俺は助け出した少女、リリムを連れて、周辺で休めそうな場所へと座る。
先程まで追われていた事と、未だに俺を信用して良いのか分からずに、困惑を隠せない様子であった。
そうして、俺は、リリムの信用を得る為に、俺自身の事情を話す。
「異世界ですか」
「まぁ、いきなり聞いても、信じられないと思うけどね」
そう、リリムはゆっくりと俺を見つめながら、異世界という言葉に対して、ゆっくりと呟く。
「その、少しは信じられないですけど、それ以上に、この状態が一番の理由になっていますから」
「理由?」
それと共に、リリムは自分の身体を見て呟く。
「悪魔憑きの症状を封印出来るのは、ほとんど不可能なはず。だけど、それをやったのならば、異世界というのも、納得出来る」
「そういうものか?」
「何よりも」
そのまま、メデューサの方へと目を向ける。
メデューサは、こちらを見られた事によって、少し睨み返すようにリリムを見る。
それに対して、リリムは、俺の影に隠れた。
「あははぁ、とりあえずは、俺が行ったのはあくまでも封印。もしかしたら、解除される可能性があるからな」
それと共に、俺はこれからどうするべきか考える。
リリム自身が、どのような状況か分からない。
さらに、俺はこの世界における役割は、この世界と同盟を結ぶ事。
だけど、その同盟をするにはどうするべきか、未だに分からない。
「・・・だけど、さすがにリリムの症状を見る限りでも、これは故意に行われた事が分かる」
「故意、それって、一体」
「分からない、けど、見る限りでも、何かの呪いのような気がする。少なくともね」
そうすると、リリムは、何かを思い出したように、見つめる。
「父が、言っていました」
「んっ?」
それと共にリリムは、そのまま見つめる。
「金豹族は英雄の子孫であり、聖教はそれを隠蔽した。ミドガル王国で悪魔憑きを治し、そこで使命を果たせと」
「・・・英雄の子孫、もしかしたら、俺のこの世界での同盟相手も、もしかしたら」
それと共に、俺は思考を巡らせる。
「・・・とにかく、その手掛かりを探す必要があるな、けど、ミドガル王国って、一体どこなんだ?」
それと共に腕を組んでいると。
「・・・私が案内します」
「えっ?」
同時に、リリムは、俺を見つめる。
「だからこそ、私を強くして欲しい」
それと共に、俺を見つめるその目は確かな本気を見せた。
「・・・俺は、今から二ヶ月後、元の世界でとある存在と戦わなければならない。だから、この世界に滞在出来るのは、二ヶ月。
そして、再び戻ってくるのは何時になるのか分からない」
「それでも良いです、だから」
そこまで言われた以上は、仕方ない。
「まぁ、教えると言っても、俺自身じゃなくて、その守護者になるけど、良いか?」
「はいっ」
それに対してリリムは返事をする。
「という事で、メデューサさん、お願い出来ますか?」
「・・・はぁ、まぁ良いでしょう。それも仕事ならば」
そう、了承してくれた。
そこに、少し安堵していると、そのままメデューサさんは、リリムに近づく。
「ただし、死んでも責任は取りませんよ。強くなる以上、それぐらいの覚悟は、勿論出来ていますよね」
そう、メデューサさんは、リリムに尋ねる。
対して、リリムもまた、頷く。