五つ子が全員オレの肉便器www #悪魔のアプリ#洗脳ハーレム 作:a-su
第一節 カミナの逆襲
けけっ。
ははは。
…………はあ。分かってるよ、オレが悪かったって説教したいんだろ?
バカは死ななきゃ治らない、だっけ? 確かにそうらしいや。さすがに地獄まで墜ちるとよ、オレなんかでも少しは反省する。あんな事するんじゃなかった、やり直せるものならやり直したいってな。
ん? ……そうだな、人生に腐らず真面目に働いてたら……。そしたら資格の勉強なんかやりたくなって、小銭を貯めて本屋に行ってたかも──そこで三玖に出会うんだ。お互い同じ本に手を伸ばして、指先が触れあったりしてな。
……意外と恥ずかしいな、野郎にこういう妄想を話すのは。
それか、資格のガッコで五月に勉強を教えてもらったり、電車で二乃を痴漢から助けてやったり、職場までロケに来た一花をストーカーから守ってやったりしてな。四葉は……おっと、そんな怒んなって。仲良くしようぜ?
もしそうだったなら、とは思うぜ。ひょっとして、ひょっとしたらオレだって──三玖が言う『普通』の出会いを誰かとしていたら、好き同士になれていたかもしれない。結婚して、子供が生まれて、『普通』の幸せを手にできていたかも。
もしそうだったなら、お前とも仲良くやれていたかもな、上杉風太郎。
なんたって義理の兄弟だぜ? お互いの結婚式に出たり、子供を預かったり、家族ぐるみでキャンプに行ったりする。たまには男同士で酒を飲んで、嫁さんの愚痴を言ったりしてさ。
どっちかが浮気をしたら、どっちかがぶん殴りに行く。それで嫁さんに土下座させて、また酒飲んで、肩組んで帰る……そんな『普通』があったかもしれねえ。
まあ、実際はこのザマだけどな。オレは死んで、お前は生きてる。誰が見たって手遅れだ。
だけどな?
ええと……ああ、一寸の虫にも五分の魂、って言うのか。さすが、全国模試で三位をとった秀才様は違うな。脳みその出来が違うわ。
お前は本当にすげーやつだよ。悲劇に腐らず、苦労にへこたれず、あいつらの心を鷲掴みにして離さなかったんだから。
オレはお前が大嫌いだ。だが、尊敬はしてる。あいつらを幸せにできるのは、お前だけだ。
だから……だからさあ、上杉風太郎クン。
けけっ。は は は。
◆◇◆◇◆
二〇二三年、四月。桜が散って半月ほどした頃。
上杉風太郎は、同棲している婚約者の中野四葉と共に東京を離れ、なつかしい街に戻っていた。
「よう」
「お邪魔しま~す」
〈カフェ・なかの〉のドアを開くと、ベルの音が鳴った。テーブルが四つにカウンターだけの小ぢんまりとした店内は、たっぷり取り入れた春の日差しに明るく照らされている。
店主の中野三玖が、カウンターから二人を迎えた。
「久しぶり、フータロー」
「ああ、久しぶり」
かつてに比べれば素っ気ないやりとりだが、これが今の二人だった。お互いに、優先すべき家庭を持っている。
風太郎が店内を見渡すと、まだ時間が早いせいか客はいない。奥のテーブル席に、三玖によく似た少女の姿があるだけだ。
「こんにちは
「四葉ちゃん、こんにちはぁ」
元気よく挨拶した四葉に、三玖の娘である七海は笑みを返した。まだ四歳だが、おかっぱ頭にリボンを結んだその姿は、すでに美少女の片鱗を見せている。
父親には、あまり似ていない。
「元気だった? 朝ご飯食べた? 土曜日は幼稚園なくてつまんないね!
矢継ぎ早に質問を投げかける叔母にも、七海は動じることなく笑顔を返す。幼いながら肝が据わっている子だ。
「うん! 遊ぶ! でもその前にジュース飲みたい! お砂糖いっぱいのおいしいヤツ!」
「よーし! じゃ、おばちゃんが入れてあげる!」
意気揚々と冷蔵庫に向かう四葉に、カウンターから出てきた三玖が待ったをかける。そして心配そうに眉を寄せた。
「七海、お砂糖はあんまり摂っちゃだめって歯医者さんが言ってたでしょ? お茶にしよ?」
「ナナ、ちゃんと歯磨きするから大丈夫!」
「それでもダメ。ママが麦茶作ってあげるね」
「むぅ……」
七海はふくれっ面を作り、風太郎を見る。うるうるとした視線に見つめられた風太郎は、思わず目を逸らしてしまった。
「お~じ~ちゃ~ん~」
「おい七海、誰がおじちゃんだ」
「もうすぐ四葉ちゃんと結婚するんでしょ?」
「……歯磨きするか?」
「する~」
風太郎は三玖を見る。七海の母は、渋々うなずいた。
「あんまり甘やかさないで欲しいな」
「悪い……」
風太郎は、七海に弱い。この子が片親なのには、自分にも責任の一端があると思うからだ。
となりに腰掛け、頭に手をのせてやる。将来の姪っ子が気持ちよさそうに目を細めるので、風太郎も自然と表情がほころんだ。
「背が伸びたな」
「えへへへへ」
「もう……可愛がりすぎるのも問題だよ」
頬を膨らませつつ、三玖は四葉と共にキッチンへ向かった。
グラスを取り出す彼女は、いい意味でシングルマザーらしくない。弾み出るような元気が肩にも腰にも宿り、少女時代のような若々しさを感じさせる。
「フータローは何にする?」
「コーヒーで」
「カフェイン摂り過ぎてない? 受験の時みたいに」
「職場じゃ新人なんでな。コーヒー飲む時間も取れないんだ」
「ふーん。タバコは吸わないでね、七海の前なんだから」
「え? 俺は吸った事ないぜ」
「あれ、そうだったっけ……」
首をかしげながらも三玖は冷蔵庫を開く。
少し突き出された彼女の下半身を、 は盗み見た。
五年の時を経て娘らしさが抜けた女盛りの肢体。花柄のブラウスとエプロン、スカートの組み合わせで、子を産んだ肉感的なボディラインが上手にカモフラージュされている。
(くそっ、脱がせて生で拝みてえな)
あんないい女を、独り身で苦労させている。自分の不甲斐なさに腹が立ち、心の中で舌打ちした時、 は視線を感じた。
見れば、七海がじっとこちらを見つめている。空色の瞳は純真そのもので、しかし心の奥底をのぞき込むような光があった。
「なんだよ、ナナ」
「ねえパパ、いつ教えてあげるの?」
「もうじきだ」
「パパとママが仲良しさんだと、ナナ嬉しいな」
「けけ、パパに任せとけ。お、ジュース来たぜ」
「わーい!」
◆◆◆
夕暮れ、街角の公園で、風太郎と四葉は別れを惜しんでいた。今夜はそれぞれの実家に帰るのだ。
遊具のそばで話し込む彼らを見守るように、薄暮の光が照らしていた。
「七海ちゃん、すごく喜んでたね」
「ああ、あいつは賢いよ」
「いい子だもんねー、私に似て」
「いい子過ぎるかもな。悪い意味でそっくりだ」
「もう、風太郎!!」
四葉が頬をふくらませるので、風太郎は笑って彼女に手を伸ばした。
指先が触れあうと、もうすぐ結婚する愛しい女がぴくりと震える。
「っ…………」
「大丈夫だ、怖くない……そうだろ?」
「うん、風太郎は……大丈夫。大丈夫…………」
四葉は目を閉じ、ゆっくりと手を握ってくる。深呼吸を繰り返し、ありもしないレイプの恐怖と戦っているのだ。
風太郎もそれを察して彼女に合わせた。二人で手をつなぎ、見つめ合って深呼吸を繰り返す。それがやがて神経のリズムを整え、四葉の心拍数を下げていく。
彼女のPTSDは、長く続いていた。悪夢を見る事は無くなったが、男性恐怖症だけがいまだに残っている。婚約者である風太郎でさえ、手を握るだけで精一杯なのだ。
このまま結婚式をしていいのかと、風太郎は真剣に悩んでいた。
そんな思考を遮るように、四葉が言う。
「結婚式、楽しみだね」
「あ、ああ、そうだな」
四葉がそう言うなら、是非もない。風太郎は意識して笑顔を作った。
「ウエディングドレスの私に、みんな何て言うかな?」
「……きっと、綺麗って言うさ」
「風太郎も、そう思うよね?」
「ああ、もちろん」
「私も……私たちも、七海ちゃんみたいな子どもが欲しいね」
「そうだな……」
「風太郎なら、きっと素敵なパパになれるよ。私の事も、赤ちゃんの事も、大事にしてくれるって信じてるから」
「ありがとう、四葉。お前が俺の支えだ」
「うん……私も、風太郎が居てくれるからがんばれるよ」
二人は微笑み合い、手と手による愛撫を始めた。手の平をこすり合わせ、指を絡めて互いの愛情を確かめる。
風太郎は、まだ童貞だった。
◆◆◆
五月が勤務する創立百年の女学校。夕暮れの陽が静かに廊下を照らしていた。時が止まったような静寂が、女生徒の緊張した面持ちを包む。
ああまたかと、スーツ姿の五月は心の中でため息をついた。
「五月先生。わたしとお付き合いしてください」
その言葉は、夕暮れの空気の中で静かに響きいた。彼女の告白は純粋で、深くて、心からのものだ。
だから慎重に言葉を選んで、五月は拒絶した。
「ごめんなさい……あなたの気持ちには応えられません」
「……わたしが女だからですか?」
「いいえ、性別は関係ありません。私が教師だからです」
「…………先生は、男の人が嫌いだって。だから私、自分と同じなんじゃないかと思って、それで、あの」
「はい、確かに私は男性が苦手です。でもそれは、あなたが考えているような理由ではありません」
「じゃあどうして!? 教えて下さい! でないとわたし、納得できません!」
悲痛に叫ぶ少女をなだめながら、五月はもういない男に呪いの言葉を投げかけた。
(ああ…………恨みます、先生。あなたさえいなければ、こんな思いはしなくて済んだのに……)
◆◆◆
夕暮れ時、アニメスタジオの控え室で、一花は繰り返し台本を読み込んでいた。
彼女は今、声優として身を立てている。姉妹達と同じく男性と手を握る事もできなくなり、女優としては致命傷を受けた。それでも芝居への夢を捨てられずに、今はこうして声の仕事をしている。 仕事は順調だ。主演作もある。ファンも、収入も増えた。
「中野さん、お疲れ様です。シーン3のラスト部分、一度話しましょう」
「う……」
「今夜。いいですね」
「……はい、監督。失礼します」
悩みの種は、言い寄ってくる男の多さだろうか。いくら男嫌いを公言しても、カラダ目当ての連中が次々むらがってくる。先ほどの監督もその一人だ。
『困ってんのか?』
「まあね…………え?」
『任せとけ』
はっと振り返る。しかしそこには誰もいない。幻聴だろうか……何か、とても懐かしい声を聞いた気がするのだが。
(そんなわけないか……あの男はもう……期待しちゃってるのかな……)
数分後、携帯が鳴った。マネージャーからの電話だ。
「中野さん、大変です!」
「はい?」
「監督が、屋上から飛び降りたって……!」
「…………はい?」
けけけ、という悪ぶった笑い声が、どこからともなく聞こえてきた。
◆◆◆
中野家、夜。
「七海は寝た?」
「うん、四葉と一緒に寝てるよ」
シャワーから上がった二乃をソファに座らせ、三玖はドライヤーのスイッチを入れた。背中まで伸びた姉の髪が、指の間を通り抜ける。いささかも痛みのない、なんとも艶のある髪だ。
「んふ…………♡」
色っぽい吐息を漏らしつつ、二乃は気持ちよさそうに目を細めている。共にカフェを経営するパートナーだが、今日は外回りの営業に出ていたため疲れているようだ。
「お疲れ様」
「なんて事ないわ」
労いの気持ちを込めつつ、三玖はゆっくり丁寧に乾かしていく。やがてさらさらになった髪をブラシで
「いい匂い」
「二乃に似合うと思って」
「ありがと……ね、今晩どう? 久しぶりに」
「やっぱり」
生理周期からして、性欲が高まっている時期なのだ。このタイミングに合わせてレズ・セックスをするのが、すっかり習慣となっている。
娘の父親が死んでから、姉妹の形はずいぶん変わってしまった。二乃とも一花とも、五月とも……そして四葉とも、三玖は肉体関係を持っている。もちろん彼女たち同士もそうだ。
「んふふ……新しいペニバン買ったの」
「また?」
「いっぱいパコってあげる」
「お下品。彼氏できないよ」
「どうせ一生できやしないわ」
レズビアンになったわけではない。他に相手がいないのだ。
ムリヤリ目覚めさせられた性の炎は、年を経るごとに激しく燃え盛るばかり。
同じ体験をした理解者同士が身を寄せ合い、傷を舐め合っている。世間的には異常なのだろうが、もはや誰も気にしてはいない。
「ま、別にいらないけど」
「うん…………」
「あいつのせいで人生メチャクチャ」
「そうだね」
「あっ、七海は別よ?」
「うん。あの子は私の天使だもの」
悪魔みたいな男に犯されて産んだ娘が、天使だなんて笑えない。だが娘のおかげで、自分たち姉妹の心がずいぶん救われたのも事実である。
「三玖ぅ……♡」
「ん……♡」
わりと男性的なセックスを好む二乃に体をまさぐられながら、三玖はその口づけを受け入れた。キスの甘さに身を任せながら、しかし頭では娘の事を考える。
(七海…………)
このところ、三玖には悩みがある。夏が来れば五歳になる娘が、いっこうに「ねえ、ナナのパパはどこ?」と聞いてこない事だ。テレビや幼稚園で他の家族を見ても平然として、叱られて愚図っているときでも父親を求める素振りすらない。
対人関係の発達にも知能にも遅れはない。幼稚園でも評判の利発な子だ。しかし……時々、何もない宙に向かって話しかけている事があるのは、果たしてどういうわけなのか。
(まるでそこに、あの人がいるみたいに──あっ♡)
ソファの上に押し倒され、秘部を舐められ始めると、思考はあっさり押し流されてしまう。
傷ついた姉妹同士のレズ・セックスは、夜が更けるまで続いた。
◆
『けけっ。眼福、眼福』
◆◆◆
上杉家。深夜。
「──うおっ!?」
風太郎は、がばっと布団から跳ね起きた。汗がだらだら流れて止まらない。心臓の鼓動がやけに速い。
時計を見ると、時刻は午前二時──俗に言う丑三つ時だ。
(なんだ、今の夢……!?)
恐ろしいほど生々しい夢だった。内容は……高校生だった頃の五つ子達と、ひたすら交わるというもの。四葉を含めた全員を取っ替え引っ替え、何度も何度も……自分が欲望のままに腰を振る夢。
(…………!?!?)
夢の中の出来事なのに、なぜか全てが鮮明に思い出せた。風太郎の脳裏には、夢の内容が強烈に焼き付いている。
カラオケボックスで、三玖の乳房をしゃぶった。中野家のマンションで、二乃の蜜壺を舐めた。オーディションルームで、水着の一花を言葉で嬲った。温泉で、五月の尻を叩いて犯した。病院で、四葉と騎乗位で繋がった。
(まるで…………まるで、あの男の記憶をなぞっているような……)
呆然としていると、隣で寝ていた妹が「んー……」とうなって寝返りをした。その向こうにいる父は……まだいびきをかいて眠っている。
二人を起こさないようにそっと立ち上がり、トイレに向かう。下着を下ろすと、固く勃起した男根が姿を現した。先走り汁で亀頭が濡れている。
不肖の息子は、気のせいか普段立ちあがった時よりも大きい。ミミズのようにうねって血管が浮き出ている様は、我ながら気持ち悪いほどだ。パンパンに膨れた亀頭と竿の間には、自分のモノとは信じられないくらいの高低差がある。
「……」
便器に座り、竿を握って上下に擦った。たちまち快感が込み上げてきて、あっけなく射精が訪れる。
後始末をしながら、取り返しのつかない事をしてしまったような後ろめたさに苛まれた。
傷心の婚約者だけでなく、その姉妹を、かつて自分に恋をした少女たちを、別々の道を歩いている女性たちをも自分は汚したのだ。罪悪感で、心に釘を打ち込まれたような痛みが走る。
しかし……。
(しかし、ああ、だけど……あいつら、最高だった……!)
夢の内容がリフレインする。彼女たちのとろける顔、何かを訴えかける声、こすれあう肌の感触、塩気を帯びた体液の味、チーズのようなアソコの臭い……全てを覚えている。忘れようがない。思い出すだけで興奮する!
『好き……』『愛してる』『あ……だめ……♡』『ああんっ! ああーっ!』『イく! もう……わたし……♡♡』『もっと……もっとぉ……♡♡』『ほしい……精液ちょうだい♡♡♡』『妊娠したいです……♡♡♡』
風太郎は、もう一度ペニスを握った。
◆
『な、最高だろ?』
◆◇◆◇◆
二〇二三年、五月五日。
四葉のウエディングドレスは雪のように純白で、光が差し込む度に神々しい輝きを放つ。ヴェールの奥で輝く瞳は、どんな宝石よりも美しかった。
「新郎、風太郎さん。あなたは新婦、四葉さんを妻とし、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、死がふたりを分かつまで命の続く限り、これを愛し、敬い、貞操を守ることを誓いますか?」
「……はい、誓います」
「続いて、新婦、四葉さん。あなたはこの男性を夫とし、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、死がふたりを分かつまで命の続く限り、これを愛し、敬い、貞操を守ることを誓いますか?」
「はい、誓います」
誓いが交わされると、チャペルの中に祝福の音色が満ちた。鐘が鳴り響き、新たな夫婦の誓いを祝福している。
上杉風太郎と上杉四葉は、互いの手をしっかりと握り合った。
「初めてじゃ、ないでしょ……」
二人の唇が近づく。その光景を、参列者たちが笑顔で見守っている。
「おめでとう!」「おめでとう!」「おめでとうございます!」「二人とも、おめでとー!!」
この幸福が永遠に続けばいい。二人は心からそう願っている……参列者たちは、そう信じているだろう。
ウエディングドレスの奥で新婦の体が震えている事など、彼らには知るよしもないのだ。そして、新郎の心が自分自身への恐怖と懐疑で埋め尽くされている事もまた──知らないままなのだ。
◆◆◆
「ゲホッ、ゲホッ────!」
結婚式場のトイレで、風太郎は胃の中身を吐き出した。何度もえずき、口から涎を垂らしながら嘔吐を続ける。
(最低だ、俺は……)
勇気を振り絞ってキスに応じる四葉を前にしながら、自分は別の事を考えていた。
四葉以外の一花や二乃、三玖、五月なら、どうだったろう、と。何かが違えば恋人になっていたかもしれない彼女たちの唇は、どんな感触なのだろう、と。
なぜって、夢で見た五つ子の痴態が脳裏にこびりついて離れないからだ。日を追うごとに夢の内容がエスカレートしていく。かつての彼女たちを色々な場所で、色々な方法で犯す夢が繰り返されている。
(どうかしてる……やっぱり、俺はおかしい)
洗面台で顔を洗いながら、鏡に映った自分を見る。血の気のない、土気色の顔をしていた。
はっきりと、自分は異常をきたしている。肉体さえもだ。あの日から体が少しずつ筋肉質になり、ペニスもどんどん大きくなっていった。
「ゲホッ、ゲホッ……!」
自慰するたびに死にたくなるのに、心のどこかで爽やかさを感じている。自分はすべき事をしている、前に進んでいるという、間違っているはずの感覚。
何かが自分の体を支配しつつある。
何かによって、自分が変えられている。
その何かは、いやそいつは────。
「お前なのか、カミナ」
誰もいないトイレで呟く。鏡の中に、口角を
『気づくのが遅えんだよ、上杉風太郎クン』
(続く)