鳳凰の特性はかなり厄介だ。
再生能力もあるが、何よりも厄介なのは、魔力吸収能力だ。
こちらの魔力を吸い上げる事によって、自身の攻撃と回復に行う魔力を補充する。
一石二鳥というべきその能力は、俺にとっても天敵である。
「大丈夫か」
「あぁ、避けているから、なんとか、けど」
「維持するにも魔力が必要だからな」
魔力吸収は、俺にとっては天敵である。
守護者を召喚し、維持する為にも魔力は必要な為、この攻撃を受けると、守護者を維持出来ない。
だからこそ、今は鳳凰からの魔力吸収を最小限にする為に、ヤマトは戻している。
「まだ、とどめは」
「もう少し待てっ」
今では、ヤマトの高い攻撃力は、そのバランス調整の邪魔になる。
高い能力を持つが故に、それを維持するにはかなり危険だ。
「またかよ」
「いいや、むしろ、これは安心出来る要素だ」
「先程の技によって、鳳凰はかなり削れました。つまりは絶対にとどめを刺す事が出来る一撃を、確かに持っている事」
「それまで、俺達がなんとかする」
その言葉を信じ、俺は戦況を見守る。
しかし。
遥か後方から一筋の光が……高高度の、大分弱ってきていた鳳凰を討ち貫いた。
「な――」
まだ致命傷を与えるには足りないはずの所で、しかも低高度の鳳凰が回復したその場で俺達は光が飛んできた方向に目を向ける。
連合軍が構えている場所とも違う遥か後方だ。
一体何が起きたのか、困惑を余所に。
「キュイイイイイイイイ――」
まるで焼け落ちるかのように空中で高高度の鳳凰は羽根だけを残して霧散する。
ばらばらと辺りに羽根が落ちるのを確認した。
やばい。
放心から立ち直った俺達は低高度の鳳凰に目を向ける。
「キュ――」
ピタリと低高度の鳳凰が動きを止める。
そして、不気味な音が響く。
少しずつ、その形状が膨らんでいるのが見てとれる。
魔力や熱量が鳳凰に凝縮して行く。
「一斉攻撃だ! 早く、一刻も早くコイツを仕留めろ!」
避難なんてしている暇は無い、一秒ごとに膨れ上がっていくのがわかる。
弾ける前に殺さないと大規模な自爆攻撃が始まる。
そして、ここに来て、ヤマトを召喚していたのが仇となった。
ここからじゃ、ヤマトでも間に合わない。
すぐに召喚しようとした時。
鳳凰が居た場所にはまるで太陽のような煌々とした凝縮する炎の玉がある。
それが今まさに破裂し、辺りを焦土と化す終末の炎となった。
「っ」
吹き飛ばされた衝撃と共に、俺は背中を打ち付けられる。
何が起きたのか分からなかった。
「空さんっ!」
「っ!」
聞こえた声と共に、俺は起き上がる。
それと共に、俺は気絶していたらしい。
「戦況はっ」
見ると、そこには連合軍の兵士の1人がいた。
「鳳凰の爆発によって、被害は甚大。なんとか剣の勇者、槍の勇者、弓の勇者の三名で応戦しています」
「尚文は」
「・・・後ろに下がっています。彼を守っていた子を」
それを聞いた瞬間、沸騰する怒りを感じた。
一体、何が。
すると。
「波の尖兵」
「シノンっ」
それと共にシノンの呟きに俺は思わず見上げる。
「以前、襲い掛かってきた奴らの事、覚えている。さっきの一撃は」
「・・・そうか」
それを聞いて、俺は静かに立ち上がる。
世界の理不尽さを知っているつもりだったが、どうやら、それ以上にとんでもない奴がいたようだ。
だけど、今は。
「これ以上、被害を出さない為に!」
それと共に、俺はそのまま、ヤマトを呼び出す。
「ヤマト、頼めるか」
「あぁ、状況は理解出来ているよ、そして」
その身体からは怒りがあるのは確かにあった。
同時に、その身体は全身が白い毛に包まれた、神秘的な姿の狼へと変わっていた。
それと同時に、走り出した。
二体の鳳凰に向かって、他の皆が追い詰めていた。
「あれは、新しい、いや」
「ようやく起きたのか」
「遅れた、だけど」
「あぁ」
それと共に、同時に鳳凰に向けて、全員の一撃が放たれた。
必殺の一撃。
それによって、鳳凰は確かに倒す事が出来た。
復活する様子はない。
先程の爆発で、それを見る事が出来た。
だが、まだだ。
「あの一撃をやった犯人を見つけるっ」
同時に、俺はなんとか2Bを召喚する。
僅かな魔力で、どれだけ探索出来るか分からない。
「ソラ、一体何を」
「頼む、すぐに見つけてくれ、でないと」
「・・・分かった、少し待ってくれ」
同時に2Bもまた、構えた。
行われたのは魔力探知。
そして。
「フォーブレイの旗」
「・・・国の名前か」
「えぇ、今回の戦いでは参加していなかったはずだけど」
「そうか、だったら」
次に戦うべき相手は、理解出来た。