「・・・シドの奴が捕まった?」
アレクシア王女と付き合い始めたという事でクラスでも注目を集めていたシドであったが、今度はその付き合っていた相手であるアレクシア王女を誘拐した疑いで捕まったらしい。
その事もあり、俺と尚文と友人関係という事もあり、騎士団に連行されそうになる。
正確にはなりかけたと言うべきだった。
「これが、その証拠なのですね」
「状況証拠としては、あり得るだろ」
そう言いながら、尚文は目の前にいるアイリス様に対して、堂々と言っていた。
尚文自身、冤罪で捕まっている事もあり、事前にそのような事が起きても良いように対応をしていた。
その結果、シドの無罪となる証拠を次々と出していった。
「それにしても、まさかあの時の青年が特待生だったとはな」
そう、グレンさんが俺達を見て、驚きを隠せなかった。
今回の1件は、騎士団の中にいる知り合いと言えるグレンさんの働きもあり、すぐにその証拠を出す事が出来た。
「にしても良いのか、今回の場合、尚文の方が目立つ動きになるけど」
「別に構わんよ、こういう繋がりでしか得られない情報もあるしな」
そして、俺達の今後の動きもまた決まっていた。
シドの誘拐の裏で行われるだろうディアボロ教団との戦い。
その戦いで、尚文は騎士団と共に行動する事。
それはある意味、駆け引きが得意な尚文ならではだ。
反対に、俺の場合は手札が豊富であるが、なるべく隠しておきたい。
「それにしても、まさかアーティファクトを持っていたとは」
「盾型のアーティファクトの持ち主か」
「こんな感じのアイテムを持つ者を探しているのが本来の目的だからな。まぁ、今回は厄介な1件に巻き込まれてしまったんだがな」
そうシドの事件に関する悪態をつく。
「それで、そっちの子は」
「俺の言葉が本当かどうかを証言して貰う為に来て貰ったんだ、気にしないでくれ」
そう、俺の方にはあまり注目をさせない為に言う。
実際には、この場においてもしもの時の脱出手段として俺は連れてこられた。
「とにかく、今後は尚文君の報告を元に調査を行った方が良いかもしれないわね」
そうして、事態は良い方向へと向かったと考えて良いだろう。
「さて、俺は色々と調べてみるが、お前はどうする?」
「俺の方は、とりあえずはアレクシア王女が囚われている場所を探るよ」
「悪いな、そういう方面ではお前の方が得意だからな」
その言葉と共に、俺達は別れる事にした。
さて、情報を探りたい所だけど、面倒な事におそらくはディアボロ教団の奴がこちらを尾行している。
本当に面倒だと考えていたんだが。
「ソラ!遊ぶです!」
「うん、タイミングが色々と」
デルタが何時の間にか俺に乗っていた。
同時に。
「・・・デルタ、もしかしてだけど後ろから来ていた奴って」
「んっ、あの雑魚だったら、始末したよ」
「・・・」
この時の俺の表情は一体、どうなっていただろうか。