※この作品はR-18です。

鍵の勇者の召喚記   作:ボルメテウスさん

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最悪な遺産は使いよう

「まさか、この手段を使う事になるとはな」

 

戦争が起きている。

これまでの戦いにはない大きな戦い。

それに勝たなければ、この国の人々が死んでしまう。

それは阻止しなければならない事であり、防がなければならない。

だが、同時に起きる波への対処をしなければならない。

波を放っておけば、多くの被害が出る。

それは決して、無視をしてはいけない事である。

 

「気持ちは分かります。

この手段は、決して良い物とはいえません」

 

今回の作戦において、メルティもまた同行していた。

この作戦において、必要なのは多くの魔力である。

 

「本当に安全なのか」

「あの時とは違い、改良されております。

ですが、一撃で決めなければならないのも事実」

 

俺の言葉に対して、メルティはこの状況がどれだけ危険なのか、理解する。

 

「フォーブレイからの侵略に対抗する為に、波からの脅威を早く対処する。

それが、この作戦という訳か」

「お父様も、侵略行為を行うのは、波と同時期だと言っていました。

波への対処で勇者の数を減らせば、より侵略が行いやすいと」

 

そう、クズは提案していた。

これまでのクズの行動を見てきた俺達にとって、彼の知性はあまりにも優れていた。

もしも、始めからあの状態ならば、多くの犠牲は生まなかっただろう。

だが、そんな彼をここまで陥れる程に復讐というのは恐ろしい。

 

「だからこそ、すぐにでも戦争を終わらせる。

いけるか、元康!樹!」

「言われなくても、準備は万端ですぞ!」「はい」

 

この場で、同行している元康と樹に向けて問いかける。

それと同時に、俺は後ろにいる王国の兵士に目を向ける。

 

「悪いが、お前達の命、少しの間、俺に預けてくれ!だけど、必ず勝利する!」

 

それに合わせるように、今回の作戦に協力してくれる彼らに声をかけると同時に、転移する。

その先は波であり、巨大な怪物が既に迫っていた。

おそらくは、これまで相対してきたどの怪物よりも巨大だろう。

だが、負ける訳にはいかない。

 

「っ!」

 

同時に、俺は一つの鍵を掲げる。

 

「開け、山羊座の守護者!ティアマト!」

 

その叫びと同時に、俺の頭上には巨大な魔方陣が現れる。

同時に現れたのは、ティアマト。

だが、それはこれまでの少女を思わせる姿ではなかった。

それは巨大な龍。

人面龍と言える姿である。

 

「これが、ティアマトさんの本来の」

「あぁ」

 

俺の守護者達は、はっきり言えば、俺の魔力不足で本来の実力を発揮出来ていない。

だからこそ、俺がレベルを上げる事に、彼らの本来の実力に近づく。

しかし、今回はある意味裏技と言える手段だ。

 

「かつて三勇教が、伝説の武器の複製品を使う時に魔力を集めた方法。

皮肉にも、その方法を使ったからこそ、この姿を発揮出来た」

 

しかし、裏技である事は変わりない。

後ろを見ても、彼らの疲労が激しいのは分かる。

 

「ティアマト!」

「これ以上、この子達には無理をさせない。だからこそ、さあ、いくぞ」

 

それと共に、そのまま、ティアマトはその口に魔力を溜める。

 

「「母は強し、とーう!」

 

「毅き仔よ、創生の理に抗え(ナンム・ドゥルアンキ)!!」

 

その叫びと共に放たれた一閃。

それは、眼前にいた波から出た魔物を一瞬で倒す程の威力だった。

同時に、ティアマトもまた解除され、そのまま波が収まった。

 

「ここまでなんて」

「呆けている場合じゃない、すぐに向かおう!」

 

既にここの戦いが終わった以上、すぐにでも尚文達と合流しなければならない。

 

「無事でいてくれよな」

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