俺達の学園生活は未だに続いている。
「可笑しいと思わないかい、尚文、ソラ」
「それを、わざわざ、俺達に言うのか」
そうしながら、その日の食堂で俺達はシドと話を行っていた。
この学園での生活にもある程度慣れた頃。
シドが言うにはモブに相応しいという友人であるガリとヒョロを連れて、一緒に座っていた。
「だって、聴いてくださいよ!シド君がアレクシア王女と付き合えるなんて」
「それだったら、僕だって、告白すれば」
「既に起きた事をギャーギャー騒ぐんじゃない、たく」
そんな言い争いに興味はないと言わんばかりに、尚文はそのまま本を読み続ける。
「ナオフミ君は良いですよねぇ、あんなに可愛い特待生であるラフタリアちゃんと仲が良くて」
「それ以外にもキーラちゃんとも仲が良くて、本当になんですか君は!」
「五月蠅いなぁ」
そう、この場にいないラフタリアちゃんとキーラちゃんの事まで話題が出た。
そんな話をしていると、先程まで話題に出ていた」
「この席、いいかしら?」
そう、話しているとアレクシア王女が現れた。
噂で聞いた限りでも、確かに綺麗な人物だと分かる。
だけど、同時に俺の両隣にいるシドと尚文は明らかに嫌そうな顔をしている。
シドに関しては自業自得だとして、尚文の場合は、まぁビッチの1件もあり王族というのに苦手意識を持っているだろう。
「ど、どどどどど、どうじょ!」
「こ、こここここ、こんな席でよければ、ぜひぜひ!」
ヒョロとジャガの小粒感溢れる対応。
「座ればいいと思うよ」
そう考えている間にもシドは答えを待つアレクシア王女に言った。
「では」
そのまま彼女は席に着く。
「天気いいよね」
「そうね」
と無難な会話が続く。
彼女は美しい所作で豪勢な昼食に手をつける。
「超金持ち貴族コースってやたら量多いよね」
「ええ、いつも食べきれないわ」
「もったいないね」
「本当はもう少し下のコースでいいんだけれど、私がこのコースを頼まないと皆が頼み辛くなるから」
「ああ、なるほど。食べきれないならもらっていい?」
「ええ、いいけれど……」
「ああ、マナーとか気にしなくていいよ。所詮下級貴族の席だしここ」
そのままシドは戸惑うアレクシアからメインディッシュの肉を強奪しようとするけど。
「遠慮なさ過ぎだ、馬鹿」
「あっ痛っ」
尚文のチョップで、肉が皿の上に落ちる。
「たく」
「あなたは、確か、特待生のナオフミだったかしら?」
「落第生の間違いだろ、王女様」
そう、皮肉を込めるように言った。
「そうかしら、あなたの事、結構評判は良いみたいだけど」
「まったく、誰がそんなデマを言ったのか」
「ラフタリアさんとキーラさんからよ」
「あいつら」
それを聞いて、尚文は呆れたように顔を覆う。
「ふふっ、仲が良さそうね」
「・・・あんた、結構良い性格しているみたいだな」
「あら、それはどうも」
そう、短いの会話ながらも、互いに既に腹の探り合いが終えたばかりに顔を背ける。
すると、今度は尚文からシドの方へと目を向けた
「あなたって午後からの実技科目は王都ブシン流だったわね」
「そだねー」
「私も王都ブシン流だから一緒に受けようと思って」
「いや無理でしょ、だってアレクシア1部じゃん。僕9部だし」
「私の推薦で1部に席を空けてもらったから大丈夫よ」
「それは大丈夫じゃないやつだ。僕は知っているからな」
「なら私が9部に行こうかしら?」
「やめてくれ、僕の立場がなくなる」
「2つに1つよ、選びなさい」
「いや」
「王女命令よ」
「1部行きまーす」
そう、強制的にシドはアレクシア王女と一緒の所へと向かう事になった。
そして、そのまま彼女はその場から去って行った。
「・・・ねぇ、ソラ」
「なんだ」
「君の目立たないその方法、僕にも教えてよ」
「そんなの俺が知るか、第一、あっちは俺に対しては興味はないと思うぞ」
「そうかぁ、それは残念だぁ」
こいつの事だから、影の薄いモブのようになりたいとか考えているだろうな。