったよ」

 

「そうだな」

 

この島には海と森しかない。

 

一応、小さな洞窟はあるのだが、そこで火を起こす事はできないし、調理器具も持ってきてはいなかった。

 

だけど、絆が長年住み続けた事で、そうした道具があったらしい。

 

俺は、その道具を使って、色々な料理を作ってくれたのだ。

 

「それにしても……ここ、何も無いよね?」

 

絆の言葉通りで、ここは何もない。

 

ただただ、海と森が広がるだけの孤島だった。

 

そんな島で、俺は釣りをしたりして日々を過ごしている。

 

「確かに、暇と言えば暇だよな」

 

「だろ? まあ、だからと言って何もしないけどね」

 

そう言って、彼女は苦笑した。

 

「何かする事はないのか?」

 

「んー……やる事か」

 

そう言った絆はどこか余所余所しい。

 

何か、頬は赤く染まっている気がする。

 

なんだろう……気まずい雰囲気を感じ取る。

 

一体どうしたというんだろう? 

 

すると、絆が恥ずかしげにしながら口を開いた。

 

「なぁ、聞きたいけど、空は恋人とか、結婚していたりしたのか?」

 

「いや、守護者は、似たような関係だけど」

 

「それ以外は」

 

そう、俺に詰め寄るように言ってくる絆に対して首を横に振る。

 

「そっか、そのな、オレは、この場所でずっと一人だった。

 

それこそ、本当に自殺しようとも考えていた。

 

けど、空が来てくれて、嬉しかったんだよ」

 

「それは良かったよ」

 

「それでさ、あの、空」

 

 顔を真っ赤にして、恥ずかしそうな表情でこちらを見つめてくる絆。

 

そんな彼女の視線に何が意味するのか、自然と理解した。

 

「その、これは吊り橋効果のような感じだと思うぞ」

 

「確かにね、それでも、オレは自分の気持ちに正直に生きたいと思う」

 

「…………」

 

俺は絆からの告白を受けて、少し考える。

 

「悪いけど、今すぐ答えを出す事は出来ない」

 

「うん、わかっている。

 

ごめん、変な事を頼んで」

 

そう言って、絆は俺から離れた。

 

「変な事じゃないよ。

 

それに、俺も絆の事が好きだったからさ」

 

「え!?」

 

驚いた顔でこちらを見る絆に対して言う。

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