学園生活にもある程度慣れてきた。
学園では、俺に関しては劣等生として扱われているが、特に貴族というのには興味はなかった。
「それにしても、尚文、本当に手作りにするのか?」
「まぁな、こっちではチョコは高級品だからな、まだ作った方が安いからな」
そう言いながら、俺は尚文と共にチョコの材料を買い出しを行っていた。
だけど。
「ソラ、見つけたのです!」
「うわっと!?」
すると、俺の目の前にいきなりデルタが現れた。
普段はシャドウガーデンにいるはずの彼女には驚きを隠せなかった。
「えっと、なんでここにいきなり?」
「この前の約束を守ってほしくて!」
「いや、でも、材料はまだ」
「それだったら、こっちで用意したのです!だから、早く早く!」
「えっちょっ!?」
そう、デルタは、俺を強引に手を引っ張って連れて行く。
これまでのデルタとは、どこか違った強引な方法に疑問に思いながらも、俺はそのまま連れて行かれる。
そうして、連れてこられたのは、どこかの一軒家。
わりと目立たない場所の一軒家という事で、疑問に思いながら。
「えっと、ここは?」
「隠れ家の一つです、ほら」
デルタは俺の腕に抱きしめる。
その動作はまるで甘えるような動作。
それに対して、俺は違和感があった。
しかし、同時に悪意はまるで感じられなかった。
「デルタ、何か変な物でも食べたか?」
「さぁ、デルタはここに来る前にイータから何か貰った気がするけど、気のせいじゃないでしょうか」
「あぁ」
その言葉にどこか納得する。
イータがデルタを実験台に使っているのは、聞いていたので、どこか納得した。
「それにしても、これって肉じゃなくて、魚?」
「今日は魚が美味しそうだと思ったので」
そう、デルタは喜々として言う。
だけど、その態度に、俺はさらに違和感が強くなる。
けど、同時に感じるのは懐かしさだった。
それと共に、俺はその直感にまるで従うようにデルタの頭を撫でる。
すると、デルタは一瞬、ぽかんとしていた。
「どうかしたんですか?」
「いや、なんとなく、その悪か「うぅん」んっ?」
「そのまま続けて欲しいです」
そう、俺の方へとデルタが頭をこちらに押し付ける。
それと共に、俺はデルタの頭をまた撫でようとした時だった。
デルタは、そのまま俺の方を抱きしめた。
同時に、襲い掛かってきたのは衝撃。
見ると、先程までの入口は破られ、そこには一つの人影が。
「グルルルルッ!!」
「えっ!?」
それと共に、睨みつけている相手。
そこには怒りを露わにしている表情でこちらを見ているデルタが、そこにいた。
「デルタがもう一人、いや、というよりももしかして」
「おい、雌猫!デルタの姿で、何をやっているんですか!!」
「…全く、本当だったら、もっと後にしたかったのに」
同時に、先程まで隣にいたデルタの姿が変わる。
身体を覆っていたのは、どうやらスライムスーツだったらしい。
それと共に露わになったのは、金髪の猫耳の女性。
胸元は大胆に開いている。
そして、そこには確かな面影があった。
「もしかして、リリムなのか!」
「あぁ、そうだよ、本当に、待っていたから」
それだけ言い、リリムは俺の方に抱きしめる。
そうしていると、デルタが飛び上がり、俺の肩に乗る。
「おいっ!雌猫!ソラはデルタの物ですよ!!」
そのまま器用に俺に乗りながら、リリムを睨みつける。
「何が物だ、ソラ様を勝手に襲っておいて」
対して、リリムもまた反対に睨み返す。
「…とりあえず、何か食べるか?」
「デルタは肉が良いです!美味しい肉料理!!」「ソラ様が作った魚料理が良いです」
そう、俺が尋ねると同時に二人は答える。
「「あぁ」」
それと共に、再度、睨み合った。
なんで、こうなったんだ。