セルティさんの助力もあり、俺達はその場をなんとか逃げている。
その影の実体化によって、こちらを追ってくる面々から逃げる事が出来た。
「しかし、奴らは一体、何者なんだ」
「分からない!というよりもなんで俺達を狙っているのか、さっぱり分からない!」
黒いコートで俺達を追っている理由が未だに分からない。
だが、その攻撃は、未だに止まる気配がない。
「たく、こっちの世界に来た途端にこれかよ」
尚文の呟きと同時だった。
その衝撃は、俺達に襲い掛かった。
先程までの黒いコートの連中とは明らかに違う攻撃。
馬車で走っていたこちらに向かって、振り下ろされた一撃は馬車ごと吹き飛ばしていた。
「まさかっこんな奴が」
「ぐっ」
セルティさんがすぐに影を操作し、俺達を受け止めてくれた。
同時に、眼前に襲い掛かる影に目を向ける。
「獣人か」
こちらに向かって、襲い掛かる影。
狼を思わせる耳があり、夜の闇に隠れている事で、その正体は分からない。
だが、放たれる殺気と共に、そいつが先程まで追ってきた奴らとは明らかにレベルが違う事は既に分かる。
尚文達も既に武器を構えており、見つめる。
「んっ?」
それと共に聞こえた声。
それは向こう側からだろう。
同時に、目にも止まらないスピードで一瞬で尚文達を通り抜け、俺の目の前に来ていた。
「なっ、速っ」「ソラ様っ!」
それと共に命の危機を感じた。
だが。
「お前、ソラだったのか!」
「んっ?」
先程までの殺気からは考えられないような明るい声。
同時に、俺の上に肩車をするように乗る。
「どういう事だ?」
「いや、俺に聞かれても、えっと、誰だ」
改めて、俺も状況的に分からない。
それは、俺達を追っていた謎のフードの集団も同じだった。
「お前、それは酷いぞ!デルタはずっとお前が帰ってくるのを待っていたのに!」
「・・・デルタァ!?」
その言葉に俺は思わず、見上げる。
彼女の見た目。
それは確かに俺の知るデルタの面影はあった
だが、この世界は、俺達の世界のようにレベルアップで見た目が上がる訳ではない。
「なんだ、そんなに驚いて、しばらく会わなかった内に可笑しくなったのか?」
「いや、驚くも何も、デルタ、たった数ヶ月で、どうやってそこまで成長したんだ!?」
それは、こうして肩車をしている事によって分かるが、たった数ヶ月でここまで成長するのは可笑しい。
そう、俺が伝えると、デルタは首を傾げた。
「何を言っているんだ、あれから何年も経っているぞ」
「えっ、それって」
「厄介な事になったな、これは」
同時に尚文は頭を抱える。
「んっ、という事はお前か!えっと、盾?」
「一応聞くけど、まさかと思うがこいつが」
「・・・いや、違うけど」
そう、俺と尚文と話していると、俺の頭をデルタが掴む。
「デルタを仲間外れにするなぁ!!」
「分かったから、痛い痛い!」
まさか、いきなりこんな事になるとは、本当に。