謎の人斬りに関する情報を探る為の活動が始まった。
その事件に遭遇するのは、かなり簡単だった。
「まさか、こんなに早く見つけられるとはな、しかも」
見ると、その戦闘を行っているのはアレクシア王女だった。
前回の事件でもそうだったが、彼女が事件に巻き込まれる確率はかなり高いようだ。
それに対して驚くが、すぐに動けそうにない。
「さすがにアレクシア王女の前で姿を見せる事は、尚文は出来ないな」
この場で現れたら、すぐに怪しまれる。
何よりも今回の目的の為にも、死んだふりをする事は出来ない。
「だったら、ここは」
そう、俺がそのまま鍵を取り出そうとした時だった。
アレクシア王女の前にシドが現れる。
「シャドウガーデンの名を騙る愚者よ、その罪、その命で償うがいい」
シドが言葉を発すると同時に、黒ずくめの男たちが動く。
その判断は一瞬だった。
彼らは石畳を蹴り、壁を蹴り、屋根へと登り、逃げ去る。
「全く、あいつは」
本来ならば、中二病だという事で、その事を注意するべきだろう。
だが、この場においてはベストかもしれない。
奴らは、シドという存在の脅威を知っている。
だからこそ、その場を逃げた。
シドは確かに中二病だが、その強さは異常だ。
それを前にして、奴らが取る行動はまずは最も安全な場所に逃げる事。
「という事で、現れろ、酉の守護者!」
それと共に、俺は鶏の守護者である女性が現れる。
後ろ髪と同じ位長い前髪を三つ編みにし、まるで簾のように垂らした髪型が印象的な白髪の女性。
「まさか、呼び出す事があるなんてね」
その人物は、冥冥。
戦闘能力も高いが、この場において最も必要とされる能力がある。
「こちらは報酬の金です。
一応前払いとして」
「うん、こういう風に事前に用意しておくのは感心するよ、それで仕事の内容は」
「あの男達を追っ手欲しい。そのアジトを突き詰めたら、追加報酬も」
「そうね、ならば張り切るとしましょうか」
そのまま、冥冥さんは笑みを浮かべながら、向かって行った。
あとは、シドの奴が。
「ねぇ」
「んっ、あれ?」
先程まで奴らを追っていたはずのシドがなぜかこっちにいる。
「お前、奴らを追っていたんじゃないのか?」
「いやぁ、勿論追うつもりだったけど、少し気になってね」
「気になるって?」
「それは勿論、先程の女性、もしかして守護者の1人なの?」
「まぁ、そうだけど」
すると、シドは笑みを浮かべていた。
「ねぇ、あれって、一体、どういう能力なんだい?」
「能力って、まさか黒鳥操術か?確かカラスを操ると聞くけど」
「カラス、良いねぇ!」
「まさか」
それと共に、俺は顔に手を隠した。
「その方法、教えてくれないかなぁ!カラスと影の実力者はぁ!」
同時に、純粋に目を見開いてこちらを見る。
けどな。
「冥冥さん、多分教えてくれるとは思うけど、条件があるぞ」
「条件?それは?」
「金」
瞬間、シドの顔は真顔になった。
「どれぐらい」
俺はそのまま手でその額を教えた。
同時に、シドは、真顔になった。
「・・・まさか、これ程の強敵がいるとは」
「お前、弱点絶対に金だな」