「それで、一応聞くが、そいつらに関する手掛かりはあるのか?」
尚文が、まず確認したのは、その人斬り事件の犯行を行った存在に関する情報だった。
それらの情報がなければ、これからの調査も難しい。
それに対して、ガンマは首を横に振る。
「残念ながら。その犯行を行ったと思われる者達を捕らえるも尋問しても」
「情報は得られずか」
そう尚文は冷静に、それらの情報を纏めている。
「洗脳、いやそういう教育されている訳か。だとすれば、それ程徹底している奴らの身元を調べても無駄という訳か」
「えぇ、残った手掛かりはこの紙だけですが」
「・・・一応聞くが、そいつらの精神状態は死体の確認などは行うのか?」
「いいえ、それは行いませんが一体」
「俺が囮になって、奴らに襲われる。その際に奴らが帰還するルートを見つけろ」
「なっ」
それは、あまりにも危険な賭であるのは分かる。
「それは、あまりにも危険ですよ、いくらなんでも」
「だったら、試してみるか」
「それは一体」
「俺に一太刀、攻撃を当ててみろ」
そう、尚文は構えていた。
まるで無防備に見える状態。
「シャドウ様」
「やってみろ、それで理解出来るはずだ」
「・・・分かりました、ニュー」
「はい」
同時にニューと呼ばれた人物は、すぐにその手に剣を持ち、そのまま真っ直ぐと尚文に向かって振り下ろした。
それは無防備な胴体に向かって。
だが、俺の目は尚文の腕にある盾が変化した事に目を向ける。
「スライムシールド」「っ」
同時にニューという人物の表情は変化する。
それと共に尚文の胴体から確実に死んでも可笑しくない程の量の血が溢れ出した。
しかし、尚文は平然と立っていた。
「これは」
「お前達のスライムの一部を盾に吸収させて貰った」
「なるほど」
元々、スライムスーツ自体がどんな物でも変化する事が出来る代物。
それを騙す為に使うとは。
「なるほど、そのような偽装方法を考えるとは、それでしたら私達でも」
「お前達はスライムスーツの下は生身だ。その際の防御力を考えろ。
俺自身は、盾の勇者という事もあって、その辺は頑丈だから問題ないんだよ」
そう尚文は呆れながら言う。
「それで、シドの奴は」
そうして、作戦会議を終えた尚文の視線の先。
そこにはシドが呆然と見つめている。
それは、尚文もまた同じだった。
「・・・あれは」
山のように。
キラキラと光る金貨が見たことが無い量載ってきた。
軽く10億ゼニーはあるだろう。
「ッ! 少なかったでしょうか? 直ちに追加を用意……」
「いや、良い」
そのままシドは格好を付けながら、金貨に手を突っ込む。
それらの動作で、中二病をしながらも、ビビっている様子なのは、分かる。
「・・・ソラ」
「なんだ?」
「現代知識を活かせば、儲けられるのかな」
「それは止めておけ」
「だよなぁ」
元々商人として各地を渡り歩いていた経験もあった尚文からしたら、その価値はシド以上に高いのだろう。
同時に、その脳裏には、おそらくは商売方面に向けているだろう。