「鳳凰の遺跡がここという訳か」
尚文達と別れて、2週間程度が経過した。
俺は、既にある程度の情報を集める事が出来た。
それは、俺達の世界で言う所の四聖獣とやはり近い存在である事は分かる。
そして、その封印場所に関しても、中華系の辺境の小国であった事も。
「とりあえず、封印されている国との協力、あとは鳳凰の特性も厄介だが」
そう、考えている間にも、俺は懐にある鍵へと手を伸ばし、構える。
「それで、お前達は一体、何の用だ」
「・・・」
その俺の言葉に対して、答える気はない様子。
だけど、明らかに敵対する様子はある。
「はぁ、こういうパターンはあまり好きじゃないけど」
その言葉を皮切りに、こちらに襲い掛かる影に目を向ける。
すると、こちらに対して、手を向ける。
だが、それよりも早く、俺はその手にある鍵の一つを発動させる。
「悪い、シノン」
「いきなりの奇襲という訳」
その言葉と同時に、シノンは既に弓を構え、そいつに向けて矢を放った。
放たれた矢は、そのまま奴の手に当たる。
「ぐっ」
何やら、苦痛に満ちた顔をしながらも、すぐに何かを握ろうとした。
「なにっ」
「んっ?」
すると、何やら驚いた様子で自分の手を見ていた。
「なぜだ、なぜ、奪えないんだっ」
「奪えない?何を言っているんだ?」
その言葉の意味が分からず、俺は思わず首を傾げる。
しかし、そんな俺の理解よりも早く、シノンは何かを思考させながら、すぐに近づく。
「その態度、なるほど、あんた、あいつの手先という事」
「シノン?」
それと同時に、シノンは素早く、周囲を見渡す。
「どうしたんだ?」
「少しね、どうやら心配していた事態ではないようね。おそらくは手始めにあんたを狙ったようだけど、どうやら、それは不可能なようね」
「不可能って、どういう事なんだ?」
俺は思わず聞くが、シノンは、奴を睨み付けた。
「さて、あいつの事だからあんたから聞き出す事は出来ないでしょうね、なんだって、あの性格の悪さを考えれば、自分の事を話した奴に対して、容赦はないし」
「お前っ、どこまで」
そう、呟こうとした奴に対して、シノンは容赦なく撃ち殺した。
「シノン、さっきの話は」
シノンのその言葉に対して、俺は疑問が多くあった。
確かに、シノンに関しては、これまで多くの謎があった。
他の守護者達に関しては、それなり伝承は残っていた。
それは、この世界での始まりから関わっている事もあり、理解していた。
だけど、シノンだけが、未だに、その影も見せない。
「・・・私に関して、今は話せないわ。それを話せるのは、本当に最後の戦いの時だから」
「最後の戦い」
それは、気になる所だけど。
「それよりも、色々と情報を聞き出したかったんだけど」
「・・・まぁ、それは置いといて」
「おい」
その発言に関して、色々と気になる事がある。
「とにかく、こいつに関して、色々と聞きたいんだけど」
「そうだな、推測だが、こいつはお前達と同じ別の世界から召喚された奴だろうな」
「えっ」
それはかなり重要な内容ではないのか。
「だとすれば、奴が介入する可能性は十分にある世界に行く必要があるな」
「えっ、どういう事?」
そうしていると、シノンが指を向ける。
それは鳳凰の書かれた遺跡であり、そこには扉がある。
「これは」
「異世界の扉」
「えっ」
その内容は、かなりとんでもない事に、俺は思わず声を出してしまう。
「あんたが言っていた嫁と子供がいる世界に関しても、霊亀の所に扉があるわ。あそこからおそらくは転移が出来るわ」
「いや、それを早く言ってよ!」
俺としては、絆には話したい事があったのに。
「その内だ。今は向こうの世界が危機的状況ではないのならば、他の世界へと行き、同盟を結ぶ必要がある」
「同盟って言うと」
そのままシノンはこちらを見る。
「この世界と強い繋がりがある世界だ。お前達が召喚される前の世界に関しては、遠く繋がりは薄い。
反対に繋がりの強い世界のの一つとして、絆の世界だろう」
「その同盟が出来れば、どうなるんだ?」
「霊亀を始めとした守護獣が能力を共有して強化される。実は、それは勇者の武器にも該当しており、同盟をしておれば、より強くなる」
「そう言えば、俺達の強化方法も共有すれば強くなっていたけど、もしかして、それと似たような感じ!」
それに対して、シノンは頷く。
「最も、勇者という存在がいるかどうかは、分からないけどな」
「・・・とにかく、向かう必要はある訳だな」
未だに鳳凰が復活するか分からない、
幸い、情報はある程度、揃っている。
「鳳凰の復活を考えても、それ程長い間、向こうの世界には滞在出来ない」
「分かっている、シノンは、この手紙を届けるように」
そうして、手にした資料の紙を渡す。
同時にシノンは、そのまま、矢に結び、放った。
放たれた情報は、既に待機しているだろう影の近くにいた。
「さて、それじゃ、行くとしますか」
俺は、そのまま扉を開ける準備をする。
果たして、これが正しいかどうかは、この世界次第か。
次回より、別作品の世界へと移動する事になります。
リクエストに関しては変わらず募集しており、小話として挟んでいきます。
作品に関しては、次回の投降後、タグを追加予定となっています。
どの世界になるのか、楽しみにしておいてください。