あれから、無事に脱出する事が出来た。
数多くの資料を見つけ、ディアボロス教団の事について、ある程度、知る事が出来た。
それと共に、リリムに関する事もある程度、理解できた。
「なんというか、リリムは本当に凄いよな」
「そうなのか?」
俺の一言に対して、リリムは首を傾げる。
この旅の途中、何度か他の守護者からも、様々な事を教えられた。
それに対して、リリムは、それら全てをしっかりと学べている。
「もぅ、俺よりも強いんじゃない、確実に」
「ソラ様は、別に強くなる必要はないと思うがな」
そう、俺に対して、リリムはいつの間にか俺の事を様付けで呼ぶようになった。
俺自身は、そういうのはあまり苦手なんだが。
「別に敬語じゃなくても、良いけど」
「いえ、こういうのは大切だと、羽川様から言われたからな。何よりも、私自身はどの守護者にも及ばない事は十分に承知している」
「そうなのか?」
「あぁ、何よりも、未だに全員が本気じゃないというのが恐ろしいからな」
そう、リリムは頷く。
しかし、その間の特訓も無駄かと言えば、そうではない。
既に彼女自身、その魔力の制御は完全に行えている。
そういう意味では、多くの問題が解決出来た。
だが、問題は未だに山程ある。
「…この世界に滞在出来るのも、あまり長く出来ないからな」
「…」
既に一ヵ月。
鳳凰との戦いが既に近くなっている。
その準備の為にも、俺は帰らなければならない。
「その間、リリムが安全に暮らせるようにしたいけど、どうすれば」
「私は」
そうリリムが言っている間にも、気配を感じる。
同時に、俺は懐から鍵を取り出す。
「こっちは大事な話をしているんだ」
その一言と共に、周囲は炎に包まれる。
同時に、奴らは消し飛ばされる。
「悪いな、ステラ」
「別に、これぐらいは問題ないわよ」
竜の守護者であるステラが、それに答える。
だが、未だに何かを感じるようだ。
「…そこにいるのは、誰かしら?」
そう問いかけると共に、現れたのは黒いスーツを身に纏った金髪の少女。
年齢的にはリリムと同じぐらいだと思う。
そして、その後ろにいるのは少年だろう。
「さて、質問に答えてくれるかしら、あなた達はディアボロス教団で良いのかしら?」
「いいえ、違うわ、むしろ奴らを倒す為に活動している者よ」
「倒す?」
それに対して、警戒するように。
「…」
だが、その最中で、緊張感を持っている面々の最中、俺はその少年を見る。
「我が名はシャドウ。陰に潜み、影を狩る者」
そう、名乗った。
それらを見て、リリムとステラは警戒している。
けど。
(うぅ~ん、なに、この中二病感マックスな子供は)
俺は、思わず正直な感想で微妙な顔をする。
この異世界において、まさかこのような行動するとは。
まさか、目の前にいる子は、俺達勇者と同じように異世界から来たのか?
それとも、素なのか。
どちらにしても、確かめる必要はあるようだ。
「話は出来るかしら?」
「…まぁ良いだろう」
「ソラ様」
「大丈夫だろう、敵対する気だったら、さっさと殺すだろうし」
どちらにしても、未だに情報が少ない。
まずは知る事から大切だろう。