今回は予告した通り、海羽とバーツの初夜の話となります。
乗っていた船が突如轟音と共に大きく揺れ、海に投げ出された時海羽は何が起こったのかを理解できなかった。訳も分からぬまま海に落ち、半ばパニックになりながらも何とか顔を水から出し、口の中に入った海水を吐き出しながら辺りを見渡して。乗っていた船が炎を上げて真っ二つに折れながら沈んでいく様子に漸く船が沈没しているのだと言う事を理解した。
夢だと思いたかった。さっきまであの船に乗っていて、海都に帰った時の事を友達と話していた筈なのだ。それがこんな事になるなんて、悪い夢か何かだと思いたかった。
だが海水の冷たさと、断続的に響く爆発音。そして自分同様船から投げ出された人が海に落ちていく悲鳴で、これが現実の出来事なのだと言う事を実感させられる。
少しの間呆然としていた海羽だが、ふと船から落ちた人が沈む船に引っ張られるように海中に引き摺り込まれる姿を見てここに居てはまずいと船から離れた。もしかしたら、自分同様に船から離れた所に落ちた人も居るかもしれない。だが今の彼女に、同じ境遇の人を探し出そうとするだけの余裕は存在しなかった。今彼女が考えられる事は、死なないように船の残骸から離れて且つ何か沈まないように捕まる事が出来るものを探す事だった。
幸いな事に、浮き輪代わりに出来そうな船の残骸は見つける事が出来た。最初の爆発で吹き飛ばされたのか、水流に巻き込まれない位置をプカプカと浮いている。海羽はこれ幸いと、浮いている残骸にしがみ付き一息ついた。
取り合えず直ぐに沈んでお陀仏と言う事は無くなり安堵する海羽。だが振り返ればもう船の残りの部分は殆ど沈んでおり、海面には小さな残骸が幾つか浮かんでいるだけであった。救命艇どころか、食料が入っていそうなリュック一つ見当たらない。
このだだっ広い海の上で、海羽は船も食料も無く漂うしかなくなってしまったのだ。それを理解した瞬間、海羽の心に絶望が広がる。
だが海羽は諦めなかった。これだけの出来事、きっと救助が来てくれる筈。そう信じて、海羽は無駄な体力を使わないようにと残骸に掴まりジッとしていた。
そうしてどれだけの時間が流れただろう。空に浮かんでいた太陽が沈み、月が頭上を通り過ぎてまた太陽が顔を出し。それを何度見たか覚えていないが、少なくとも頭上を月と太陽が二回ずつ通り過ぎたところまでは覚えている。
待てども待てども救助は来ない。と言うより、自分は船が沈んだ場所に留まる事が出来ているのか。不安が過るが、空腹と体力の低下で朦朧とした意識にその事を長く考えている事が出来ない。今彼女に出来る事は、ただ只管に誰かが助けてくれることを願う事であった。
「海―!? ―羽、し――り―ろ!?」
「ぅ……ぁ……」
もうダメかと思ったその時、誰かが自分に声を掛けているのが分かった。朦朧とした意識の中、残された力を振り絞って目を開けると、そこに居たのは海都で出会った青年のバーツであった。何時の間にか、彼の顔がすぐ近くにある。そして彼の顔を認識した瞬間、肌を通して温かさが伝わってきた。彼に抱きしめられているのだ。
それを理解した瞬間、海羽の顔に安堵の笑みが浮かんだ。
「ぁ……バー、ツ?」
「あぁ俺だ。しっかりしろ、もう大丈夫だからな!」
こちらを安心させるように力強く声を掛けてくれるバーツの言葉に、海羽は心の底から安堵した。これでもう大丈夫、自分は助かった。そう思うと一気に意識が遠退くような気がして、海羽は彼に抱かれたまま意識を失った。
そうして気が付けば、彼女はバーツ達の拠点であり移動手段のシルバーレガシー号の一室に入れられていた。
あれが極限状態で脳が見せた都合のいい夢などではなかった事に心の底から安堵し、そしてやって来たバーツから色々と話を聞いて自分がどういう状況なのかを理解する。
端的に言えば、今の海羽は暫くバーツ達の厄介にならなければならないと言う事が分かった。どうやら救助を待っている間に大きく流され、海都からは大分離れたところで彼らに救助されたらしい。それだけなら別に問題は無いのだが、厄介なのはここからで海羽は暫く海都に帰る事が出来ないと言う事が明らかとなった。
この船はバーツ達の所有物であり、主導権は彼らにある。そして彼ら非合法の運び屋であり、今も荷物を運んでいる真っ最中。海羽を見つけられたのは本当に偶然の産物で、しかも海羽を救助する為に予定していた航路を少しズレてしまい急がなければならないと言う状況に陥っていた。
ならば連絡だけさせてくれと頼んだが、今太平洋上では一部の海域で通信状況が悪くGPSすら満足に機能しない所があるらしい。それが今正に彼女達が居る海域であり、ここに居る限り海羽は海都に連絡する事も出来ないのだ。
その事実にどうするかと悩んだ海羽だったが、何時までも悩んでも仕方ないと海羽は暫くバーツ達の手伝いをする事を決めた。どうせ暫く海都に帰れず、この船の厄介になるしかないのなら穀潰しになるよりも何か手伝いをした方が有意義だと判断したのだ。
そんな訳で海羽は一時的なシルバーレガシー号の船員として働く事になった。彼女の主な仕事は船員達の食事管理。保存食やレトルト食品ばかりの彼らに、毎食手作りの温かい食事を提供した。鉄平と共にBARで客に出す料理を学んだ甲斐があったと言うものだ。
やる事が出来、充実した日々を送っていた海羽。だがしかし、その心には絶えず不安が渦巻いていた。見知らぬ地に何度も足を運び、何時帰れるかも分からぬ状況。父は大丈夫だろうか? 瑠璃は心配していないだろうか? もしかして、自分が死んだと思って精神的に皆参ってはいないだろうか?
最近は寝ても覚めてもそんな事ばかり考えてしまう。
それとは別に、海羽の中ではある感情が渦巻いていた。それはバーツへの好意。
前々から、薄っすらと自覚していた。自分はバーツの事が好きなのだと。それが先日、漂流していたところを彼に助けられた事で本格的に意識するようになった。認めよう、自分はバーツの事が異性として好きなのだ。
好意を自覚すると、気付けば彼の姿を目で追う様になってしまう。元より船の中と言う限られた空間、彼の姿を見る機会も、彼と触れ合う機会も腐るほどある。
胸の内に渦巻く不安と好意。異なる二つの感情が混ざり合い、更に船の中と言う閉鎖的な空間での生活は精神的に未熟な海羽から自制を奪うには十分過ぎた。
もう、胸の内で昂る想いと渦巻く不安を抑える事が出来ないところまで来ていた。
そして…………ある事がトドメとなり、彼女は遂に限界を迎えた。
「――――ん?」
ある日の夜、自室でベッドに寝ころびながら雑誌を読んでいたバーツは、扉をノックする音に顔を上げた。時計を見れば時刻は既に夜の9時を過ぎている。こんな時間に誰が自分の部屋にやって来たのか?
「誰だ、こんな時間に……?」
何か緊急事態なのであれば、こんな控えめなノックはしない。もっと扉をぶち破るレベルの叩き方をする筈だ。そうではないと言う事は、決して緊急性が高いと言う訳では無いがそれでもバーツに用事がある人物と言う事。
首を傾げながらバーツがベッドから起き上がり、扉を開けて外を見るとそこには海羽が佇んでいた。
「海羽……?」
「バーツ……今、良いかな?」
何処か控えめに訊ねてくる海羽。その姿は何時もに比べて何処か縮こまっているように見える。
取り合えず何時までも廊下に立たせておく訳にはいかないので、バーツは海羽を部屋に招き入れると一応周囲を確認してから扉を閉めた。夜中に海羽が訪ねてきたところを、他の船員に見られたら何を言われるか分かったものではない。
海羽を部屋に入れると、バーツは彼女をベッドに座らせた。生憎と部屋には机と椅子なんて物はないので、ベッドか床しか座らせられるところが無いのだ。
「何か飲むか?」
「ううん、大丈夫」
「そうか…………で? どうしたんだ?」
何やら思いつめた様子の海羽に、バーツが出来るだけ優しく問い掛ける。すると海羽は、何度か床と彼の顔を交互に見てから俯き震える体を抑えるように自分の肩を抱いた。
「ずっと……我慢してた。海都から離れて、知らない外国に行って……。その間に、お父さん達が心配してるって思うと、居てもたっても居られなかった」
バーツも分かってはいた事だが、海羽は早く故郷に帰りたいと思っていたのだ。だが今の彼らには彼女を海都まで送るだけの余裕がない。大口の仕事であった恭子との契約も途中で切れてしまい、当てにしていた収入が入らなくなった事で新たな仕事をこなさなければならなかった。
言ってしまえばこれは彼らの都合であり、その都合に海羽を巻き込んでいる事にバーツ達も罪悪感を抱いていた。
怯え、震えた様子の海羽に、とうとう彼女も精神的に限界が来てしまったのかとバーツは頭を抱えそうになった。だが次に彼女の口から出てきたのは、予想していたのとは違う言葉であった。
「……でもね?でも、それはまだ我慢できるんだ」
「そう、なのか?」
「うん。お父さん達は私の事を心配してくれてるだろうけど、でも、生きてれば必ず会える。だから頑張ろうって、そう思えるの」
ならば何が不安なのか? バーツが続きを促すと、海羽の体の震えが大きくなった。
「最近……夢を見るの」
「夢?」
「船が沈没して、海に流された時…………あのままバーツに助けてもらえずに、そのまま海の底に沈んでいく夢。……それから、船と一緒に沈んでいった人達が、私を連れていこうとする夢…………!?」
そこまで言って海羽は声にならない悲鳴を上げて体を縮こませた。あまりにもリアルな夢。目が覚めた時、恐怖に全身が汗でびしょ濡れになっている事も最近はザラだった。それくらいあの事件は海羽の中でトラウマとなっており、そしてその時の恐怖と絶望は未だに彼女の心を蝕んでいた。
恐怖に震える海羽を見て、バーツは堪らず彼女の体を抱きしめる。恐怖に震え、心細そうにしている彼女の姿を見ていられない。
バーツが力強く彼女の体をギュッと抱きしめてやると、伝わる体温に海羽の体の震えが納まった。彼に包まれていると言う感覚が、海羽の心に言いようのない安心感を齎していたのだ。
そんな気持ちに包まれたら、もう彼女は我慢する事が出来なかった。
「ねぇ、バーツ……お願いがあるの」
「ん?」
「私の事、抱いて……こういうのじゃなくて、もっと…………!」
海羽の言う”抱く”の意味を察し、バーツはヒュッと息をのむ。まさか彼女の方からこんな事を言ってくるとは思っていなかった。勿論嫌と言う訳では無い。寧ろ歓迎したい。彼だって海羽の事は好きなのだ。そうでなければあそこまで必死になったりはしない。
「ちょ、待て海羽ッ!? 抱く? 抱くって、そりゃまさか……」
目を白黒させながらバーツが訊ねれば、海羽は頬を赤く染めながらコクンと頷いた。自分と真正面から喧嘩するほどの彼女の、乙女な一面にバーツは頭がクラクラしそうになるのを堪えて本当にそれでいいのかと確認を取った。
「い、良いのか? 本当に良いのか? 俺みたいな学校にも行ってないアウトローなんかで……?」
「そんなの関係ない! 私、バーツの事好きなの! 好きになっちゃったの! バーツじゃなきゃ嫌なのッ!!」
海羽からの大胆な告白に、バーツは言葉が渋滞を起こして開いた口から言葉が出てこなくなってしまった。何も言わない彼に、海羽は不安になって上目遣いに問い掛けた。
「それとも……バーツは、私の事……嫌い?」
意識しているのか天然なのか、海羽はバーツの本能を刺激するような態度を取った。こんなのを見せられて、しかもその相手が自分も好いている相手なのに何も感じないでいられるほど彼は欲を抑えるのが得意ではない。
バーツは海羽を抱きしめていた腕の片方を自由にし、手で彼女の顎を軽く持ち上げた。自分の方をしっかり見ている海羽に、彼は真剣な表情で先程の質問の答えを口にした。
「んな訳ねえだろ。俺だって、海羽の事は大好きさ。だけど、本当に良いんだな? 俺も男だ。一度始めちまったらもう止まれる自信はねえぞ。特に、大好きな海羽が相手となったらな?」
バーツの方も自分の事を好いてくれている事に、海羽は嬉しくなり自分の体を抱きしめていた両腕を彼の首に回した。
「言ったでしょ? バーツが良いって。バーツになら、私……めちゃめちゃにされても良いよ? ううん、違うか。めちゃめちゃにして。怖い夢を忘れちゃうくらいに……」
まだ少女特有の幼さの残る顔立ちの中に、確かな女性としての艶やかさを携えた顔をバーツに向ける海羽。誰が言ったか、15歳を超えればもう子供ではないと言う言葉をバーツは思い出していた。その時は特に気にも留めていなかった言葉だが、今彼はその言葉をその身で実感していた。
そしてバーツは、海羽に誘われるままに彼女の唇に優しくキスをした。
「ん……ちゅ……ちゅう、んむ……」
最初は触れ合うだけの、相手の出方を伺う様なキス。バーツの事だからもっと積極的なキスをしてくると思っていた海羽は、予想に反して優しいキスを彼がしてきた事に驚きを感じていた。
だがよく考えてみれば当然か。この船は完全な男所帯、海羽が来るまで仲間の女性はただの1人も居なかったのだ。唯一共に行動していたのは、海羽のあった事のない恭子達のみ。そして彼女達とは雇用被雇用の関係でしかなく、男女の触れ合いなどある訳が無いのだ。
バーツが今まで女性とロクに触れ合った事が無くても何ら不思議はない。
(……ふふっ)
そんな彼を海羽は素直に可愛いと思った。普段は海賊を気取り、悪党を気取っているがその実根は優しくて相手に対して気遣いを忘れない。彼が持っていたギャップに海羽は胸をときめかせていた。
ぎこちなく海羽に触れてくるバーツを、海羽はそっとリードしてやる。自分から舌で唇を割って入れて、バーツの口内で待機している舌に絡ませた。
「んぐっ!?」
「んふふ……!」
突然海羽が舌を入れてきたものだから、思わずバーツは目を白黒させる。そんな彼が可愛くて、海羽は更にバーツの口内を舌で嘗め回してやった。2人の唇が触れ合った箇所から、唾液が混ざり合う湿った粘着質な音が室内に響く。
暫くは海羽がリードしていたが、バーツとて何時までも海羽に引っ張られてばかりではない。彼自身が初めてだと言うのもあるが、海羽が初めてかどうか分からないからいきなりがっつくような真似はせず様子見も兼ねて精神力で理性を押さえて控えめに触れていただけなのだ。だが海羽が自分から積極性を見せたのであれば話は別。
海羽が自分から勝手知った様に舌を入れてきたと言う事は、イコール本当に好きにしてOKと言う事。少なくともバーツはそう判断した。
ならば遠慮はいらないと、彼は海羽に負けないとばかりに口の中に入って来た彼女の舌を自分の舌で絡め取った。
「んむぅっ!?」
バーツの舌が突如動きを変えたことに海羽が驚きくぐもった声を上げる。彼はそれに頓着せず、そのまま彼女の舌を嬲ると逆に彼女の口内にまで舌を伸ばした。逆侵攻だ。それまで彼をリードしていた海羽は、逆に彼にリードされつつある事に翻弄され体を震わせた。
「んっ! ふぅ、んんっ! ちゅぅ、れろ……んくっ!」
体を震わせながらも何とか反撃しようとしていた海羽だが、バーツは一度ペースを握ると強くなかなか巻き返せない。戦いには強いバーツだが、こんな所でも強さを発揮するとは……
しかもそれだけでなく、初めてのディープキスの快楽に加えて酸欠もあってそれ以上のキスの続行が困難になった。
堪らず海羽は舌を引っ込め唇を離そうとした。彼女が離れようとしたのをバーツも気付き、2人は顔だけ離してキスを中断する。
「ぷあっ! はぁ、はぁ……」
快楽と酸欠で顔を赤くした海羽が肩で大きく息をする。そんな彼女の姿もどこか艶やかで、バーツは思わずゴクリと喉を鳴らした。
バーツが自分への性欲を滾らせているとは気付かず、海羽は先程まで彼と触れ合い唾液で塗れた唇にそっと触れた。
「キス、しちゃった……初めて、しちゃった……へへっ! キスって、こんなに気持ちいいんだね」
「何ならもう一回するか?」
「ううん。それより、今は……」
海羽はバーツを引っ張る様にして後ろに倒れ、ベッドの上に横たわる。彼もそれに引かれるままに倒れ込み、両手をベッドについて海羽の上に覆い被さった。顔の左右にバーツが手をつき、逃げられない形となる。
尤も海羽に逃げる気など皆無だったが。
海羽は自分の上に覆い被さるバーツに手を伸ばし、バーツはそれを振り払う事なく受け入れた。
「バーツ……大好き♡」
「あぁ……俺もだ、海羽」
2人は互いに相手の唇に、今度は一瞬触れるだけの軽いキスをした。
それが合図となる。海羽とバーツは、互いに相手の服を脱がしていった。
バーツの体は肌は浅黒く、年齢の割に全身が筋肉質で引き締まっていた。やはり普段から船の上で力仕事したり荒事に手を染めているだけあって、自然と鍛えられていたらしい。
対する海羽は、こちらは荒事とは無縁な為傷一つない綺麗な肌をしている。筋肉が付いている訳では無いが、無駄な肉がある訳でもなく、バランスの取れた魅力ある体つきだ。
とりわけ目を引くのはその胸だ。服の上からでは分かり辛かったが、海羽は同年代の少女たちに比べて発育は良い方であった。常日頃瑠璃と比べて自分は貧相だと嘆いていた海羽であるが、それは比較対象が悪いだけであって海羽も魅力的な体付きをしている。
それを間近で見て、更に海羽から立ち上る体臭にバーツは頭がクラクラしたような感覚に陥った。思わず海羽の裸体を上から下までまじまじと観察してしまう。
「そ、そんなまじまじと見られると、緊張するんだけど……」
「あっ!? ワ、ワリィ……」
「ううん……」
一呼吸置き、2人は互いに見つめ合う。もうここまで来たら、後はなるようになれ。今必要なのは、最後の一歩を踏み越える覚悟のみ。
「海羽……」
「うん……」
横になった海羽の秘裂は、先程の濃厚なキスで既にトロトロに愛液を垂れ流している。その濡れぼそった膣に、バーツは己の分身の狙いを定めゆっくりと腰を前に進めた。
バーツのペニスが膣口に触れた瞬間、海羽の全身に電流のような感覚が走り肩がビクンと跳ねる。彼女の様子にバーツが一瞬動きを止めたが、海羽が無言で頷くのを見てそのまま膣を押し広げるようにペニスを挿入していった。
バーツのペニスが埋没していくに従って、海羽は体の内側からメリメリと言う音が聞こえたような気がした。膣の解しが不十分だったらしい。緊張しすぎて、膣を解す事をすっかり忘れていた。
「い……ぁっ!? く、ぅ……かはっ!」
「み、海羽? 大丈夫か……?」
苦しそうにする海羽にバーツは心配になって腰を止める。挿入を止められた海羽は、バーツの両手で包むように掴んで引き寄せると彼の唇にキスをした。
「ん、ちゅ……そんな顔しないでよ。言ったでしょ? 私の事、めちゃめちゃにしてって。大丈夫……大丈夫だから」
「……分かった」
ここで中途半端に止めておく方が海羽にとても辛いだろう。バーツは意を決し、ペニスを更に奥へと進める。次第にバーツにも肉が裂けるような音が耳の奥に聞こえてきたが、時間を掛ける方が海羽の負担になると音を無視して腰を前に出した。
と、不意にバーツのペニスの先端が処女膜に当たった。確かに感じる薄い膜の様な感触に、バーツは一度腰を止め唾を飲み海羽の顔を伺った。
見ると海羽も覚悟を決めたようで、無言で頷いてくる。その目にうっすらと涙が浮かんでいるのを見て、彼はそっと顔を近付けその涙を舐め取った。
「行くぞ……」
「ん…………い゛っ!?」
思い切ってバーツは腰を前に進める。ペニスの先端が処女膜を破り、海羽の体の中からプチプチと言う音が響く。そして根元まで一気にペニスを挿入すると、その瞬間一際大きなブチリと言う音が2人の耳に入った。
「くぁっ!? いづ、くぅぅ~~~~……!?!?」
破弧の痛みは海羽の予想を上回ったのか、体を強張らせ意識せず掴んだバーツの腕に爪を立ててしまう。だがバーツはそれを振り払うような真似をせず、ただ彼女が落ち着くのを待ち時折キスを彼女の顔に落とすだけに留めた。
「い、づ…………ふ、ふふっ……私の初めて、バーツに貰われちゃった……♡」
「俺だって初めてだ」
「そっか……えへへっ!」
互いに初めてを相手に捧げられた事が嬉しくて、海羽は痛みも忘れて笑みを浮かべる。
「ねぇ、バーツ。もう大丈夫だからさ……」
「なら、動くぞ?」
「うん……」
海羽がもう大丈夫だと言うので、バーツは思い切って腰を引きペニスを膣から引き抜く。その際に海羽が女になった証の破弧の血がバーツのペニスを赤く彩り、垂れた血がベッドの上に赤い斑点を作っていく。
バーツがペニスを引き抜く際、海羽が感じたのは痛み以上に快楽と幸福であった。
「はぁぁぁぁ~~……♡!! ん、くぅぅぅぅっ♡♡ これ、す、ごぉぉっっっ♡♡!! ゆ、指でする時と、全然違う……♡」
「海羽も自分でする時はあるんだな?」
「そりゃ、私だって……んくぅっ♡! そう言う事に、興味あるもん。んひぃっ♡!」
前後するバーツのペニスのカリが、膣肉を抉る感触に海羽は嬌声を抑えきれない。話の途中で体を震わせ声を上げる海羽に、バーツは段々と楽しくなり次第に動きが激しくなっていった。それに伴って感じる快楽も増大する。
「うぁっ♡! んぃっ♡! あはっ♡! あぁっ♡! ん、んあぁっ♡!」
快楽を感じているのは海羽も同様だった。最初こそ破弧の痛みに涙も流したが、それもすぐに消え去り今感じているのは純粋な快楽のみ。バーツが腰を前後させる度に、今まで感じたことのない快楽が全身を駆け巡り海羽の脳裏でスパークが光る。もう恥ずかしいだとかそう言う事を考える余裕も今の彼女にはなかった。
「あっ♡! あっ♡! あぁっ♡! あぅっ♡! んっ♡! くひぃっ♡!」
バーツの動きに合わせて、海羽がベッドの上で上下に揺すられその度にベッドがギシギシと軋みを上げる。と同時に、海羽の胸に存在する二つの果実が柔らかいプリンのような動きで淫らな踊りを披露していた。
自分を誘っているような海羽の胸の動きに、バーツは辛抱堪らず彼女の胸に顔を近付け揺れる乳房の先端で存在を主張している乳首を口に含んだ。
「うぁっ! バ、バーツ、胸ぇ……!」
突然胸に感じた新たな刺激。自分では絶対に味わう事の出来ない、乳首を舌で嬲られ甘噛みされ吸い上げられる感触に、海羽は快楽に思わず体を仰け反らせた。
「あっ♡! あっ♡! んひぃっ♡! うあっ♡! も、もう、ダメ♡! クるっ♡! 何か、キちゃうっ♡!」
絶頂が近付き、快楽に身を震わせる海羽。それに合わせて膣内の締め付けが強くなり、締め付けられたバーツのペニスも快楽が限界に達し射精が近付いてきた。
これ以上は海羽の膣内に射精してしまうとバーツが射精寸前にペニスを抜こうとした時、海羽の足がバーツの腰に絡みつき腰が離れないようにしがみ付いた。
「お、おい海羽ッ!? おれ、そろそろ……!?」
「ん♡! い、いいよ、出して♡ お願い、このまま……♡」
「い、いいのか?」
「うん♡ バーツだったら、ううん、バーツだから♡」
そんな言われ方をされて我慢できるほど彼の精神はタフではない。その言葉と共に海羽の膣内が彼のペニスを刺激する様に蠢いた事で、快楽にバーツも絶頂し熱い精液が海羽の膣内に放たれる。
「うぅっ!」
「んぃっ! くあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」
膣内を抜けた精液が子宮の壁面を撫でる感触の心地良さ。初めて感じる快楽に、海羽はバーツにしがみ付き足をピンと伸ばして絶頂した。絶頂で膣内が更に締め付けられ、絞り上げられた精液が更に海羽の膣と子宮を満たしていく。
それから少しの間、2人は繋がったまま絶頂の余韻に浸っていた。お互いに初めての異性とのセックス、その快楽は予想を遥かに上回り、互いに溶け合う様な快楽は麻薬の様に2人の脳を蕩けさせる。
程無くして落ち着いたバーツがゆっくりとペニスを引き抜く。その際にカリが膣内を引っ掻き、海羽は快楽に声を上げる。
「んん♡……んぁ♡」
ペニスが抜けると、膣口からは精液と愛液、そして僅かに破弧の血が混じった体液が零れ落ちる。だがバーツはそれを処理する余裕もなく、海羽の隣で横になった。快楽に酔いしれていたのもそうだが、初めてのセックスで思っていた以上に疲れたのもあり裸で寝転がるバーツ。海羽はそんな彼の腕を枕代わりにして、間近で彼の横顔を眺めていた。
「はぁ……はぁ……」
「……ふふっ」
「ふぅ……ん? んだよ?」
突然笑ってきた海羽にバーツが顔だけそちらを見て問うと、海羽は抱き着く様にそっと寄り添い彼に優しくキスをした。
「チュッ♡……ふふっ、しちゃったね。私達……」
「そうだな……」
ぶっきらぼうなバーツの答え。それが照れ隠しである事に気付いている海羽は、心の中に広がっていた不安やら何やらが綺麗に無くなっている事に気付き彼に感謝した。そして同時に、彼と心身ともに繋がれたことに嬉しくなり、愛しさを抑え切れず彼に頬擦りした。
「バーツ♡ だ~い好き♡」
「俺もだ、海羽。……愛してるぜ」
「バーツ……♡ ん……」
2人は何度目になるか分からないキスをすると抱き合ったまま眠りに落ちた。
それからと言うもの…………
「あっ♡! あっ♡! あぁんっ♡! イイッ♡! バーツ、イイよぉっ♡!」
海羽は頻繁にバーツの部屋を訪れては、何度も彼と愛し合った。バーツの方も満更ではないどころか海羽の来訪を楽しみにしていたらしく、互いに秘密のサインを用意して海羽が部屋を訪れる日を決めたりした。
この日も他の船員の目を逃れて海羽はバーツの部屋に上がり込み、ベッドの上でバーツにバックから犯されていた。覆い被さる様に後ろから突いてくるバーツのペニスが子宮口をノックする度、海羽は汗を飛び散らせ乳房を揺らしながら舌を突き出し嬌声を上げる。
海羽が淫らに乱れる姿が堪らなく愛しくて、バーツは彼女の顔を自分の方に向かせると犬の様に口から飛び出した舌をしゃぶる様にキスをした。
「んんっ♡! んむっ♡! むちゅ、じゅるるっ♡!…………ぷはっ! あはっ♡! バーツ♡! 私、もうイクッ♡! イっちゃう♡!」
「俺もだ。海羽、膣内で良いのか?」
「うん♡! イイよ♡! 出して♡! バーツの精液、いっぱい出して♡!」
「海羽ッ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡!! で、出てるぅ♡ バーツの精液、一杯、膣内にぃ……♡」
快楽で背中がビクビクと震えているのを見下ろすバーツ。腕に力が入らなくなり、尻だけ突き出す形でベッドの上に倒れ込んだ海羽の上に、バーツも折り重なるように倒れ込んだ。
「はぁ、はぁ……海羽……」
「う、ぁ……バーツ……んむぅ……ちゅっ」
海羽の上に倒れ込んだ事で、近付いた彼女の顔。蕩けた彼女の顔が可愛すぎて、バーツはそのまま彼女の唇を奪った。
繋がったままキスを堪能していると、射精して萎えていた肉棒が再び活力を取り戻した。膣内で再び熱く硬くなったペニスに、海羽の瞳にハートマークが浮かぶ。
「あ♡ バーツのおチンチン、また大きくなった……♡」
「悪い、海羽。もう少し良いか?」
「うん♡」
2人は体勢を変え、海羽の片足をバーツが持ち上げ肩に掛けた状態で腰を前後させた。
「んいぃっ♡! あはっ♡! んぁっ♡! あんっ♡! バーツ、好きっ♡! 大好きっ♡!」
「俺もだ、海羽っ! 愛してるッ!」
「私、私もぉっ♡!」
そのまま2人は夜が更けるまで愛し合い続ける。
そんな愛の営みの場となったバーツの部屋を、遠くからフランシスとエドワードが見ていた。
「あの2人がねぇ……」
「だから言ったろうが」
「で、どうする? あの嬢ちゃん返したらあの2人さよならしちまう訳だが……」
「ま、考えはある。何とかなるさ」
フランシスがそう言って踵を返してエドワードがそれに続くと、不意にフランシスは立ち止まりバーツの部屋を一瞥する。
室内ではまだバーツと海羽が熱く愛し合っているのだろう。そう思うと、バーツの兄貴分であるフランシスの顔には自然と笑みが浮かんだ。
「折角手に入れた幸せ、手放させる訳にはいかんよな」
様々な想いが混じったフランシスの言葉を聞いたのはエドワードのみ。彼は兄貴分の言葉に肩を小さく竦めると、この船が幾らで売れるか頭の中で算盤を弾きながら自室へと戻っていくのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
海羽は本編中で時折瑠璃のグラマラスボディを羨んでいましたが、海羽のプロポーションも決して悪くありません。比較対象が悪すぎるだけで、同年代と比べれば海羽も立派に魅力的です。瑠璃の胸のサイズがEカップ位だとすれば、海羽の胸はややCカップ寄りのDカップと言ったところでしょうか。
そんな海羽も、バーツと何度も夜を共にして女としての美しさに磨きが掛かっています。本編中では言及していませんでしたが、バーツ達との航海を経て海羽の胸のサイズとかは明らかに大きくなっていたりします。
さて次回ですが、物語の裏の話としてはおそらく最後。これまでとは毛色を変えて、自作の鬼畜Hな話となります。
執筆の糧となりますので、感想評価その他よろしくお願いします!
次回の更新もお楽しみに!それでは。