固く閉ざされた高い門が、音を立てながら重々しく開いていく。門の隙間から見えていた景色がさらに開けて、正面にはっきりと洋館を捉えた。庭師によってよく手入れされた広い庭の先に建つその洋館は、一般人からすればまるで居城だ。
「すご……」
俺は一瞬躊躇いを覚えたが、はっと我を取り戻すと敷地内に足を踏み入れた。
夜も更け、辺りの庭は暗がりに沈んでいる。ひと気がなく、どこか落ち着かない気分になりながら進む。そうして洋館の出入り口がすぐ目の前まで来たところで、一人の少女が立っていることに気がついた。
「ようこそいらっしゃいました」
愛だ。メイド服を着こなし、四宮家の使用人として働く彼女は、普段よりも感情を抑え気味だ。澄ました表情を崩さず、恭しく頭を下げ、背にしていた扉を俺へ譲るように横へと移動した。
「かぐや様がお待ちです。お一人でお進みください」
扉を少しだけ開き、愛はそう告げる。
何だか異様に緊張してきた。いったい何が待ち受けているのか。プレゼントとは何なのか。
俺は愛の横を通り、扉の取っ手に手を掛ける。
「ん?」
そのまま開こうとしたとき、低い振動音が聞こえてきた。ヴヴヴヴヴ、という聞きなじみのある音。その発信源である音を辿って横を見ると、ちょうど俺から目を逸らすようにそっぽを向いた愛がいた。
ヴヴヴヴッ! ヴィン! ヴィン! ヴィン!
間違いない。衣服に包まれた愛の両胸の頂が、カプセル型に膨らんでいる。そこから振動音が。それと、足元まで伸びるロングスカートの中から、何かが激しく描き回る音も聞こえていて、中で何が起こっているのか見なくてもわかった。
「愛」
「ぃ、いけません……」
きっと、俺のために準備を整えてくれているのだろう。健気で淫らな愛を前にして俺は方向転換を余儀なくされ、愛の前に歩み寄る。愛は視線を逸らしたまま、けれども何かを期待するかのような熱を帯びた微笑みを見せる。
「早くかぐや様の下に、行ってあげてください……」
「いや、でも……」
それが余計に誘っているように思えて、俺は愛の細い肩に手を伸ばし――。
「人の家の前で浮気しないで!」
閉ざされていた扉が勢いよく開いたかと思えば、かぐやが顔を出して大声を張り上げた。突然の声にビクッと肩を震わせてしまった俺とは正反対に、愛は全く動じず、悪だくみが失敗に終わって少し悔しそうに眉を寄せた。
「あぁ、そこにいたんですか? かぐや様」
「ずっといたわよ!? というか、私が玄関で待っていることは知っていたでしょ!?」
「そう言えば、そうでしたね。ぁ、あぁ~、いけません、ご主人様……!」
「こらーっ!」
かぐやと話をしながら、愛が急にしなを作って身をくねらせる。なお、俺はまだ指一本触れていない。けれどもそれを見たかぐやが堪らず外へと歩み出て、俺の手を掴んだ。
「ちょ、おぉっ……!?」
洋館の中へとかぐやに引っ張られていく俺。
「いってらっしゃいませ」
一転して使用人としての態度に戻って、深々と一礼する愛。
その姿は、直後に閉まった扉によって遮られた。
静まり返る洋館の中。玄関の前で俺は、かぐやとしっかりと対面した。
「もうっ、早坂のせいで台無しよ……」
頬を膨らませて不満を示すかぐや。その様子は、学校では見られないものだ。気を許した侍女である愛だからこそ、こんなにも砕けた態度と口調を見せるのだろう。それがちょっと羨ましくて、俺もかぐやと早くそんな関係になれないかと思いを巡らせ、俺は高まり続ける欲望をどうにか制御した。
今、俺の理性は窮地に立たされている。
かぐやの家で、かぐやと二人っきりなのが問題なのではない。
問題なのは、かぐやが身に纏っている服だ。
分類としては、ネグリジェなのだろう。ただそれは、俺の知るネグリジェと呼ばれる服装よりも露出度が高すぎた。
首の後ろから伸びている紐のように細くフリルのついた生地が、途中から面積を広げてピンク色の乳輪を隠している。黒いその生地が極薄で、上から透けて見えるという状態のため、隠しているという表現が適切なのかはわからないが。
かぐやの控え目ながらも形の良い色白美乳が、横乳も下乳も堂々と晒している。
胸の下からは生地が大きく広がって、幕のように太ももまでを覆っている。だがそれも、肌が透けて見える薄さだ。かぐやが中に履いている黒いショーツも丸見えで、そのショーツに空いたハート型の挿入穴もはっきりと確認できた。
恥部を隠すのではなく、着飾って卑猥さを増す目的のセクシーランジェリー。それを着たかぐやは靴を脱いで玄関に上がると、俺の正面に立った。恥ずかしいと思っているようでほんのりと頬が紅潮している。だけど、それ以上に俺に見てもらいたいという思いが強いようで、両手を体の後ろで組んで胸を張るように立っていた。
「いかが、でしょうか……? 奈央さんのお勧めで買ったのですけど……」
もじもじと身じろぎするかぐや。
「気に入っていただけると思ったのですが……」
俺の反応を窺うように上目遣いになって、俺を見上げてくるかぐや。
これは、やばい。綺麗だとか、見惚れるとか、そんな感想は出てくるのに。告げるよりも前に俺の体が動いた。
「あ、んっ……」
ほとんど無意識に伸ばした手が、かぐやの乳房を上から掴む。手の平サイズ。多少乱暴と思える力でむにゅりと乳肉を揉みつぶした。かぐやは声を漏らしたが、拒絶はしない。さらに力を入れて乳肉の柔軟さと体温を感じる俺に、柔らかく笑いかける。
「胸だけで、いいんですか……?」
いいわけがない。
「きゃっ……」
かぐやを抱き寄せ、今度は尻に両手を伸ばす。若く、瑞々しい肌。程よく締まったそこへ手を這わせ、尻肉に指を沈める。ギリギリと締め上げて手に伝わる弾力と熱が強まっていき、それだけで俺の支配欲求の一部が満たされた。
好きな女の、かぐやの尻を滅茶苦茶にこねくり回す。こんなことをできるのは、かぐやが気を許した俺だけ。恋人の俺だけが唯一楽しめる感触であるため、俺はしばらく夢中になってかぐやの尻に自分の手形の痕を残す。
「お尻、いっぱい触っていいですからね……。もちろん、それ以外も……」
かぐやが俺に顔を寄せ、間近で見つめながら囁いてくる。
「好きなときに、好きなだけ……。あなたが望むのなら、学校でも外でも……。何をされても構いません……。愛しいあなたが喜んでくれるのなら、私はどんなことでもしてあげます……。なんだって捧げてみせますよ……?」
かぐやは淑やかな貌に発情の色を湛え、俺にしな垂れかかる。
かぐやから漂う甘い香りと、発せられた甘い言葉。昼間と同じく、かぐやによって発情させられ、肉棒がズボンの内で膨らむ。前回はかぐやに勃起を抑制されてしまったが、今回はそんな間もなかった。
かぐやも、俺を無駄に苦しめるつもりもないようで。
「おチンポ、苦しそうですね。すぐに解放してあげますからね……?」
俺の勃起をいち早く察知し、かぐやが俺から体を少し離す。密着していた俺たちの体の間で隙間ができ、かぐやが俺の股間に手を伸ばす。
チャックをつまみ、ジーッと音を鳴らして下ろしていく。下まで到達し、開いた穴に指先を忍び込ませる。下着の穴からさらに奥へと至り、亀頭の向きを変えて穴から顔を出すようにポジションをずらされていく。
そうして、ブルンッとズボンから解放された肉棒。
「昼間はごめんなさい」
かぐやの手が竿を優しく握る。
「ちょっと意地悪でしたね。お精子、溜まってしまいましたよね?」
シコ、シコと乾いた手でも痛くないようにと慎重に扱いてくれる。
「いや、俺が、悪かったから……」
全部、かぐやを放っておいた俺が悪いし、言い訳はしない。それに、少しくらい射精を我慢するくらいなんてことない。さすがに一週間禁欲生活を強いられたら辛いだろうし、奈央たちがここぞとばかりに誘惑してきたら生き地獄だろう。
「かぐやは謝らなくていい」
「そうですか……。わかりました……」
かぐやは穏やかに笑みながら、片手で竿を扱いて反対の手の人差し指で亀頭を弄り回す。くりくりと円を描くように。俺の感じやすいところを探って、そのうちに裏筋へと行き着き、重点的に攻められる。
「うっ……!?」
「ここが一番気持ちよさそうですね……?」
裏筋を何度も這うように往復していく人差し指。弱点を隠すほど器用ではない俺は、かぐやに攻められる。それでより一層興奮を煽られて、ズボンの抑制から自由になった肉棒は何の妨げも受けずに膨張を続ける。
「肉厚で、でこぼこしていて、それにすごく硬い……。あぁ、こうして触っているだけで、私を相手に、こんなに興奮してくれているのだとわかって、私は今とても幸せです……。もっと、気持ちよくなってくださいね……?」
扱かれていると、尿道から我慢汁が垂れ出てきた。かぐやはそれを有効活用し、両手を使って肉棒全体に薄く広げていく。全貌が妖しくぬらぬらと光るようになるまで時間は掛からず、あっという間に我慢汁でコーティングされた。
かぐやが肉棒から手を離すと、ぬちゃぁと糸を引いていた。
「だいぶ濡れてきましたね。これなら問題ないでしょう」
そう言うとかぐやは俺から離れ、玄関前の壁に両手を突く。その体勢のまま後ろを振り向き、俺を見つめる。そうしてあろうことか、俺へと突き出した小尻を左右にフリフリと揺らし始めた。
「まずは玄関で。一発お射精して、スッキリしておきませんか?」
「ここ、で……?」
「はい。大丈夫ですよ。屋敷の中には今、無関係な使用人たちはいませんから。関係者は数人いますが、まあ、そちらも大丈夫です。ですので、どれだけ大きな声を出しても、音を立てても構いません」
かぐやは言いながら、片手の指を自身の股へと移動させ、陰裂に指を引っ掛けた。
何の戸惑いもなく、かぐやは陰裂を開き、ヴァギナを花のように咲かせた。
「事前によく解しておいたので、きっと気持ちいいですよ?」
言葉通り、膣穴は濡れているようだ。これから入ってくる獲物の到来を待ちわびて、蜜を微かに垂らしてひくひくと収縮している。その様子が凄まじく淫猥で、俺は食虫植物に誘われる獲物のようにかぐやに近づいた。
ふらふらとした挙動で距離を詰めていき、俺は求愛の尻振りを続けるかぐやの背後に立った。
ドスケベな黒ランジェリーによって、美しさを引き立てられた白い尻。雄の心を惑わすことに特化した下着は、俺が突き出した肉棒を全く阻止することなく、ハート型の穴から丸見えの秘所へと接近を許す。
かぐやの指で陰裂は開かれたままであり、膣穴に照準を合わせるのは容易だった。
「ん……」
亀頭と膣穴がぐぢゅりと重なって、かぐやが秘所から手を離した。壁に両手を突いて前を向いて、ただ俺の挿入を待っている。
思えば、かぐやの処女を奪った時も、立ちバックだったっけ。
少し前のことを思い返しながら、俺は腰を前に突き出し、かぐやの中に入っていった。
「ぉ、おぉ、お……」
「んぅ、ぁ、ぁあああっ……」
ズプズプゥと肉棒が狭い膣中に埋没していく。中は解されていて、ぬめる愛液が絡みついてくる。膣肉が強く締めつけてくるたびに、俺とかぐやの生殖器が密着し合って、互いに多大な悦楽をもたらしてくれる。
「んっ、ぉ、おく、届いて、ますっ……」
子宮口まで亀頭を進ませ、こつんと接触。
挨拶を済ませた俺は、かぐやの柳腰を両手で掴み、ゆっくりと腰を振り始めた。
「ぁんっ、ぁぁっ、んっ、ぁっ、ぁっ……!」
人の家の玄関。目の保養になる下着をつけたかぐや。昼間に一時的な禁欲を強いられ、その反動で高揚した肉棒。殊更に厚みを増した極太の男根で、かぐやの内側を隅々まで余さずに蹂躙する。
「っ、ぉっ、んぉおっ、ぁぁっ、やっと、繋がれて、嬉しっ、ぉ、ほっ……!」
俺の股間とかぐやの尻。二つが離れ、我慢汁と愛液に濡れた肉棒が取り出され、すぐにまた挿入させる。もはや当たり前のようにかぐやと一つになれている事実に、何度もこの状況を俯瞰的に見直しては、自分の幸福を嚙み締める。
かぐやに恋焦がれている男がどれだけいるかは知らないが、彼らはもうこの光景を見ることができない。かぐやの綺麗な背中を見下ろしながら、纏わりつこうとする膣肉を振り払い、マンコの奥へ奥へと肉棒を進ませるこの気持ちよさを知ることなどできない。
俺だけが見られる光景。俺だけがかぐやと繋がれる。
「おチンポっ、おチンポ気持ちいいぃっ……! あなたの熱が、存在が、大切な場所で感じられて、ぁっ、ぁあっ、んぁっ……! どんどん、速くなってきてっ、ぉおっ、ぁっ、変な声が出ちゃ、んぁあっ、ぉおっ、んっ、ぉおぉお~っ……!?」
優越感。支配欲。心中にて感情が膨れ上がる。
こうして思うと、やっぱり俺はかぐやのことが一番好きなのだと認識させられる。
俺だけが見られる光景を独占し、決して人には見せられないような欲望で歪んだ酷い笑顔を自然と形作って、俺はかぐやの一番奥に情熱を注いだ。
「ぉおおっ……!?」
「ぁぁあっ……!? 雪崩れこんでっ、んぁあっ……! これっ、これ大好きぃっ……! 愛する人に腰を掴まれて、逃げられない状態で、種付けっ……! 孕ませてやるっていう思いが伝わってきて、自分から勝手に、お尻動いちゃいますっ……」
膣の最奥で、脳が蕩けるほどの幸福一色の中出し。かぐやが尻を動かしたことで、子宮口がぐちゅぐちゅと亀頭を揉み解し、どんどん深みに嵌っていく。完全に蓋をする形で接触し、そこへ膣圧が加わる。
びゅるびゅるびゅる、と精液が搾り取られる。
「もっとっ、もっとぉ、出してっ、出してっ、種付けしてぇっ……!」
子宮に子種を浴びることにド嵌まりしたかぐやによって、刈り取られる。
金玉の精子が一気に放出されたのではと錯覚する射精の後、余韻に浸る。
玄関で、息を乱す俺とかぐや。閉まったはずの背後の扉から何故か隙間風が流れてきて、温まっていた俺たちの肌を程よく冷やす。それで正気に戻るかと言われれば、そんなことはない。強い欲望を抱えたまま、中途半端に冷静さを取り戻す。
「こ、このまま、寝室に行きましょう……」
「わ、わかった……」
壁伝いに移動し、廊下へと出ようとするかぐや。俺はチンポを挿入したまま、かぐやが前に倒れてしまわないように両手を体に巻きつける。少々変則的な立ちバックのまま、二人三脚のように歩調を合わせて前に進む。
「抜いてから移動したほうが速いのに……。まあ、これはこれで良い映像になりますが……」
という呟きが背後から聞こえてきたような気がするが、きっと気のせいだろう。
俺はかぐやを抱きながら廊下を進む。案内に従って移動した部屋に入って、内装を細かく観察するよりも先に、天蓋付きの大きなベッドに這い上がる。そうして、全く休みを経ずに、俺たちは流れるようにバックでのセックスを始めた。