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薄らっとした明かり部屋では男女の影が重なり合っていた。褐色の肌に煌々と輝く緑の痣を持つ男──ジークフリートは女の巧みな口淫に限界まで追いやられ、今も射精しそうになるのを必死に堪えていた。それを行うのは灰色の髪を振り乱す、シミ一つない真白な肌に目元の泣き黒子が特徴的な女性──クリームヒルトは彼のいかに効率良く射精させるかといった動きで彼の陰茎を咥えていた。
「ちゅっぱっ、じゅっる、じゅっぽ、じゅぞぉぉぉっ!!」
「ぐっ、ふぅっ……!!」
「んっ……!」
時間にして二、三分往復を繰り返すとクリームヒルトは止めとばかりに強烈な吸い込みを行う。不意を衝くような強烈な快感にジークフリートは堪えきれずといった風に息を吐きだすと、彼の肉棒から射精が始まる。クリームヒルトは射精を感じ取ると肉棒から口を離したが、間に合わず口に入った分はティッシュに吐き出した。その一瞬、彼女が
そんなクリームヒルトを横目で見ながら、ジークフリートは息を押し殺していた分、荒々しく呼吸を繰り返していた。彼女は射精後でもまだ半勃ちしているものを見て、クリームヒルトはジークフリートに言葉をかける。
「大丈夫? その……まだやれる?」
「ふぅ、ふぅ、ああ……! 君さえ良ければ、まだ続けたいと思っている」
「別に、断る理由はないわよ……次はあなたから動いてみる?」
そう言うとクリームヒルトはベッドに横たわると、ジークフリートを誘うように足を広げる。ジークフリーは何よりも美しいと思う妻である彼女の淫らな誘惑に逆らことは出来ず、誘われるまま彼女のしっとりと濡れた秘裂に肉棒を突き立てる。ゆっくりと己の愚息を入れながらジークフリートは思う、いつからか彼女は変化していると。英霊になった者の肉体が変化することなどあり得ないことなのだが、ジークフリートはそう考えてしまう心があった。以前であれば艶やかな声を上げた彼女であったが、今は頬を少し赤らめる程度でこちらを見定めるように目を見開いていた。
今日こそ彼女を満足させてみせる。そう意気込むジークフリートは腰を肉棒が完全に出るギリギリまで引くと、勢いよく腰を突き出す。抽送が始まるとクリームヒルトも多少は余裕が崩れ、小さく喘ぎ声を漏らすようになる。更に彼女の子宮に先端が掠ると、それは一際大きくなった。
「あっ、はぁっ……今日は何時もより激しいわねっ」
「ふぅ。ふぅ……すまない、痛みがあるようだったら抑えるが」
「大丈夫よ。あなたの好きなようにして……っ!」
クリームヒルトの許しを得て、ジークフリートは更にギアを上げる。カルデアの図書室で学んだことや色好む英雄とのアドバイスを元に、ジークフリートは彼女に己の思慕を込めるように彼女へピストンを行う。先程より確かに彼女の喘ぎ声は大きくなっていた。効果があるのを実感するのは肉棒からも感じ、彼女の膣壁がジークフリートの肉棒をキツく締め上げ射精を促していた。が、ジークフリートは歯を食いしばり射精を堪える。彼女を絶頂させるまでは先にはイかないと。
だが、ジークフリートの決意を空しく抽送が五分を過ぎてもなお、クリームヒルトにイク様子は見られなかった。彼女は喘ぎ声こそ出してはいるものの、まだまだ余裕が伺えた。抽送の速度や、挿入の角度、前戯と技を駆使するが、彼女には通じていなかった。そしてついには心配の声すら口にした。
「あなた……顔、すごいことになっているわよ。そろそろ我慢しないで射精してもいいんじゃない?」
「ふぅ、くっ……! だが、君はまだ満足出来ていないんじゃ……ッ!」
「私のことは気にしなくていい……って言っても聞きそうにないわね。攻守交替よ」
クリームヒルトはそう言うとジークフリートと自分の位置を入れ替えるように動かす。体格差が大きく違う彼を動かすのは普段なら至難の技だったが、焦りや疲れで不安定になっている今だからこそ出来たことである。クリームヒルトは彼の上に跨ると、ピクピクと痙攣する肉棒を己の中に受け入れる。こうなるとジークフリートには最早逃れる術はなく、クリームヒルトの必中必殺の技で絶頂させるのを待つしかなかった。
リズミカルに、舞い踊るかのように腰を振るクリームヒルトの美しさに視覚を奪われ、肉棒からは極上の触感による快楽を享受する。ジークフリートは至福とも言える時を味わっていたが、そんな時間はそう長くは続く筈もなかった。不意に彼女は強く腰を下ろすと、ジークフリートは堪える暇すらなく射精してしまい彼女の舞踏は終わりを告げる。
そして腰を上げて、ジークフリートの横にずれる。後にはぐったりとした肉棒があり暫くは打ち止めといった様子である。その萎びた様子は何処か己の心境を表している様でもあったジークフリートは思ってしまう。クリームヒルトは今しがた射精した肉棒と己の恥部を一瞥すると、ジークフリートに声を掛ける。
「んっ……たくさん射精したわね。ふぅー……少し休憩しましょうか」
「ふぅ、ふぅ、そうだな……すまない。君を満足させることが出来なかった」
「そんなこと……ないわよ。あなたはちょっと気にしすぎね。水を持ってくるから、それを飲んで落ち着きましょう?」
クリームヒルトはそう言い残すとベッドから離れる。ジークフリートは彼女の後ろ姿を眺めていると、先程の慰めが脳裏を反芻して口惜しさを感じられずにはいられなかった。彼女がマスターとある施設で肉体関係を持ったあの時から、ジークフリートはクリームヒルトを満足させることが出来なくなっていた。
過去、とある微小特異点でマスターである藤丸立香と妻のクリームヒルトはトラブルに巻き込まれてしまい、その際に閉じ込められた部屋から脱出するために体の関係を結んでしまっていたのである。二人は脱出の後、ジークフリートに隠すことはせずに正直にそのことを話していた。ジークフリートは信頼するマスターと妻が性交したという事実に戸惑わなかったと言うのは嘘になるが、打ち明けてくれたのもあり何とか受け入れることは出来ていた。加えて彼女との◾️はマスターと関係を持った所で、何ら支障はないと確信していた。だが違和感は徐々に積もっていった。
一つは脱出後のクリームヒルトは夜出歩くことが多くなり、ジークフリートと共同している部屋を留守にすることが増えたのだ。彼女は他の女性英霊の所に行っていると語り、ジークフリート自身さり気なく他の英霊に聞くとその話は本当らしいのが分かった。だが、その日彼女が行くと言っていた部屋とは反対の通路で見かけたと言う英霊もいたのだ。それがマスターのマイルームに向かう通路であったが、偶然だとジークフリートは思い込む。そうでないと理性を保つ自信がなかったからである。そんな風に考えているとクリームヒルトがミネラルウォータのペットボルトを手に戻っていた。
「はい、お水よ。ん……また眉間にしわが寄っているわ、何か考え事かしら?」
「……ありがとう、少し前のことを思い出していたのだ」
「そうなの。あんまり考えすぎても良くないわよ。それに明日からは例の特異点に行くのでしょう? あれこれ考えていたら眠れなくなるわ」
先日、観測された夏特有の特異点・サマースペース。今までの特異点が再現されたかのような大規模な特異点にカルデアの英霊が食い付かない筈もなく、ほぼ全ての英霊達がこぞってレイシフトしていた。ジークフリートはシグルドやジーク等の英霊から一緒に周るお誘いが来ており、日をずらし調整して全てのお誘いを受けていた
当然、ジークフリートはクリームヒルトも一緒に行くものだと考えていたのだが、彼女はカルデアで待っていると告げた。以前の北極圏で発生した夏特有の特異点では楽しんでいた様に見えたので、夏が嫌いという訳ではないのは確かだった。もしや自分を誘ってくれた人達に遠慮しているのか、そう考えたジークフリートはそのことを口にする。
「そのことだがやはり君も行かないか? 北極も素晴らしかったが、やはり本場の夏を君と過ごしたいものだ。もし俺を誘ってくれた者達に遠慮していると言うなら、彼等が君を歓迎しない筈がないが?」
「そうでしょうね……ただ、今年は純粋に気乗りしないから遠慮するわ。お土産、楽しみにしているわ」
「むぅ、そうか……いや、分かった。なら最高のお土産を持って帰るので楽しみにしていてくれ。だが、もし気が変わったら何時でも連絡してほしい。直ぐに迎えに行く」
「ええ、覚えておくわ……明日も早いのだからそろそろ寝ましょうか」
そう言ってクリームヒルトはかすかに点いていた明かりを消す。彼女はジークフリートに背を向けるようにして横になる。彼女曰く、顔を見られていると思うと恥ずかしくて眠れないとのことである。彼女の寝顔を見てから眠りに付きたいジークフリートとしては残念極まることであった。
瞼を閉じてふとジークフリート思った。明日から数日間、クリームヒルトと離れ離れになることを考えると言っておかなくてはならないことがあると気付いたのだ。それを言う前には眠れないと思ったジークフリートは、まだ眠っていないであろう彼女を後ろから抱き寄せると心に抱く忘れられない想いを口にする。
「おやすみクリームヒルト。■しているよ」
「ひゃっ……!? い、いきなり抱き寄せて囁かられると、びっくりするですけどぉ!?」
「すまない。暫く顔を見られなくなるから、どうしても済ませておきたかったんだ……出来れば君からも言ってくれると嬉しい」
「私から……んん、私も■してるわ」
一瞬、言葉に詰まったもののクリームヒルトはジークフリートの言葉に答えてその想いを口にする。彼女から発せられるその言葉はジークフリートにとって、初めて聞いたその時から決して忘れられるものではなく、人理の影法師となった後も魂に刻まれておりまさしく己を構成する一部であった。だからこそジークフリートは気付くことが出来た。
だがそれで折れる程、ジークフリートは軟な男ではなかった。ならばこそ、よりクリームヒルトに相応しい男となるため尽力するだけと考える。彼女から別離を告げられるその時まで結末は決まっていないのだから。しかし、その結末を決める分岐点が近くまで迫っていることには、まだジークフリートは気付くことが出来なかったのである。
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ストーム・ボーダーの一室、カルデアのマスターはマイルームにて。藤丸立香は青ざめ血走った目でモニターをしらみつぶしにチェックすると、震える手で最後の締めの文字をタイピングする。そして送信の画面に切り替わると、そのまま机に突っ伏した。何故、ここまで疲労困憊になっているのか。それは溜まりに溜まったレポートをいよいよ提出しなければならず、一週間徹夜で仕上げた直接だからである。
机に突っ伏したまま動かない立香の頭の横に温かいコーヒーカップが置かれる。立花の監視役兼相談役であったカッドクが注いで持ってきたのである。以前報告書の手伝いをしていたクロエも今回は早々に最近観測された夏特有の特異点・サマースペースにいなくなってしまったので、新所長からお目付け役を任されていたのである。立香はほどよい熱さのコーヒーをぐいっと飲み込む。それを見てカドックは労いの言葉を掛ける。
「お疲れ。これを機にレポートはまめに書くことだな」
「コーヒーありがとう。ぐうの音も出ないなぁー、カッドクのお言葉とコーヒーは身にしみるよ」
「まぁ、側から見てもやることが多くて書く暇がないのは分かるがな。サーヴァントのサークル活動をいくつも掛け持ちするのは控えた方がいいぞ。ゲームの約束とかもな。あれこれ受けていたら身が持たないのはよく分かっただろう?」
カッドクはつらつらと立香の問題点を指摘する。立香としてもレポートはこまめに進めようとは思っていたのだが、素材集め、自己トレーニング、英霊間の仲裁等、そして
もちろんゴルドルフ新所長含め、スタッフの皆は密会以外には十二分に理解を示してはいるのだが、レポートは立香自身が体感したことを記すのが肝心なので彼が書かなくてはならず、こうして定期的に締め切りを設けて立香にレポートを書かせているのだ。立香はカッドクの忠言にしみじみと聞いていた。
「そうだねー、ヒル……いろんな人に怒られたし気を付けるよ。とはいえ、これでオレも夏休みに突入だー!!」
「レポートも終わったことだし僕は自室に戻るよ。夏休み、満喫できるといいな」
「ありがとう、カドック! 帰ってきたら、お土産持っていくよ!」
立香の言葉にカドックは振り向かず、手を振るだけで答える。ぶっきらぼうに必要ないとでも言いたげな彼だが、彼いなければレポートが終わるのはまだまだ先のことだったと思うと、立香は是が非でもお礼をしなければいけないと強く思った。何か音楽系で良いお土産があるかなと考えながら、眠気覚ましのコーヒーを飲む進める。
「さて、コーヒー飲んだら
レポート地獄が始まる前、立香はクリームヒルトを二泊三日のデートに誘っていたのだ。他の英霊からの誘いを断りただ彼女一人だけを誘ったのだが、彼女の返事は芳しくはなかった。それもその筈、彼女は夫のジークフリートからも一緒に行こうと誘われていたからだと語った。夫と
それでも諦めきれなかった立香はレポートの提出が終わったら、直ぐに特異点に行くのでルルハワの空港で待っていてほしいと連絡を送っていた。返事はなかったが、来てくれるかもしれないと一縷の望みを頼りにレポートを書き上げていた。そして今、立香はレポートが終わったことを彼女に送信する。
「よし、後はこれも持っていくかな。流石に受け取ってはくれないかなぁ」
立香は机に仕舞っていた、チョコの木が騒動の中心となった微小特異点で手に入れた
「よし……服は気取りすぎてもあれかな? 普段通りで、ヒルトから貰った物を付けるくらいが良いかな」
立香は部屋着から外行き服に着替え、彼女からバレンタインの後プレゼントされたピアスを付ける。他の英霊が騒ぎ立てないよう配慮したのか、穴を開けるタイプではない取り外しが簡単なフェイクピアスである。シンプルなデザインながら黒と赤を取り入れたデザインは、どこか彼女を思わせ立香は大層気に入っていた。簡素ながら準備を終えると立香はマイルームから出発し、かねてよりダ・ヴィンチちゃんに頼んでいた道具を取りに向かう。
道中は何事もなく到着し、ダヴィンチちゃんから一見変哲のないサングラスを受け取り二、三分ほど彼女から使用説明と悪用しないように注意を受けると早速装着する。更に彼女のためのスペアを貰い、工房から出ると立香はレイシフトするため早歩きで移動を開始する。ウキウキ気分で歩く道中、立香はばったりマシュと遭遇してしまう。話しかけるため近づいてくるマシュを見て、大丈夫であろうと頭では分かっていたが立香は大きな音を立てて生唾をゴクリと飲み込んでしまう。
「あ、すみません
「あ、いや~~見てないかな。工房の方にはいないんじゃないかな、力になれなくてごめんね」
「いえいえ! こちらこそ呼び止めてしまってすみません! マイルームに戻ったのでしょうか……?」
マシュは立香に謝罪と共に綺麗なお辞儀をすると、彼のマイルームの方に歩き始める。立香は改めるまでもなくダ・ヴィンチちゃんは天才だと思った。なんせ一時的とはいえ英霊の認識を歪める礼装を開発したからだ。その力は今しがたマシュで証明された通りで、一時的だがカルデアの英霊に限り絶対に捕捉されない力を手に入れたのだ。
仮にクリームヒルトがデートに付き合ってくれたとしても、特異点では他の英霊から邪魔が入る可能性も十分にあった。そんな状態では思う存分デートを楽しめないと考えた立香は、大枚は叩いてこの礼装をダ・ヴィンチちゃんに開発してもらったのだ。効果を再度認識した所で立香はまた誰かに絡まれる前にレイシフトをするためコフィンへ急いだ。
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何度目かのルルハワ空港。まばらに人はいたが、混雑しているとは言い難く英霊達は殆どが初日に来て各地に散らばったのだろう。立香としては人を探すのに都合が良かったので、ありがたいことであった。立香はぐるりと空港内を見渡すが、クリームヒルトらしき服装の人影は見当たらなかった。ついぞ自身の連絡に返信が付かなかったことからも、ジークフリートの方に付いて行ったのかなと立香はうすうす思いながら、諦念漂う面持ちで空港内を歩きしらみつぶしに彼女の姿を探す。
すると柱の陰からひょこひょこと空港内の人を確認するように除く顔があった。距離にして数十mは離れていたが、立香は彼女に小走りで歩み寄る。かつては一ヶ月の間、昼夜問わず顔を合わせていたのだ、見間違うはずがなかった。
立香が近づくにつれて、彼女の顔はみるみると強張る。今はダ・ヴィンチちゃん特性のサングラスをしているから当然であったが、かつてトラオムで敵対していた時と同等の冷たい視線に少しだけ身震いしてしまう。立香が彼女の前まで来ると一層彼女の視線が鋭くなり、最早視線で人を刺す勢いであった。立香はサングラスを外しながら、彼女を抱きしめる。
「ッ! なんのつもり……ってえええ!? 立香!?」
「来てくれて、本当に嬉しいよヒルト! その服、すごく綺麗だ!」
普通の人間なら一発KOしかねない英霊ビンタを、クリームヒルトは寸前で止めて驚きの声を上げる。彼女の視点では不審者としか思えない人物が、突然マスターに変わったのだから無理もないことである。サングラスを取ってから近付けばいいものの、立香は彼女がきてくれた喜びから嬉しさで狂戦士の如く突撃してしまったのである。
加えてクリームヒルトが、今までとは違うオシャレをしてきたのも立香を狂化させた要因の一つであった。漆黒の喪服を着たアンニュイな貴婦人という感じから、オフショルダーの黒いワンピースに薄緑色の上着を羽織る上品なセレブ妻という風に様変わりしていたのだ。
更に髪型も後ろ髪を三つ編みにしてカチューシャの位置に沿って巻き付けており、一手間掛かったデートスタイルであった。これも有って先程立香が辺りを見回しても直ぐに気付けなかったのである。立香は一頻り抱き締めると、デート姿のクリームヒルトの感想を捲し立てる様に喋り出す。
「本当に何時もとはまた違う綺麗さだ……なんていうか何時もの幽艶の美女といった感じから、清楚な淑女に早変わりして驚きやときめきで胸がいっぱいだよ」
「し、暫くはこの格好でいますから、そんなにまじまじと見つめられると恥ずかしいわ。あっ、立香も私があげたピアス付けてくれたのね。似合っているわよ❤️」
「ヒルトのセンスが良いからね! 本当はずっと付けていたいけど、察しの良いサーヴァントに見られるとまずいからなぁ〜」
クリームヒルトは立香のピアスを手で触りながら、穏やかな笑みを浮かべる。彼女からは暫く付けたら捨てて良いと言われたが、彼女がデザインしくれた物を捨てるなんてことは出来ず、ずっと付けずとも肌身離さず所有はしていた。クリームヒルトのオシャレな姿を見て、立香はどうせなら服装も合わせたかったなと呟いてしまう。
「オレも新しい服発注しておけば良かったかなぁ。その服、やっぱりミス・クレーンとハベにゃんが仕立てたの?」
「ええそうよ。今年も夏特有の特異点が有るだろうから、彼女等にお願いして仕立てもらったの。あの二人には
「あーそういえば北欧をテーマにした服とか貰ったって言っていたね。うーむ、カルデア裁縫部は何時もながら良い仕事するなぁ」
「初めて着たから自分に合うかちょっと不安でしたけど、杞憂だったわね。まあそんなに気に入ったのなら、立香といる時だけ着ようかしら……❤️」
そう囁くクリームヒルトに立香は公然の場にも関わらず、彼女に襲い掛かってしまいそうになるほど興奮させられてしまう。夫であるジークフリートではなく自分に初めて見せたという事実は、立香の優越感をくすぐるのにこれ以上ない言葉であった。更に立香の前だけ着るという宣言によって、今後ジークフリートはこの彼女の新たな一面を見ることが出来なくなったのも興奮を加速させる要因になった。
もしクリームヒルトが立香ではなく夫を選んでいたら、彼とのクルージングデートで初お披露目していたという未来もあったかもしれなかったが、彼女自らその未来を絶ったのである。その事実に立香は、彼女に己の中で燃え盛る熱情を今すぐにでも解放したかったが、グッと堪える。解放するには夜になってからでも遅くはないと本能で理解したからである。
「っ~~! ヒルトって、自然とそういうこと言うからこっちは理性を保つのが大変だよ……色々衝撃過ぎて飛んじゃったけど、ジークフリートじゃなくオレのデートのお誘いを受けてくれて本当に嬉しいよ!」
「そ、それは……あ、あくまでマスターの方が過去の特異点が再現された場所は詳しいから、観光ガイドに適しているからで! まああの人とは北極圏で夏を過ごしましたから、今回くらいはいいかな……というあれですから! そこは勘違いしない様に! あくまで! 私とあなたは
「そ、そうだよね。ごめん、ちょっと調子に乗りすぎちゃった」
「ぁっ……い、いえ私も声を荒げて過ぎました。立香との観光を楽しみなのは嘘ではないわよ」
先程までの付き合いたてのカップルの様な熱っぽい雰囲気を生み出していた二人の間の空気が、急速にジメッした空気に変わる。立香は浮かれすぎたと自省し、矢張りアレを渡すのは控えるべきかと脳裏で検討しながらポケットにいれた箱を触る。
立香はチラリとクリームヒルトを見やると、彼女の表情から言い過ぎてしまったという後悔が読み取れた。彼女も自分に対して友達以上の何かがあるのは間違いなかったが、それが自分と同じものなのかは把握しきれなかった。ふと周囲から自分達が見られていると立香は感じ、これ以上騒ぎを大きくすると邪魔が入るかもしれないと思い移動することを彼女に提案する。
「あー……取り敢えず移動しようか。これ、さっきまでオレが掛けていたサングラスと同じ効果を持った礼装。他のサーヴァントに邪魔されると面倒だから付けてくれる?」
「準備が良いわね。ありがと立香、エスコートは任せるわね?」
「うん、任せて! ここから近いのは……やっぱりサバフェスかな」
この特異点に来るまでにある程度の地理は把握しており、ルルハワエリアに位置するこの空港から近場の目玉スポットといえばやはりサバフェスであった。意外にもクリームヒルトの反応は悪くない様で、興味を惹かれた顔をしていた。
「ああ確か、サーヴァント同士が集まって本を作るのよね? あの人の
「そう言えばジークフリートが買いに来ていたなー。まぁだいたいそんな感じの本がたくさんある、夢と情熱、時に狂気が込められた退屈しない場所だよ!」
「面白そうね……狂気は遠慮したいけどっ! それじゃサバフェス会場まで行きましょうか……んっ」
そう言ってクリームヒルトはおずおずと立香と手を繋いだ。先の件もあり、そこまでするとは思ってもおらず立香はびくっと反応してしまう。彼女も立香が驚いたのに気付いたらしく、やっぱり離そうと手の力を緩めるが、立香は逆にギュッと手に力を入れ離さまいとした。固く手を繋ぎ合った立香とクリームヒルトの視線が交錯する。
「手、繋いだまま行きたいんだけど……駄目かな?」
「いいえ……私も繋ぎたい気分だったから構わないわ❤️」
カップルの様なやり取りに、立香とクリームヒルテはほぼ同時に顔が赤くなってしまう。燦々と照らす日差の熱さではなく、己の内からの熱さで真っ赤になった二人は無言のまま歩き出す。決して離れない様に恋人繋ぎをしながら。周囲の喧騒に反して二人の間には沈黙が流れていたが、先程までの気まずさはもうなかった。
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時刻は正午を過ぎた頃。ルルハワ空港にレイシフトした時の時刻が丁度正午だった頃もありサバフェスは既に開場されており、新刊を求めてラッシュを掛ける客足も落ち着いた頃であった。難なく会場に入場すると、立香は珍しい物を見るように辺りをキョロキョロと見渡すクリームヒルトに、自分が初めて来た時を思い出し微笑ましくなる。
「この時間だと人気サークルの新刊を手に入れるのは厳しいかな。でも既刊ならまだあるだろうから、きっとヒルトが気に入る物もあると思うよ!」
「まあ、初めて来た私には既刊も新刊も関係ないですから問題ないわね。本だけだと思っていましたが小物もあるのね」
「最近だとアクスタ……アクリルスタンドとかかな。缶バッチやステッカー、Tシャツやマグカップを出しているサークルもあったよ……こっちはコスプレエリアだね」
立香はクリームヒルトに本やアクセサリーを眺めながら歩いていると最初のブースを抜けると、コスプレエリアに出る。漫画やアニメのキャラクターに扮したコスプレイヤーと彼等を撮影するカメラマン、それを眺める見物客でごった返していた。
ふと立香の目に入ったのは、カルデアに来るより前にずっとハマっていたとあるアニメキャラのコスプレだった。元となったキャラは黒い角に小さな翼、尻尾の先がハートという、いかにもな悪魔娘である。服も悪魔っ娘らしく扇情的な物で、表から見ると一見普通だが、背中は首から尻えくぼまで露出しており、立香にとって初恋の二次元キャラクターであった。どことなくクリームヒルトに似た雰囲気を持つキャラクターで、昔から好みは変わらないなぁと立香は感慨深げに頷いてしまう。
頑張って再現しているなとレイヤーをじっくり見ていて、立香はハッと気付く。隣にいるクリームヒルトが自分とコスプレイヤーを交互に見ていることに。その顔はこころなしか強張っており、立香はしまったと心の中で呟く。デート中に他の女性見つめてしまう等は言語道断である。立香はクリームヒルトに謝ろうと口を開こうとするより早く、彼女の方が口を開いた。
「ねえ、立香。あの写真を撮られている人達……あの悪魔っぽい衣装の娘って……?」
「んん、コスプレのこと? あの人達はコスプレイヤーって言って、好きな漫画やアニメのキャラクターの衣装を着るのが趣味の人達だよ。あの悪魔っぽい衣装はある漫画に登場するメインヒロインの衣装だね! 懐かしいなぁ〜」
「コスプレ。
どうやらクリームヒルトはコスプレの方に目を引かれていた様で、立香がデート中に他の女性を見ていたのは気が付いていない様だった。立香は機嫌を損ねなかったことに安堵していたため、クリームヒルトが悪魔っ娘のコスプレに小言を呟いていたが耳には入らなかった。
そんなこんなで立香とクリームヒルトはコスプレを見物するのも程々に、次々とブースに進んで行く。立香の解説を聞きながら、クリームヒルトは手に取り気になった本を購入する。中身はコスプレ集やラブコメ系の作品が多く、立香の誘導もあり全て健全な物であった。だが、慣れてきたこともありクリームヒルトは一人でどんどん進んでいってしまい、遂にカルデアの風紀委員長が見たら「ご禁制です!!」と言いかねない作品を手に取ってしまう。ページを開き瞬間、頬を赤く染める彼女に立香は遅かったかと口に出してしまう。
「ぁっ……! す、すごい書き込みね……」
「あー……ごめん、先に言っておくべきだった。サバフェスは健全な本が多いけどその、ちょっとエッチな本もあるんだ」
「そ、そうなのね……あ、売り子さんこれ一冊貰えるかしら……?」
(えっ、購入するんだ。ちょっと意外かも)
立香としては二人きりの時ならいざ知らず、こういう人の目に付く場所で買うとは思っていなかったのだ。現に周囲の目もあり、クリームヒルトは恥ずかしそうであった。クリームヒルトは売り子から同人誌受け取ると、そそくさとその場から移動したので立香も後を追いかけ、話し掛ける。
「購入するとは思わなかったよ。絵柄とかが気に入ったの?」
「まあそれも有りますけど、体位のバリエーションが多かったので今後何かの役に立つかもしれませんから……ね❤️」
「っ! すごく、夜が待ち遠しくなったよ……!」
クリームヒルトの婉曲な誘いに、立香はまだ昼過ぎだと言うのに否応にも昂ってしまう。空港の時もそうであったが、彼女は人の感情を激化させるのに長けていると身をもって立香は感じた。こうしてクリームヒルトのサバフェス初参加は上々の結果で終了する。時刻としてはまだ夕飯前ということもあり、もう少し時間を潰そうとサバフェスの戦利品を宿泊先のホテルに置くと再び外に繰り出す。
「さて、次はどこ行こうか? ここから近いのだとアークティックエリアか、ラスベガスエリアかな? アークティックはもう観光しているだろうから、ラスベガス──」
「ん、スリラーエリアも近いわよ。私としてはカジノよりこっちの方が興味あるわ。ブリュンヒルデにも聞いて気になっていたの」
「あー……そっか。ヒルトは武則天のお化け屋敷に一人で行くくらいだもんね。んん……じゃあ行こうか」
「ええ、行きましょう……?」
立香の歯切れの悪い言葉にクリームヒルトは訝しみながらも出発する。その原因はスリラーエリアのアトラクションで直ぐに分かることであった。
スリラーエリアはかつてカルデアの面々が、サマーキャンプで遭遇した怪異現象を再現したアトラクションを実際に体験することが出来るスポットで、コテージで仮面の殺人鬼からの襲撃に一夜耐えるものや、ゴーストマンションからの脱出等とホラー映画では定番のシチュエーションが目白押しであった。
スリラーエリアに着いた立香とクリームヒルトは、そのまま一つ目のアトラクションに向かう。クリームヒルトの最初の目的地は以前ブリュンヒルデから聞いていた、幽霊マンションであった。アトラクションの内容としては各部屋にいる死霊を回避しつつ、玄関の鍵を見つけ脱出するというシンプルなものだが、こちらの気が緩む瞬間を熟知しているかのような恐怖演出は匠の域であり、カルデアに来て以来多種多様なホラー作品を満喫しているクリームヒルトも笑みを浮かべるレベルであった。
そんなにこやかなクリームヒルトに対して立香は、一切の心を無にして彼女の前を歩いていた。ふと彼女は窓に脱出へのヒントが書かれているのに目視し、立香の肩に手を置く。
「ねえ、立香──」
「おっわぁっ!! え、ど、どうかしたの……!?」
「いえ、むしろあなたがどうかしたのって聞きたいですけど!? ほらこっちに手掛かりがあったから共有をと」
「あ、ああ、成程──うぇっ!? くっ、何か落ちてきそうとは分かっていたのにぃ……!」
クリームヒルトは立香にヒントを指差すと、立香は窓まで近づきヒントを凝視する。するとお約束の様に上から死体の様な物が窓の外を通り過ぎる様に落下してくる。目が合うように落ちてきたそれに、立香は腰を反らすように窓から顔を遠ざける。
そう立香は体験型のホラーが苦手であった。映像や漫画等なら楽しめるのだが、自分の身で体験するものは駄目でホラーの定番を知っていても反応してしまうのだ。クリームヒルトにはバレたくなかったが、彼女の方に振り向くと驚いた顔をした後に少しニヤけた顔をしていた。
「ふうん。立香、もしかして体験型のホラーは苦手だったのね? 言ってくれれば良かったのに」
「うっ……いやいや、ちょっと驚いただけだよ。結構リアリティあるなぁー。ヒルトも驚いて腰を抜かさない様にね」
「へえそう。ふふ、なら先に進みましょうか」
立香は見栄を張ってクリームヒルトに嘘を付いてしまう。彼女が楽しんでいる時に水を差す様なこと言いたくなかったのもあるが、折角のデートで情けない所を見せたくなかったのだ。
立香はなけなしの勇気を振り絞り、彼女を先導する様に歩き始める。奥に進むにつれ二人の足音他に足音が増えている様な感覚に襲われ、ふとした瞬間自分の足音以外の音が消え去った。立香が後ろを振り向こうとした瞬間。
耳元に息を吹きかけられた。
「ぁっ──!!? ひ、ひ、ヒルトー!! こういう所でそれは、駄目でしょ?!」
「ふふ!! ごめんなさい、立香! ついやりたくなってしまったの、もうしないって誓うわ。本当よ?」
「ぅぅ~~! ドSのヒルトが言うことだから、信用できないよぉ。くぅー……この弱みは絶対に見せたくなかった」
「言ってくれれば別のエリアに変えたのに。ほら、手を繋いで行きましょう。これなら安心できるわよね?」
そう言ってクリームヒルトは驚いて固まった立香と手を繋ぐ。彼女の温もりを感じると、先程まで恐怖を感じた暗闇がなんてことのない空間に早変わりしたと立香は感じた。ホラーを満喫するという最初の趣旨からは大きく変わってしまったが、隣で手を繋ぐ彼女は終始楽しそうだったので立香は一安心する。その後は順調に進んで行き、無事脱出することに成功する。立香とクリームヒルトが外に出ると日も暮れており夕食に丁度良い時間だったので、二人はスリラーエリアを後にした。
「ふぅ……恐ろしいマンションだった。もうスリラーエリアには近づきたくないなぁ」
「私としては立香が体験した殺人鬼が出るコテージや呪いのビデオテープも体験したかったわ。まあそれは別の機会にしましょうか。外もだいぶ暗くなってきたことですし」
「なら夕食を食べて今日はホテルに戻ろうか? 何か食べたいものとかある?」
「そうね。柳生のお爺ちゃんが言っていた“ろこもこ”が気になるわね。ファンシーな響きだけど、どんな料理なのかしら」
「う~ん見方によっては、ファンシーに見えないこともないかなぁ。それじゃルルハワエリアに戻って夕食にしようか!」
こうして立香とクリームヒルトの一日目のデートはハワイ名物のロコモコを食べて終了する。クリームヒルトは出されたロコモコ丼に「思っていたのとちがーう!」と言いつつ、ハンバーグと目玉焼きの食べ応えは抜群で舌鼓を打って味わっていた。デザートにマカデミアナッツソースの掛かったパンケーキを食し、心体共に満たされた二人は宿泊するホテルに向かう。夜はここからが本場であった。
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立香は部屋に入るや否やクリームヒルトに襲い掛からんと迫ったが、あくまで冷静をよそおうクリームヒルトはまずシャワーを浴びてたいのと準備したいことがあるから別々に入ると言われ、するりと回避されてしまう。きっぱりと言われてしまうと立香も無理強いは出来ないので、クリームヒルトがシャワーを浴びた後に大人しく一人でシャワーを浴びていた。
ここ一週間レポートで拘束され抜く暇がなかったのもあり、立香の愚息は今か今かと待ち侘びるかの様に勃ち上がっていた。加えてデート中のクリームヒルトには幾度となく情欲を刺激されたのもあって、肉棒は最高潮まで堅くなっていた。そろそろ彼女の準備も整ったかなと、バスローブを羽織シャワールームから出るとベッドの上には立香にとって衝撃の光景が広がっていた。
「な、な、何でヒルトがその衣装を!?」
「以前バレンタインの時にあの二人にもらったのよ。“あなたによく似合います!! ”って……コスプレ衣装とは知らなかったけどね」
ベッドの上にはサバフェス会場のコスプレエリアで立香が目を奪われた、初恋の二次元キャラクターの衣装を着たクリームヒルトであった。黒くて小さな悪魔の角、翼、尻尾はグレーの髪と白磁の肌をしたクリームヒルトにはよくかみ合っており、立香は魅了されたかの様に彼女の元へ歩み寄り見つめてしまう。その様子にクリームヒルトは満足気に笑みを深める。
「ふふ、やっぱり気に入ると思ったわ❤️ サバフェス会場で、あれだけ見ていたんですものねぇ?」
「あぁー……やっぱりヒルトにはお見通しだったかぁ。本当にごめん、デート中なのに他の人に気を反らすなんてやっちゃ駄目なことなのに。怒っているよね?」
「まあ、あなたがレイヤー自身に見惚れていたなら一言言ったかもしれないわね。でも、あなたが見ていたのはこの服の方でしょ? なら怒る理由はないわ。私が着ればもう目を向けることもないでしょうから❤️」
クリームヒルトは自信に満ち溢れた態度でそう言うと、立香によく見える様にベッドの上でポーズを決める。その姿はかつて魅了されたヒロインそのもの、否それ以上の姿として立香の瞳に映っていた。確かにサバフェス会場の娘もクオリティは高く、写真映りを気にして立ち回るなどプロの仕事であった。
だがキャラクターのオーラに合っているかという点ではクリームヒルトの方が遥かに上であった。何より今最も虜になっている彼女が自分のために着てくれているという点で、勝負は決まっているようなものだと立香は確信する。立香はクリームヒルトの周りをぐるぐると回りながらしげしげと見つめ言葉を絞り出す。
「確かに、ヒルトのコスプレオレの理想通りでもう他の娘のコスプレはもう目に入らないかな……!」
「ふふん、まあ当然ですけど❤️ ただ、そこまで血走った目で見つめられるとは思わなかったわ……ちょっともう、ジロジロ見過ぎじゃないかしらぁ!?」
「いやいや、目の前でこの格好をされたら見ないでって言うのは無理な相談だよ! あっ、そういえばカメラ持ってきていたんだ! ヒルト二、三枚いいかな?」
「えっ、やっ、ちょっ……うぅぅ、ほ、他の人にはぜったい見せちゃ駄目よ! ぽ、ポーズも!? も、もう……こ、こうかしら?」
そして突如始まってしまうクリームヒルト単独の撮影会。立香はゲオルギウスやボイジャー、アナスタシアやメイヴ等の写真好きからの影響でカメラの扱いには長けており、今更ながら恥じらいが溢れてきたヒルトのぎこちないポーズを激写していく。前後左右様々な位置から感嘆の声を漏らしながら撮り続ける立香。次第にクリームヒルトも恥じらいが薄れてきたのか、服を捲し上げほとんど紐の下着をチラ見せするといった際どいポーズを取り始め、立香を悶々とさせるようになった。
しまいにクリームヒルトは肩紐を外し胸も露出させ、挑発する様な視線を立香に送る。一人のカメラマンとして粛々と撮影に臨んでいた男を一匹の雄に引き戻す蠱惑的な視線、たまらず立香はクリームヒルトに迫り抱き寄せると、熱い口づけを交わす。久方ぶりのキス、繋がった口内で激しくのたうち回る彼女の熱を感じ、立香の肉棒はバスローブを押しのける様に天高く主張する。クリームヒルトもまた立香との熱に浮かされ、潤んだ瞳で立香を見つめながらバスローブの隙間に腕を入れ、でっぷりと主張する亀頭を宥める様に指を這わせ刺激する。上下から感じる火の如き進撃に立香の肉棒からはだらだらと我慢汁が滲み出る。
立香も空いている手で紐の様な下着をずらしヒルトの秘所に指を差し込むと、ぬるりとした触覚を感じ取る。淫らな蜜液は絶えることなく彼女の蜜壺から溢れており彼女の待ちきれないといった様子を示す決定的な証拠であった。再開を祝う長い口づけも程ほどに、ゆっくりと離れるとそこには見慣れた銀の橋が掛かりヒルトは指でそれを掬った。
「んぅ、ちゅっ、ちゅぅ、れろ、れろぉ、はむっ、ぷはぁっ❤️ ふふ、もう我慢できないって感じ、暫く会わない間にいっぱい溜まったみたいねぇ❤️」
「ヒルトこそ、上も下もすごく激しくて待ちきれないって感じだよ。こうなったら今日はオレとヒルト、どっちかが果てるまでヤるしかないね」
「っ~~❤️❤️❤️ ええ……ええ! 望むところよ❤️ 手加減なんてしませんから❤️ あなたが何を言っても、もう止まらないわよ❤️」
「バーサーカーだしね、言って止まらないことは重々承知しているよ。だから言葉じゃなく行動で止まってもらうよ!」
立香の宣言に目を見開らいた後、クリームヒルトは頬を更に赤く染め笑みを深めた。期待通りと言いたげな表情に立香もまた、受け入れてくれた彼女を益々◾️おしくなってしまっていた。
我慢出来なくなったクリームヒルトは立香のバスローブを脱がすと、露になった肉棒を見て熱いため息を漏らしてしまう。クリームヒルトは彼女に向けられる様に勃起した剛直を前にすると自然に膝を付き、前戯のためと手を伸ばした。やわやわと立香の肉棒を握ったクリームヒルトは、ゆっくりシゴき始めると立香はくぐもった声を漏らしながらカメラを構え写真を撮る。
「くぅ……! 久しぶりだからか何時以上に感じちゃうなっ……! あっ、今の良いっ!」
「ん……? これも撮るのねぇ。本当に……誰かに見せたらあなたを殺して私も自害するわよ!?」
「もちろんこの写真はオレとヒルトだけの秘密だよ。それでもヒルトがオレのために真剣にしてくれていることが嬉しいから、それ残しておきたいんだ」
「……もう❤️ 記録しなくても、して欲しかったらしてあげるわよ❤️」
そう言いつつヒルトの表情は嬉しさを隠し切れておらず、まんざらでない様子がありありと現れていた。それを見て微笑んだ立香にヒルトは照れ隠しからか手コキのスピードを早め、立香を唸らせる。
立香の弱点等は知り尽くしていると言うかの様に、白磁の十指がストロークの速さを調整し、亀頭、カリ首、竿を弄り回す。更にこの日の為に貯めてきたと言わんばかりに、精液がパンパンに蓄えられた陰嚢を揉みしだく。さしもの立香もあわや射精する寸前まで追い込まれるが、久しぶりの射精を呆気なく終わらせまいと歯を食い縛り耐え凌ぐが、今際の際ということは立香も既に理解していた。クリームヒルトは立香の顔色から限界が近いのを見据えると、立香との一ヶ月の逢瀬で磨き上げた二つの技術──フェラチオとパイズリを解禁する。
元より巨峰とも呼べる大きさの胸を持つクリームヒルトであったが、目の前の雄に幾度も揉まれたことから更に大きくなっていた。英霊は肉体的な成長はしない筈なのだが、聖杯転輪の影響か立香好みに変化していた。彼女の垂らした唾と我慢汁が混じり天然のローションになると、柔らかくもきめ細かな乳肌にツンと張りのある弾力で立香の剛直を挟み込み竿もシゴき始める。極上の景観は立香の興奮を臨界点まで高める。更に今にも射精せんとピクピクと震える亀頭に熱々のキスの雨、舌ピアスのひんやりとした感触、快感と景観で立香の理性を削り取っていた。それはカメラを持つ手にも影響し、まともに写真を撮れない状態だった。
「くぅ……あぁっ!? やばっ……もうちょっとゆっくり、か、カメラがブレるっ!」
「ちゅっ❤️ ちゅぅ❤️ ちゅっぽっ❤️ じゅるっ❤️ ずぞぞぉ〜〜❤️ んふ❤️ いやよっ❤️ 手加減しないって言ったもの……❤️」
「そう、だけどぉッ! いや、まだまだっ……これを写真に収めるまではっ!」
「──っ❤️ ふふ……❤️❤️」
立香の宣言にクリームヒルトはくすりと笑い心底嬉しい顔をした。立香は何故そこまで嬉しそうなのかは分からなかったが、彼女が喜ぶ顔を見られて自分も嬉しく思ったのは間違いないことであった。故に立香は限界を超えて射精を耐えきり、彼女の自分への■情が込められた奉仕を撮ることだった。
対するクリームヒルトはラストスパートを掛けるべく、更に激しく胸を上下に動かし始めそれは立香の股座に打ち付けられると汗ばんだ肌が鳴らす淫猥な水音が立香の耳を犯す。決壊するかのように我慢汁が幾度も吹き出て立香はもう我慢しないで射精したいと繰り返し思ってしまう刹那、立香はクリームヒルトのパイズリフェラのベストアングルを見出す。瞬間考える暇なく立香の指は動きシャッターを降ろしていた。
「よ、し……っ! いいのが撮れたっ!」
「ん、ふふっ❤️ じゅるっ、ぐぽぉ、ぐっぽっ❤️ じゅるるぅ❤️ ぷはぁっ……そろそろいいわよ、りつかぁ❤️ じゅるっっっ❤️」
「くぅあッ! ヒルトっ! もう、射精るッ……!」
ベストショットが撮れたと口に出して喜ぶ立香。それを見てクリームヒルトは上目遣いで暖かな眼差しを送ると、立香に射精の合図を送る。自身の全力を出し切ったと読み取れる満足した笑みで彼女は立香の肉棒を咥え吸い込む。その吸引が最後の引き金になり、立香の陰嚢から吸い上げられるように精液が頂点まで昇りつめると瀑布の如く射精された。
クリームヒルトの口内を一瞬で埋め尽くし、彼女の喉を伝い体内を満たし外にも溢れ出し彼女の巨峰を白に染める。まるで長い間砂漠を彷徨、オアシスを見つけた旅人の様に精液を味わう彼女の姿は見慣れたものであったが、立香は何度でもその奉仕に感謝を示すように頭を撫でる。この行為も一か月共に過ごす以前ならギロリと睨まれたものだが、今では当然と言わんばかりに受け入れていた。長い射精を終えて、出来らなかった精液を吸い出し、お掃除フェラを終えると今度は胸に掛かった精液を掬い嘗め上げた。扇情的な仕草に立香の興奮は冷めやらず、彼女を押し倒す。立香の申し訳なそうな顔に反し、クリームヒルトの顔は淫靡な笑みを浮かべていた。
「ごめんヒルトまだまだヤりたりない。続き、いいかな?」
「んふ……そうでしょうね❤️ あなたがこの程度で満足するわけないものね❤️ いいわよ❤️ 立香の溜まったもの全部私にだ・し・て❤️」
そう言うとクリームヒルトは立香に見えるように脚を広げ、秘裂を指で広げる。立香の肉棒を今か今かと待ちわびるかの様に■液はだらだらと垂れ、ベットシーツにシミを作っていた。それほどまでに自身を求められていると分かれば立香がもう止まる理由は無かった。
「お望み通り、全部中に注ぎ込むよッ……!」
「来て立香……ふっ、あっ、あ゛ぁ〜〜❤️ これっ❤️ これがぁ、ほしかったのぉ❤️ りつかのアツいのぉ❤️ ヒルトのだいすきなおちんぽっ❤️❤️❤️」
立香の一度の射精程度で萎えることをしらない剛直は、クリームヒルトの最奥へと一直線に突き進む。剣と鞘、陰と陽、比翼の鳥が如くクリームヒルトの膣内を完璧に合わさる立香の肉棒。再開を祝うかの様に立香の肉棒が子宮口に触れると、ヒルトは早速甘イキしたのか、膣内全体が痙攣する。同時に立香の肉棒を離さまいと膣壁が絡み付く。
「くっ! 今日は一段と絡み付いてる! ミミズ千匹という言葉が相応しい名器だよ!」
「ふっ、ふっ……❤️ あなたのも、何時も以上に熱く感じるわぁ❤️ やっぱり相性が良いのかしらね、私達❤️」
「間違いないね。ふぅー……ヒルト、そろそろ動くね」
「あっ……❤️ ええ、立香の好きな様に動いてぇ……あぁぁんっ❤️」
立香の抽送開始と共にヒルトの艶かしい歌声が部屋中を響き渡る。その晩、クリームヒルトの嬌声と湿った肌と肌が織りなす淫乱な舞台は夜明けまで続いた。
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(んっ、んんぅ〜〜……日差しが眩しいわねぇ。ふふ、こっちはあれだけ張り切ったからぐっすりね)
南国の暖かな陽光をカーテン越しに感じ、昨夜の情事による気怠さを感じながらもクリームヒルトはまぶたをゆっくり開く。目の前には昨夜を共にした藤丸立香がおりヒルトは彼に腕を回し、彼もまたヒルトの胸元に抱き付く形で心地良さそうに眠っていた。
何時眠ったのか記憶がない程に乱れたのを表すかの様に部屋はしっちゃかめっちゃかという言葉がピッタリとハマる状況だった。ヒルトの腰はもちろん、お腹にもまだ重さを感じてしまっていた。目だけ動かしチラりと見るとドロっとした精液が秘所から溢れていた。
(もう、何十発出したのかしら❤️ 私がサーヴァントじゃなかったら確実に孕んでいるわ……❤️)
もし立香に子供が出来たらさぞ逞しく優しい子になるだろうなと、ヒルトは彼の子供を思い浮かべ彼の妻──カルデアだとマシュが筆頭だろうか、彼の妻は幸せ者になるのは間違いないだろうが夜は大変だろうと苦笑してしまう。
笑った拍子に動いたからか、立香の寝息が変わり目覚めそうになったので安心させる様にヒルトは彼の背を撫でると、立香は安心した様に再びすやすやと寝息を立てる。これは以前立香とヒルトがとある部屋に閉じ込められた時から始まった習慣だった。
(まさか睡眠障害だったなんてね……でもこんな
立香曰く何時からか長時間眠ることが出来なくなったそうで、眠っても数時間で自然と起きてしまい慢性的な寝不足に陥っていたのだ。あの部屋でも霊薬等で体調をやりくりしている立香を見て、なんとかしてあげられないかと考えたヒルトは、以前見た本で何かに抱き付いて眠ると睡眠障害が和らぐと書いていたことを思い出したのだ。
そこでヒルトは自分に抱き付いて眠ってみてはどうかと、立香に提案する。立香は最初こそ半信半疑といった様子で、合法的にはヒルトに抱きつけてラッキーくらいに思っていた後に語っていた。が、その日の就寝時に早速効果が現れ立香は久しぶりに六時間以上眠りに付いたのだ。立香は好きな人に包まれた安心感、張りのある柔らかさ、一定の鼓動が自分に完璧にマッチしたからだと語っていた。最もカルデアに戻ってからは何度も夜を共にする機会がなく、戻ってしまったそうだが前よりマシだと立香が朗らかに語っていた。
(プラシーボ効果なのかしら。まあ何でもいいわ、こうやって穏やかにこの子が眠れているだもの……ここまでマスターに入れ込むなんて、初めて会った時は考えも抱かなかったわね)
ヒルトが召喚されて初めて立香を見た時に感じたことは。明るく振る舞う中に何処か疲れた様子が見える青年という印象だった。加えて自分の様な者を召喚するなんてよっほど偏屈なマスターだとその時はそう認識していた。そして召喚された直後カルデアでジークフリートに再開し、トラオムでのログを見て彼の英雄の真意を知りヒルトの考えは大きく変化する。マスターを魔力タンク位の存在だと認識していたが、ログを見てからそう扱えるわけもなく同志として手助けしようとなったのだ。
そこからはジークフリートと過ごす傍ら、マスターや他の英霊と関わりカルデアの状況やマスター自身のことについて知ることになった。ごく普通の誠実な青年が理不尽な戦いに巻き込まれたという部分は、かつて自分がまきこんでしまった実弟を想起させヒルトは、夫共々世話になったことも合わせ益々マスターの戦いの力になる決意をした。そうして彼と母子の様な姉弟の様な奇妙な関係を築いていた後、エッチな事をしないと出られない部屋に彼と二人きりで閉じ込められたのだ。
(立香以外とあの部屋に閉じ込められたらと思うとゾっとするわ。でも、彼以外とだったら脱出した後にここまで関係が続くことはなかったでしょうね……)
部屋内の時間で一ヶ月の間立香と生活し、本来ならそこで立香と私の関係は終わる筈だった。だが立香からの提案により
立香は様々な特異点、異聞帯を乗り越えてきたがそれにより上記の寝不足を初め心の負担は確かに重なり積もっていたのだ。もちろんカルデアのスタッフやメンタルヘルスに精通する英霊の対応、心を透明にする訓練で得た技術で凌いでいたが完全に解消することは出来なかった。だが一ヶ月の共同生活を通じて彼の寝不足を解消することが出来たこともあり、ヒルトは今後も関係を続けるべきではないかと思い提案を受け入れたのだ。
(そう最初は立香が戦い続けるための手助けとして関係を継続した。だけど、バレンタインの後に自覚してしまった……私は立香を■してしまっていると)
ヒルトがその想いを自覚したのはバレンタインの後である。やっと眠れるようになったのに夜更かししてまで英霊に気を使い、バレンタインのお返しで受け取ったチョコを一つずつ味わって食べたり、贈り物を身に付けるのを見るたびに苛立ちが膨らんでいたのだ。ヒルトは最初こそ英雄っぽい慈善活動している彼に怒っているからと思っていたが、彼が己以外の英霊から貰った物を身に付けていたのを目にした時に気付いたのだ。彼が自分以外を気にしているのが気に入らないんだと。故にヒルトは立香にフェイクピアスを贈ったのである。
ヒルトは己の胸で眠る立香の耳元に付いたピアスに触れる。彼に贈って以降、律儀にヒルトと会う時は必ずこれを付けていた。勘違いでなければ、立香も己と同じ気持ちだとヒルトは感じ取っていた。だがそれが許されざることであるのも事実であった。
(私はジークフリートの妻だから、一緒にはなることは出来ない。そもそも立香には私より相応しい人が多いでしょうし……そろそろ決着をつけないとね)
ヒルトが立香からの二泊三日のデート旅行受け入れたのは、最後の思い出作りも兼ねていたの。ヒルトはこの旅行が終わったら、立香との関係をあの部屋に行く以前に戻そうと考えていた。立香のことを考えるからこそ、何時迄もこの関係を続ける訳にはいかず、彼の心体のケアも人理の影法師である自分よりマシュの様な今を生きる人に任せるべきだと、ヒルトは常々思っていたのだ。
(これが私にとっても立香にとっても一番良い筈……何時か振り返って良い思い出と言える様になるといいわね)
暫くして、ヒルトは己の胸で眠る立香をたっぷりと目に焼き付けると起こすことに。その頃には時刻は十二を指しており、就寝前の激しい運動もあり腹ペコだった立香はホテルのバイキングで朝食兼昼食を済ませることに。こうして立香とヒルトの二日目が始まった。