ラフタリアさんが向こうに置いて行かれた。
その事に岩谷はかなり荒れた様子が見られた。
それでも、すぐにラフタリアさんを助ける為に絆はすぐに行動を起こそうとした。
しかし、転移した先では、俺達はあまり歓迎されていなかった。
理由は、既に彼らの表情を見れば、分かる。
俺達が、この世界を滅ぼすかもしれない存在だから。
それに対して、絆はすぐに怒鳴りながら、反論する。
その光景は、岩谷にとっては、あの時の光景を思い出させるようで、不愉快だった。
だが、城の中にいた他の勇者の1人である船の勇者エスノバルトが助けてくれた。
エスノバルトのおかげで、今後の行動も決める事ができた。
「それにしても、絆。
あなたが抱えているその子は一体」
「あぁ、そう言えば、紹介がまだだったな。
この子はリク。
オレと空の子だ」
「えっ、子供ですか」
その事に、エスノバルトは驚きを隠せない様子だった。
「空というのは、もしかして鍵の勇者さんの」
「そうだよ、いやぁ、その長い間留守をしていて、いきなり子供を連れてきて、びっくりさせちゃったかな」
「いえ、私は別に問題ないのですが、その」
何やらエスノバルトの様子が可笑しい。
「その、エスノバルト。
オレは、本気で空と一緒にいたいと思っていて、無理矢理はしていないから、それは本当だから!」
「いえ、私は別に問題ないのですが、その、心配事は他にありまして」
何やら、オレを心配そうに見つめている。
「その、空さん。
もしも、グラスと会ったら、すぐに逃げて下さい。
でないと、本当に命を落とすかもしれないので」
「えっ、なにそれ、怖い」
突然の一言に、俺は戸惑いを隠せなかった。
「グラスって、あの扇の奴が?
なんで、そんな話になるんだ?」
「その、グラスは絆の事を好いておりまして、もしも、この事がバレてしまったら、絆を傷物にした空さんを確実に」
その一言に俺の顔は青くしてしまった。
「だっ大丈夫だよ、グラスにはオレからしっかりと言っておくから」
「それは、逆効果になるんじゃないのか」
絆の言葉に対して岩谷は思わず突っ込んでしまう。
「・・・会った時には覚悟を決めておかないといけないようだな」
俺はそんな言葉を呟きながら、ため息を吐く。
そんな俺の落ち込みとは裏腹に、絆の使い魔であるクリスがリクの面倒を見てくれている。
「とりあえず、ラフタリアとフィーロを見つける事と、空がどうにかして生存する事を考えるか」
一連の流れを見て、少し冷静になったのか、岩谷が今後の活動を呟く。
できれば、生き残る方向性で考えて欲しい。