「行かないで欲しいですぅ!」
「痛い痛い、マジで痛いっ」
その日、俺は鳳凰と戦う為に、元の世界へと戻る事にした。
だけど、その際に大きな問題があった。
その理由としては、俺に乗っているデルタによって、扉を開けない状態となっている。
別の世界へと行き来する際には、そこに扉があれば良く、鍵を突き刺せば、そこが扉になる。
「半信半疑だったけど、これが扉なのね」
「あぁ」(異世界の扉って、こんな感じなのかぁ、初めて見たけど、結構凝っているなぁ)
そうしながら、扉に対して感心をしている様子だ。
「だって、ソラはむっちゃ弱いから、向こうで死んだら困るぅ」
「まぁ、確かに死ぬかもしれないけど、それでも行かないと」
「・・・死んじゃうんですか」
そう、リリムもまた心配そうにこちらを見る。
「まぁ、絶対に生き残る保証はないからな、それでも戦わないといけないから」
「・・・」
それに対して、リリムは俯く。
「デルタ、いい加減にしなさい」
「でもぉ」
「私達がディアボロ教団に命を賭けるように、彼もまた世界を救うのに命を賭けている。それを邪魔をする権利はないわ」
「・・・」
そうして、デルタはやっと離れてくれる。
「それで、どれぐらいかかりそう」
「さぁ、分からないけど、勝つしかないからな」
それと共に俺は扉を開く。
「それじゃ、また」
また会える事を願い、同時にドアを開ける。
そうして、俺がドアを開けた先。
そこは。
「村なのか?」
疑問に思い、俺は首を傾げる。
ゆっくりと、周囲を見ると、夜。
「夜って、どういう」
そう考えていると。
「うわぁ」
「おっと、なんだ?」
こちらに誰かがぶつかった。
思わず振り返ると、そこにいたのは白髪の兄妹。
見る限りだと、おそらくは獣人のようだけど。
「くそっ、こっちにも」
「こっちにもって、何が」
そう考えていると。
「ここにもいやがったのか!」
「くそっ」
すると、柄の悪い奴がこちらに来ていた。
状況がどういうのか分からないが、どうやら。
「帰ってきて、早々にこれか。こっちはこれから忙しいのに」
それと共に、俺は懐の鍵を確認する。
鍵を確認しても、元の世界に戻っているのは間違いない。
ならば。
「2B、久し振りに頼む」
その一言と共に、俺は2Bを召喚する。
同時に状況を理解した2Bは瞬時に、目の前にいる奴を気絶させた。
「えっ、あんたは」
「うぅん、まぁ鍵の勇者といえば分かるかな?」
「鍵って、尚文と同じ!」
「尚文の名前を知っているし、親しそうという事は、知り合いなのか?」
「ここは、ロロナ村です。今、この村が」
「・・・悪い、召喚して、早々だけど」
「状況は理解した、それでその盗賊は」
「生かしてくれ、狙っている理由も知りたい」
「分かった」
その言葉と共に2Bはすぐに走り出した。
「詳しい事を聞きたいけど、どうするか」
「信号弾」
「んっ?」
「信号弾を撃てば、救援が来るって」
「そうか、それじゃ行くか」
こちらに戻ってきて早々に、こんな事に巻き込まれるとは。
何よりも。
「向こうでずっとリリム達の面倒を見ていたからな、子供を傷つけてたまるかよ」