猛暑を感じる昼下がり。冬木市は深山町のとある屋敷で。台所には赤毛の少年──衛宮士郎とキッチンには似つかわしくない洋服を着た美女──キャスターが立っていた。士郎はキャスターの傍に立ち彼女の手先に目を凝らす。キャスターは緊張を吐き出すように息を深く吐くと、士郎に教えてもらった手筈通りに包丁を動かし始めた。まな板に置かれた鮮魚を解体し、中のワタをしっかりと抜き水で洗う。体温が移らないように素早く身に包丁を入れる。そして飾り包丁を入れて、綺麗にお皿に盛りつけた。淀みのない鮮やかな包丁捌きに士郎は満足そうに頷くと、一息ついていたキャスターに声を掛けた。
「流石の包丁捌きだな。飾り包丁、ちょっと不安って言ってたけど完璧じゃないか」
「坊やにそう言われると安心するわ。味もそうだけど宗一郎様には見目も楽しんでほしいですもの」
「そうだよなぁ。俺も藤ねえやセイバー達が喜んでくれるから作ってるところもあるし。ああ、ちょっと早いけど昼食ってことで食べるか。キャスターはどうする?」
「ええ、坊やがいいのなら」
「もちろん大歓迎だ。なら、小皿とか持っていってくれるか? 俺はおかずの用意やセイバー達の分を冷蔵庫に入れておくから」
士郎が遠出しているセイバー達が夜帰ってきてから食べる分を冷蔵庫に入れている間、キャスターはてきぱきと食卓に白米やお箸、刺身につける醤油皿や箸等等の用意を済ませる。
「坊や。こっちの準備は済ましたわ」
「おお、さんきゅ。それじゃあ、いただくか」
士郎はキャスターの用意の周到さに感心しながら、席に着き昼食を取ることに。チラチラと様子を伺うキャスターに不審な思いはあったが士郎は刺身を醤油につけると口に含む。バイト戦士と化した青い槍兵おすすめなだけあって、刺身はコリコリとした歯ごたえがあり美味であった。キャスターも小さな口を小さく開き優雅に食くしていた。そして咳払いを一つしてから、おずおずと士郎へと話掛けた。
「んんっ。その食事中に話すことでもないと思うのだけれど……」
「なんだよ。そう思うなら後からでもいいんじゃないか?」
「他に人がいない時に聞きたいのよ……その、坊やって桜さんやセイバー。果ては
「ゴホ、ゴホッ……!! い、いきなりなんだよ!? そ、そんなのキャスターには関係ないだろ!?」
食事中に話すべきでないことと聞き、士郎は冷ややかな目線をキャスターに送る。続けて繰り出された夜の話に、あわや口に含んでいたご飯を吹き出すところであった。キャスターも自分が不埒なことを言っているのはよく分かっているようで、エルフのように長い耳はほんのりと赤みを帯びていた。
「その通りですけど! ちょっと、困ってることがあって……それに坊やが適任かもしれないのよ」
「適任? むむ……なんだよ困ってることって」
「実はとある霊薬を作るための素材……つまりは男の精ね。それがちょっと不足してるのよ。街の男を使ってもいいのですけど、なるべくは魔力が豊富な精が望ましいの」
「な、なるほど……なるべくなら葛木先生でもいいんじゃ──「宗一郎様はダメよ!! あの人には極秘で進めたいの!」──さいでっか」
士郎はキャスターが食事中二下世話な話題を切り出した理由を知り少しだけ納得した。どうやらある霊薬を作るため魔力の豊富な男の精が必要らしく、それは彼女のマスターである宗一郎には秘密にしたいとのことだった。とすれば冬木で今彼女のお眼鏡に叶うのが自分だけということも。
「つまりは俺の……その、精があれば霊薬を作る手助けになるかもということだな?」
「ええ。坊やって魔力量はそこそこなものですから不足はないでしょうし。何より休日は一日中ヤるくらいお盛んなのでしょう? もし協力してくれるなら、私特製の滋養強壮剤を作ってあげるわよ?」
「俺は特に困ってないけど。桜や遠坂には良いかもな……」
「あら。正直、桜さんが見得を張って言ったのだと思ってたのですけど。お盛んなのは否定しないのね。ふーん……」
士郎とサーヴァントであるセイバーやライダーと違い、魔術が使えるところ以外は女の子である凛や桜の二人は行為後、かなり疲労させてしまうのが士郎の気掛かりだった。それを解決出来るであろうキャスターお手製の道具が報酬とあれば、士郎の心が協力に傾いてしまうのも無理からぬことであった。
そんな風に思案する士郎にキャスターは値踏みするかのような鋭い視線を向けていた。そして獲物を前にした肉食動物のように目を光らせる。
「……ちょと試してみましょうか。坊や少し我慢してね」
「ちょ、キャス、ター……!?」
(なんだ!? 体が……熱いっ──!!)
キャスターの指先、宙に魔法陣が浮かんだかと思った次の瞬間。士郎の全身は火に包まれたかのように熱を帯びていた。食事時だというのに無性に身体を動かしたい衝動。あけすけに言えばムラムラとした気持ちが湧き上がるのを感じた。その証拠に顔は朱色に染まり、まるで全力疾走した後のようだった。さらに股間は猛々しく隆起しており、ご婦人であるキャスターに見られでもしたら消し飛ばされてもなんら不思議でない状態であった。息も荒々しくケダモノのそれになっており、士郎はキャスターから目が離せなかった。
「キャス、ター……。何、を?」
「まあ端的に言えばチャームね。かなり効き目は薄めたんつもりだったのだけど……元から私のことが気になってたのかしら?」
そう言うとキャスターは立ち上がり士郎の所へと歩み寄る。士郎が熱い吐息を漏らし続ける中、キャスターはまじまじと士郎の隆起した股間部を見る。その目は好奇に満ちているように士郎には見え、彼女はしゃがみこむと士郎の勃起にズボン越しから爪を立てた。
「坊やの
「っ!? キャスター……! 早く、解除……してくれ!」
「ダメよ。坊やがの精が本当に役立つのかこの目で確かめないといけないのですもの。ほら、じっとしてなさい」
「ぁッ!?」
キャスターの妖しい笑みに、士郎の鼓動は高まり続けていた。これ以上は自分が自分でなくなると、士郎はキャスターに早くチャームを解除してくれと懇願し続ける。だがキャスターはぴしゃりと拒否すると、身動き出来ない士郎に膝枕をすると、彼のズボンを下ろし雄々しい肉棒を露出させた。空気に触れピクピクと震える肉棒、そしてキャスターに膝枕されている異様な状況に士郎は狼狽する。
「あら……思っていた以上に大きいわね。肉傘も彫りが深くて、女泣かせのそれだわ。セイバーや桜さんもとんだオムファタールに捕まったものね」
「な、何やってるんだ、キャスター……!? し、閉まってくれ……!」
「この状況で何をするか分からないほど、子供じゃないでしょ? 役得だと思っときなさい。小娘達と比べ物にならない快楽を与えてあげる❤️」
キャスターはいつの間にか手袋を付けており、やわやわと肉棒に触れた。シルクで出来ているのか、あるいは神代の素材か、肌触りはとても良く恍惚とした声を士郎は出してしまう。その姿にキャスターはくすりと笑みを浮かべると、指先を細かく動かし亀頭を刺激する。慣れた手つきによる快感は、士郎が体の関係を持ってしまった女性達とは感じたことのない刺激で腰が自然と浮いてしまうほどだった。だが本番はここからだと、キャスターは魔術で指先より水を滴らせローション代わりに肉棒を濡らした。
「坊や、動かすわよ……ああそれと、出すときは一言言ってからよ」
「きゃ、キャスター……! っ~~!! ぅっ、くっ、ふぐっ……!」
キャスターの指で輪っかを作ると士郎の肉傘、雁首の部分を擦りだす。執拗な責めは彼女が魔女と称されるのが改めて理解されるほど、無慈悲且つ冷酷で搾精を目的とした凄烈な手管であった。それと同時に士郎の頭を撫でる彼女の手は慈愛に満ちた王女のそれで、士郎は彼女に対する感情の置き所が分からず快楽に翻弄され続けていた。
鈴口からカウパーが溢れてきた折、メディアの手コキは雁首から肉幹へと移った。彼の人並み以上に長い竿をキャスターの黒い手袋に覆われた手が一撫でする度、士郎は骨の髄まで快感が奔り熱に浮かされた息を吐き出してしまう。加えて手袋の内側から引っかかる金属──指輪の感触がこれまた士郎の興奮を加速させた。魔女の手管はそれだけで終わらず、言葉を操り少年の心を誑かそうとしていた。
「うふふ。まだ出さないなんてとっても立派よ坊や❤ 陰茎も反り返っていて、まるで刀のよう。これでいっぱい女の子を啼かせたのでしょう? 私も、坊やのかっこいい射精見たいわ……❤」
「うぁっ……!! きゃす、たぁー……!!」
「我慢しなくていいのよ❤ びゅ~~っと出し切っちゃいなさいっ❤」
「で、射精るっ……もう、射精るっ……!!」
脳裏に響くキャスターの甘言に士郎はすっかり乗せられてしまい、士郎の肉棒は今にも射精しそうなほど震えてしまう。止めと言わんばかりにキャスターは薄紫のルージュが塗られた唇を士郎の耳元に近付け、彼に射精するよう促す。この囁きに士郎はたまらず射精を止めていた理性という弁を取り払ってしまう。宙に向けて放たれた射精はメディアの手袋を白く汚すとそのまま付着し続けた。
「っ……! 若い、というより坊やがすごいのかしら? こんなに大量に出すなんて……けど。これならあの霊薬も完成させられる……!」
「はぁ、はぁ。キャスター……」
「ん? 嘘、まだ勃ってるのっ!? あんなに出したというのに。ま、まあ一発出したなら、セイバー達が帰って来るまで我慢できるでしょ?」
「い、いや。セイバー達は今日、夜まで帰ってこない予定なんだ……」
今までの男とは比較にならない士郎の絶倫ぶりに驚嘆しつつ、キャスターは霊薬に使うための精液をフラスコに詰めていた。そしてキャスターはまだチャームの影響は残っているだろうが、先程よりはマシな状況になっただろうと士郎を見たがその期待は裏切られる。士郎はまだ発情したように顔が赤く染まっており、刀と称した肉棒は体液に濡れつつ深く反り返っていた。これにはキャスターも動揺を隠しきれず、後はセイバー達に任せようとしたが彼女等は暫く帰らないと告げられてしまう。
(正直な話。確認は済んだから、もうチャームを解除してもいいのですけど……)
キャスターは士郎の自分を見上げる目を見て、彼が自分に抜いてもらうこと期待していることに気付いてしまう。日頃から料理や買い物、ある時は愛する夫の尾行でお世話になっていたりと、彼は気にしていないだろうが世話になった数はもう数えきれないほどキャスターにはあった。故にこのまま解除しておしまいするのもどうかと決め兼ねていた。そんな時、士郎はキャスターに対して口を開いた。
「こんなこと、人様の奥さんに言っちゃいけないんだろうけど……キャスターを見てると全然収まらないんだ。続き、してほしいんだけど……ダメか?」
「っ……!」
キャスターは自身を求める雄の言葉に否が応でも反応してしまう。彼女の夫である宗一郎はキャスターのことを心から愛しているのは間違いなかった。だが彼は不器用な男で、キャスターに愛の言葉を囁いたり、彼女を自ら求めようとはしなかった。もちろんキャスターの方から望めば彼は次の日が仕事でも応えてくれた。自慢の夫。そう称するにキャスターは何の引け目もなかった。
そんな満たされた現在だからこそ、キャスターはほんの少し望んでいた想いがあった。自分からでなく、殿方の方から熱く求めてほしいと。そしてキャスターは今、最愛の人でなく。一人の人間として、好意を抱いている若き少年から望んでいた言葉を与えられてしまう。それは彼女の心に確かな火を付けてしまう。
「仕方、ないわね……今日だけよ。他の娘や、宗一郎様には……ぜったい内緒よ?」
士郎が何度も頷くのを見てキャスターは士郎と共に彼の寝室へと移動を始める。今日だけの火遊び。
そんな思いで夫の生徒と歩くキャスター。それがまさか、愛する夫より幾夜も彼と契りを結び、あまつさえ彼との間に
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日差しはまだ高く、寝室の窓から差す光が押し黙る少年と淑女に降り注いでいた。部屋に着き、布団を敷く間もそれは続いており、ここに来て気恥ずかしさがぶり返したのであろう。両者の間にはぎこちない空気が流れていた。ここからどう動くべきか二人が悩む中、ついぞキャスターが急かすように口を開いた。
「ぼ、坊やの方から脱ぎなさいよ。いつまでもこうして見つめ合っていても何もならないわ」
「お、おう……葛木先生と比べないでくれよ」
「決まり切ったことは口にはしないわ……それに。坊やだって中々のものよ。よく鍛えられているわね」
服を脱ぎ捨てた士郎にキャスターはさわりと手で触れながらそう言った。確かに完成された宗一郎の鋼の肉体と比べれば、まだまだ発展途上という感じではあった。けれども士郎の体もまた鉄の肉体というのに相応しく、生前から英雄の体を見て来たキャスターをしても将来性を感じさせる見事な筋肉であった。ともすれば、熱を持ち今だ成長し続ける
「っ……! ちょっとベタベタし過ぎたわね……ごめんなさい、坊や」
「いや、まあ。鼻で笑われなかったようで安心したよ。ところで、キャスター……」
士郎は自分が脱いだのだからキャスターも、と言った風な視線を送る。その意はちゃんと伝わっていたようで、キャスターは頬を林檎のように赤らめ己の服に手を掛けた。
「ん。わ、分かってるわよ……あまりジロジロ見ないでほしいのですけど」
「それは……難しいな。あんたみたいな美人が脱ぐのを目の当たりにしたら、眼なんて逸らせない」
「ッ~~! エロガキっ……!」
キャスターに全集中する士郎に対し、キャスターは苦し紛れの罵倒をしながら服を脱ぎ始める。といっても服だけを霊体化させるので一瞬のことではあるが、後には宗一郎に喜んでもらえるかと思い買った際どい下着の女がそこにはいた。
貝紫のショーツやブラジャーは、キャスターの白磁のような肌によく似合っていた。それはセイバーや凛と桜とはまた違う、ライダーのような妙齢の色香を士郎はしみじみと感じた。そんなまじまじと見ている士郎の目をキャスターは塞ぐように手を伸ばした。
「見過ぎよ! 全く、普段からは考えられないくらい破廉恥な子ね……」
「し、仕方ないだろ。いつもは露出が全くない、着込んでいるキャスターのそんな姿を見れるとなったらさ。見つめるに決まってる。全世界の男が同意するぞ」
「ばっ……! ぼ、坊やのくせによくそんなことをペラペラと……❤️ その口車で、いったい何人の女を誑かしたのかしらぁ?」
「そんなつもりは……ないけどな。いやでも、すごく綺麗だキャスター」
士郎の褒めちぎる言葉にキャスターは興奮からいよいよ全身が赤らみ、長耳はピクピクと忙しなく動いていた。目の前の雄に幾度と褒められて、キャスターは愛情とは違う欲情が湧き上がるのを感じる。それは理性をグラつかせる危険な感情であった。
「ぅぅっ……お世辞は結構よっ! さっ! とっとと始めるわよ坊や!」
「お、おう……! っと、一つ聞いておきたいんだが。やったらダメなこととかあるか?」
「え、そうね……キスと直接の性交は避けてくれる? ゴムは……はい、これを使って」
「へぇ、転移……というより魔術で作ったのか? 流石は神代の魔術師。何でも出来るなぁ」
士郎はメディアの手に出現したコンドームを受け取りながら感心の声をあげる。キャスターの方は当然とばかりにふふんと鼻を鳴らしてたいた。士郎がゴムを装着したのを見て、キャスターはいよいよかと身構えるが士郎はキャスターの傍によるも思っていた挙動とは違う行動を始める。士郎はキャスターを後ろからハグするように体を引き寄せると、胸や秘所に手を伸ばした。
「っぁ! ちょっと、何のつもり?」
「さっきはキャスターにしてもらったからな。お返しというか、下準備というか。まあここは俺に任せてくれ」
「ッ……! 坊や──ぁン❤ うぅぅッ❤ あっ、はぁっ、ぼう、やぁっ❤」
士郎は左手でキャスターのほどよい大きさの乳房をこねるように手を動かしながら、右手でキャスターの秘所の周りを外から押しながら刺激を繰り返す。少年には不似合いの技巧にキャスターはくぐもった声で吐露してしまう。久しく味わっていなかった恍惚の快感。それは兵器になるために青春を費やした、今世の夫では享受することの出来ないもの。
そしてそれは士郎も同じであった。キャスターが快感に打ち震える度、彼の愚息も眼前で痴態を晒す極上の雌を求めて揺れてしまう。それが知らぬ仲ではない教師の人妻とくれば、邪な情動が士郎の身に宿るのも無理からぬことであった。士郎はしっとりと濡れる秘裂に指を侵入させる。
「んっ、ふぁぁっ❤ 坊やの指が、私の中に……っ❤」
「すごいな……キャスターの膣中、タコの吸盤みたいに吸い付いてくるぞ」
「ッ~~!! イチイチ、言わないで──ぁぁっ❤ ゃあ❤ ダメっ❤ 坊やの指でっ❤ イッちゃう❤」
「ああ、キャスターのイッってる姿見せてくれ──!」
背後から手を伸ばし、膣中に指を差し入れしながらキャスターの弱い所を探る士郎。声の抑揚、身体の震え、視界のブレ。それらは体を密着させることでより深く感じることが可能で、士郎はその小さな変化を見逃さず女体の弱点を解析することで、これまでに幾人もの女性を満足させてきた。そして士郎はキャスターの弱点を見つけると一気呵成に攻め込む。結果はキャスターの秘裂から噴き上がる水飛沫が物語っていた。久方ぶりの性交以外での絶頂にキャスターは朦朧とした視線で士郎を見上げる。
「ぁぁ──❤ まさか、坊やにイかされるなんてっ。はぁ、はぁ……屈辱だわ」
「これでも坊やって言うのかよ。でもまあ、キャスターのイッた顔が見れたからいいかな。やっぱり美人だなあんた」
「なっ……! ほんとに、坊やは私を口説き落とすつもりなのかしら!? 言っておきますけど、私の心は宗一郎様だけのものですから! 坊やが入り込むスペースは1mmもありませんから!」
「むっ……。今日みたいに料理を教えたりして、けっこう親しくなったつもりだったんだけどな。1mmも俺の入る場所がないのはちょっと寂しいな」
士郎の口説き文句じみた褒め言葉に、キャスターはムキになって彼と心の距離を取ろうと言い繕う。その言葉を受けて士郎もまた拗ねたふりをして寂しがると、思っていたより深刻に捉えたのかキャスターは困ったように眉をハの字になってしまう。そして訂正するためか逸るように話始める。
「あっ、いえ違うのよ。あくまで愛する人のスペースというのであってですね? 坊やにはいつもお世話になてますし。恩人、あるいは頼れる友人というか──」
「ああいや。もちろん分かってるぞキャスター! 今のはちょっと拗ねたふりをしてみただけなんだ。悪い、そこまでキャスターが困るとは思ってもみなかった」
「あ、あら。そうだったの……もうっ! 今日は坊やの知らない面をたくさん見た気がするわ! こんなに意地悪だなんて思ってもみなかったです」
「俺も。キャスターがこんなに清純な人だとは思ってなかったぞ。なんていうか本当に可愛い人だなキャスター……」
そう言って士郎は思わずキャスターを抱きしめてしまう。キャスターはびっくと体を震わすが、拒絶することはなくそのまま受け入れていた。キャスターの心を占めているのは間違いなく夫で宗一郎ただ一人だけだった。だが、ここ最近はそこに士郎の影がチラつくようになっているのも間違いなかった。うら若い少年に抱きしめられ、キャスターは
「んんっ……❤ 坊やのが、さっきから当たってるんですけど?」
「すまん。もう我慢できなくて……いいか、キャスター?」
「……ええ。ここまで来たのですもの。貴方が満足するまでは付き合うわよ……❤」
キャスターの承認を得た士郎は向き合うと、彼女を布団に押し倒して視線を交わしながら鉄の棒のように固い肉竿を秘所にあてがう。ぐっと押し出すと秘所から垂れる蜜液もあり挿入はスムーズに行われた。キャスターはこれまでの夫とはまた違う肉棒の厚さ、固さ、長さに熱い息を吐き出しながら受け入れる。新しく挿入された異物にキャスターの膣壁は押し返すように吸着するが、彼の侵入を止めるには力不足であった。そして、ゴム越しではあるがついに士郎の愚息はコルキスの王女が秘匿する宮へとたどり着いた。
「ぁっ~~❤ ふっ、あぁン、おぉぉォ……❤ 坊やのが、全部入ってるっ❤」
「ふぅー……! 油断したら、すぐに射精しそうだ。ふぅ、ふぅ……キャスター。動くぞ」
「んっ、いいわよ──ぉっ゛❤ いきなりっ❤」
キャスターの許しが聞いたか否か、士郎はがっつくように腰を動かす。子宮を押し込む突然の動きに、キャスターはくぐもった声を押し殺さずに出してしまう。それほどまでに士郎にとってもキャスターの中は名器であった。夫以外は拒ばまんと押し返そうとする膣壁を貫く快感は、士郎のこれまでの性歴でもトップクラスの体感であった。抜いて、挿す。それだけでも士郎の射精感は益々高まっていくが、それに加えて自分の下で悶えるキャスターの姿がたまらなく魅惑的で士郎の心をくすぐっていた。士郎はその情動のままキャスターの体に吸い付きながら、自身の証を残そうと腰を突き動かす。
「ッ!? ぼう、やぁっ❤ 見える、ところはダメよっ❤ あっ、はぁ❤ 熱いっ❤」
「キャスター、キャスター……!!」
「坊や……❤ 坊や──あァァァッ❤」
そしてキャスターの絶頂と共に膣内が収縮を繰り返し、士郎の剛直に絡み付き射精を促す。そしてゴム越しではあるが士郎は最奥で射精感を解放した。滝つぼのような音が聞こえそうなほどの大量の射精に息を吐く士郎。膨張するゴムの感触と絶頂の余韻に浸るキャスター。二人はしばし息を整えるため、互いの体を密着させるだけに留める。
「はぁっ──桜さんが坊やをベッドヤクザと言っていたのが理解できたわ。こんなのをいつもしていたなら、そう断言してもおかしないですもの」
「ふぅ~~。いや、何時もはもうちょういゆっくりやるよ。今日は、相手が相手だからな。何時も以上に張り切ったかもだ」
「っ……❤ ふ、ふーん? それ、桜さんに言ってみようかしら。健気な後輩なんかより意地悪な年増の方が良かったて」
「勘弁してくれ……ああ見えて桜は嫉妬深いんだぞ! それに意地悪な年増って、誰のことだ? キャスターはそんなんじゃないだろ。健気って言うなら、葛木先生のために頑張って料理を覚えたキャスターもそうじゃないか?」
「あ、貴方ってほんとに……っ❤ ッ~~!!」
「いたっ! ちょ、キャスター! いきなり握るのは勘弁してくれっ!」
士郎の無自覚なタラシはキャスターの心を掻き乱す。不覚にもキュンとしてしまった。そんな思いを認めることが出来ず、キャスターは誤魔化すように士郎の今だ臨戦態勢の肉棒を握りしめてしまう。士郎が悲鳴を上げるのを構わず、キャスターはそのまま肉棒に装着されていたコンドームを回収する。丸々と先端が精液で膨張したコンドームに、思わずキャスターは喉を鳴らして注目してしまう。だがそれ同じくらい今だ健在の肉棒にも注意が逸れてしまい、キャスターはコンドームを縛ると新しいコンドームを作り出した。
「……まだ、ヤれるのでしょう? 新しいの着けるわよ」
「ああ、サンキュ……おおっ!」
「っ……ふぁによ?」
「いや、まさか咥えゴムで着けてくるとは思ってなくて。キャスターの唇ってエロいなぁ」
「ッ……❤ ふぅー……いい? 次は私から動きますから。覚悟することね、泣いて許しを乞うても止まりませんから❤」
「キャスターから動いてくれるのか? 嬉しいけど、無理はしないでくれよ?」
キャスターは咥えゴムで士郎の肉棒にコンドームを装着する。キャスター自身は普通に手でつけるつもりだったのに、何故か士郎が喜ぶことをしてあげようと体が勝手に動いていたのだ。そして思惑通り士郎は感嘆の声を上げたので、キャスターは心の中で喜んでしまう。だがここからは大人の女性としてリードは譲らないと彼に跨ると、今度は騎乗位で搾り取ることを宣言した。だが士郎はその宣言に対してもキャスター自ら動いてくれる嬉しさしか感じておらず、逆に無理しないように気遣う余裕すらあった。これにはキャスターの中ではりつめていた理性の糸が切れる音が鳴ったのを彼女自身感じた。
「ふ。フフフ……坊やは私がどういう存在なのか忘れているのかしら? 裏切りの魔女と呼ばれた女がどれほど恐ろしいのか、その身で教えてあげるわ──ッ!!」
「ぐっ、ふっ、あぁぁっ! すさまじい、ピストン……! 自分で動いた時とはまた──!」
「ふっ❤ はぁっ❤ 違う、でしょう? あぁ、んんっ❤ まだまだ、私の報復はこんなものじゃないですから……ねっ!!」
こうしてキャスターは、これまで散々心を弄んだ士郎に報復の騎乗位を始めた。だが報復と言いつつもキャスターの顔は恍惚としたものであり、それが悪心に満ちたものではないのが誰の目にも明らかであった。理性の糸が切れたというのも、彼女の中で夫への操を守るため士郎と一線を引いていたのがなくなったということで。つまりは今だけは士郎との性交に全力を尽くす、そういう心構えになったということであった。
その熱中は凄まじく、彼と彼女の性交は実に昼過ぎから夜中まで続いてた。それが中断されるのは居候をしている
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「シロウ! ただいま帰りました! おや、居間にいないのでしょうか? むむむ、何か作ってもらおうと思っていたのに」
「みたいね。そういえば、外から明かりが見えなかった気がするわ。寝てるのかしら?」
「今日は大河や桜も来ないと言っていました。気が緩んで寝ている可能性はありますね」
「仕方ないわねー。起こしに行ってあげますか」
衛宮邸に帰って来たのは同居人のセイバーと元同居人の遠坂凛であった。二人は遠坂家がセカンドオーナーとして管理する冬木市に無断で侵入していた、野良の魔術師の対処をするため朝から出掛けていたのだ。そして追いかけっこは夜まで続いたものの、セイバーの直感もあり魔術師を捕縛することに成功。セルフギアスクロールで魔術師の冬木からの永久追放が決定されたのである。
セイバーと凛は朝から動き回っており、食事も満足に取っていなかった。なので士郎に何か作ってもらおうと二人は期待して帰ってきたのだ。けれど当の士郎は居間にはおらず、室内も月明かりが照らすだけで暗闇同然であった。二人が廊下を歩く最中、遠くの方から獣の咆哮の様な声が響いた。否。二人にはそれがどういう声なのかよく知っていた。
「っ!? 今の声は……?」
「今日、桜は来ないって言ってたわよね? んー抜け駆けかしら。でもいつもと声が違うような……」
二人はそれまで堂々と廊下を歩いていたが、やましいことでもあるのか抜き足忍び足で士郎の部屋へと向かうのであった。そして一際大きな獣声──嬌声が響いたのを皮切りに二人はそっと仲を覗き込んだ。戸の隙間から、濃厚な性の臭いが二人の鼻に突き刺さった。そこには二つの人影があり、片方はどうやら事後の
「ぢゅる、ぢゅぱぁっ❤️ ずりゅっ、れろぉっ❤️ じゅぞぞぞっ❤️」
「ぁっ、あぁー……。キャスターのお掃除フェラでまた勃ちそうだ。にしても良いのか? ゴムなしで」
「じゅっぽっ──❤️ んんっ。当たり前じゃない、ゴム越しじゃ綺麗に出来ないでしょ? 何を素っ頓狂なことを」
「いや、魔術とかでさ。キャスターならそれくらい朝飯前だと。キャスター自身がやりたかったのか?」
「ぁ、ぅ! ッ〜〜!! ち、違いますから! 別に魔術だって万能じゃなくてよ! だから……これは──」
士郎の天然から繰り出される核心を突いた質疑に、キャスターはうら若き乙女のように手をあくせくと動かしながら弁明する。だが同じ女だからこそ分かるものというのもあって、セイバーと凛はキャスターが胡乱な目でお掃除フェラをする姿に確信してしまう。
キャスターもまたシロウ/衛宮くんに堕とされてしまったと。セイバーと凛はもはや黙って見ているわけにはいかず戸を勢いよく開け放ち二人の前に姿を見せた。
「セイバー!? 遠坂も……帰ってきてたのか!?」
「ッ!?」
キャスターは二人の姿を目視した瞬間、霊体化をもってこの場から立ち去ろうとする。だが赤い悪魔の予測と騎士王の直感はそれを許さなかった。凛の掛け声と共に、セイバーはキャスターを羽交い絞めにしてしまう。こうなればキャスターは対魔力を持つセイバーにキャスターが出来ることは何もなく、ただ身じろぎをするだけであった。
「セイバー!」
「はい! キャスター、観念するのです!」
「は、離しなさいセイバー! これには理由が……!」
「理由ね。詳しく聞かせてもらおうじゃない。ねぇ、キャスター?」
「遠坂、セイバー! これには深い訳が──「シロウ/衛宮くんは黙って」はい……」
こうして士郎とキャスターはありのままの姿で居間まで連行される。そして笑みを浮かべながら怒気を放つセイバーと凛にキャスターは事情を説明し始める。士郎はその間、お腹を空かせてきた彼女等のために簡単な料理を作っていた。彼女が霊薬を作るため魔力を多く持った男の精が必要なこと。小手調べがてら士郎を襲ったこと。小手調べから火が付いてしまい今の今までヤッていたこと。洗いざらい全て話せさせられた。それを聞いた遠坂の深い溜め息はキャスターの身を震わせた。
「なるほど。交換条件として出された栄養剤のためですか。確かに凛や桜は私やライダーと違って次の日はダウンしていることも多いですからね。その為にやむなくキャスターに体を売ったと……そういうことですね、シロウ!!」
「セイバー。関心しているところ悪いけど、こいつ絶対途中からそのこと頭から消えてたわよ。あの時の顔ったら、鼻の下が畳に付くくらい伸びてたわ」
「いや、そんなことはないぞ! 俺はただ……皆が幸せになる道をと!」
「はい嘘。あんたさっきからキャスターのことチラチラ見過ぎ。気づかれないと思ってる? はぁー……まあそこはひとまず置いておくわ。キャスター、あなた霊薬って何を作るつもりなの?」
「ッ! そ、それは……」
士郎がセイバーと凛から詰められているのを尻目に、いかにしてこの状況を切り抜けるか思案していたキャスター。だが矛先が士郎からキャスターに移ったことで、キャスターは下唇を噛み押し黙る。士郎もまたキャスターがどんな霊薬を作りたいのか聞いておらず、知りたい心からキャスターの様子を伺うことに。そしてキャスターは観念したように息を吐き出し、そっぽを向いた状態でぶつぶつと呟いた。
「こ……もよ」
「なんですって? 聞こえなかったんですけど」
「だから……!! 子供よ! 宗一郎様との子が欲しいから霊薬を作ってるのよ!!」
「こ、子供……!! つまり霊薬でサーヴァントでも、子供を作れるようになろうとしたってことか?」
小声でよく聞こえなかったと凛がキャスターに詰め寄ると、キャスターは赤裸々に声を張り上げる。愛する夫との子供。それこそがキャスターが霊薬を求めていた理由だった。士郎は思わず聞いたままキャスターに聞き返す。その問いキャスターはゆっくりと頷き、そのまま顔を下に伏せた。その様子から彼女の本心だと悟った、凛とセイバーは納得したような顔になった。
「あー……子供かぁ。確かに、霊体のサーヴァントじゃ難しいものね」
「そういえば。キャスターは私が公園で子供達と遊んでいる時、覗き込んでいたことがありました! もしやそれが切っ掛けで……?」
「……まあそれも理由の一つかしら。私が思い描く理想として夫と子供、家族に囲まれて幸せに過ごすというのがあるのよ。だから今度こそは……そう思ってしまったの」
「キャスター……」
キャスターの告白を聞き、士郎は彼女の生前について思いを馳せる。キャスター、真名をメディアといい彼女には二人の子供がいた。だが彼女が自身を裏切った夫を殺した後、子供がどうなったかについては諸説あった。そして少なくともここにいるキャスターは、話しぶりから二人の子と上手くいかなかったのだと士郎は察してしまう。セイバーと凛もその話を聞いて思う所はあるようで、またしても大きく溜め息を吐くと凛はキャスターに視線を戻す。視線の先にいるキャスターは悲し気に目を伏せていると士郎は感じた。
「……キャスター。今日と同じくらいしたとして、後どのくらい士郎の精液があれば足りるの?」
「そう、ね。あと十数回ほどで十分な量が溜まると思うわ。坊やの頑張りにもよると思いますけど」
「そう。なら、セイバー。貴方やライダーが担当する日にキャスターも同伴させたいのだけど良いかしら?」
「っ!? 貴方、どういう風の吹き回し?」
凛の問いにキャスターはチラりと士郎を見て答える。今日と同じくらい毎回出せというのはキツいと士郎が思っていると、凛は思いもよらぬ提案をする。なんとキャスターもこれからの夜のアレコレに参加させたいと言うのだ。凛の提案に俺はもちろん、キャスター自身も驚いていた。キャスターと凛は浅からぬ因縁があり、険悪というほどではないが蟠りはまだあったのだ。
「取引のためよ。決まってるでしょ。士郎が貰うはずの栄養剤はもちろん、そうね……魔力結晶とか現代でも貴方なら容易に作れるんじゃない? それをいくつか提供してもらおうかしら」
「遠坂……俺の意思は「あると思う?」ですよねー」
「ふむ。私は構いませんよ。桜は元からキャスターと仲が良いようなので、納得するでしょう。ただライダーの方はどうでしょうか?」
「ライダーの方には桜と一緒によく言っておくわ。キャスターも、することになったらライダーに挑発しないでよね」
「ええ、分かってるわよ……正直、受け入れてもらえるとは思ってなかったわ。ありがとう、凛さん」
凛はセイバーとキャスターの方を見て話すので、士郎はそろりと自分の意思の確認をする。凛は士郎の顔を見ないままぴしゃりと遮ってしまう。そしてライダーともそこまで仲が良くないので、凛はライダーとも喧嘩をしないよう注意をする。キャスターは凛の言葉を受け入れるとそのまま感謝と共に頭を深々と下げた。凛はキャスターのしおらしい態度に目を見開き驚愕の声を上げた。
「うわわ! ちょっ、急にかしこまらないでよ! 貴方にそういうことされると鳥肌が立つんですけど!? これは取引なんだから、頭を下げる必要なんてないわよ!」
「それでもよ。今は街から精を集めるなんて目立つ真似は出来ませんから、貴方が受け入れてくれておかげで完成が現実的になったの。本来、頭を下げるだけじゃこの恩には足らないのよ」
「まあそこまで気にしなくてもいいんじゃないか? 俺と皆のアレコレで出るものを渡すだけなんだからさ。それにキャスター特性の栄養ドリンクとかこっちも得る物があるんだからな」
「坊や……貴方にも迷惑を掛けると思うけど。暫くの間、よろしく頼むわ。その、私もやれるだけやりますから……」
凛はキャスターに頭を上げるように言うがキャスターは納得していないようで、彼女からするとこの機会を逃すとかなりの痛手になるらしく頭を下げるだけじゃ感謝を示すには足らないと。士郎もキャスターをフォローするため気にしなくていいと励ますが、逆効果だったらしくキャスターは士郎にも頭を深々と下げた。そうして俺と凛があたふたしているとセイバーは思わぬことを口にした。
「ふむ? キャスター、貴方も参加するのですか? 先程の話しからするとシロウが出した精を回収するだけで良いのでは?」
「ぁ……! え、ええその通りよセイバー! ちょっと、気が動転してたわね……もちろん貴方やライダーに出したものを回収するわ!」
「……キャスター。あの現場を見た時に思ったのだけど、やっぱり士郎にハマっちゃったの? あんなに士郎のモノを丹念に舐め回してものねぇ……」
「ば、バカなことを言わないでくれるかしら!? わ、私がたった一度の性交で気安く夫以外の男に股を開けるようになるとでも!? 今日のは坊やを試すため仕方なく受け入れただけで……! 坊や、私が行為中に言ったことは絶対秘密よ!! 破ったら……貴方を殺して私も死ぬわ」
セイバーはキャスターの言葉から参加するつもりなのか問うと、キャスターは目に見えて顔が赤くなり動揺していた。続けて凛の士郎との性交に魅了されてしまったのかという問いに、キャスターの興奮は最高潮に達したのか声を荒げて反論する。そして凛に一方的に言いまくると、今度は士郎に顔を近付け行為中に話したことの口外を禁じる。士郎は彼女の言葉に頷く傍ら、そばに寄って来た彼女の匂いを嗅ぐことで情事の記憶が蘇り反応してしまう。
「わ、分かってるから!! 急にそんなに近付かないでくれ! その、色々今はマズイから……」
「っ!? あ、貴方ね……! あれだけヤッてまだ勃つの!?」
「ええ。そこにいる元正義の味方志望は、女を知ってからは性技の味方よ。たった数時間じゃ満足なんてできないわよ。なんだか話してたら、私もその気になってきちゃったわ。今日はセイバーの日よね、私も参加していいかしら?」
「構いませんよ。今日は人妻に手を出したシロウを二人で折檻するとしましょう。お先に失礼しますキャスター
「ちょ、そんなに引っ張らなくても……! キャスター、今日は色々とすまなかった! またな!」
そう言うと士郎とセイバーは一足先に彼の寝室へと行ってしまう。キャスターはそんな二人から視線を逸らせず見送ってしまう。それはセイバーの言った通り、士郎との行為に未練があったからなのかもしれないとキャスターは思う。だがそれを口にしてしまえば夫である宗一郎様との関係に歪が出来るのは間違いないと確信もしていた。キャスターは体が固まったかのように動かなかったので、凛はふと声に出してしまう。
「やっぱ参加してく?」
「ッ!? け、結構よ。もう帰らないといけないので失礼するわ……ライダーの説得が終わったら連絡してちょうだい。私も取引の物を用意しておきます」
「りょーかい。霊薬、完成できるといいわね」
「……ええ、完成させるわよ。絶対に」
凛もまた士郎達の後を追い寝室に向かうのを見てキャスターは衛宮邸から帰宅する。宗一郎には士郎との行為中に使い魔で帰りが遅くなると伝えてあったが、少しでも早く帰ろうとキャスターは霊体化と飛翔の魔術を組み合わせて一瞬で柳洞寺の門前にたどり着く。すると門の前には宗一郎が微動にせず立っていたのだ。まさか長い時間待たせてしまったのではないかと、キャスターは逸る気持ちのまま霊体化を解くと宗一郎に全速力で駆け寄った。
「帰ったかキャスター」
「宗一郎様!? まさか帰ってきてからずっとここにいたのですか!?」
「いや。少し前からだ。夏とはいえこの時間は辺りが暗くなる。お前に限って何かあるとは思わないが一応な」
「宗一郎様……!」
キャスターは宗一郎の無骨な思いやりに心を熱くする。彼は言葉数こそ少ないものの、こうしてキャスターのことを何かと気にかけていた。料理の出来を気にすれば士郎に習ってみてはと口にしたり、一緒に料理教室に行かないかと誘われれば応じ、そしてマスターとなってくれと言えば一、二もなく応じたのだ。そんな彼にキャスターは秘密を抱えてしまっていた。ともすれば彼は気にしないのかもしれないが。それでもキャスターにとって士郎との
「どうした、キャスター? 何かあったのか」
「ああいえ! なんでもないのです……心配を掛けさせて申し訳ありません。今日は料理も作れなくて……」
「いや昨日の余りものがあったから問題はない。衛宮の教えは厳しいのか?」
「え、ええ。ぼ……衛宮くんは料理のことになると熱が入って……」
「そうか。一成も零観もお前の料理は見違えたと言っていた。あまり根は詰めないように」
「は、はい……!」
宗一郎はあくまでキャスターを気遣う姿勢を見せた。キャスターは士郎の名前が出たことで一瞬、身を強張らせたものの極めて冷静に努めようとした。キャスターの言葉を聞き宗一郎は、お世話になっている寺の人達の言葉を借りてキャスターの上達を認めていた。信条から主観を話したがらない彼を知るキャスターはそれが宗一郎からの褒め言葉だと気付き口元を緩めてしまう。そうして二人は寺の中へと入っていった。
キャスターは宗一郎の隣を歩き思う。かつては祖国に帰りたがっていた自分が、いつしかこの場所を気に入っていたことに。それは偏に隣を歩く最愛の人の存在に他ならなかった。だからこそ、彼女はもう一つの願いである己の子供を育むことを夢見てしまう。思い浮かぶのは子供を抱きかかえる自分、そして自身の子供を抱く最愛の男の姿を。だがその姿が一瞬、
(まさか。あの娘が言った通り坊やに──。いいえ、いいえ! 絶対、有り得ないわ!!)
心の中でキャスターは凛の言葉にあり得ないと反論し続ける。だが腹の奥底がじくじくと熱を帯びるのをキャスターは必死で知らない振りをする。そして宗一郎とキャスターが寺の門を潜り抜けた所で、先程までいた場所に目を向けるのも。決して後髪を引かれているということではないと、自分に言い聞かせるキャスター。だが目を戻した所で、瞼の裏に焼き付く赤毛の少年との情事は決して消えることはなかった。
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キャスターと士郎が関係を持ってから数日が経っていた。凛から準備が整ったとの連絡があり、彼女は久しぶりの士郎邸にやって来ていた。時刻は夜を過ぎており、キャスターは料理を作り置きして宗一郎には桜との料理の強化合宿を行うという理由で外泊をすることにした。キャスターはチャイムを鳴らすのに数十秒戸惑いようやく押すと、邸宅の中から可愛らしい声が聞こえてきた。もしやとキャスターが思っていると、戸を開けて中から出てきたのはセイバーや凛ではなく。間桐桜であった。彼女とは商店街で偶然出会ってから仲を深め、ことの発端となった士郎の性豪ぶりを聞いたのも彼女からなのである。
「こんにちは、キャスターさん! こうやって会うのは久しぶりですね」
「桜さん! ああそうよね、桜さんも、ぼ……衛宮くんに仲が良いものね。そのぉ、もう例のことは聞いてるわよね……?」
「はい。まさかキャスターさんも先輩の毒牙に掛かるとは。しかも私が話したことが原因みたいなもので……」
「桜さんのせいじゃないわよ。私自身の目的のためしたことですから。むしろ桜さんの邪魔をしてしまうことになりそうで……ごめんなさいね」
「いいえっ! かえって良かったかもです。ここの所、マンネリがあったので。キャスターさんの参加はむしろ大歓迎です!」
「ぇ? ま、まあ受け入れてもらえるなら何よりだわ」
桜は士郎の犠牲になってしまったと、キャスターに謝るが彼女自身は自ら行動したことだから気にしないでくれと告げる。そして今度は反対にキャスターの方から士郎と桜の蜜月に水を差してしまうことを畏まる。だが桜はキャスターの参加はマンネリの解消が出来るかもと喜んでいたが、キャスターはその桜の喜びように戸惑いを感じてしまう。その齟齬にキャスターが気が付つくのはほんの数分後であった。
キャスターが居間で待っていると、風呂上りなのか浴衣というラフな格好であった。胸元が少しはだけており、そこから見える肌を見ると否が応でも情事の時のことが思い出されキャスターの体は熱くなってしまう。士郎も同様だったようで、キャスターを見るとぎこちなく笑顔を浮かべた。やはり学校の先生の奥様に手を出してしまったことに思うところがあるのであろうとキャスターは推測した。
「お、もう来てたのか。なんか、数日前なのに久しぶりな感覚だな」
「まあ、ね……話は
「あれ? キャスターさんは別室で待機するんですか? 私、てっきりキャスターも一緒にするんだと思ってました。なんていうかキャスターもそわそわしてたから期待してるのかなって──」
「なっ……!? さ、桜さん!! 滅多なことは言わないでもらえるかしら!? これでも夫がいる身です! おいそれと他の男と閨を共にするなんて……!」
キャスターの別室待機宣言を聞き、桜は彼女も参加するものだと思っていたと口にする。それを聞いた瞬間、キャスターは噴火したかのように拒否反応を示すとまくし立てるように詰め寄った。その勢いに桜は体をのけ反り倒れそうになる勢いであった。士郎は桜を手で支えながら、キャスターを抑えるようにもう一方の手で制止した。
「落ち着けってキャスター! 勘違いにそこまで詰めることはないだろ? キャスターは別室で待機で大丈夫だ。俺からも無理強いはしないからさ」
「っ……そうね。ごめんなさい、桜さん。過剰に反応してしまって……」
「いえいえ! 私の方こそ、早とちりしちゃったみたいですみません」
「良し! お互い謝ったんだからこれで終わりしよう。二人がこんなことで険悪になるなんて嫌だからな」
士郎の言葉に桜もキャスターも頷いた。あの日以来キャスターは自分自身にも分からない矛盾が胸に広がっていた。故にピリピリとしてしまっており、桜の勘違いに強い拒否反応を露わにしてしまったのだ。だが、キャスター自身薄々と理解していたのだ。桜の指摘は図星であり、キャスターは心の何処かでまた士郎と交わることに期待していることに。だが一度ならず、二度もするのは夫への明確な裏切りに他ならないとキャスターは考える。故にその心は絶対に口にしまいとキャスターは強く意識した。
それから二人はちょっとした世間話をした後、いよいよ性交するために移動をすることに。そのタイミングでキャスターは精を効率良く回収するためゴムを渡した。そして士郎の寝室の隣。襖越しの場所でキャスターは待機をすることに。そうして始まったうら若き男女の性行為は始めこそキャスターという部外者の存在もありぎこちなさが聞こえてくるものだったが、行為が進むにつれてキャスターの存在を忘却したかのように性交にのめり込んでいた。
「ぁん❤ きょうの、せんぱいっ❤ いつもより、はげしッ……❤ ゃあッ❤ またっ、イッちゃいます❤❤❤」
「ふっ、ふっ……!! そういう桜だって、いつも以上に乱れてるじゃないかっ! こんなに悪い子になるなんて思ってもみなかったぞっ!」
「はぁいっ❤ んんぅ❤ せんぱいのせいでっ、わるいこになっちゃいましたっ❤ いゃっ❤ だからっ❤ もっとおしおきしてくださいっ❤❤」
「なら、ちょっときついのいくぞっ!!」
肌と肌がぶつかる肉々しい音。舌と舌、秘所から溢れる愛液による淫らな水音。それが襖などないかのようにキャスターの耳を犯す。防音魔術などお手のものだが、キャスターはそれをしなかった。何故ならその音が聞こえてからキャスターは自然と自身の秘所に手を伸ばし、己を慰めているのに夢中になってしまったからだ。
(なんでっ……! 坊やと桜さんの声を聞くだけで、手が勝手に動いちゃうっ……!!)
キャスターには声と音だけで二人がどんなに激しい行為をしているか手に取るように分かってしまう。透視をしていないにも関わらず、その光景はありありと瞼の裏に映っておりキャスターはそれをダシに自慰をしてしまう。キャスターの体はとうに士郎の手によって堕ちきってしまっており、秘所は彼のモノが欲しいと蜜液を垂らし、子宮口はくぱくぱと開閉を繰り返す。もはやキャスターの霊基は宗一郎のものから、士郎のものへと変化しようとしていた。そして士郎と桜の声の張りから絶頂を予感するとキャスターも指を抽挿を加速させる。そして──。
「せん、ぱいっっっ──❤❤❤」
「桜ッ──!!!」
「ッ~~!!」
二人と一人は同時に達する。キャスターは潮吹きは
で畳にシミを作ってしまう。息を荒く絶頂に浸っていると、襖越しに二人の長い長いキスの音が響きキャスターは我に返る。一瞬の多幸感から一転、人様の家で人様の性交をダシに自慰することへの自嘲が心に広がる。キャスターが気を落としていると、襖の向こうでは性交が再開された音が聞こえた。キャスターは知っていた。衛宮士郎が一回出したくらいで終わるほど精力の薄い男ではないことを。そんな彼等に引っ張られてか、キャスターはまたムラムラと性欲が湧き上がるのを感じた。
(ぁぁ……またっ! 彼の、坊やの声を聞くだけでっ……!)
こうしてキャスターは士郎とキャスターのエッチをオカズに自慰を繰り返す。これを数回ループした後、変化が起きる。数回目の絶頂と共にキャスターが潮を噴き終えたタイミングで襖が開いたのだ。士郎は申し訳なさそうに頭を掻いていたいたが、キャスターを見ると驚いて硬直してしまう。まさかキャスターがスカートを脱いで、秘所に指を突っ込んでいるとは思わなかったからだ。
「ッ──!!?」
「すまんキャスター。またゴム作ってもらえるか──あ!? わ、悪い。まさかしてるだなんて思ってもみなくて……!」
「先輩? どうしたんですか──わぁっ」
「あ、ぁぁぁ……!! 死にたい……いっそ殺しなさい!! いえ、自害するわ」
士郎だけならまだマシだったとキャスターは思う。だが自分を慕い、自分のようになりたいとまで言ってくれた女の子に見られたのはキャスターにとって致命傷に等しい失態だった。故にキャスターは己の宝具であるルールブレイカーを取り出して首に当てる。だが士郎はすかさずキャスターを羽交い絞めにして止めに掛かる。
「うぉぉぉー!! 待て、待て!! 落ち着けキャスター!! 大丈夫だ、このことは葛木先生にも他の皆にも言わないからー!!」
「桜さんに見られてるじゃないのよ!!? わ、私はもう終わりよ! 桜さんが慕ってくれてた清楚な若奥様は今死んだわ!!?」
「キャスターさん大丈夫です! わ、私は今でもキャスターさんのことを慕ってますから! だから宝具を閉まってください!」
そうして数分すったもんだしたが、何とかキャスターを落ち着かせた士郎と桜。息切れしている全身、下半身裸の男女であればそういうことを想像してしまうものだがこの現状は部分的に違った。惨状をへて士郎とキャスターはどう切り出せばいいのか迷っていると、桜が二人に変わって話を切り出した。
「キャスターさん。やっぱりキャスターさんも一緒にしませんか? 一人で慰めてるだなんて寂しいですよ」
「ッ!? ぅ……先程も言ったけど。私は夫がいる身で──」
「はい。ちゃんと聞いてました。葛木先生を思っている、奥さんとして素晴らしいことだと思います。でも──」
「ちょっ!? 桜、さンッ❤」
「おい、桜……!」
桜はキャスターに近寄ると彼女の体をまさぐる。服越しだというのにキャスターは直に触れられてかのように艶めかしい声を上げてしまう。その声に反応して士郎の肉竿はぶるんと震え、キャスターの視線を釘付けにする。士郎は桜を止めようとするが、桜が口に人差し指を立てたのを見てたじろんでしまう。桜は片方の手でキャスターを胸を揉み、もう片方の手で秘裂の周囲を撫でながらとうとうと語り続ける。
「こう考えてみませんか? 先輩は葛木先生に喜んでもらう技を試験する人形だと。それにキャスターさんの目的でゴムは必須ですから、直に触れるのは葛木先生だけです。これなら浮気じゃありませんね?」
「ぁっ❤ ふぅ❤ そんな理屈……! 通らないわよっ!」
「本当ですか?」
「ぁっ──❤」
女体を扱うのに長けているのか、桜の手管はキャスターは肢体をこれ以上なく焦らした。思考が肉欲で蕩けたのもあり、桜の暴論は心を侵食し理性を乱されていた。そんな筈はないのに、桜の言うこともにも一理あるような気がしてしまうのだ。それに士郎が生唾を飲み込み、こちらを凝視するのにもあってキャスターの秘所は更に湿り気を帯びてしまう。これを見てか桜は追撃を行う。
「私、今日は弓道部もあってもう疲れちゃったんですよ。でも霊薬を完成させるためにはもっと先輩の精液が必要なんですよね? なので私の代わりをしてくれる人が必要なんですよー。どこかにいないでしょうか。ねぇ、キャスターさん?」
「ぁあ、そう、なの。なら……代わりに私が──」
「キャスターさんが、なんでしょうか?」
「ッ……!! 私が、桜さんの代わりに、坊やの相手をするわ……❤」
「はい、お願いしますね! それじゃ、先輩。キャスターさんと愉しんじゃってくださーい❤」
そう言うと桜はキャスターと士郎を彼の部屋に入れると、自分は部屋か出てしまう。両者共に桜に乗せられてしまったのもあり、どこか気まずい沈黙が部屋を包む。士郎はなんとかこの沈黙を破ろうと口を開いた。
「あー。俺がなんやかんや言われるけど、桜も大概だよな。なんていうか小悪魔? って感じになちゃってまあ。ライダーの悪影響かねぇ」
「そう、ね。最初に会った時の清楚な感じが懐かしいわね……その、坊や」
「ん。なんだ?」
「私はあくまで葛木宗一郎の妻ですから。貴方も他の方にするような愛で方はしなくて結構よ。私も桜さんが言ったように貴方で技を試すためと思うことにするわ」
「……そうか。キャスターは、それで言いと思う。ただ俺は自分のやり方でやらせてもらうぞ」
「なにを──」
キャスターが士郎の真意を聞こうとすると、彼はキャスターを抱きしめる。彼の鉄のように鍛えられた肉体に包まれ、キャスターは肌と臍の奥から熱がじんわりと広がるのを感じた。その感覚は心地よく、何時までも包まれたい感覚を抱いてしまう。だが突然の抱擁にキャスターは訳も分からず、士郎にこの行動の意味を訪ねてしまう。
「ぼ、坊や!? いきなり何を……?」
「俺は皆が幸せになれればいいって思うんだ。だからキャスターに乱暴なことは出来ない。キャスターのことは嫌いじゃない、むしろ好ましい人だと思うからな」
「ッ~~❤ 貴方って人は……いえ、最初からそうだったわね」
キャスターは士郎が以前の行為中にも何度も好意を素直に口にし、行為中も決して乱暴な真似をしなかった。キャスターは最初から解っていた。自分がそう言った所で彼は粗暴な扱いをしないことを。だからこそ、キャスターはこの男の子を気に入ってしまったのだから。
そう思うとキャスターは自然と唇を彼の唇に近付けていた。慌てて口を閉じる士郎にキャスターは舌先でつつき開けなさいと言外に伝える。そして恐る恐る開かれた口に舌を滑り込ませ、士郎の厚い舌と自身の舌を交わらせる。キャスターは腕を士郎の首に回し、脚も絡ませる。全身をもって夫以外の若々しい少年と繋がる。それからたっぷりと一分以上は繋がった唇をキャスターはゆっくりと離す。士郎の唇に薄紫のルージュの跡がくっきりと残っていた。
「ぷっはぁ──! キャスター!? いきなり、ていうかキスしちゃダメなんじゃ……!?」
「っはぁ──❤ んんッ。あくまで宗一郎様とする時のための練習よ。それ以外に他意はないわ。今日からは貴方の方からしても構わないわよ」
「そう、か。いやでもめちゃくちゃ上手だったけどな。練習、必要なのか?」
「っ~~❤ 貴方がどう思うかは関係ありません! まだ完璧ではないと私は感じているから練習が必要なの! お分かり!?」
士郎はコクコクと頷いてキャスターの暴論に同意してしまう。完璧とはなんなのか、そもキャスター自身士郎にキスをしてしまったのは無意識からの行動だった。故に彼女自身にも完璧なキスの定義は全く分からなかった。故に咄嗟の判断でこのような暴論を展開したのだ。しかし、キスをしたことでより一層二人は相手に性を感じたのか、先程までの沈痛な空気はなく変わりに色欲に満ちた空間になっていた。二人は布団に倒れ込むと、どちらともなく体を寄せる。そして今回はキャスターが上に跨る、所謂騎乗位と呼ばれる体位に落ち着く。
「始めるわよ。ヤるからにはまたあの時みたいに、たっぷりと啼かせてあげるわ……❤」
「お手柔らかに……というか俺よりキャスターの方が──おぉッ!!」
「うるっ、さいわよ……ぉ゛ぉぉ──っ❤ その減らず口、なくしてやりますからッ❤」
キャスターは士郎の口を塞ぐために一気に肉棒を自身に挿入する。尻を振り下ろすようにして挿入された肉棒は、みっちりと詰まった襞肉を一気に掻き分けて侵入する。最奥へと悠々と到達する剛直に、キャスターもたまらず声を上げてしまう。だがここで主導権は渡したくないとキャスターは声を押し殺し、腰を動かし始める。タンタンと軽快な音を鳴らしながら前後左右に動かす。キャスターは数日ぶりだというのに懐かしさすら感じる剛直に感じ入る。そのままキャスターは士郎を覆うように体を倒すとキスの雨を降らせながら腰をリズミカルに上下する。
「ちゅるっ❤ ちゅ、ちゅっ❤ あっ❤ んふぅ❤ ぼうやぁ❤」
「ふっ、ふぅ、きゃす、たー……!」
外から見れば蛞蝓、或いは蛇と称されるような全身を一体化させるまぐわい。士郎もキャスターも全身で熱を交換するように触れ合い、まるで数年離れ離れだった恋人が再開した時のように繋がり合う。もはや夫への外聞等は気にせず交わり続ける。そのため二人は気が付けなかった、二人だけの部屋に侵入者がいたことに。キャスターが体を起こしダイナミックに腰を上げて落としていると、キャスターは突然背後から抱きしめられる。
「んんっ❤ ぼうやぁ、ぼうやぁ──きゃっ!? へぇ、桜さん!?」
「ちょっとだけ、お手伝いしにまいりました❤ ふふ、良い感じに乱れてますねキャスターさん!」
「桜!? いきなり何を……?」
「私もキャスターさんと一緒にしたいんですもん。邪魔はしませんから、ね❤」
「ぁっ❤ さくら、さんっ❤ むね、いじらないでっ❤」
背後からキャスターを奇襲したのは桜だった。彼女は休憩して体力が幾分か戻ったのか、手伝いをしにきたと語った。桜は抽送で揺れるキャスターの胸をがっしと掴むと弄び始める。乳首をカリカリと爪で責めたり、吸い付いたりと胸を我が物として扱う。上下を責められキャスターは息も絶え絶えと喘ぎ声を上げ続ける。
「あぁぁっ❤ ぼうや、さくらさんっ❤ ダメッ❤ もう、イッちゃうっ❤❤」
「はいはーい❤ 先輩、ラストスパートいちゃってくださーい❤」
「お、おうっ! キャスター! いくぞっ……!!」
「ッ~~❤ きて、ぼうやぁ──❤❤❤」
キャスターの絶頂が間近だと見極めて桜は士郎に合図を送る。士郎は腰を突き上げ、キャスターの最奥にその肉竿を突き立てる。瞬間、収縮した膣肉に挟まれた衝撃で肉茎を伝わり鈴口から精液が発射される。一発で女人を孕ませる特濃精液はゴムに阻まれるも、その熱はゴム越しにも伝わっておりキャスターの子宮口は物欲しそうに口をパクパクと開けていた。絶頂の余韻に包まれると、キャスターはそのまま倒れ込んでしまい士郎の体に受け止められる。キャスターは無我夢中で唇を士郎に肉体に押し付け、キスマークをいくつも残す。士郎はキャスターの頭を撫でながら、彼もまた彼女の体にキスマークを押し付ける。好きな人同士が互いの証を刻み合う姿に、桜はちょっとした喜びと嫉妬が込み上がる。
「なんだか、良い光景ですね……ただ私だけ仲間外れ感があって寂しいので、混ぜてくださーい!」
「おわっ、桜~~!! いきなり飛び込んで危ないだろ!」
「ぁっ──あっ❤ そ、そうよ、桜さん! いきなり背後からするの、驚いたのだけど!?」
「えぇ~~? でも、気持ち良かったですよね? 私も最初、ライダーにされた時はビックリしましたけど。これが癖になちゃって……!」
「むぐっ……! いえ、まあ、否定はしませんけど……けど! あれは宗一郎様とのことには必要はないことでしょう!?」
「そうでしょうか? キャスターさんなら使い魔とかを使ってハーレムプレイとかも出来そうですし、色々なシチュエーションを覚えておくのはありかと。例えばですけど──」
「──なんですって……! そんなまぐわいもアリなの!?」
「……なんか、二人が仲良くしているとほっこりするなぁー」
桜が布団に倒れ込むと、士郎を中心にキャスターと桜が挟むような形で横並びになる。キャスターは飛び込んできた桜に背後から胸を弄んだ非難をするも、結果的には気持ちよくなってしまったのもあり渋々と認めざる負えなかった。そんなこんな色々ありつつも桜とキャスターが仲良さそうにしているのを士郎は微笑ましく見守っていた。だが桜はピロートークはまだ始めるつもりはないようで、士郎に天を貫く屹立を優しく握りしめる。
「もう先輩! 完全に事後モードですけど、まだ終わってませんからね!?」
「ええ!? この流れで今日は終わりじゃないのか!?」
「当然よ。私も今しがた桜さんから聞いたプレイを試したいの。それに、まだこちらも元気そうですしね❤」
キャスターはそう言うと、桜の手に重ねるように自身の手を乗せ士郎の肉棒に触れる。二人の美女に肉棒を愛撫されるという男冥利に尽きる光景。だがその実、二人はサキュバス以上に性に貪欲な怪物で。この日、士郎は二人の夢魔が満足するまで付き合わされることに。だがその日の朝は士郎の姉貴分である藤村大河が来る日でもあったので、てんやわんやな騒動が繰り広げられたのは語るまでもなかった。
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桜とキャスターの一夜から一ヶ月超。もう夏は過ぎており、薄着では肌寒くなっていた。キャスターは宗一郎のためと衛宮士郎の性交に乗り気になってから、瞬く間に日は過ぎ去った。キャスターはセイバーや凛、桜やライダーとそれぞれ一回以上は一緒に参加することがあり以下はその一幕である。
セイバーの場合。可愛らしい子を着飾ることが好きなキャスターらしく、セイバーに自身考案のエロ衣装やランジェリーを贈っており、士郎も若干乗り気なのもありセイバーは断り切れず今日も新衣装を着用していた。
「し、シロウ……! じっと見てばかりでなく、何か言ってください! 似合ってないのなら──」
「いやいや! すごい綺麗でエッチな格好だぞセイバー……! キャスター、今回もまたすごいのを作ってきたなぁ」
「ふふふ! 名付けるならロイヤル・アイシングと言った所かしら。ほらセイバーの純白の肌によく似合っているでしょう?」
「ううむ……!! 今までの衣装の中でもトップクラスだ……! ところで、キャスターはなんでローブなんか被ってるんだ?」
セイバーは手で隠そうとするもどこをとっても露出の激しい過激な衣装なので隠しきれず。両手の隙間からはみ出るエロスに士郎とキャスターは眼福だと頷き合った。そしてそのタイミングで士郎はこれからヤるというのにローブを被っているキャスターに目をやった。その言及にキャスターはびっくりと体を震わせ、セイバーは道連れだと言わんばかりの黒い笑みを浮かべキャスターに近付く。
「キャスター、貴方も見てもらったらどうですか!? 私にこんな物を着せたのです。貴方も私と同じ気持ちを、味わうべきだ──!!」
「きゃっ!!? ちょっと、セイバー!!」
「これは……!!」
セイバーにローブを剥がされたキャスターはすぐに蹲るもその衣装を完全に隠すことは出来なかった。そこにいたのは麗しき魔女にあらず、一匹の獣であった。紫のケモ耳、尻尾、そして胸を覆う毛皮。裸体は黒い紐が包み、これでもかと肉感を強調する危険な衣装。まさしくデンジャラスビーストであった。
「くっ……!! 何故、こんなものを……! 桜さんならともかく、私には──」
「いや、すごく良いぞキャスター。その、なんだめちゃくちゃ興奮する。葛木先生も気にいるかも」
「ぁ……❤️ そんなわけ、ないでしょ。恥ずかし過ぎて見せられないわよ! 私がこんな格好して、興奮するのなんて坊やくらいよ……❤️」
浮かれて着てしまったことに今更ながら後悔したキャスターは、衣装を脱ごうとしたが士郎がその手を止めた。そして彼はぐいっと見せつけるように体を前に出す。彼の刀のように反り返る肉棒は既に固くなっており、その興奮の具合をキャスターの視覚へと如実に伝えていた。士郎は宗一郎も気にいるかもと続けてフォローするが、キャスターは恥ずかしさもあって見せることは渋ってしまう。今後も、この格好を見れる男はただ一人だろうと続けて。その様子を見て思っていた展開とは違ったとセイバーは唸るものの、すぐに切り替え別の楽しみ方をすることに。
「むむ、思っていた反応とは少し違ってしまいました。ですがまあ良いでしょう。シロウ、今日は獣狩りになりそうですね。私も協力しましょう。獣狩りには一日の長があります」
「せ、セイバー? 貴方、目がちょっと怖いのですけど……?」
「そうですか? いえ、何もキャスターを傷付ける気はありませんよ。ただ、貴方には何時も服で
「や、やっぱり恨んで──!!」
そうして今宵のキャスターは二人の狩人に囲まれ、無力なケモノとして二人に美味しく食べられてしまうのであった。
遠坂凛の場合。彼女と一緒の場合はオーソドックスに代わる代わるにヤる場合が殆どであった。他の子と組んだ時の差異としては、ピロートークで魔術の講義が行われることだった。凛から言い出したことではなかったらが、キャスターがそれとなく凛に魔術のアドバイスをし始めたのがキッカケだった。今では士郎そっちのけで魔術の問答をすることも多々あった。
そしてその日は最士郎が凛とキャスターの足コキで悶えてる傍ら、二人は魔術についての話をしていた。両者共に脚には自身があり、スラリと伸びた生足で左右から士郎の肉棒を刺激する。士郎は自分に然程意識が向いていない状況で責められる状況に。心の隅にあったM心が目覚めそうだと感じていた。そんな士郎の葛藤を知らずに、二人の魔女は魔術について語り明かす。
「ふうん、倫敦に留学ね。貴方なら十分やっていけそうだけど……もう一つ技が欲しいと?」
「ほら、セイバーとかのこともあって面倒事に巻き込まれる可能性もなくはないでしょ? だから、新しい技がほしいなって」
「うっ、ふぅ、ぁあぁぁッ! きゃ、キャスター……! 爪が!」
「っと! ごめんなさい坊や……あぁ。新しい技なら、投影魔術を使ってみたらいいんじゃない?」
以前にもした経験があってか凛は足の指先を器用に動かして士郎の亀頭を撫でていた。一方、キャスターは初めてだったのもあり、爪で士郎の肉茎に引っ掛けてしまう。これには士郎の弱々しい声が響き、キャスターは素直に謝罪していた。そして士郎を見てキャスターは凛へのアドバイスを思いつく。
「投影魔術〜? 解ってると思うけど、私のは士郎のみたいなのじゃないわよ?」
「ええ、坊やみたいなのがそういては困ります。投影を使うのは、貴方の魔術の媒介になる道具を作るためよ」
「媒介……宝石を? でも、貯蔵するにしても数時間で使い物にならなくなるわよ」
「戦闘で用いるなら数秒保てば十分よ。貴方の魔力を偏向させ放つ疑似宝石として使うのよ」
「キャスター、それいい……おっ、おぉぉぉっ! 凛は、もうちょい優しく……!」
キャスターは凛に淡々と説明しながら、士郎の肉棒を両足で包み優しく刺激する。ずりずりと上下に擦れる度に士郎の口からは法悦とした声が上がり部屋に響く。が、二人の魔女は魔術の教鞭に夢中でその声は右から左へと流れているようだった。一方、凛は片足で士郎の亀頭を上からぐりぐりと弄っていたが、自身の魔術に関わる新しい可能性を前に興奮から押す力が強くなっていた。
「そっか……私の魔力を貯蔵するのではなく、変えるために使う! 投影した擬似的な宝石には魔術式が既に刻まれているから、魔力を流すだけで即発動! 速射性が格段に上がったわね」
「ふふ。それならガンドを鍛えるだけでも十分じゃなくて?
「え、私なら? んん……」
士郎はこうして見ると本当の師弟みたいだと、肉棒をぐりぐりと足蹴にされながら思った。キャスターの言葉に凛は暫し考えた後、ハッとしたように顔を上げる。
「
「ええ、大正解よ。言うは容易しだけど五代属性を全て使えるなんて現代だと珍しいですからね。それは貴方の強力な武器になる筈よ」
「ええ……ええ! まさか投影魔術にこんな使い道があるなんて思ってもなかったわ! 早く試して──「ぐぁぁぁっ!!」あっ……!?」
ちょっとしたアドバイスを期待していたのが、思ってた以上に今後の武器になりそうな理論を前に凛は今の士郎とは違う興奮に満ち満ちていた。そして頭から抜け落ちてしまったのか、士郎の肉棒を弄っていた足に過剰に力を入れてしまう。凛の溌剌した声の裏側、士郎の声にならない悲鳴が劈き、士郎の射精が凛とキャスターの足にべっとりと付着する。そして二人が見下ろす先にいる彼は今までに見たことのない満足気な表情をしていた。キャスターは憐れみの視線を向け、凛はあわてふためきながら目をオロオロとさせていた。
「ぁぁ、あれは痛いわよ……何故か恍惚としてますけど」
「あ、あぁぁ~~!! ごめんなさい、士郎~~!! わ、わざとじゃないのよ!?」
「あ、ああ……分かってる。それより遠坂、も、もう一回やってくれないか?」
「……は?」
士郎は目覚めてしまったのだ──
「ああ、キャスターでもいいぞ! 葛木先生のために今から練習しておくべき──きゅう……」
「あ、つい眠らせてしまったわ……」
凛が硬直しているのを見ると士郎は隣にいるキャスターに矛先を向けたので、キャスターは思わずといった風に魔術で士郎を眠らせてしまう。二人は重々しい表情で顔を合わせる。そして二人は同じ決断をする。
「坊やの記憶、少しだけ消しておきましょうか……」
「お、お願いするわ……体が覚えてるとかないといいんだけど」
「……そこまでいったら受け入れてあげなさい。ちょっとだけ、変わった趣味を持ってしまっただけなんだから」
「他人事みたいに言ってくれちゃって……! あぁぁ、ごめんさい士郎~~!」
尚その後、この間の記憶を消した士郎はいたって普通の性癖に戻っており凛とキャスターはホッと息を吐いた。が、それからは暫くすると他の娘達にも足コキを望んだり、顔面騎乗をしながら3Pするなどハードなプレイを好むようになったのは別の話であった。
桜の場合。彼女とはこれで二回目であったが3Pらしく全員で絡みながらヤるスタイル、そして一人が外から観察する二種類を織り交ぜてヤッていた。今回は後者で桜はキャスターお手製の滋養強壮剤を飲みながら小休止していた。桜がじっと見つめる傍で、士郎とキャスターは外のことなど気にせずヤりまくっていた。
「んっ❤️ ぁっ❤️ ぼうや❤️ またっ❤️ ふくらんでるっ……❤️」
「キャスター、キャスター……!!」
(二人とも本当に心の底から気持ち良さそうにしますね……キャスターさん、もう葛木先生とのセックスじゃ満足できないんじゃ? それとも山育ちらしいですし、先輩に負けないくらいケダモノなんでしょうか?)
士郎とキャスター。今だけは相手が既婚者(夫の教え子)だとか何も考えずに腰を突き動かす二人。全身がバラバラにならないよう激しく繋がり結び付く二人を見ながら、桜はキャスターが宗一郎との夜の営みで満足できなくなる可能性を危惧をしていた。そんなことを考えていると士郎はキャスターの中でゴム付き中出しを決めたようで、彼女の横に体を動かすと抱き寄せあいながらキスマークを付け合っていた。
(キャスターさん前まではキスマーク付けるなって言ってたのに、今ではもう付けるのが当たり前みたいになってるなぁー……さぁて)
「先輩、そろそろ私も混ぜてくださーい! キャスターさんも、そろそろ先輩を返してもらいますね」
「まったく、俺は物じゃないぞ」
「正確には肉奴隷よねぇ。ええ、桜さんに一旦返すわ。次は後学のために見学させてもらうとしようかしら」
そう言ってキャスターは桜と士郎の性交の観察に回る。だが桜は気付いていた。キャスターはもはや宗一郎とのために観察はしておらず、士郎と次にする時のため見ていることに。
(ふふ❤️ 私の動きより、先輩の方をよく見てる癖に……❤️)
そう桜はほくそ笑むが、キャスターにそれを伝えることはしなかった。桜的には好きな人は自分の近くに置きたいと思っており、キャスターが宗一郎より士郎を好きになるならそれでも良かったのだ。故に宗一郎の方に意識を再度向けるような手助けはせず、むしろ士郎の雄々しさを強調するように桜は今日も乱れ咲いたのであった。
ライダーの場合。同じ反英雄のサーヴァントであり、出身もギリシャ方面となにかと共通点のあるこの二人。だが仲の方はそれほど良いとは言えず、偶に商店街の店先であうと小競り合いをしてしまうくらいの関係性であった。今では同じ男と関係を持つことになったのもあり、少しは仲が改善されるかもとライダーのマスターである桜は期待していたが結果は散々であった。二人は相手に対抗するよう士郎に迫り、今日もそのようなプレイになっていた。キャスターは士郎の前に立つと、彼の唇と己の唇を重ね舌の交尾をしていた。催促夫である宗一郎以上にキスをしているといっても過言ではなく、夫以上に彼の癖を把握していた。一方、ライダーは士郎の後ろに立ち耳責めをしながら手コキで彼の上半身と下半身を支配しようとしていた。
「ちゅるっ❤ んじゅるっ──ぷっはっ。ちょっと、あまり坊やの顔を引っ張らないでくれる?」
「こちらの台詞です。お互いの邪魔はしないと誓約したのに、私のモノに手を伸ばしてくるのはいかがなものかと。夫がいるというのに、ふしだらな奥さんですね」
「いや、俺はどっちの物でも──ハイ、ナンデモナイデス」
士郎の抗議は二人のキレ長の視線に押し流されてしまう。二人は士郎の体に密着するように睨み合い、火花が散っていると錯覚するほどだった。極楽の感触と地獄の空気に苛まれ士郎は興奮やら不安やらでドギマギとして顔を浮かべてしまう。そんな折、ライダーが深く息を吐くとキャスターに提案をした。
「ふぅー……今日もですが、埒があきませんね。なら、どちらが士郎をより気持ちよくさせることが出来たのか。それで判断しましょう。敗者は勝者に全面的に従う。それで良いでしょう」
「ええ、良くってよ。この数週間で坊やの弱点は把握しています。ふふ、ゴルゴン三姉妹の末をしもべに出来るなんて良い機会だわ」
「もう勝った気でいるのですか。なんとも王女ならしい高慢ですね。では、士郎。私達のどちらがより士郎に相応しいのか判定をお願いしますよ」
「え、いや、ちょっ──ンッッ!?」
こうして始まったライダーとキャスターによる士郎のイかせあい。先手を取ったのはライダーであった。彼女はそのモデルのような長身を屈めると、士郎のちょうどお尻の部分に顔を当てる。そして士郎もましてキャスターすら予想していなかった行為を始める。彼女は後ろから手で肉棒をシゴキながら、尻の穴に細ながい舌で舐め上げた。所謂、アナル舐めであった。ひんやりとした舌に舐め上げられる初めての感覚に、士郎は声を漏らしながら全身を震わせる。快感はもちろん、ライダーが自らそこまでする好感が士郎の性感を高めていたのだ。キャスターにとって思考の一辺にすらない行為を目の当たりにして、ライダーの覚悟をしかと目に焼き付けた。
「な、な、なんですって……!! ライダー、貴女そこまで……!」
「れぅっ❤ ぐりゅっ❤ れうぅ❤ ふっ、貴女とは士郎への愛が違うのです。貴女も夫であるマスターになら出来るかもしれません。ですが、
「ぐっ、あぁぁッ……! これは、新しい感覚だ……もう射精しそうなくらい気持ちいい……!」
「ッ!? ま、まだ射精してはダメよ坊や! くぅ、どうすれば……!」
士郎がライダーの舌技に悶える中、キャスターは打開策を考えるも今までしたことのあるプレイではライダーのあれを超えることが出来ないと確信する。しかしキャスターには一つだけ、まだしていないことがあった。が、それはキャスターが士郎に提示した禁則事項関わることであった。それを誘いに使えば勝てるという確信もあったが、それをしてしまえば取返しがつかないとキャスターは逡巡する。しかし、体は勝手に動き士郎の腕を掴むと、自身のお臍を触らせながら濡れそぼった秘裂へと導いた。その示唆に士郎はまさかと唾を飲み込みキャスターを見つめる。
「ふっ、ぐっ、キャスター……?」
「坊や……私と子──いえ……なんでもないわ」
「……ぅん。れりゅっ❤ じゅるっっ──❤」
「あッ! ライ、ダー!? やばっ、もう射精る……!!」
キャスターは士郎に何かを誘いかけたが、それが最後まで口にされることはなかった。ライダーはそれを見納めると、士郎のアナルに蛇の如き舌を侵入させてお尻から前立腺を刺激する。これには士郎の我慢も限界を超過し、あっけなく射精をしてしまう。ライダーの手から溢れるほどの白濁液にキャスターは一瞥するも、見てはいけないかのように目を逸らした。そして士郎の荒い息が音を立てるなか、ライダーはキャスターへと勝負の結果を淡々と示した。
「勝負は私の勝ちでいいですね? 文句を言う気はないでしょうが」
「……ええ、そうね。今日は隣の部屋で大人しくしてるわ。ただ、敗者故に強制は出来ませんが……」
「霊薬の件ですね? 構いませんよ。別にそれを無視するほど貴女が嫌いなわけではないので」
「……助かるわ。坊や、騒がしくして悪かったわね。後はライダーと仲良くしてちょうだい」
そう言ってキャスターは寝室から出ていこうとした。士郎は先程の言い掛けられた言葉の先も気になり、声を掛けようとしたがライダーに阻まれる。そうこうしている内にキャスターは霊体化したようで姿を消してしまう。士郎はライダーに離すように顔を向けるも、彼女は拒否するように首を振った。
「今はそっとしておいた方が良いかと。彼女も色々と考える時期が来たということなのでしょう」
「でもキャスターの奴、何か言い掛けてたんだ。俺はそれが何なのか聞いておきたくて……」
「彼女は私やセイバー、桜、凛達と違い、ちゃんとした夫と結ばれた身。あまり士郎が関わり過ぎるのも良くないですよ」
「そう、だけど……」
確かにライダーの言う通り、キャスターは他の関係を持った女性達と違い夫がいる人であるのは士郎も理解していた。それが何の因果かこうして体の関係を持ってしまった。これがいけないことだとも重々承知していたが、士郎はそれでもキャスターを放っておけないと感じるのも事実であった。それが心配なのか、はたまた別の感情によるものなのか。士郎自身、明確に答えを出することは出来なかった。黙考する士郎にライダーはそれとなく布団の方に引き寄せると、そのまま耳元で囁いた。
「あくまで私の考えではですがね。まあ本音としては、私のことを放っておかれるのが嫌なだけです……❤」
「っ、そっか。どうあれ今日の勝者はライダーだからな。ほったらかしにしかけて、悪かったよ」
「ふふ。なら言葉より行動で示してもらわなくては……❤️」
こうして士郎は、どちらがより士郎をイかせられるかの勝者となったライダーと何時も以上にヤりまくることに。その真名が表すに相応しい蛇のような交わりは、朝を超え士郎が寝落ちするまで続いた。それ故に精を回収したキャスターは士郎と直接会わず帰ってしまい、士郎が彼女と直接話すのは少し先のことになるのであった。
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ライダーとの夜、キャスターは精液の詰まったゴムを回収するとすぐに柳洞寺へと戻った。あの場にいては自分は宗一郎の妻ではいられなくなると自覚してしまったからだ。士郎とは料理を教わるため交流重ねる内に情が湧いてしまい、そして肌を重ねる度に好意を抱いてしまっていた。これ以上続けばキャスターは士郎を──。故にキャスターはあの日から士郎を避けていた。感情的な理由も多分に含まれていたが、何より霊薬を作成するのに必要な量が確保されたのもあったからだが。
「ついに完成したわ……! これで、坊やとする必要はもうないわね……」
キャスターそう呟くと自身の手に収まった小瓶を見つめる。それこそ彼女が求めてやまなかったサーヴァントを孕ませるための霊薬であった。中に入った血のように赤い液体を揺らしながら微笑を浮かべるキャスター。だが彼女の眼はとある理由から憂いを帯びていた。それはつい先日のこと、キャスターはそれとなく子供のことについて宗一郎に伺ったのだ。
「そ、宗一郎様。そのぉ、一つお聞きしたいことがあるのです……」
「なんだ」
「も、もし! 私と宗一郎様の間に子供が作れるとしたら、宗一郎様はどう思いますか!?」
「ふむ。私とお前の子か……キャスターが望むなら、応えよう」
「そうですか……! そう、ですか……」
宗一郎は何かを得たい、何かを壊したい、何かを許したい。人間なら誰もが望むようなこと。即ち己の願いや目的を、普段は口にする男ではないのをキャスターは知っていた。けれどこの時は彼からも望んでほしかったとキャスターはふと思ってしまったのだ。もちろん口にはしてないだけで、宗一郎が望んでいないわけではないのをキャスターは分かっていた。けれど──。
「宗一郎様の口から聞きたかったのは、私のわがままよね──あら?」
日中、キャスターが一人で思い詰めている時に家のチャイムが鳴る。配達か何かとキャスターは玄関に向った。そして扉を開ける前にキャスターは気が付いてしまう。尋ね人がよく見知った相手だと。キャスターはゆっくりと戸を開けた。彼──士郎はキャスターの姿が見えると久しぶりと笑みを浮かべる。不意の出会にキャスターは心臓がドクンと大きく脈を打ったのを感じてしまう。その手に持つダンボールのことなど目にも止まらなかった。
「ようキャスター。一成は……やっぱ学校か?」
「……こんにちは坊や。ええそうよ。何しに、きたの?」
「いやさ、藤ねえの爺さんが色々貰ったみたいでな。俺の所にも持ってきたんだけど。これが使うに使い切れそうにもなくて。キャスターにお裾分けしようと思って」
そう言って掲げたダンボールにはこれでもかと食材が詰まっており、キャスターはようやく士郎の顔から箱の方に意識を向ける。さつまいもやかぼちゃ、にんじんやレンコンと野生の宝箱を前に一人の主婦として目を輝かせてしまうキャスター。
「こんなに沢山……いいの、坊や?」
「ああ、むしろ貰ってくれると助かる。セイバーがいても、今は遠坂や桜がいないから余ちゃってさ」
「そうなの? なら、ありがたくいただきますわね。かぼちゃにさつまいも……秋の味覚と聞きますが、どう使おうかしら」
「かぼちゃはパイやポタージュにしてもいいし、変わり種としてならプリンにしてみるのも良いぞ。さつまいもは味噌汁に入れても美味い」
「ふむふむ。また坊やに、教えてもらおうかしら──っ!?」
貰った食材をどう使おうか話していると自然と二人の距離が縮まるが、キャスターはそれに気が付くと士郎から距離を取ろうと飛び退く。士郎も避けられているのは、薄々は察していたようで薄く笑みを浮かべて申し訳なそうにする。
「あ、ああ悪いキャスター。あんまりこういう所、見られると良くないよな」
「ち、違うの。ごめんなさい坊や。私、そういうつもりじゃ……」
「いやいいさ。ライダーからも言われたんだ。キャスターは葛木先生の良い人だ。俺が邪魔するわけにはいかないだろ」
「坊や……」
「遠坂から聞いたけど、 霊薬、上手くいったんだろ? 葛木先生との子供出来るといいな。キャスターみたいな献身的で料理もどんどん上手くなる美人な奥さんに、子供まで出来るかもなんて。葛木先生は幸せ者だよ。まったく」
そう言って満開の笑顔を見せる士郎。キャスターはその顔を直視することが出来ず、目を逸らしてしまう。祝福されているというのに素直に受け止められないのは何故か、自分でも分からないキャスター。彼女が押し黙ったのを見て士郎はそのまま踵を返した。
「じゃ、俺はもう行くから。帰ってきたら一成によろしく伝えておいてくれ。あ、それとアサシンがお酒を飲んでるかもだが、俺が差し入れた物だから取り上げないでくれよー」
「あっ……」
そう言って士郎は帰ってしまう。キャスターは無意識に伸ばした手と、彼の後ろ姿を呆然と眺めてしまう。キャスターはついぞ自覚してしまう。体
(あ、あぁぁっ……! このままじゃ、私は……! いいえ、ダメよ! 私は葛木メディア! 宗一郎の妻として身持ちを固くしなくては……!)
士郎への欲求を自覚したキャスターは吹っ切れるためあることを計画する。彼への未練を断ち切るために宗一郎との子供を孕むと。そうでもしなければ彼への欲求は消えないとキャスターは判断したのだ。その日、宗一郎が学校から帰ってくるとキャスターは行動に出た。
「そ、宗一郎様。明日はお休みだったと思いますが、何かご予定はありますでしょうか?」
「いやないな。強いて言うなら零観やアサシンと碁をするかどうかと言った所だ。何かあったか?」
「そ、その。以前、子供が出来たらという話を覚えていますでしょうか? 私、それを可能する霊薬を完成させまして。宗一郎様との間に、こ、子供が欲しいと思っています!! なので今夜、どうでしょうか……?」
その言葉を聞いて宗一郎は珍しく言葉に詰まったような顔をした。一見すると何時も通りの彼だが、見るものが見れば気が付くであろう異常であった。だが直ぐに気を整えると宗一郎はキャスターの正面から返事をした。
「……そうか。分かった。であれば湯浴みをしてくる。キャスターは布団の準備を頼む」
「は、はい! 準備してお待ちしています……!」
宗一郎は体を洗ってくると言い、キャスターに寝床の準備を頼んだ。いよいよその時がきたと、キャスターは懐から霊薬の小瓶を取り出すと栓を抜く。小瓶からは言い表しづらい臭いが鼻を刺激する。
(私と宗一郎の子供。今度こそ、家族皆で幸せに……)
ありし日の後悔。自分を捨てた男に復讐するため犠牲になった二人の子。彼等が戻ってくるわけではないが、それでも今度こそは子と一緒に幸せになりたいとキャスターは願う。家族全員が幸福に包まれる光景を夢想しながらキャスターは霊薬を口に傾ける、その光景の中央にいる愛しい男は宗一郎の姿になったかと思うと、◾️◾️の姿になりそして──。
──────
────
──
秋になり、もう少しで一年が終わるという昨今。凛と桜は穂群原学園を卒業したら入学するであろう倫敦の時計塔へ一足先の見学に行っており、衛宮邸は時おり顔を見せるタイガーの襲撃以外は静かなものだった。そうなると士郎とセイバーは人目を憚らず好きにイチャイチャ出来るというもので、食後の運動がてらスキンシップに捗っていた。
「んんっ❤️ シロウぅ……❤️」
「セイバーっ……んあ?」
「むっ……こんな朝早くから誰──この気配」
「セイバー、ちょっと降りてくれ。はーい、今いきます!」
士郎は膝の上で戯れていたセイバーを降ろすと、手早く身支度を済ませ玄関へと向かった。すりガラスから人影を見ることもなく戸を開けると、そこには見慣れた人──キャスターが立っていた。
「おはよう……坊や。今、上がってもいいかしら?」
「キャスター? どうしたんだ急に? 何か、約束あったわけじゃないよな?」
「ええ、そうね……取り込み中でしたら帰りますけど」
「ああいや、大丈夫だ。上がってくれ、料理のことなら暇してたし教えるぞ」
そう言って士郎はキャスターを家に上げた。キャスターは何処か落ち着きがなく、まるで初めて家に来たかのようにソワソワとしていた。居間に入るとセイバーは目を見開いたものの、敵意がないことを感じていたのか臨戦態勢には至らなかった。
「やはりキャスターでしたか。料理を教わりに来るのでしたら事前に連絡を寄越せばいいものを」
「そうよね。ごめんなさいセイバー。気が回らなかったわ」
「まあいいじゃないかセイバー。別に今すぐしなきゃいけない用事もなかったわけだし。折角来てくれたんだから歓迎しなきゃ。キャスター、お茶で良かったよな?」
「ありがとう坊や。そこまで長居をするつもりは……なかったのですけど。いただくわね」
「ん……?」
情事の際中に来たこともありセイバーは少々つっけんどんな態度でキャスターに接してしまう。士郎はそんなセイバーの態度を嗜めつつ、暖かいお茶を湯呑みに入れてキャスターの前に差し出した。キャスターは冷えた手を湯呑みで暖かめながら、お茶を味わうように一口飲む。その際のキャスターの反応にセイバーは違和感を覚えたもののそれ以上は指摘しなかった。そして一息ついた所でキャスターは話始めた。
「今日来たのは料理を教えてもらうためじゃなくて、これをセイバーとライダーの二人に渡すためよ」
「お洒落な小瓶だな。中は……赤い液体? これって何なんだキャスター?」
「私が坊やの精を回収して作っていた霊薬よ。私のを作った上で、余ったもので貴女達の分を作ったのよ」
「これが件の……! 私でも、シロウとの間に子供を……?」
「ええ、出来るわ。ただし、その間は霊体化等に制限が尽きますがね。あまり無茶な運動もダメよ」
「本当かキャスター!? セイバーの分だけじゃなく、ライダーの分もあるのか……!」
キャスターが作っている霊薬を聞いて思わなかったわけではなかったが考えないようにしていた士郎。だがキャスターは自分達の分も作ってくれたそうで、士郎とセイバーは顔を見合わせ、未来の可能性に頬を赤らめてしまう。その様子にキャスターはくすりと笑うので士郎とセイバーは二人してキャスターの方に顔を向けてしまう。
「ふふ、見つめ合ちゃって可愛いわね。ライダーは桜さんに付いて行ったのかしら? なら帰ってきたら坊や達から渡してもらえる?」
「ああ、分かった。聞いてもいいか分からないが、キャスターもこの薬使ったのか?」
「……ええ。ああ、安心なさい。その霊薬には排卵を誘発する効能もありますからほぼ確実に妊娠できるわ。もし出来なかったら、まあ対価しだいでは作ってあげてもいいわよ」
「そっか……ありがとなキャスター。キャスターも葛木先生との子供が出来てるといいな!」
士郎はキャスターに頭を下げてお礼を言った。時折子供を遠い目で見つめることがセイバーにもあった。士郎はそれをよく知っていたので、それを解消するかもしれない可能性を授けてくれたキャスターには感謝しかなかった。それ故にか士郎はキャスターへの違和感に気付くことが出来なかったのだが。
「……そうね。出来ていたら良いのですけど──」
「む……やはりそうですね。キャスター、先程から何故嘘をつくのです?」
「セイバー? 嘘っていきなりどうしたんだ?」
セイバーの指摘にキャスターは目を見開き、苦々しい表情でセイバーを見る。セイバーには直観というスキルを保有しており、落ち着いた状況での彼女のそれは疑似的な未来予測や相手の心理状況を把握することすら可能なAランクのそれである。故にキャスターの動揺も手に取るように理解しており、彼女が士郎に話していた言葉に嘘が紛れていることにも容易に気付いた。
「先程の長居する気はないと言ったのと、霊薬を使用したかどうかについて。そして、シロウの子供が出来たらいいなに対する返事。この三つにキャスターは嘘を付いていました」
「はぁ……ほんっと。貴女がいる時に来るべきじゃなかったわセイバー」
「それって、葛木先生との間に子供を望んでいないってことか? 霊薬の効果とかには嘘はないんだろ?」
「はい。霊薬に関しては嘘を感じませんでした。キャスターが彼女のマスターを嫌いになった──「バカなことを言わないでくれる!?」というのはないそうですが」
セイバーの嫌いになったのか発言にキャスターは立ち上がって声を荒げる。その本気の怒りから察するに嫌いになったというのは間違いだと士郎は確信できた。ならば何故、キャスターが宗一郎との間に子供を望まなくなったのか。それが士郎には推察することは難しかった。だがセイバーは薄らと答えを感じているようで、士郎とキャスターを見てから口を開いた。
「となると。キャスターはシロウとの間に子供が欲しくなったのではないでしょうか?」
「なッ!!? 何、言ってるんだよセイバー!? キャスターがそんなこと……!!」
「ッ!! ぐっ、ぅぅっっっ〜〜!!」
「事実、なのか?」
士郎はセイバーの一見すると突拍子もない発言にあり得ないと即座に否定する。キャスターが何より葛木宗一郎という人間を愛しているからこそ素直に飲み込めなかったのだ。そして士郎はこんなこと言われたら、キャスターは激怒して暴れかねないと彼女を警戒するように顔を向けた。しかし、そこには今にも暴れ出しそうな魔女はおらず。ただ本心を看破されて顔を真っ赤にした貴婦人がいるだけだった。士郎は彼女の様子から察してしまう。セイバーの突飛な発言が事実だということに。
士郎は考える。彼女になんと声を掛けるのが正解なのか。正しき義を持つ人ならばそれは気の迷い、或いは好意を履き違えていると言うのかもしれなかった。あまつさえ先立の妻がこれ以上道を踏み外さないよう説得するべきであった。だが、性に塗れてしまった士郎は彼女の想いを無碍にすることは出来る筈がなかったのであった。
「そうか……もし、キャスターが本当にそう思っているなら俺は嬉しいな」
「ッ〜〜❤️ そうだとは、言ってないのですけど!? セイバーが思い違いしてるとは考えないの!? だから、そんなに見つめないでちょうだい……❤️」
「俺にとって、理想の奥さんがキャスターだからさ。俺にそんなことを思っていたと知ったら、見つめちゃうだろ」
「ぐっ、ぅう〜〜っ❤️」
「だから。キャスターが本当に望んでるなら……俺の子を産んでほしい」
「ぁ、ぁぁ──❤️」
士郎は先のライダーとの夜の時点ではまだ自覚していなかった気持ちを改めて理解した。士郎もまたキャスターと料理を教えるために関わっていくうちの、夫のためにと健気に頑張る姿に惹かれていたのだ。そんな彼女が自分との子を望んでいるかもと思えば、士郎は彼女にここぞとばかりに迫り、キャスターが夫に求めていた言葉を口にした。それは確かにキャスターへのクリティカルワードで。最早キャスターは今にも士郎を受け入れてしまいたかったが、夫への義理から一線を引こうとする。
「わ、私が愛しているのは、宗一郎様ただ一人です……」
「ああ。知ってるぞ」
「子供は、二人いたらいいなと思っているの。だから、その一人が……坊やの子供でも良いかもしれないわね……❤️」
「キャスター。俺の子供を孕んでくれるのか?」
「──はい❤️」
キャスターは自身の薬指から、宗一郎から受け取った指輪を外し士郎を抱きしめたい。そのまま熱に突き動かされたように士郎へと口付けをした。士郎とキャスターは互いに舌を突き出し絡ませる。もはや何度としていることで、言葉でなく心で通じ合っており相手が何をしたいか理解している二人。そのまま二人は互いの服に手を掛けたタイミングで咳払いが響いた。二人が視線を向けた先には不満顔の騎士王が立っていた。
「シロウ、キャスター。私がいることを忘れてませんか?」
「──ぷっはぁ! せ、セイバー……忘れてなんかっ! いや忘れてたな。すまん……!」
「そう、ね。ごめんなさいセイバー」
「はぁ……まあいいです。私は自分の部屋にいますので後はご自由に。今日だけ、キャスターに士郎はお貸ししますので好きにしてください」
「セイバー……!!」
キャスターの言葉に、セイバーはひらひらと手を振りながらでその場を後にする。残ったのは生殖本能に支配された二人のみだった。二人は言葉なく行動を共にし、寝室へと移動を始める。体をすり合うにしながら辿り着いたのは幾夜と体を重ねた場所で。士郎とキャスターは荒い息を断続して吐き服を脱ぎ捨てる。生まれたままの姿になり、露わになった互いの体を愛撫する。既に士郎の性器は固く勃ち上がっており、キャスターの秘裂は湿りを帯びて臨戦態勢を整えていた。士郎は優しくキャスターを布団に寝かせると、彼女の脚の間に入り込む。そしてキャスターが宗一郎との時には使わなかった霊薬を取り出す。キャスターがゆっくりと飲み始めたのを見て、士郎は最終確認を行う。
「キャスター、本当にいいんだな? 挿れたら、後戻りは出来ないぞ」
「何度も言わせないでちょうだい。坊やの赤ちゃん……私に孕ませてっ❤」
「ッ……!! キャスター……これ着けてくれるか?」
「これって……!!」
士郎はキャスターの同意に感極まった表情をした後、ある物を投影する──それは紛れもなく指輪であった。キャスターが宗一郎に貰った結婚指輪と違い、彼女をイメージしたのか紫の宝石が飾られていた。キャスターであれば自力でこれくらい作るのは造作なかった。だが、それを士郎から貰うことに特別な意味があった。故にキャスターは指輪をまじまじと見つめ、目尻に涙を浮かべる。
「キャスターが愛しているのは葛木先生だけってのは分かってる。でも、今だけは、俺とそういう関係でしてほしいっていうか……」
「坊やって、結構嫉妬深いのね……いいわよ❤️ なら貴方から嵌めてちょうだい❤️」
「ああ、もちろん! キャスターの指、細くて綺麗だ」
「ん……❤️ これで準備万端かしら? 何時でも良いわよ──旦那様❤️」
「ッ〜〜!! 絶対に孕ませるぞ──キャスター!!」
「んんぅっ❤ あ゛っ❤ はいって──あ゛ぁぁぁっ❤❤❤」
キャスターは士郎の耳元で囁きながら、全身で士郎を迎え入れようとした。その声と抱擁に士郎は我慢の限界だと言うかのように、肉竿をキャスターの中へと突き立てる。初めてゴムなしで迎え入れる士郎の肉棒。その衝撃は今までのどの男とも比べ物にならない快感でキャスターの全身を襲った。臍の奥から全身を目の前の雄専用に作り変えられていると錯覚するほどで、キャスターは全身がバラバラにならにようにと士郎にしがみ付く。士郎もまたこれまで有数の上玉と行為を交わしてきたが、初めての子作りという情事も相まってか今まで以上に興奮は際限なく極まっていた。故にキャスターを気遣う余裕はなく、士郎は腰を突き動かしてしまう。
「……すまんキャスター。もう我慢できない……!!」
「ま゛っ❤ まってっ❤ ぼう、やぁ❤ いま、うごかれたらっ──お゛ぉぉっっっ!!?」
士郎は絡まる脚を無視して腰を引き、息を吐きながら深々と突く。たった一往復に関わらずキャスターの口からは今まで聞いたことのなかった嬌声が響き渡る。それはキャスター自身、初めて出した声のようで彼女の顔は疑問に満ちながら恍惚とした不思議な表情を浮かべていた。これに対し士郎は彼女自身すら知らぬ一面を自分が引き出したこと、それを聞けるのは自分以外いないであろうことを知覚して興奮を加速させる。抜いて刺す。その繰り返しだけで、キャスターの脳裏は衛宮士郎という男のことのみで埋め尽くされる。
「あ゛っ❤ う゛ぅっ❤ お゛っ、お゛ぉぉぉ~~❤」
「ふッ、ふッ、ふぅッッッ……!」
キャスターの膣壁は士郎の肉竿に合うように拡張され、引き抜こうとすると密着し絡み付く。衛宮士郎専用の鞘と化した蜜壺は、士郎のカウパーとキャスターの蜜液が掻き混ざり泡立つ。士郎は剥き出しの本能のままキャスターの体にキスマークを付けたり、ピストン運動で揺れる美乳に吸い付くなどキャスターの玉体を味わい尽くそうとする。キャスターも腹の底から吐き出される嬌声を恥じ、士郎に甘噛みすることで声を押し殺そうとする。最速、ケダモノの交尾と化した子作りセックス。数分の情交の末についに士郎の射精感が極限まで高まったことに、士郎はもちろんキャスターも察知する。
「ァ゛ッ❤ オ゛ッ❤ あァァァ……❤ ぼうやぁッ❤ ぼうやの、あついッ……❤」
「ぐッ、ァッ……!! キャスター、そろろそ射精そうだ……!」
「ッ~~❤❤ だしてっ❤ ぼうやの──赤ちゃんをはらませてぇ❤❤❤」
「キャスター……!! 全部、射精すぞっ!!」
キャスターの懇願に士郎の射精感は頂点に達する。手で脚で士郎を求めるかのように巻き付き、士郎も全身全霊をもって最後の一突きをキャスターの最奥へと打ち込む。子宮口に捻じ込むような亀頭の突撃と共にキャスターは絶頂し、膣内全体が肉棒へと絡まり射精を促す。士郎は我慢し続けた射精感を解き放ち、霊薬によってサーヴァントすら孕ませるようになった特濃の精液をキャスターへと射精する。
「あ゛ぁぁッ❤ あ゛ぁァァァッ~~❤❤❤」
士郎の豊潤な精液はキャスターの子宮に流れ込みと彼一色に染め上げる。最早士郎以外の余人が塗り返せるような量ではなく、子宮から溢れた精液と潮吹きで布団には大きなシミを作られる。キャスターは視界が白黒反転するかのような凄まじい刺激の中、それでも士郎を離さまいと強く強く抱きしめていた。そして幾ばくかの後、射精が終わると士郎はゆっくりと絡み付く膣壁を剥がしながら肉竿を抜いた。そうして太い栓が抜けたこともあり、キャスターの秘所からは白濁としてゼリーのような精液がドロリと漏れ出した。キャスターは絶頂の余韻に浸りながら夫を想う。
(はぁ……宗一郎、様。ごめんなさい。私、坊やに孕まされ──ッ!!?)
「ンンッ❤ ぼ、坊やっ❤ なにをっ?」
「悪い、キャスター……まだ治まらなくて。もう少しだけ付き合ってくれ……!」
「まっ──ぁ゛❤ あァァァッ~~❤❤」
キャスターの夫への想いを断ち切るかのように、士郎はキャスターをうつ伏せに回しお尻を突き上げさせると今だ勃起し続ける肉竿を秘所に挿入し始める。それはつい先程イッたばかりのキャスターには刺激が強く、猛り荒ぶる肉棒が挿入されるにつれて蕩けた声を漏らしてしまう。精液と蜜液も相まって先程より挿入が滑らかであり、士郎の肉棒は最奥へとするりと到達する。
「絶対に孕ませないとだからな。まだまだヤるぞ、メディア……」
「ぁぅ……❤ ええ、良くてよぼ……シロウ❤」
バックからゆっくりと突きながら士郎はキャスターを絶対に孕ませるという強い意志を示す。その熱情の言葉に、キャスターは蜜壺の収縮と共に初めて名前を呼びながら答える。無意識に腰を揺らすキャスターの桃尻を掴み、士郎は一心不乱に腰を突き出す。行為は益々と激しさを増し、士郎はキャスターの腕を引っ張り抽送を行う。
「メディア、好きだ。大好きだ……!! 俺だけの子を、孕んでくれ……!!」
「ええ、私も──好きよ、シロウ❤ 貴方の子、絶対孕むわ──ァアッン❤❤」
二人の夜はまだまだ始まったばかりであったが、この夜を超えることはないだろうと二人は確信していた。そしてその予測は正しく。この後は朝を過ぎても二人の情交は止まらず、セイバーが乱入して3Pに発展するのはまだ別の話だった。
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士郎とキャスターが子作りをしてから数年後。もはや住み慣れ我が家となった寺の庭先では
「いやはや。この年になると年月が過ぎるのは早いものですが、キャスターさんに子供が出来るとはのう。ははっ、元気でよろしいことですなぁ」
「うふふ。恐れ入ります。最近は寺から抜け出すこともしばしばあって困ったものです」
「まあ大人し過ぎるのもどうかとは思いますが。そういえば直接話したことはなかったですね。
檀家との交流も慣れたものでキャスターは朗らかに接する。よく寺中を訪れる老年の男性には見慣れた光景であり笑みをこぼしていた。一成は老年の男性に挨拶させようと宗吉を呼ぶとすぐに駆け寄ってきた。が、知らない人がいたことでキャスターの後ろに回ってしまう。
「宗吉、こちらは栗原さんというお世話になっている方だ。ご挨拶は出来るか?」
「大丈夫よ宗吉。いつも通りで良いのよ」
「う、うん……こ、こんちは。葛木、宗吉です!」
「はい、こんにちは。ほほ、元気が良くてよいですなぁ。青い瞳と
「……ふふ。そうかもしれないですね」
「そうならないよう、徹底的に教育していく所存です。
檀家の言葉にキャスターは薄く微笑みながら頷き返した。そんな彼女の横にいる一成は、並々ならぬ熱意で宗吉を正しい道へ導こうとしていた。彼が小言で呟いた男という言葉にキャスターの耳はぴくりと反応したが他の者は気が付くことはなかった。そんなこんなで幾ばくか三人は世間話していたが、老年の男性はそろそろ帰ろうと腰を上げた所で彼は自分の服が引っ張られたのに気が付いた。老年の男性が宗吉が引っ張ているのかと思い振り返ると、そこには青い髪に切れ長な
「さて私はそろそろ帰るとしますかな。ん、どうしたんじゃ──ぉお!?」
「おじちゃん。これあげる」
「こ、これは……儂の絵かの? ほお、上手なものじゃな」
女の子は紙を差し出していたので、老年の男性は受け取る。そこには彼をイメージしたであろうが絵ががクレヨンで描かれていたのだ。女の子は一成とキャスターにも絵を渡しにいくと、キャスターは心底嬉しそうに受け取りながら女の子を諭す。
「ふふ、ありがとう
「ん。分かった。おじちゃんごめんなさい」
「う、うむ。素直で良い子じゃな。しかし、この子は……? キャスターさんの子なのかのう?」
「ええ。宗吉の妹、つまりは
キャスターがそう言うと女の子──桔梗はぺこりともう一度頭を下げた。そして桔梗は壁から頭を出して様子を伺っていた宗吉の手を引くと、寺の中に入り姿が見えなくなってしまう。
その後。老年の男性を見送ると、一成もお勤めで寺の中に戻り、キャスターはというと寺の前で枯れ葉を払いながらふとこれまでのことを振り返ってしまう。あの夜から数週間後、見事妊娠していたのが発覚した。キャスターは宗一郎を裏切ったことに罪悪感を抱きながらも、自分の子が出来たという嬉しさに挟まれていた。そして妊娠五週目頃にお腹の中にいるのが双子だと発覚したのであった。
(まあ魔術で事前に確認していましたが……まさか双子だなんて。坊やったら、宗一郎様の分まで孕ませるだなんて……❤)
そうして妊娠期間はあっという過ぎ、キャスターは士郎との子である宗吉と桔梗は産んだのであった。双子ということもあり当初は大慌てだったが寺の者達の助けもあり、子育ては順調そのものであった。問題があるとしたら、それはやはりキャスターと士郎との子供であるという点で。双子は士郎の特徴を色濃く受け継いでいる部分があった。宗吉は赤毛を、桔梗は琥珀のような瞳を。見る物が見れば士郎を暗喩させる特徴に、キャスターは強力な暗示を掛けることで二人の遺伝を誤魔化した。こうしてキャスターとその子供達はもう直ぐ小学校入学という年までごく平穏な日常を送っていた。
キャスターはあの日以来、士郎とは会うことを避けていた。これは士郎も合意したことで、それまでにも衛宮邸に泊まることが最近多いと一成から苦言を呈されていた。故に士郎とキャスターの関係がバレないようにと関係を断ったのだ。その後は士郎は凛の時計塔への留学に合わせて彼も倫敦へと同行したので、士郎とキャスターはあれほど熱い夜を交わしたがついぞ数年間連絡を取っていなかった。
(坊やは今頃どうしてるのかしら? まあ大方、
キャスターは錯覚かと目を凝らす。昔のことを思い出していたから、彼の影を幻視しているのだと。門の前には見知った、己を孕ませた男である衛宮士郎の姿があったのだ。より詳しく言うならあの時よりも成長した、筋骨隆々の雄々しき青年がいた。彼がこちらを見るとあの時と同じ朗らかな笑みを浮かべこちらに駆け寄って来ていた。
「キャスター! 久しぶりだな、元気にしてたか? 倫敦に行く前にこっちに顔見せられなくてすまんかった」
「坊や、なの……? 嘘、本当に?」
「なんだよ。数年、顔見なかったから忘れちまったのか? それとも、今まで一度も会いに来なかったから忘れたふりとかか?」
「いいえ……その。見違えたから、驚いているのよ。とっても立派になって……」
「そうか? そんな変わったつもりはないけど、キャスターがそう言うならそうなのかもな」
士郎が昔の時のように拗ねた風に口を尖らせたのを見て、キャスターはあの少年がこうも立派な青年になったのかと感慨深そうに見つめてしまう。その熱視線を受けて士郎はどこに人の目があるのかも構わず、キャスターを抱きしめてしまう。キャスターも頭では分かっているのに抱き返してしまう。そんな二人を覗く目が四つ輝いているとも知らずに。
「わぁ。ママが熱烈なハグしてるー。あの人カッコいいね、宗吉くん」
「バッ、声出すなよ!」
「ッ!!?」
「おっと……ぁ!! キャスターの、子供達か……!」
キャスターは息子娘達の声を聞いた瞬間、士郎を突き飛ばそうとするも鍛えられた体幹故かものともしなかった。桔梗は宗吉の手を引きながら、士郎の前にやって来る。桔梗は笑みを浮かべながら、士郎にペコリと一礼すると宗吉も真似して頭を下げた。士郎は二人の姿を焼き付けるように凝視する。その顔には嬉しさが満ちており、二人は不思議そうに見ていた。
「初めまして。私は桔梗。こっちは宗吉。あなたは? ママとはどういう関係?」
「俺は士郎って言うんだ。キャスターには、料理とかを教えてたことがあってな。顔を見に来たんだ」
「料理。ま……母さん、昔は料理下手だったの!?」
「ん、まぁなー。料理を焦がしてたり、汁が出てべしゃべしゃだったり。色もド派手だったぞー!」
「今とは大違い。ママ、料理教室とかやってるくらい上手なんだよ」
「本当か……!? そっかぁ。キャスターあれからも料理頑張ってるんだなぁ。二人は好き嫌いとかないか? ちゃんとママの言うこと聞いて食べてるか?」
「うん。オレはタッツンとかと違ってピーマンとか食べれるよ!」
士郎と双子は過去と今を織り交ぜながら緩やか会話する。キャスターは時折夢見たその光景をしかと記憶しようと見つめ続ける。その瞳からは熱いものが込み上げてきそうで、思わずキャスターは目頭を押さえてしまう。その様子に宗吉が気付き、キャスターへと駆け寄る。
「……ま、母さん。どうかした? 具合、悪いの?」
「大丈夫か? まだ秋とはいえ寒いからな。寺の中に入ったほうが……」
「ううん。なんでもないわよ。私の方より、坊やは倫敦でどうだったのよ? それに顔を見に来るだけでこの街には来ないでしょうに」
「まああっちでは、色々あったな……はは。こっちに来たのは、遠坂達が……妊娠したからでな。住み慣れた街の方が、なにかといいだろうってことで戻ってきたんだ」
その言葉にキャスターは驚きと祝福、どちらも入り混じった表情で士郎を見返してしまう。おそらく達というからには複数で、凛や桜、もしかしたらセイバーとライダーもそうかもしれないとキャスターは考える。彼女等からすれば倫敦というアウェーな場所より、セカンドオーナーとして有する冬木の方が安心できるだろうということは容易に想像できた。
「あの子達が……! 確かに、それならこっちの方が都合は良いでしょうね。おめでとう、坊や」
「私、知ってる。妊娠って赤ちゃんが生まれるってことでしょ? 士郎さん、おめでとうー!」
「ああ、ありがとうな! それでさ。桜やセイバーも久しぶりにキャスターと話したいって言ってて。もし良かったら、都合の良い日に俺の家に遊びにこないかってことを聞きにきたんだが……どうかな?」
「ッ……! 貴方の家に……?」
士郎からの誘い。それがただの同窓会で終わるとはキャスターは到底思えなかった。キャスター自身、気付いていた。彼の自分を見る目が昔と──我が子を孕んだあの時と変わっていないことに。それはキャスターも同じで。サーヴァントになる以前と同じ二人の子供を産んだから、宗一郎とは長らく性交はしておらず、ましてや子作りなどのことは一切考えもしなかった。だが士郎を前にした途端、キャスターは三人目の子のことが脳裏を過ぎってしまう。キャスターの体は目の前のもう一人のマスターを前に、早々に準備を始めて湿り気を帯びてしまうほどだった。心は今だ宗一郎のものであったが、体は士郎へと陥落しきっており。そんな彼女が口にする言葉は最早決まり切っていた。
「そう、ね。今日はもう遅いから明日以降。そちらの予定が空いた日にお邪魔しようかしら……❤」
「ッ!! ああっ、分かった。俺は暫くの間、家から離れないから日が決まったら連絡してくれ。一先ず、伝えたいことは伝えたから、もう帰るな。宗吉、桔梗。これからも会うことがあると思うがよろしくな」
「うん。私もシロウの家に行ってみたいー。また会おうねー」
「ぁ……オレも行ってみたい、です」
「ああ、その時はキャスターと一緒にな! それじゃ、キャスター。──■■■■■ぞ」
「──ッ❤ ええ、また……私もよ❤」
士郎が自分にだけ聞こえるように言った、「愛している」という言葉にキャスターの全身は熱を持ってしまう。キャスターもまた強化した聴覚で聞こえるくらいに小さな声で士郎に伝える。キャスターは士郎から貰った指輪を強く握りながら士郎を見送った。二人の逢引はまだまだ続き、最終的に彼女の子供は神話の一説と同じ十四人まで増えるとは誰にも予想できなかった。