※この作品はR-18です。

原作崩壊のNTR小説   作:pace

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轟くん家の緑谷くん

 月明かりだけが部屋を照らす深い夜に、悩ましげな声を出す女の影一つ。雪女を思わせる銀の髪を揺らしながら、顔、体に火傷のある女は手を動かし続けていた。だが思うような結果は得られなかったのか、深くため息を吐きながら手を下ろした。そのため息には、聞くもの全てに悲哀を感じさせる落胆が詰まっていた。

 

「ぅっ……ふぅー。ほんと、酷いわね……」

 

 あり余る己の性欲に、ほとほと呆れたような自嘲をする火傷の女。陰気な声を更に陰気にこぼす女は、そそくさと後始末をしていた。この惨状を知るのは彼女一人──だけではなかった。部屋の内と外を分ける襖の向こうには、彼女以上に生々しい火傷跡が刻まれた巨漢がいた。男は女の悲痛な自慰を最初から最後まで聞いていた。

 

(冷……)

 

 男は瞑目する。今なお自分を支えてくれる彼女のため、なんとかしてやりたい。だが今や杖がなければ、移動するのもままならないのが男の状態であった。彼女に応えてやることができないことを、男は誰よりも理解していた。立ち尽くし黙考した後、男はある決心をした。自分より一回りも、二回りも幼い男。けれども自分よりも大きなヒーローの手を借りようと。そう心に決めたのであった。

 

 

 ──────

 ────

 ──

 

 超常解放戦線とヒーロー達の決戦から半年。その中心となった小年──緑谷出久は死柄木弔との戦いで受け継いだ個性たるOFAを失ったものの、その残り火をやりくりして被災した地域の復興を支援していた。だが目下、緑谷出久を一蝕んでいたのは外的要因ではなく、己の内から湧き出るある欲求についてだった。

 

「う、くぅ〜〜……はッ!! ふぅー……峰田くんから借りた本、全部使いきちゃったな。ううむ、まだいけそうだな……」

 

 緑谷は今までオールマイトから力を譲渡されたことから、彼に変わり新たな象徴となるべく日夜訓練を積み重ねてきた。だがOFAが消失したことで緑谷は過度な訓練で力を磨くことはなくなった。それ故か緑谷は今まで訓練で発散していた衝動──即ち性欲が積もりに積もり、今では毎晩十数回は射精しない眠れないほど性欲が漲っていた。

 

 緑谷はこのまま我慢し続けて暴走してしまわないため、この手のことに精通する友人を頼り、彼から幅広いエロ雑誌を借りて性欲を発散していた。そして現在、緑谷は休日の昼間から自宅の部屋でオナニーしていた。

 

(また(・・)、おばさんの時みたいに暴走しないように抜いておかないと──やば、思い出したらまた……ッ!)

 

 つい数日前、緑谷は溢れんばかりの性欲を溜め続けたせいで幼馴染の母親を前に暴走してしまったことがあったのだ。幸い彼女はこのことは黙ってくれると約束してくれたが、緑谷はヒーローに有るまじき失態だと深く後悔していた。故に緑谷は毎日欠かさず自慰をして精を吐き出していた。

 

 だが初めて味わった極上の女体を思い出すと、みるみると性欲は回復して肉竿がグンっと勃ち上がっていた。ならばともう一度、借りた本を最初から読み直そうとしたところで一通のメッセージが入ってきていた。通知には轟焦凍と表示されていた。

 

「轟くん……ってそうだった! 今日家に行く日だった! あわわ、迎えに来る前に準備しないと……!」

 

 轟焦凍は緑谷と同じくヒーロー科に所属する友人で、今日は彼から家に誘われていたのだ。にも関わらず緑谷はそのことが頭からのすっぽり抜けており、彼の色狂い具合はここに極まっていた。なんとか急いで射精すると、緑谷はシャワーを浴び、服を用意し、事前に買っていたお土産を用意する。

 

 慌ただしくも緑谷は焦凍が来るまでに準備を済ませ、迎えに来た車に乗り込む。後部座席には白と赤が入り混じった髪を短く伸ばし、髪で左目の火傷跡を隠した少年。轟焦凍が乗っており、緑谷は弾む気持ちを隠さず声を上げる。

 

「轟くん! 今日は夕食に誘ってくれてありがとう! そのつまらない物ですが……」

 

「ん。わざわざ用意したのか? こっちから誘ったんだから、手ぶらで良いけどな」

 

「そういうわけにはいかないよ! 前にも轟くんのお姉さんにはご馳走になったし。エンデヴァーにもインターンでお世話になったから」

 

「姉さんも親父のやつも気にしねぇと思うけど。でもありがとうな。これ確か母さんが好きなやつだ。昔、同じ名前を言っていた気がする」

 

「えっ! そうだったの!? 直感で買ったんだけど、気に入ってもらえそうで良かった〜〜!」

 

 緑谷は事前に買っておいたお菓子を手渡すと、焦凍は申し訳なさそうに頭をかいていたので、緑谷は訳を説明した。以前轟家でご馳走様になった時、手ぶらだったので食事の片付けくらしか出来ることがなく緑谷としては心残りがあったのだ。加えて冬のインターンでお世話になったエンデヴァーにも何かお返しをしたいと思っており、ここぞとばかりに緑谷はお菓子を持参したのであった。

 

 そして奇しくも渡したお菓子は家庭の事情で入院しており、先の超常解放戦線との戦いの折に退院した焦凍の母である轟冷の好物であったのだ。これに対しお土産を持参した緑谷は、上流階級といっても差し支えない轟家の口に合わないものを渡さずにすんだと一安心していた。そんなこんなで緑谷は焦凍と他愛ない話をしながら彼の家へのドライブを楽しんだ。数十分ほどするとTHE和風といった屋敷が緑谷の目に入ってきた。

 

「あっ、轟くんの家が見えてきた! やっぱ大きいなぁー!」

 

「そうか? 上鳴から聞いたが、八百万の家は学校くらいあるらしいぞ。なら、そこそこなんじゃねーか?」

 

「いやいや轟くんの家も僕からすると超豪邸って感じだよ! あんなに広い庭がある家なんて、テレビの中でしか見たことないよ!」

 

「あんま広すぎるのもどうかと思うけどな……あ」

 

「どうしたの? って、門の前に誰かいる……?」

 

 轟の気の抜けた声に、緑谷はよく目を凝らすよと轟家の前に女性が立っていたのに気が付いた。焦凍によく似た白い髪をした女性は厳かに手を振っていた。車がゆっくりと轟家の前に停まると、ドアが開いたので緑谷はかつてエンデヴァー専属のハイヤーだった彼に一言お礼を言うと、焦凍に続いて彼の家の前に降り立った。そこには顔に火傷の跡が残る白髪の女性──轟焦凍の母である冷が迎えに立っていたのだ。

 

「おかえりなさい焦凍。そして初めまして緑谷くん。焦凍からよく聞いています。私は──」

 

「轟くんのお母さん、ですよね? 初めまして! 緑谷出久です! 轟くんにはいつもお世話になっていて──」

 

「いや俺こそ緑谷にはいつも世話になってる。体育祭から始まって、今も俺とこうして付き合ってくれたり……俺が世話してやれたことなんてほとんどねぇ」

 

「そんなことないよ! インターンを誘ってくれたことだったり、僕が皆から離れようとした時に止めようとしてくれたり! 轟くんに助けてもらったことはたくさん──」

 

「ふふ。焦凍や冬美に聞いた通り。優しい子ね、緑谷くん。あなたのような子が焦凍の友達で嬉しいわ」

 

 そう言って冷はふんわりとした笑みを緑谷に向けた。その笑みは美男美女をよく見る緑谷でさえ、心を釘付けにしてしまうほど美しいものだった。横にいる焦凍以上に生々しい火傷の跡。心ない者は不気味と感じてもおかしくない容姿であるが、緑谷の心は興奮からの脈拍が高まるばかりであった。一際女性への免疫がない緑谷であったが、これは今までの緊張とはまた違うと感じていた。

 

「い、いえ!! ぼ、僕の方こそ轟くんと友人になれてとても嬉しいです!! はい!!」

 

「緑谷? 顔赤いが大丈夫か? 冷やすか?」

 

「あら、本当ね。大丈夫? 緑谷くん?」

 

 冷は緑谷の顔を覗き込みながら、手を伸ばすと緑谷の頬に触れた。ひんやりとした感触に、思わず緑谷は後ずさってしまう。心配する二人を前に緑谷は全身を使ってさも健康体だとアピールする。

 

「だ、大丈夫なので! その……緊張しちゃって! 

 お気になさらず!」

 

「そう? 具合が悪いわけじゃないなら良いのだけど」

 

「無理するなよ……あ。母さんこれ緑谷から。皆で食べてくれだって」

 

「まあ……! 緑谷くんもこのお菓子好きなの? 私も昔よく食べていたわ」

 

「っ……! よ、喜んでもらえて何よりです!」

 

 緑谷が持参したお土産を冷は焦凍から受け取ると、これまた花が咲いたように笑みを浮かべたと緑谷は感じた。彼女のはにかむような笑みを見る度に、緑谷は多幸感に包まれずっと見ていたいくらいだと思ってしまう。そんな感情が芽生えていた。

 

 そんな緑谷の想いはつゆ知らず、冷は二人を連れて家に上がる。玄関には焦凍の父であるエンデヴァーこと轟炎司と姉の轟冬美が来客を迎えようとしていた。冬美もまた顔に軽度の火傷跡があったが、それ以外は変わらずにこやかに緑谷を迎える。エンデヴァーは以前最後に見た車椅子姿ではなくて、杖をついて立っておりその佇まいはトップヒーローたる格が、いまだ失われていないと緑谷は感じた。

 

「久しぶり緑谷くん! またきてくれて嬉しいなぁ〜!」

 

「お久しぶりです冬美さん! エンデヴァーもお久しぶりです! お体は、大丈夫ですか……?」

 

「ああ。少し前までは車椅子生活だったが、今は杖があれば歩くくらいはな。ヒーロー活動は無理だが、これで短時間なら問題なく動ける……俺にはやらねばならんことがあるからな」

 

「そうでしたか……僕も。エンデヴァーのこと見てます」

 

「……ありがとうデク」

 

 エンデヴァーの燃えるような熱い決意に息を飲み、緑谷は彼の償いを見ていくと口にした。彼の欠損も、冷や冬美の火傷も超常解放戦線に参加していたヴィラン荼毘こと轟燈矢が関わっていた。だがそのことに緑谷が触れるわけにもいかず、それ以上は追求しなかった。これまでと一転して空気が重々しくシリアスめいたものになるが、冬美はそんな空気を変えようと口を開く。

 

「さ、焦凍も緑谷くんも上がって上がって! ご飯もう少しで出来るから、手とか洗ったら部屋で待ってて」

 

「ん、分かった。緑谷こっちだ」

 

「あ、うん! お邪魔します!」

 

 緑谷は焦凍に連れられるまま洗面所に歩き出す。残った三人は辛い目にあってきた息子、或いは弟が友人を連れて楽しそうな顔を見せていることにつられ口角が上がっていた。そんな中、冷は緑谷から焦凍に伝って渡されたお土産を二人に見せる。

 

「緑谷くんお土産持ってきてくれたの。これ、あなたも冬美も好きだったわよね?」

 

「ああ……懐かしいな。もうずいぶんと食ってなかった。本当に懐かしい……燈矢も、よく食べていた」

 

「……うん。きっと焦凍も好きだと思うんだ。食事の後、出しちゃおうか。夏くんのとこにも持っていこうかな」

 

 三人はまだ焦凍が生まれる前。家族が決定的に壊れてしまう前の時に、皆で食べたある日のことを思い出していた。もう戻ることは出来ない、壊してしまった、壊れてしまった過去を。けれどもその時にはいなかった焦凍が今はいた。過去は消えないが、今を生きるため三人は前を向いていた。

 

 ──────

 ────

 ──

 

 夕食ができるまでの間、緑谷は焦凍の部屋で談笑をしていた。主な話はやはり共通するヒーロー関係の話だったが、最近できた後輩にまつわる話も多かった。特に焦凍はその出自やルックス、超常解放戦線との戦いでの活躍もあって人目を惹いて仕方なかったのだ。

 

「なあ緑谷。告白ってよ、どう断れば傷付けないで済むんだ? 断ると涙ぐむやつもいて、どうすればいいか分かんねぇんだ」

 

「それ、は……僕にも難しいかなぁ。上鳴くんや瀬呂くんとかが詳しいかも?」

 

「ああ、その二人は確かに女子慣れしてそうだな。分かった。休み明け相談してみる」

 

「うん……にしても轟くんはモテモテだね。かっちゃんも中学とかから考えるとモテてはいるけど、轟くんは段違いだよ」

 

「俺より緑谷とかがモテて然るべきだろうがな。そっちはそういうのないのか?」

 

「うーん。たまにファンレターを貰うくらいで、告白とかはないかな〜〜。やっぱり轟くんはかっこいいもん。冷さんやエンデヴァーのこう、良いところが受け継がれているというか」

 

 実際緑谷はかっちゃんこと幼馴染の爆豪や焦凍ほど、目に見えてモテてはいなかった。それは本人の雰囲気もあったが、彼を慕う者は内に秘める子が多かったこと、すぐ側には彼と親しそうな女子ヒーローがいたこと。それらが合わさり、緑谷への告白は皆無だったのである。最も緑谷は単純に自分がモテないと思っていたが。そんな緑谷の言葉に焦凍は何か思いついた顔をする。

 

「受け継ぐ……なあ緑谷の親父ってはどんな人なんだ? お袋さんは避難の時に顔を見たけど、親父さんの方は見つけられなかった。避難所にいなかったのか?」

 

「うん、父さんは海外に単身赴任しているからそもそもあの時雄英にいなかったよ。最近帰ってきたけど、また海外に行ちゃってさ。今度写真と画集持ってくるね。父さん、デザイン関係の仕事してるんだ!」

 

「へぇ、デザイナーか。そういえば緑谷の最初のコスは自分でデザインしたんだったよな、父親の影響なのか?」

 

 と、緑谷と焦凍がそんな話をしていると冬美が部屋の襖の前で声を掛けられる。

 

「ご飯出来たよー。待たせちゃってごめんね」

 

「いえ全然! こうして轟くんと二人きりで話せるの久しぶりだったんで、あっという間でした!」

 

「だな。緑谷の周りは委員長や麗日がいることが多いからな。確かにこうして二人で話すのは久々だった」

 

「う〜ん、友情って感じだね! 前にも言ったけど、緑谷くんが焦凍にお友達になってくれて本当に良かった」

 

「そんな! こちらこそ……ってこれ前も言いましたね」

 

 三人は以前家に来た時のやり取りを思い出しくすりと笑い出してしまう。そのまま三人は居間に向かい歩き出す。そんな時、緑谷はふと些細な共通点(・・・)を思い出す。

 

(そういえば僕の父さんって、エンデヴァーと似てる(・・・)ところがあるんだよなぁ……まあわざわざ話すようなことでもないけど)

 

 そんなこんなで、緑谷は昨年ぶりに轟家の居間に入るのであった。テーブルには和食が並んでいた。以前緑谷が轟家に来た時は餃子や四川麻婆といった中華要素もあったが、今回は刺身にお吸い物、きんぴらごぼうといった和食が推されていた。

 

「わぁ〜〜! どれも美味しそうですね!!」

 

「前に緑谷が来た時は姉さんの作った料理だったろ。今日は母さんも作ったんだ。刺身は……親父が知り合いから貰ったらしい」

 

「緑谷くんの口に合うと良いのだけど。冬美に比べたらやっぱり腕が鈍ってるのを感じてるもの」

 

「そんなことないよー! お母さんの料理、今でもすっごく美味く感じるもん。緑谷くんもきっと気に入ると思うなー!」

 

「はい! その、匂いだけで食欲が湧き上がるというか……もう待ちきれないです!」

 

 香り立つ匂いだけで緑谷は腹の虫が鳴くのを感じていた。目の前に広がるご馳走様が到底不味いものだとは感じられなかった。緑谷から腹の虫が鳴らす音を聞いた女性陣は笑い合い頷いていた。そして五人は畳の上に置かれた椅子に座ると、一斉に食事を始めた。

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

 緑谷は最初にきんぴらごぼうを一口食した。ピリっとした辛みにシャキシャキとした野菜。そこに細かなバラ肉が合わさり絶妙な味わいを醸し出していた。舌鼓を打つ美味しさに緑谷は思わず口に出してしまう。

 

「このきんぴらごぼうめちゃくちゃ美味しいです! 唐辛子が良い塩梅で辛すぎず、野菜の切り方もバランスよく歯応えバッチリかと! 豚肉やレンコンも合わさってボリューミー! 何杯でもいけます!」

 

「まあ……ふふ。そんなに褒めてもらえるなんて思ってなかったわぁ」

 

「そうそう、緑谷くんは私の料理もよく褒めてくれてたんだよ! お父さんも焦凍も、ちゃんと言ってほしいんだけどなぁー」

 

「「むっ……! /え。いつも美味いって言ってるけど」」

 

「それだけじゃなくて。甘みがあって良いねとか、ちょっと塩分強めかもとか、そういう感想が嬉しいわけなの! お父さんも焦凍もちょっと淡白なんだよねー」

 

「「むむっ……! /なるほど……」」

 

 緑谷の分析染みた感想に冷と冬美の人は心底嬉しそうな笑みをこぼす。ともすれば嫌がられそうなものだが(実際彼の幼馴染は食事時にも分析する癖は、味が落ちると非難していた)。二人はそれが喜ばしいようで、冬美は続けさまにそういうのが淡白なエンデヴァーと焦凍に口を尖らせていた。その言葉を受けて焦凍とエンデヴァーも二人に感想を言い始める。

 

「そうだな……冷の食事は昔から上手で、いつも美味いと思っていた。焼き魚なんかは特にな。ヒーロー活動で泊まりがけになった時、冷の作った料理が食べたいと思ったことは何度もあった」

 

「……そう、だったの。初めて聞いた」

 

「むぅ……こういうことを言うのは気恥ずかしいものだと思っていたのだ。だが、これから口にしてきたいと思ってる」

 

「なら……これからはうんと張り切らないとね」

 

「俺も母さんの料理、ごく美味いと思う。ランチラッシュにも負けないくらいだと俺は思う。もちろん姉さんの料理も」

 

「んー焦凍はもうちょっと具体的に言ってほしいかなぁ。そんなんじゃ、女さんが出来た時に愛想つかされちゃうよー!」

 

 穏やかなやり取りに自然とこの場にいる全員の顔が緩くなる。離れてしまった者や失ってしまった者もいたが、ここに集まった轟家の皆は確かに笑顔を浮かべていた。このまま健やかな家庭になってほしい。緑谷は純粋に心の底からそれを願っていた。

 

 だがそれを崩すのがまさか自分になるとは、この時は欠片も思っていなかった。

 

 ──────

 ────

 ──

 

 夕食の後。緑谷はお手洗いを借りに居間から離れていた。夕食は終始楽しげに過ぎ去り、暖かくなったらバーベキューをしてみたいと話したり、未来に向けた明るい話題が出るほどであった。

 

 そして緑谷は居間に戻る途中、広々とした池のある庭を前に未来の展望を夢想していた。

 

(バーベキューか〜〜。これだけ広いならA組の皆も呼べるかな? 飯田くんやかっちゃん、麗日さんとか、皆でやれると楽しいだろうなぁー)

 

 そんなことを考えていると居間から来た道から杖を突く音と床の軋む音が緑谷の耳に響いた。緑谷はもしかしてと思いながら振り向くと、そこには予想通りエンデヴァーの姿があった。

 

「エンデヴァーもお手洗いですか? 何か手伝うことは……!」

 

「ふっ……問題ない。俺が腕と足を失ってから差し当たって、その手の問題は既に対処してある。気にするな」

 

「あ! そうですよね、すみません! それじゃ、先に戻っています」

 

「……いや待ってくれ。少し、話したいことがある」

 

「えっ……?」

 

 エンデヴァーの声色に思わず背筋を正し、振り返る緑谷。そこには何か思い詰めた表情の彼がおり、緑谷を見て逡巡するように目を右に左に動かしていた。何があったのか、もしやヴィランに関係することなのかと緑谷は平時から非常時へと己の意識を切り替える。エンデヴァーはゆっくりと口を開き、声を絞り出した。

 

「緑谷。冷のことは、どう思った?」

 

「……ん? え、えっと……おしとやかで、料理が上手で綺麗な人だなぁっと」

 

「ふむ。火傷は……気にする質じゃないか。やはり年か……」

 

「エンデヴァー? その、この質問はどういう意図が……?」

 

 緑谷は突然の質問におっかなびっくりと答える。ヴィラン関係かと思えば、彼の奥様のことをどう思ったかと突然聞かれ頭を悩ませる。今の答えはおかしくなかったか。そもそもどういう意図の質問なのか。もしかするとホークスと初めて会った時のような、何かの暗号なのかもしれないと考えたところで、エンデヴァーは次なる質問を口にした。

 

「交際している女性はいるか?」

 

「…………え?」

 

「いや交際の有無は置いておこう。今時はそうじゃなくてもするらしいからな。……緑谷よ、性行為の経験はあるのか?」

 

「なっ、へぇぇぇっ!!? え、エンデヴァー!? いきなり何を言っているんですか!? あ、暗号か何かですか!?」

 

 エンデヴァーの予想外の質問に緑谷は分かりやすく慌てふためき声を荒げてしまう。交際の有無ならまだしも、性行為の有無について聞かれるなど、友達の親であろうとセンシティブ過ぎる話題である。またそれがいかにも軟派な男から聞かれたならまだしも、エンデヴァーという男は燃える盛る炎のような男。ファンサをすれば解釈違いと言われるような男だ。そんな彼が自分に赤裸々な話題を切り出すなど意味が分らないのだ。緑谷は混乱してしまう。そんな彼を一喝するようにエンデヴァーは口を開く。

 

「暗号等ではないッ……どうなんだ。あるのか、ないのかっ!?」

 

「ええっと。そのぉ。一応、あります……」

 

「そうか。相手は年下か、同年代か? それとも年上か?」

 

「と、年上、です! あ、あの、そろそろこの質問の意味を教えてもらっても……?」

 

 数日前に脱童貞を果たした時のことを思い出しながら質問に答えた。内心、緑谷は友達の親に何を言っているんだと自問自答してしまう。あの時のことは無我夢中で朧げだったが、個性によって保湿された瑞々しい肌、何度も交わした唇の感触。そのどれもがありありと脳裏と体に刻まれていた。だがこの思い出をこれ以上掘り下げられのは何故だか嫌だと思った緑谷は、自身を問いただす訳をエンデヴァーに聞き返した。エンデヴァーはまたしても逡巡するような素振りを見せた後、咳払いを一つした後にゆっくりと口を開いた。

 

「他言無用で頼むぞ。実は……俺の代わりになれる者を捜している」

 

「エンデヴァーの代わり? ヒーローの、ということじゃないですよね? それだと質問の意味が分からないですし……」

 

「ああ。つまり……冷の、妻の相手をしてほしいということだ。緑谷、お前にそれを頼みたいと思っている」

 

「なっ……!!?」

 

 あまりに衝撃的な発言に緑谷は空いた口が塞がらなかった。今までの質問と妻相手ということを組み合わせて考えると、エンデヴァーは緑谷に妻の相手をしてほしいと言っているのだ。緑谷は友人から借りた雑誌にこの手の性癖──寝取らせについては知識としてあった。だが、まさか。知人からそれを持ち掛けられるなんて、それが先人として沢山のことを学んだエンデヴァーからなんて想像だにしていなかった。

 

(もしかしてエンデヴァーは操られているんじゃ? 心操くんや死穢八斎會にも心や言葉に干渉する個性は存在したはず。けど……)

 

 エンデヴァーが錯乱しているんじゃないか、或いはヴィランによって操られているのかとも緑谷は考える。だがエンデヴァーの目から操られているのではなく、苦悩した末に言葉を発しているのだろうと緑谷は察する。ヴィランの被害の線は薄いかもと、緑谷は結論付けた。ならば次に気になるのは何故自分に話したのかということだった。

 

「……何故、僕なのですか? その手のお店やプロに頼むのは難しいのでしょうか?」

 

「そうだな……あれから暫く経ったが、俺をマークしている記者も少なからずいるのが現状だ。そんな時に冷がそういった店を利用しているのが知られれば、ロクでもない記事にされるのは明白だろう。また俺自身そういう店には関わってきてなく、伝手もなければ信用もできん」

「だから、俺が信用できる相手から選びたいと考え、以前から焦凍や俺を気にかけてくれたヒーロー……デクになら任せられると考えた。それが話した理由だ」

 

 エンデヴァーの言葉に緑谷は深く沁みていた。彼が自分にこのことを話すのに、どれ程の葛藤があったのか、どれ程悩んだのか想像することすら出来ず、またそんな大役を任せたいと思われていたことに緑谷は深く胸を打たれたのだ。緑谷は個性を失い無個性になってはいた。だが、彼の中にある人助けの精神はいまだ健在である。即ち、考える前に口は動いていた。

 

「──力になります。エンデヴァー、僕に出来ることならなんでもします」

 

「ッ……!! ありがとう、緑谷。こちらで、冷の了承が取れ次第改めて連絡をする。今日は今まで通り焦凍や冬美に付き合ってくれ」

 

「はい……先に戻っています」

 

 緑谷はそう言い残し焦凍と冬美、そして冷の待つ居間へと戻った。彼らは先程と変わらず緑谷を暖かく迎えてくれたが、緑谷の心境は打って変わっていた。特に冷を前にすると、平常心ではいられず動揺することもしばしばあった。まだ決まったわけではない、だがもし彼女が受け入れたらと思うと緑谷は興奮が際限なく高まるのを感じていた。

 

(ああは言ったけど冷さんが断る可能性もあるよな。けど、もし本当に冷さんと出来るのだったら……)

 

 エンデヴァーの力になりたいのも本心だったが、緑谷は白雪のように透き通る髪、とても四人の子供を産んだとは思えないスタイル、たわわと実った巨峰の胸とお尻。全て兼ね備えた美人妻と、致したい気持ちがないとは言い切れなかった。

 

 そんな心ここにあらずな状態で緑谷はその日過ごし、夜になると焦凍と冬美に少し心配されながらも家に帰宅したのであった。そしてその日から一週間近く経ったある日、緑谷はエンデヴァーから連絡を受け取る。件の日取りが決まった旨を受け取ったのであった。

 

 ──────

 ────

 ──

 

「えっと、その……今日はいい天気でしたね」

 

「え。そう、だったかしら? 曇りだったような気がするけど……緑谷くんは曇っている方が好きなのね?」

 

「あっ……! えっと……そうかもです?」

 

 気まずい沈黙を破ろうと緑谷は会話デッキから天気の話題を切り出す。だが今日の天気はあいにくの曇り空。冷は気遣うようなことを言うものの、そこから話題が発展することはなかった。緑谷はプレミをしたのである。

 

 時刻は夕方。緑谷は先週ぶりに轟家にお邪魔していた。だが今回は友達である焦凍や彼女の姉の冬美は家にいなかった。この家にいるのは轟家の母と父、即ち冷とエンデヴァー、そして部外者の緑谷だけであった。今日ここに来たのは世間話なんかをするためではなかったが、いざ始める前に少しは緊張をほどきたく緑谷は会話を求めたのであった。

 

(ますます空気が重くなってしまった……!! れ、冷さんと何を話せば……エンデヴァーも僕を連れてきたら早々にいなくなってしまうし……!!)

 

 緑谷はここに来たのは他でもない彼女、冷と性行為をするためであった。あれからエンデヴァーに詳しく話を聞くと、冷はかなりの性豪らしく毎晩満たされない自慰を繰り返していたという。エンデヴァーは日々自分を支えてくれる彼女の悩みを解消してあげたく、信頼できる緑谷を頼った。それが先日の話であった。そして今日、焦凍と冬美が私用で家を一日留守にしている間に冷の性欲を解消しようと緑谷が呼び出されたのであった。そして現在。緑谷が場の空気を和ませるためにオールマイトジョークを思い出そうとしている最中、口を硬く閉ざしていた冷が言葉を発する。

 

「……緑谷くん」

 

「は、はい! なんでしょうか!?」

 

「無理しないでもいいのよ。本当はあの人に無理やり頼まれてここにいるのでしょう? 緑谷くんみたいな若い男の子が、私みたいなおばさんじゃその気になるのは難しいでしょ? それに、私にはこれ(・・)があるもの……」

 

 冷はそう言って自分の顔に手を添える。そこにはくっきりと火傷の跡が残っていた。緑谷は焦凍から彼女が荼毘こと轟燈矢の爆発を止めるために自ら戦場に向かい、個性によって冷却しようとしたことを聞く。その際に氷膜を張って近付いたものの、荼毘の熱は完全に防ぐことはできず、肌を灼かれたということを知った。冷は年齢や肌のことを引き合いに出し、緑谷を諦めさせようと緩かに促していた。

 

 緑谷は考える。おそらくは冷はエンデヴァーのことを想い引き受けたものの、本心ではやはり寝取らせに抵抗感があるのだろう。夫であるエンデヴァーが彼女の幸福を彼なりに考え、導き出した答えをただ嫌だから断るのはどうかと冷は考えたのだろう。故に夫の提案を受け入れた上で、相手をする緑谷に諦めさせようと彼女は導き出したのではないかと。ただ誤算があったとすれば、緑谷出久という男は火傷だけで萎えるような男ではないということ、そして彼は助けを求められえれば全力で救いにいくヒーローだったということだ。

 

「……轟くんから聞いた時、超高圧爆発寸前の彼に向かって駆け出した冷さんをヒーローだと思いました。ヒーローが戦って残った傷を、僕は醜いとは思いません! とても綺麗です、冷さんっ!」

 

「へっ、ぁぁ……緑谷、くんっ」

 

 真っ直ぐに冷を見つめる緑谷。我が身を顧みず地獄の業火であったとしても駆けつけた献身、それによってできた傷を醜いなど緑谷は欠片も思わなかった。その思いが嘘ではないと冷にも通じたのか、彼女の瞳は緑谷から離れられなかった。

 

「年なんて関係なく、冷さんは魅了的ですよ。その恥ずかしい話……僕は冷さんとそういう関係になれるって聞いて、凄く興奮しちゃって今も……」

 

「っ……!!」

 

 冷は目にする。今にパンツを突き破らんばかりに勃起する緑谷の巨木を。言葉と肉体をもって目の前の女性に対する魅力を証明する男の子を前に、知らず知らずのうちに冷の息は色っぽく、荒々しく変化していた。

 

「ふぅー……分かったわ。緑谷くんがいいのなら、始めましょうか。辞めたくなったらいつでも言ってね……っ」

 

 冷はそう言うと服を丁寧に脱ぎ始める。服を脱ぐと巨大な双丘が溢れるように現れた。純白の肌に顔ほどではないが、多少の火傷が刻まれている肌を冷は曝け出した。普通の者なら後退りしてしまうかもしれない傷跡。けれども緑谷は少しも退くことなかった。それどころかよりいっそう自分の肉棒を膨張させていた。知らず知らずのうちに冷は喉を鳴らしてしまう。

 

「っ❤️……緑谷くんも、脱いだらどうかしら?  その、とても窮屈そうに見えるわ……❤️」

 

「あっ!? そうですね、はい! えっと、失礼します……!」

 

 緑谷がズボンからトランクスを下ろすとブルン! っと凶悪なイチモツが外気に曝される。冷の予想通り、巨根で深いカリと太い血管が走り、肉欲溢れた先走り汁で先端が濡れた肉木が現れる。冷は感嘆のため息をこぼす。もう何年もセックスどころか口で咥えたこともなかった生の男根。知らず知らずのうちに冷は手を伸ばしてしまう。

 

「冷さんっ!?」

 

「ごっ、ゴメンなさい……っ! 久しく見てなかったからつい❤️ こんな凄いの、見るのも初めてで……❤️」

 

 謝罪をする彼女だが、指はそのまま肉棒に添えられ指の長さで測ろうとしていた。緑谷は彼女の夫と比べて見劣りはしていないことを察し、ほんの少し安心した息を吐く。

 

「ぅっー……❤️ まずは、手からでいいかしら……?」

 

「は、はい。ご自由にどうぞ……!」

 

 冷は緑谷の言葉を聞き、一二もなく指で輪っかを作ると上下に擦り始める。その指使いは明らかに熟練者の手際であり、その技術によって緑谷はたちまち精液が込み上げてくるのを感じていた。彼女をよく見てみれば、その目はとても艶やかに潤んでいて、頰も赤くなっていることに緑谷は気付いた。

 

(冷さん、凄い色っぽくなっている! 僕との行為で興奮してきているんだ……!)

 

「ふーっ……❤️ ふーっ❤️ 久しぶりだから、痛みがあったら言ってね……っ❤️」

 

「えっと、そんなことは──うっ、お、ぁぁっ!!?」

 

 緑谷が心配ないことを伝えようとする前に彼の肉竿から甘い悲鳴のような快楽に塗り替えられてしまう。冷は亀頭を覆うように優しく包むと、片方の指で円を書いて擦ってみたり。指の腹で裏筋やカリをなぞるようにしてみたり、個性の影響かほどよい涼しさが緑谷の熱をオーバーヒートしないように管理していた。様々なテクニックが織り交ぜられた極上の手淫。緑谷の我慢汁は次から次に湧いてきて、それがローション代わりになって、さらに心地よさを高めてくれていた。緑谷は思わずと言った風に言葉を吐き出す。

 

「ふぐっ、うっ、あぁぁ! 冷さんの手、凄いです……! ひんやりとした指が裏筋に絡みつく度にゾワゾワってして、おぉっ……!!」

 

「あぁ、ふふ❤️❤️ 先日の夕食もそうだったけど。緑谷くんはたくさん反応してくれるから、こっちも嬉しくなるわね……❤️」

 

 冷の声は明らかにいつもと違った、蕩けた雌の色が見えるものになっていた。それ故か冷は更に手コキの質を高める。亀頭は完全に掌で覆われて、まるで自分の膣内を模倣するかのように、にちゃ、にちゅ、いやらしい音を立てたかと思うと、玉袋やカリ裏を的確な力加減でなぞる。手加減なき全力の手コキに、緑谷は遂に屈してしまう。

 

「冷さんっ、あ、あ、あぁ、く、くぅ!!?」

 

「ッ〜〜❤️」

 

 緑谷は冷の顔目掛け、勢いよく射精した。大量の白濁液は冷の髪、耳、頬に降り注いで、彼女の真白な肌を更に白濁で染めてゆく。冷は己の全身を包む緑谷の性臭に身を震わせていた。久しぶりの男の匂いに、彼女が酷く興奮しているのが見て取れた。夫でない男の精液を顔面で受けながらも彼女は口を開く。

 

「あぁ……❤️ こんなに出るなんて、凄いわね……❤️❤️ んっ❤️」

 

 冷の舌が僅かだが白濁に触れる。精液をすくった指を丹念に舐める冷の姿は、緑谷には酷く淫美に見えた。緑谷もまた彼女の淫猥さに興奮し、より肉棒は隆起し続けていた。だが緑谷には、自分の欲求を解放するより先にやりたいことがあった。自身を気持ちよくしてもらったお礼であった。

 

「冷さんの手コキ、すごく良かったです……! その、お礼というかなんと言うか。次は僕が冷さんを気持ち良くさせたいです。いいでしょうか……!?」

 

「え? ええ、構わないけど……」

 

 冷は不思議そうにそう言った。その反応に緑谷はもしかしたら、冷は男性から前戯を受けた経験が少ないのかもと思い至った。エンデヴァーの不器用な性格からも、彼は前戯を重要視する方ではないのだろうと。ならばと、緑谷は彼女を全力でイカせようと気合いを入れ直す。

 

「ありがとうございます。それじゃ失礼しますね……」

 

「ええ……んっ❤️」

 

 緑谷は冷に近付くと、その豊かな乳房を右手で優しく覆い、秘所に左手の指を這わせる。ピンと膨れたクリトリスと乳房を弄り始める緑谷。彼の童顔に不似合いの手慣れた手付きに、冷は少し驚いてしまう。

 

「う、くぅっ……ふぅ、んぅっ……❤️ ふ、ふ❤️」

 

 緑谷は冷を労わるようにクリを愛撫し続けていた。決して強くもなく弱くもない絶妙な力加減に、冷の口元にはだらしなくも涎が伝っていた。それ程までに今の冷は気持ちがよかったのだ。緑谷の手淫に冷の蜜壺からは次々と淫蜜が溢れ、太腿と緑谷の指をべとべとにした。

 

「あ、痛かったらごめんなさい! 僕も実際にしたのは一回程度で、後は動画を見ただけなので……」

 

「っ❤️ だ、大丈夫よ❤️ 優しい手つきだから、むしろ気持ちよくなっているわ……❤️ あっ❤️ んんぅ❤️」

 

「それはよかったです。もっと、続けるので、教えてください。どこが一番いいですか……?」

 

「ッ〜〜❤️ ひゃあ❤️ あっ❤️ あ、ふっ❤️❤️ そこ、良い❤️ 指っ、もっと続けてっ❤️」

 

「はい、ここですね!」

 

 無意識におねだりしてしまう冷。緑谷は冷の言葉を聞き、秘部から滴り垂れる液体を人差し指に馴染ませ、そのまま陰唇を広げるように中へと侵入させる。膣内に入ってきた異物に彼女は背筋を伸ばす。自身の肉壁に当たり擦れるようにして動き回る指。だが、まだ入口付近にしか入っておらず奥を抉られてはいない。その分物足りなく思う冷。だがそれでも十二分な快楽が全身を巡ってくる。

 

「やぁっ……❤️ あ、あ、あぁぁんっっ❤️」

 

 緑谷は彼女の感じる反応を見て、次いで二本目を挿入する。それに冷の身体は反射的に反応してしまうものの、痛みによる反応ではなく、快感に由来した反応であった。緑谷の指は冷の膣の中で暴れ回る。緑谷の指はおびただしい傷跡があった。夫とは違う大きさで、夫以上に堅く、厚く、そして激しい緑谷の指に彼女の心と身体は虜になりかけていた。自身も知らないような場所に触れる感覚、それによって開かされる未知への扉。冷は声を大にして快楽を享受する。そして、遂には──。

 

「あ、くるっ、あ、あ、ぁああっ! ❤️」

 

 冷が快感の頂点に立つ。緑谷はそれに合わせるようにして指の抽送速度を速める。膣内で乱れる異物。指先の凹凸は肉壁をゴリゴリと削り上げる。冷はその刺激に我慢が出来なくなり、盛大に達してしまう。まさしく潮吹きであった。噴水のように勢いよく吹き出し、秘部がヒクついているさまが、緑谷の目には映っていた。冷は暫くの間ビクッ、ビクっと軽く震えた後、脱力し、布団の上に倒れる。

 

「はー❤️ ふー、ん❤️ はふー、んっ❤️❤️ はぁ……❤️❤️」

 

「だ、大丈夫ですか冷さん!? やりすぎちゃいましたか!?」

 

 緑谷は慌てた。自身の欲の赴くままにクリ責めから膣内の責めに移ってみれば、あまりにも早い段階で冷は絶頂した。自分のやり方で痛くさせていたらどうしようかと不安になる緑谷。しかし、そんな心配は全くもって杞憂であるとばかりに冷が否定する。

 

「んぅ、ふぅー……大丈夫よ緑谷くん。凄く、気持ち良かった❤️ 緑谷くんの指使い、とっても優しいのに、とっても刺激的で……はしたない声を出しちゃったわ❤️」

 

 そう言って冷は息を吐く。彼女の声色には隠しようもない期待が混ざっていて、言葉と裏腹に早く次を求めるようで。彼女の火傷の残った肌にはほんのりと汗がにじんでいた。妖しげな色香に緑谷はゴクンと音を立てて、喉を鳴らすのであった。

 

「良かったぁ……冷さんが気持ちよくなれたのなら何よりですっ!」

 

「ッ〜〜❤️ 緑谷、くん」

 

「え!? うわっとぉ!!」

 

 冷はのそのそと起き上がると、緑谷を押し倒していた。彼女自身、無我夢中にそうしていたと言って過言ではなく、押し倒された側の緑谷もまた困惑するしかなかった。それ程までに唐突な出来事であった。だが、冷の心境としてはそうせざるを得なかった。緑谷から送られ続ける刺激、それが冷をここまで乱れさせていたのだろう。

 

「はしたない真似をしてごめんなさい。私、もう自分でもどうしようもなくて❤️ 助けてくださる……ヒーローさん❤️」

 

 冷は事前にエンデヴァーが用意していたコンドームを緑谷の巨木に装着する。事前に緑谷に聞いていたのかサイズはバッチリ合っていた。──もし合ってなかったとしても、今の冷は止まらなかっただろうが。冷は久しく味わうことのなかった本物の男根を自身の膣肉を使って咥え込んでいく。

 

「あっ、ああぁぁぁッッッ❤️❤️❤️」

 

 ゆっくりと挿入れていくのも我慢できず、冷はその豊満な尻肉から落ちるように勢い良く腰を下ろし、この上ない幸せに包まれた声を上げる。それ程までに今の冷に挿入されたモノは最高のものだったのだろう、自身で子供を産んだ経験と、エンデヴァーという巨漢を何度も迎えた膣肉を持つ彼女が、そう感じさせるほどに緑谷の巨木は最高の男性器であったのだ。

 

「あ──あ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ゛〜〜❤」 

 

「くっ、ぐぅ〜〜!!」

 

 冷は背筋をビクつかせるように仰け反らせて、甘い嬌声をあげてしまう。緑谷は込み上げてくる射精感を、すぐさま解放しそうになるが堪えようとする。彼女が絶頂するまで耐え切ると歯を食い縛る。

 

「ぁ❤️❤️ ごめん、なさいっ❤️ 緑谷くんっ❤️ もう我慢できないのっ❤️ 動くから、緑谷くんの上で動くけどぉ、許してぇ❤️ はぅ❤️ ふんぅ❤️ んくぅう❤️❤」

 

 彼女が腰を浮かし、打ち付けるようにして再び腰を下ろす。その衝撃で肉がぶつかる音と同時に粘液が掻き回された音が響き、彼女の中が大きくうねった。その快感の波は緑谷も例外なく襲い掛かろうとするものの、彼はグっと奥歯を噛んで何とかこらえる。たわわに実った胸が宙に揺れる。それに釣られる形で緑谷の視線が彼女の爆乳に向き、汗を纏う肌に興奮して、緑谷の肉木の膨張度数がより増した。

 

「ぁ❤️ ぁ、ぁ、ぁ〜〜❤️ 緑谷くんっ、緑谷くぅんっ❤️ まだっ……まだぁ❤️ イカないでっ❤️」

 

「は、い……! 冷さんがイクまで、絶対イキませんッ……!!」

 

 緑谷の脳神経から射精感が込み上がってくるのを必死で抑え、何とか肯定し返す。ヒーローとして助けを求められた彼は運命すら覆した男である。彼女を絶対に満足させる、そう強い決意を全身に漲らせ射精を堪えていた。

 

「っあ゛ぁ❤️❤️❤️ 嬉しいっ❤️ もっと、激しくするからっ❤️ 耐え、てぇぇッッ❤️❤️❤️❤」

 

 冷は全身に走る悦楽で身を震わせながらも、必死に腰を振り乱す。初めて童貞を失った時に感じた、暴力的な快感の嵐。それを感じ緑谷は今すぐ射精したくてしょうがなくなる。しかし緑谷はそれでも耐え続けた。ヒーローとして、助けを求められたからに他ならなかった。そうして、永遠とも思える時間は過ぎていった後──

 

「はー❤️❤️ っあ❤️❤️ もうダメ❤️ はっ、は、ぁぁッ、ダメッ❤ ぅうっ〜〜❤❤️ くるっ、きちゃうっ❤️❤️ 凄いのが、きて──みどりやくんっ❤️」

 

「っ、おぉぉぉっっ!!」

 

 冷の限界、即ち絶頂を察した緑谷は咆哮する。まるでオールマイトが発する一撃のように腰を突き上げた。冷は緑谷の腹筋の上で、背中から反るように身体を震わし、快楽の絶頂に上り詰めた。瞬間、冷の膣肉はこれ以上ないほど収縮し、男根を包み、離さんとする勢いで締め上げた。膣の全体が蠢動し、一切合切残さず飲み干してしまう程に熱く、力強く吸い付いたのだ。緑谷の亀頭は彼女の最も深い部分に押し当てながら、本日二度目の射精を行う。

 

「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ゛ッ゛ッ゛❤️❤️❤️」

 

 コンドームに精液は吐き出されるが、その量は凄まじい。冷の秘所の最も奥深いところへとその猛りの証はゴム越しに注ぎ込まれた。限界を超えた我慢の末の射精、緑谷は脳内に快感物質が満ちるのを実感する。頭蓋はドロドロになり、脳は溶けるような気持ちよさで満たされてゆく。この気持ち良さは、忘れられないと。

 

 数秒、或いは数十秒。衰えることを知らない巨木は最後まで子種汁を吐き続ける。射精を終えた緑谷は冷を優しく支えるように抱き締め、彼女は自然にそれを受け入れる。緑谷と冷。二人は絶頂を暫し楽しむ。彼等は暫くお互いを抱擁したまま動くことはなかった。

 

「冷さん。その……大丈夫ですか? 僕、力強く抱きしめちゃって、痛かったとかありませんか?」

 

「……ううん。大丈夫よ、緑谷くん❤️ ありがとう。私のお願いを聞き入れてくれて。凄くかっこよかったわ、私のヒーローさん❤️」

 

「ッ〜〜!! どういたしまして!! 僕で良かったらいつでも力になります! はい!」

 

 抱き合いながら緑谷に感謝を伝える冷。緑谷は至近距離で見る冷の純朴な微笑みに心拍数が一層と上昇し、顔は真っ赤になる。冷も冷で自身が言い放った私の、という言葉にはっとなっていた。だがそれを直ぐには訂正できないくらいに、彼女の心には今の情事に対して充足感があったのだろう。撤回はしなかった。

 

 そしてこんな時だからか、冷の中で緑谷の巨木は反応を示す。恥ずかしさから緑谷は顔を反らし、驚きから彼女は自然と緑谷に問い質していた。

 

「っ❤️……もしかしてまだイけるの? あんなにたくさん出したのに、若い子って凄いわね……緑谷くんが特別なのかしら?」

 

「えっと……その……」

 

 緑谷にとって、この後に及んでまだしたいのかと言外に伝わってしまい、流石の彼も申し訳なくなってしまう。しかしそれは誤解だったようで、冷はむしろ笑みを深めていた。その妖艶な振る舞いは、まだ辞めたくないと言っている風に緑谷には見えてしまい、思わず緑谷は彼女の手を取った。触れば溶けてしまいそうな、しかして花のように美しい手を。

 

「冷、さん。続き、いいですか……?」

 

「ふふ❤️ いいわよ……緑谷くんの溜まっているもの、全部私の中で出して……❤️」

 

 そして今一度彼女は緑谷の雄を体現する肉棒にコンドームを付けようとする。しかも、今度は手ではなく口にコンドームを咥えていた。冷はコンドームを咥えながら緑谷のモノへ近付くと、亀頭にコンドームを被せるようにしながら咥え込み、口全体を使ってゴムを装着させる。夫に捧げた唇をゴム越しとはいえ別の男の男性器を咥え、その上、興奮から舌でなぞり始めてしまった。口内から響く唾液と肉塊を舐る淫猥な音。口から発せられる熱気と湿り。それによって緑谷のモノはますます張り詰める。だが冷はすぐに口を離してしまった。

 

 コンドームはしっかり嵌まっていた。が、緑谷はご褒美をお預けされたような切なさを感じさせる顔を浮かべてしまい。そんな健気な顔を見て、冷はくすりと笑みを浮かべながら横になる。

 

「口はまた今度にしましょう❤️ それとも、使い古したこっちは嫌……?」

 

「い、いえ! むしろ……す、すぐに入れたいくらいです!!」

 

「ッ……ふふっ❤️ 分かったわ❤️ オバさんのここ、好きなように味わって❤️」

 

 緑谷が横になっている冷を見ていると、彼女はゆっくり自身の秘部がよく見えるよう広げてみせていた。二人はもはや興奮を抑えることができなくなっていた。そして、どちらが言うでもなく緑谷が覆い被さり、その剛直な肉棒をゆっくりと挿れ始めるのであった。

 

「んあ、んっ❤️ うぅっ、は❤️ んぁあぁ、あ〜〜〜っっっっ……❤️❤️❤️」

 

 再びの挿入。コンドームをしているにも関わらず緑谷の巨大なペニスを感じ取り、思わず嬌声をあげてしまう冷。その声を聞いたことで、緑谷もまた彼女を喜ばせるためにより一層強く挿入してしまっていた。彼女が嬌声をあげ、背筋を震わせている間、緑谷の腰も彼女と同じように震えた。

 

「く、う、うぅ……ッ」

 

 彼女の膣の中はとても温かく、ヌメヌメとした感触で包まれていた。挿入すると彼女の子宮は吸いつくように締め付け、膣内にある無数のヒダは優しく包み込む。久方ぶりに己を絶頂させた業物に対するお礼をするかのように。柔らかくも力強さのある締めつけと、膣の温かさからくる心地よい圧迫感が、緑谷の理性を吹き飛ばしかけていた。

 

「動きますっ、冷さん!!」

 

「いい、わっ❤️ 緑谷くんのぅ、好きにしてっ❤️」

 

 二回戦目を迎えたが、冷はまるで最初の時のように締りが変わらない。まるで若々しい女性の時のまま時間が止まったかのようで。緑谷は個性の影響かと考えるのも束の間、相手が動くのではなく自分で動く快感を久しぶりに感じる。

 

 緑谷が腰を振ってピストンすればするほど、冷は喜悦の声が溢れ出る。緑谷の巨木が冷の秘部に入り込むだけで、冷の全神経は甘美に蝕まれていき、意識が彼方へと消し飛んでしまうのではと思う程だった。互いにほぼ0距離でのピストン運動、緑谷は無意識に冷の唇に自身の唇を近付ける。だが、冷また無意識か首を少しだけ横にズラした。緑谷は察する。

 

(そっか、そうだよ。キスはダメだよな。なのに浮かれてキスしようとするなんて……!)

 

 一人納得した緑谷は顔を冷からやや遠ざける。あくまでこれは冷の性欲解消のための活動、ヒーロー活動なのだと。そこに私欲はご法度だと緑谷は気を引き締める。

 

「冷さん、もっと続けて大丈夫でしょうか?」

 

「んぅっ❤ ふ、ぁぁ❤ だい、丈夫よ❤ んンっ❤」

 

 緑谷の問いに答える冷だが、言葉の途中で甘い吐息が漏れる。彼女の膣はすでに何度目か分からない絶頂の波に達し、潮吹きをしていた。そのせいかベッドシーツはドロドロである。だが緑谷の肉棒はそれでもなお衰えない。冷はそれにただただ翻弄されるのみであった。

 

 その日、冷と緑谷の性交は夕方から翌日の明け方まで続いた。一睡も許さず、ひたすらに行われた性の饗宴。途中、休憩を挟んだものの、冷と緑谷の間に流れる性への情動は治まることを知らず、結局緑谷は冷とのセックスを朝まで続けるのであった。

 

 そんな緑谷と冷の性交部屋、その隣室にて。聞き耳を立てていた男がいた。

 

「っ……冷……!!」

 

 エンデヴァーこと、轟炎司。冷の夫である彼は念のためと、隣室からずっと物音を聞いていたのだ。彼は優れた洞察力から音だけで現場の様子を想像することが出来た。冷が心の底から緑谷出久との性交を楽しんでいるのを。

 

「冷……お前は。そんな声を、出せたんだな……」

 

 夫ではない別の男に喘ぐ妻。自分との性交ではついぞ聞いたことのない嬌声。炎司の中に嫉妬や悲嘆が渦巻いてくるのを自覚するが、それを上回る何かがあることも理解し始めた。

 

(思えば俺は冷との性行為もいいかげんだった。子供を作るためだけと割り切って、冷の前戯にろくな反応を返していなかった)

 

 エンデヴァーは思い出していた。今までの冷との性交を。彼女は確かに自身の前で喘いだこともあっただろう。だがそれは単なる演技だったのかもしれない。エンデヴァーはそう思ってしまっていた。料理も、

 前戯も、自分はしっかりとした感謝を伝えていなかった。

 

(俺からの前戯も、初めてした時からすぐになくなった。淡白で、傲慢な性行為。冷には、辛かっただろうな……)

 

 悔やんでも悔やみきれない過去をいくつも持つエンデヴァー。過去をに行けるなら自分を殺したいと思うほどの男は、戻れない過去ではなくこれからどうするべきかを考える。

 

(冷は、また緑谷としたいのだろうか? 俺自身、冷に何もしてやれないのか……?)

 

 寝取らせを続けるか、エンデヴァーは思案する。己が冷を満足させると寝取らせを断ち切るのか、それとも緑谷に任せてしまうのか。エンデヴァーは二人が起きるまで悩み抜いた末に答えを搾り出す。その答えは、彼のズボンを盛り上げる突起が強く示していた。

 

 ──────

 ────

 ──

 

(凄く濃い性臭……私、こんなになるまで緑谷くんとしていたなんて……なんだか夢みたい)

 

 冷は昨夜から今朝まで続いていた性交がまるで夢みたいだと感じていた。現在の時刻は夕方近く、まさかここまで激しくなるとは思っていなかったエンデヴァーは昨晩外泊していた焦凍と冬美に、あれやこれやと理由を作りなんとか帰りを遅くしよう手を回した。

 

 次にやり過ぎたと平謝りしていた緑谷を風呂に入れて最低限の汚れを落とし匂いを落とすと、エンデヴァーのお抱えハイヤーで急いで家に送らせる。そして現在、冷は湯船に浸かってこびり付いた性臭を落とそうとしていた。

 

(緑谷くんには悪いことをしたわね……用済みだからって、すぐに帰らせる形になったんだもの……)

 

 冷がそう思うのは彼女が緑谷に甘えてしまったためだった。彼女の言葉から欲求不満を察した緑谷は彼女を何度も求め、それを拒むこともなく応じた冷は時間を忘れるように彼と身体を重ねてしまった。

 

(私がもっとしっかりしてたら……でも、緑谷くんとしたらああなるのも当然って言うか❤️ ぅっ〜〜❤️)

 

 思い出しても子宮はキュウキュウと鳴き、秘部は蜜が垂れトロトロになる。冷は夫や子供に対して申し訳ないと思いつつも、罪悪感が薄れていることを悟ってしまう。緑谷のことを想うと、他のことを気にしていられない程の幸福感に包まれてしまっていたのだ。

 

「緑谷、くん……❤️」

 

 息子である焦凍や夏雄とも違う、可愛いらしくもどこか頼もしさを感じさせる顔。鍛え上げられた小さな体に付いた古傷。自分を一番に案じてくれた力強い瞳──緑谷のことを考えていると、どうしようもなく身体は火照る。夫と息子娘がいる身でありながらも、この冷えた心を熱くする熱に抗えなくなってしまう。

 

 夫の性交では味わえない熱。エンデヴァーの望む子を産むために幾度とした性交が、たった一度の性交で全て上書きされてしまった。それほどに緑谷出久との交わりは強烈な快楽を齎し、その感覚はいまだ消えることはなく冷の中を焦がし続けていた。緑谷を思い描く度に、昨日のセックスでの記憶が頭の中で何度も反復し、膣の奥深くまで肉棒を挿れられた感触を思い出してしまい、太く硬いアレを思い起こすよう手指を入れるが、緑谷のモノにはまるで敵わなかった。そして空想はもし、ゴムをしてなかったらと考える程まで進む。

 

(もし、避妊具がなかったら……緑谷くんと私の赤ちゃん……❤️)

 

 緑谷の子種汁を最奥でぶちまけられる事を想像して、冷は甘イキしてしまう。そんな背徳的過ぎる考えをした冷はブクブクと泡になりかける程に湯に顔を浸けてしまう。そんな時、風呂場の扉を軽くノックする音が聞こえた。

 

「冷。俺だ。焦凍達が帰ってくる前に少しいいか?」

 

「あなた……どうかしたの?」

 

「……満足、できたか?」

 

 風呂に入っていたところで突然話しかけられた冷。驚きつつも冷静さを失わなかったのは、夫ならいつかは聞きにくるだろうと理解していたからだった。夫は自分に満足したか問いかけている。

 

(どう答えれば……嘘をつく? それとも本当のことを話す? そうしたらあなたはどうするの……?)

 

 また緑谷との寝取らせをする約束を取り付けてくれるのだろうか。或いは妻として相応しくないと、家を追い出されるのだろうか。思い悩んだが、あの病室で語ったことを想起する。

 

(私のすべきことは決まっている──あなたを立たせること)

 

 エンデヴァーは家族に負い目を抱いている。故に自分達がまた彼の顔色をうかがって自分を押し殺すようなことがあれば、彼は気を病むだろう。冷はそこまで考えた末に、口を開いた。

 

「──ええ、とっても満足できたわ❤️ 自慰なんて比べるまでもなく、貴方とおこなった何十回の性交より、緑谷くんとのたった一回の性交が一番気持ち良かったわ……❤️」

 

 風呂場の扉の向こうから、冷は熱気を感じ取る。この家は家主の都合上耐火性に優れているが、それでも感じるほどの熱を冷は感じた。また、冷は肌に触れる熱の感じ方からエンデヴァーの機嫌を読むことを会得していた。彼は今──。

 

(興奮してる……あぁ、あなたはそういう人だったのね)

 

 冷は薄々と思っていたことが確信に変わる。エンデヴァーは俗に言う寝取らせ好きなことに。冷はその寝取らせという言葉を知らなかったが、本来ならば浮気と呼べるはずの行為をエンデヴァーが許すというのは、ただならぬ性癖の持ち主なのだと冷は思い至り、それが正解だと知る。一分ほど、沈黙をしていたエンデヴァーだが、ようやく口を開く。

 

「そうか……そうか」

 

「うん。ねえ、あなたはどうだった? あなたの口から知りたいわ」

 

「む……!! お、俺は……冷が、満足して良かったと、思っている……」

 

「そうじゃないわ。貴方が私と緑谷くんのセックスを見てどう思ったのかを知りたいわ」

 

 冷は更に夫の興奮を引き出そうと、質問を重ねた。それを聞かれ、一瞬息を詰まらす夫。そしてたっぷりと時間をかけてようやく話し出す。

 

「俺は……おかしいのだろう。お前と緑谷の行為を見て……酷く、興奮していた。恥ずべき痴態だ」

 

(──やっぱり)

 

 その事実に冷は確信した。エンデヴァーは寝取られ性癖の持ち主であり、彼女が緑谷と交わっていることに性的興奮を覚えるタイプだと。彼が自覚しているか定かではないが少なくとも緑谷への寝取らせについては、彼自身も満足した様子であることを冷は見抜いた。ならば次に言うべき言葉は決まった。冷はエンデヴァーに問いかける。

 

「あなた、私がまた緑谷くんとセックスしたいって言ったら、どうする……?」

 

 冷は自身がとんだ淫乱だと思われていないか不安になったが、その問いはエンデヴァーには好機と映っていたようで。熱波と共に冷は扉越しに彼の感情を感じ取る。エンデヴァーは今、間違いなく興奮している。自身の妻である女性を、他の若い雄のモノにさせていくということに、歪んだ欲情を抱いてる。エンデヴァーのそんな本音と本質が隠し切れてないことに、冷は彼に同情していたが。

 

(本当にいいのよね……? 私、緑谷くんとまたしちゃうけど、本当に、本当にあなた、いいのね……? あぁッ❤️ ふぅ〜〜❤️)

 

 しかし、一番の不安要素だったものがなくなった冷の中では、再び彼との行為を行うことで胸がいっぱいになっていた。当初は緑谷に穏便に寝取らせを辞めさせようとしていたというのに、今の冷は更なる寝取らせを望んでいた。

 

「……それがお前の望みなら、俺は全力で叶えよう。緑谷にはまた後日、連絡を入れる」

 

「ン……❤️」

 

 冷の返事を聞くとエンデヴァーは去っていった。杖をつきながらだが、その足取りは不思議と軽やかに冷には聞こえた。

 

(これもあの人のため……いいえ、それは方便ね。また緑谷くんと一つになりたい、それが浅ましい私の本音ね)

 

 自身の性欲に嘘をついても仕方がなかった。冷はこれからの展開に胸を踊らしていた。緑谷にはいつ会えるのだろうか、次に会う時までにしておきたいことはなにか、したいプレイ、それ等の考えが彼女の中を駆け巡りながら、湯船に浸かるのであった。

 

 ──────

 ────

 ──

 

 雄英高校2-Aの教室。授業が終わりそれぞれが帰り支度をする最中、緑谷出久は神速の速さで帰り支度を終わらせ、声をかけてこようとする飯田とお茶子を振り切りった。

 

「みんなまた来週ー!」

 

「緑谷くん! 廊下は走っては──なんという競歩! 俺でも追いつけない……!」

 

「ああ、また逃げられた。デクくん最近、何しているんやろ……?」

 

 もはや恒例となった緑谷出久の付き合いの悪さ。ここ最近は誰が遊びを誘っても緑谷は断っていた。彼と親しい麗日お茶子や委員長こと飯田天哉は彼の身を案じていた。もちろんそれはクラスメイト全員がそうであった。緑谷の遠くなる背を見送る中、轟焦凍は彼の幼馴染である爆豪勝己に話しかける。

 

「なあ。緑谷が放課後何してるか知ってるか?」

 

「知らねぇーよっ! つーか、なンで他の奴等も俺に聞くんだよォ! チッ、先生もオールマイトも知らねェってよ」

 

「そうか。もう二人に聞いていたんだな……機嫌悪いのか?」

 

「あァァン? けっ……そォーだよ。最近はババァがなんか機嫌悪ぃし、帰りに買い出ししてこいとか面倒くせしよォ……てめェの方はどうなんだ? エンデヴァーや母親と上手くいってるのか?」

 

「……どうだろう。少なくとも、母さんの機嫌は良いな」

 

 ひょんなことから帰り道で、互いの親の話になる爆豪と焦凍。爆豪も昨年のインターンや体育祭で轟家の事情は聞いており、彼なりに案じたのだろう。そして分かったのは爆豪家は母親の機嫌が何故か悪いらしく、逆に轟家は機嫌が良いことだ。だが焦凍の反応から、単純に良いことばかりじゃないのを爆豪は察する。

 

「はっ、悪くねぇなら良いじゃねぇーか。何が不満なんだ?」

 

「あぁ……母さん、ここ最近よく出掛けてるらしい。姉さんが見たって。それに、休日は外泊することも。なんか、違和感があってさ」

 

「エンデヴァーは気にしてンのか?」

 

「ああ。母さんが泊まる時や出掛ける時はちゃんと行き先を聞いてるって」

 

「……なら気にするこたぁねェだろ。ガキじゃあるまいし、一人でいたい時もあるだろ」

 

 爆豪の言葉に焦凍はそうかもなと、一応は納得するような反応を見せる。だが二人とも母親に対する違和感を今だ感じていた。爆豪はある時を堺に機嫌が良くなったと思ったら、最近は反転して機嫌が悪くなり、何度もスマホを確認する母親に。焦凍は積極的じゃなかった母親が、急に出掛けたり外泊するようになったことに。そして二人は薄々と気付いていた、その原因がもしかしたら彼(・)に関係しているのかもしれないと。

 

 だが二人は言葉にはしなかった。もし言葉にしてしまえば、それが現実になってしまいそうで恐れたからだ。緑谷出久、幼馴染が、初めての友が、母親の急変に関わっているとは考えたくなかったのだ。

 

 ──────

 ────

 ──

 

 緑谷は走る。理由は決まっている、彼女に会うためだ。緑谷は人目、特にヒーロー科の関係者等の目につかない場所につくと、電話である人を呼び出した。ものの数分もしないうちに、一台の車が緑谷の前で停車する。

 

「ケェー!! ったく、またお前のタクシーか! エンデヴァーは何を考えてるんだぁっ!?」

 

「すみません、車田さん! 今日もよろしくお願いします」

 

 車に乗り込んだ緑谷は白いヒゲのオヤジドライバーの怒号にも動じず、挨拶を返した。彼──車田運天丸はエンデヴァーの専属ハイヤーで、現役時のエンデヴァーを乗せて、北や南に車を走らせたベテランの運転手である。だがエンデヴァーがヒーロー活動を中断した今、彼が乗せるのは主に二人の男女であった。一人は今しがた乗っている緑谷出久。そしてもう一人が──。

 

「ついたぞ。帰りは歩けっ!!」

 

「ありがとうございます。帰りは僕じゃなくて、彼女が連絡すると思うので元よりそのつもりです!」

 

「はン! ……ったく、エンデヴァーはなぁにを考えとるんだか」

 

 車田に緑谷は深々とお辞儀をした後、目の前の建つ家に足を運ぶ。家の周りには木々が生い茂っており、山奥の別荘というのが近い表現だと緑谷は思う。周囲は静かなものでここだけが、下界と切り離された土地と錯覚するほどである。そして緑谷を迎えたのは、まさしく天上に住まう天女もかくやな美姫であった。

 

「おかえりなさい、緑谷くん……うふふ、何だか本当に新婚さんみたい」

 

「ただいま帰りました、冷さん! ……確かに新婚さんっぽい感じですね」

 

 緑谷を出迎える冷は嬉しげに微笑みかけた。それを見た緑谷は顔を紅潮させつつも冷に返事をする。初めて寝取らせをしてから数ヶ月。エンデヴァーは自身と冷の理想のため、まずは安全に寝取らせを行える場所を作ることにした。ヒーロー時代に築き上げた莫大な財力に物を言わせ、人目につかない場所になんと家を建てしまったのだから、緑谷は飛び上がって驚いてしまった。

 

(このためだけに家一軒作っちゃうとか……エンデヴァー、やっぱり凄いなぁ! 。家の全部がとてつもなく綺麗だし、家具は何から何まで全部揃ってて、ここに住みたいくらいだ……監視カメラ付きだけど)

 

 緑谷は天井を見る。エンデヴァーから聞いたところによると、この家にはありとあらゆるところに隠しカメラが設置されているそうで。エンデヴァーはリアルタイムでどこでも監視できるようにしたというのだ。全ては、寝取らせの様子を見るためだけに。

 

 緑谷がそうこう考えている間に、二人は風呂場に到着する。もはや緑谷と冷がヤる前の恒例となっていた洗いっこを二人は始めようとしていたのだ。今では冷から頼まれて緑谷が行う程、習慣化されつつある行いだった。緑谷は後ろから冷の双丘を触り、ボディソープで包まれた双球は彼の手を離れるように滑っていく。むにゅっと手に伝わってくる柔肌の感触に、緑谷はいつになっても慣れることはなかった。指と指で掴もうとした双房は、彼の手を離れてしまう。まるで雲か霞でも掴もうとしているような手触りだった。

 

「あっ、あ❤️ あぅ❤️ 緑谷、くん……!」

 

「ッ〜〜! 冷さんの胸、大きくて、掴んだら、スルッて離れてって……! ずっと触ってたいな……!」

 

 ボディソープを付けたことでぬるぬる滑り、泡によって白く覆われていた冷の裸体。しかし、その双丘だけは何度も揉んだことによりボディソープも流れてしまっており、その大きな果実が丸見えだ。彼女の胸は年齢に反して、まだまだ張っており垂れなど全く感じさせない若々しい巨峰であった。そんなおっぱいに手を這わしながら、緑谷は夢中で冷を愛撫する。

 

「うふ❤ 私も……ずっと、触って欲しいわ、緑谷くっ、ひゃんッ❤」

 

「っ!? あ、あの……冷さん。こっちも洗ってもいいですか……!?」

 

 緑谷は胸を揉んでいた片手を冷の秘所に移動し、その濡れた秘所へと近づけていく。そこを指先が少し触れただけだった。しかし、緑谷に秘部に手を添えられてしまえば、冷は何も言わずとも感じていたのだ。

 

「ええ、もちろん。そこは念入りに綺麗にしないとダメだものね……❤」

 

「では……!」

 

 秘部から溢れ出す愛液によって、秘裂はすでに十分潤滑しているのを感じた。それだけでもう冷は濡れていることを理解した緑谷は指で彼女の中を掻き分けて、その指先を中に入れてしまう。そしてすぐに彼が探していたものが、指先から伝わった。

 

「ここ、Gスポットですよね。冷さんの弱点、覚えてますから……!」

 

「んくひゃっ!? ❤ そ、こは、あっ❤❤ ひゃ❤ ぁぁ、い、イイぃっ❤」

 

「冷さんは、奥が苦手ですよね……かわいいです」

 

「ぁ❤ ぅあっ❤❤ ひっ❤❤❤ ぃ〜〜ッッ❤❤❤ はぁッ〜、あ、ダメよ緑谷く、んんぅ〜❤」

 

 緑谷は冷にそう聞きながらも、冷の膣壁の一点に当てた中指をゆっくりと動かし始める。冷は泡立った全身で緑谷に抱きつく。彼女がこうして身体を寄せると、その柔肌が緑谷に直に伝わった。豊かな胸に、女性特有のふくよかな腹部、ヒップ、太もも。全てが緑谷の腕の中に納まっていく。

 

「はー❤ ぁ❤️ 緑谷、くん……もっとぉ……❤」

 

「───ッ、はい!」

 

 冷の懇願するような声を聞けば緑谷はより激しく攻めたてていく。彼が奥へと手を伸ばしていくと、その中指に何か硬くなったモノがあった。それこそ緑谷が狙い求めた冷の弱点、膣内の一点だった。その場所に触れれば彼女の中で愛液が湧き上がるように感じて。

 

「んひゃっ❤ みど、りやく、ひゃ❤❤ イっちゃっ、あああん❤❤❤」

 

「ッくぅ❤ 冷さんの中っ❤ また締めて──!」

 

 冷の膣壁の弱点。緑谷の指先はそこに吸いつかれ、決して離れないと言わんばかりに締め付けられる。そして冷が達したのを確認すれば、緑谷も指を引き抜き、風呂場で一呼吸置くのであった。こうして洗いっこを終えた二人は湯に浸かり一時の穏やかな時間を楽しむ。

 

「緑谷くん、何かべたいのもののリクエストはあるかしら? 食材は色々と買ってあるけど」

 

「うーん。そうですね。やっぱり最近暑いですし、冷たいものですかね。冷やし中華とか、冷しゃぶとか。冷さんの作ったものならなんでも嬉しいですけど!」

 

「ふふ、分かったわ。明日を楽しみにしててね」

 

 そんな新婚夫婦のような会話を楽しみ、二人は風呂場から上がるとベッドルームに移動する。ここは正真正銘、緑谷出久と轟冷だけの寝室であった。

 

「冷さんっ、冷さんっ!!」

 

「あぁ、凄、いィッ❤❤❤ 緑谷くん、のぉお❤❤ また、おちんちんが膨らんでぇっ、ひゃぁあ❤️」

 

 ベッドでの性交は既に数時間経過していた。二人がいるベッドには、彼等の性交の証たる多量の精液が詰まったゴム風船が点在する。緑谷の両腕が冷の体に回され、しがみつくようにして交わっていた。緑谷が腰を動かし、膣道を擦っては最奥に届くと冷は甲高い喘ぎ声が出た。自分専用と化した冷の蜜壺に、緑谷は肉欲を滾らせる。

 

 対面座位でのセックス。互いが向き合う格好になり、そのまま性器同士を絡める。真正面から互いの顔を合わせているためか、緑谷は冷の顔をじっくり観察することができた。整えられた美しい顔立ち。女性の美の象徴が集まっているのではないかとすら思える綺麗さだった。妖しい雰囲気は男を惑わす雪女のそれか。そんな幽美な美女を抱いている事実に緑谷はますます自身の肉棒を硬くしてしまう。

 

「ん、くぅ、ふぅー……!!」

 

「緑谷くんっ❤️ ふっ❤️ はぁぁっ❤️ ンンッ〜〜❤️ あぁぁッ❤️」

 

 冷もまた興奮が高まりに高まっているのか、その乱れっぷりはいつも以上だと緑谷は感じた。そして、不意に冷は自らの顔を緑谷に近付ける。

 

(冷さん!? これ以上近付いたら、キスしちゃ──)

 

 近付く冷の顔を見て、緑谷は以前のことから顔を逸らそうと思った。だが、それは許さずに冷の両手が彼の頬を包んで動かせない。次第にその唇と唇の距離もゼロになり、そして二人の間にあった隙間がなくなる。

 

(──あっ、あぁぁ……! これが、キス……!)

 

 緑谷は驚きと共に冷の唇の感触を受け入れ、自らもまた自分のを押しあてた。触れた瞬間に感じられるその感触は何よりも心地よく、まるで夢心地になるような心地だった。彼女とキスを交わしたことに緑谷の思考回路はショートを引き起こす。だがそれは一時だけだ。彼女の舌先が彼の閉じた口元をつついて、入り口を抉じ開けた。

 

(冷さんの、舌が入ってきた……!!)

 

 舌同士が口の中で絡まり合い、互いにその唾液と共に舐りあっていく。緑谷は自然と舌先が動き冷の小さな舌を追っていくが、冷の方もまた緑谷を捕捉してしまう。そうして絡みつく二人のそれに、もうどちらのものか分からないほどに混じる。それでも互いの舌の動きを感じ、また求めるように二人は口を合わせていた。

 

「ぁはっ、んふぅ❤️❤」

 

 ディープキスをしている間も腰を動かし、彼女の子宮に届こうとしていた。すると、その瞬間冷の子宮口が降りてきているのに気付く。彼女もまた、この快楽に溺れようとしていたのだ。長く、長く続いたキスを離したのは緑谷の方だった。

 

「はふぅ……これが大人のキス。僕、家族以外と初めてキスしちゃいました」

 

「そう、だったのね……! 私が、緑谷くんのディープキス、初めての相手なのね……❤️」

 

 冷は緑谷の大人のキス初体験を奪った。そのことを実感してしまえばもう、冷の中にある理性などあっという間にかき消えてしまったようで、彼女は更に緑谷への抱擁を強める。

 

「ごめんなさい、緑谷くん……❤ 私、貴方をもっと好きになっちゃった……大好きよ、緑谷くんっ❤❤❤」

 

「僕だって、冷さんのこと……もっと好きになってしまいましたよ……!」

 

 再び二つの唇が重ねられれば、もう何もかもが止まることがなくなる。口内に侵入する緑谷の舌を迎えて、互いに激しく求め合う。そして、下半身の方もまた激しい動きになり、互いに絶頂へと向かっていた。

 

「ふーッ❤ んくぅうう〜ッ、緑谷くんのおちんちん❤️ ぁ、んひぃィいい〜〜❤️ 私の中っ❤️❤️ いっぱいなのぉお❤❤❤」

 

 冷は緑谷のモノで自身の中が埋め尽くされていくのを感じながら、貪欲なまでに彼を欲してその両足で腰をガッチリと捕まえて逃がすことすら許さない。対する緑谷もまた、彼女の中から出て行きたくなかった。それほどまでに心地の良すぎる肉壷、これがゴム越しでなければどれほどの快感かと何度も思う緑谷。

 

「ふぅ、ふぅ、っ……! 冷さん、また中で射精ますよ!」

 

「いいわ、緑谷くん……っ! 全部、中に出してぇッ! お口でキスをしてるみたいにぃ、私の、おまんこの奥までぇ……ッ❤❤」

 

 膨張し切ったそれは冷の膣内を埋め尽くしていた。そして子宮内に注ぎこまんとする白い欲望に身を任せながら、冷も自らの中に広がる熱さを感じていた。

 

「っぐぅ!? で、射精る──!」

 

「ひゃ、あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜❤❤️❤️ でてっ、るぅう❤❤ 緑谷くんの、種があつぅ、い……❤❤️」

 

 洪水のように溢れる白濁の飛沫。その全ては冷の奥底を目指すも、ゴムによって阻まれる。それでも、ゴムを破るのではないかと不安になるくらいの勢いがあった。長く吐精した精は全てゴムを介して冷の中に注ぎ続けた。その後も暫くして、ようやく治まって来たところで緑谷は自身を引き抜く。ゴムを見れば、それは大きく膨れ上がり今にも張り裂ける寸前じゃないかと思うほどだった。ゴムの口を縛って、ベッドの脇に置く。そこには何十もの使用済みゴムが積まれていた。

 

(我ながら凄い量。あれが全部、冷さんの中で出てたら……って、何を考えてるんだ僕は!?)

 

 緑谷は頭を振って思考を切り替える。そんな禁忌の妄想をしたせいか、再び隆起した肉棒を目にして、ゴムを着けようと箱を見ると、緑谷は落胆した声を漏らしてしまう。

 

「冷さん。ゴム、なくなちゃったみたいです。……今日は、これで終わりですかね」

 

「そう、ね。そうするしかないわよね……」

 

「あ、その……」

 

 二人して不満そうな声を上げてしまう。ゴムを買ってこうかと緑谷は考えるが、そこまでしてガッつくのは冷に嫌われないかと不安になる。だが高まり高まった欲求の火種はどうやら冷めてはおらず、潤んだ瞳で冷は緑谷の臨戦態勢の巨木を見つめいた。そして、彼女は呟いた。

 

「緑谷くんの、まだいっぱい元気ね。このまま、続けちゃう……?」

 

「そ、それは……だ、ダメですよ!! もし、あ、赤ちゃんができたら! エンデヴァーや轟くんに合わせる顔が……!」

 

「あの人が。エンデヴァーが、それを望んでいるとしたら?」

 

 冷の言葉に緑谷は喉を鳴らしてしまう。これまでのことからもエンデヴァーが寝取らせにハマっているのは察せられた。だが、間男との間に子供を作るまでかは判別できていなかった。押し黙る緑谷の前で冷は虚空に向かって話しかける。

 

「見ているのでしょう、あなた。音声も聞いているわよね? 私、これから緑谷くんとゴムなしで子作りするけど、いいわよね……?」

 

 隠しカメラに対し、冷はそう問いかけるのであった。返答はない。もしかしたらと緑谷は見ていない可能性を考え、彼のメッセージアプリに冷が言った確認の内容を送信する。瞬間、メッセージには既読こそついたものの返事はなかった。冷はそれを見て、妖しい笑みをこぼす。

 

「ダメって言わないところを見ると、あの人、緑谷くんと私のセックスを最後まで見たいと思っているみたいね……❤️」

 

「本気ですか!? 子作りなんて……あ! あくまでそういうプレイ──」

 

 寝取らせを盛り上げるための演技かと緑谷は思おうとする。しかし冷の眼差しは真っ直ぐと緑谷に向けられていて、そこには揺ぎない意志を感じてしまった。ゴクリと生唾を呑む。

 

「……本当にいいんですね?」

 

「緑谷くんこそ、いいの? これは焦凍や貴方に好意を抱いている女の子、皆を裏切る不義の行為よ?」

 

「──はい。分かってます。けど初めて見た時から、僕は冷さんに夢中になってしまいました。冷さんと子作りできるなら、本望です!」

 

 緑谷はそう言い切ると、冷を抱き寄せまるで誓いの口付けをするかのように、冷の唇に自らのを重ねながらある決意をする。もし、あり得ない話しではあるが、冷を見捨てたら自分が絶対に冷を幸せにすると。そう固く誓ったのだ。

 

 緑谷は自らの両手を冷の背中へ回す。密着すればするほど、互いの体温と鼓動が直に伝わっていくようであった。互いの愛情が交わる、プラトニックなキスと抱擁。長い誓いの末、冷は横になると、両手を広げて緑谷を迎えようとする。

 

「きて❤️ 緑谷──ううん。出久くん❤️」

 

「あ、あぁぁ……冷さんッ!!」

 

 冷が名を呼ぶだけで緑谷はその肉茎の血管を浮き立たせる。緑谷は己の女となった彼女を前に、自身もまた滾りのまま覆いかぶさり、彼女に挿入する。緑谷の大木が、既に洪水している蜜壺の中へと進んでいく。

 

(すごいっ、熱っ! いつもとはまるで違う……生だと、こんなに気持ちいいのかっ!!)

 

 緑谷は熱くとろけた肉壺の中を感じていた。ゴムを付けている時とは全く違う感覚、これが生セックスかと。まるで別世界のように緑谷には思えた。それほど強い怒涛の快感に緑谷は歯を食い縛って耐える。蕩けた顔をした冷は緑谷を見る瞳を細めつつ、彼と一つになった快感を叫ぶ。

 

「お゛っ゛❤️ ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛ー❤️❤️」

 

 己の冷えた体を内側から発熱させるような、緑谷の巨木の滾り。かつて感じた夫の熱をゆうに超える怒張の熱に冷は鳴く。それまでにないくらい、彼女の体と声が跳ねる。緑谷が少しでも腰を動かせば、彼女の下半身はそれを受け入れようとする。

 

「あああっ!! ダメぇぇ❤ これっ、んんんっっ❤️❤️」

 

「はぁ、はぁっ、あぁ、はっ、はぁ、れっ冷さんっ!!!」

 

 緑谷は息が荒く、呼吸もままならない。ゴムのない交わりに彼は興奮していた。冷もまた同様であろう、膣肉はもう二度と離さぬようにと、肉壺の形が緑谷専用のものになってしまう程に膣内のヒダヒダが絡みついていた。腰が激しく前後に揺れる度、肌と肌の触れる音や水音が鳴り続けた。そして冷の子宮口と肉棒の鈴口が口づけを始めた頃には、もう二人の間に言葉はない。ただ獣のような息遣い、鳴き声だけだった。

 

「んぎゅ❤ ん、ぁんっ! ❤️ ん、はっ、んぅぅっ❤」

 

「あっ、ふっ! ッ〜〜!!」

 

 緑谷と冷は互いの指を固く結び繋ぐ。交わった口内、重なった上半身。冷の中の柔壁もまた、彼の一物に絡みついて放そうとしない。そして、冷の中はすでに射精寸前に膨らんだ肉茎で満たされていた。それでも緑谷は何度も何度も、その最奥にある子宮口を小突き続けていく。

 

「んぶふぅう❤️ ぷぁ❤ い、いぐッ、いくゥゥうう❤️❤️」

 

「イきますッ! このまま、中に全部……!」

 

 緑谷の両手が冷の背に、冷の手が緑谷の背中に回される。密着して、二人が一つに溶けて混じりあってしまえばいいと思える程に強い抱擁。これから何をするのか、何をしたいのか。言葉などなくとも伝わる二人は互いを想うが故に、一切の遠慮など見せることなく欲するままの交わりを果たしていくのであった。

 

「あ゛、あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜❤️ イ゛ッ゛、イ゛グぅ゛う゛っ゛❤️❤️ ああああああっ、はっ、ああ、お゛❤️ オ゛ォ゛ォ゛ォ゛ッ゛ッ゛〜〜❤️❤️❤️」

 

「くっ、あぁぁぁッッッ!!!」

 

 絶頂。互いの全身でぶつかり合い、繋ぎ、そして絶え絶えになった時。冷の中で、緑谷は自身のものが彼女の一番深い部分で爆ぜているのが解った。それと同時に、己の精液が冷の内へ、彼女の卵管へ向かい泳いでいっているのだと感じる。その熱い精が冷の子宮内を満たし、緑谷は己のモノが冷の一番奥に入っているのが分かり恍惚となる。熱く、ドロドロに蕩けてしまっているかのような膣肉の蠕動。まるで、自分から全て絞ろうというかのような強く激しい動きと、それでいてどこか優しく包み込むようであった。それはまさしく、冷が自分を受け入れてくれた証明のようなものだとすら思えた。そんな想いに、彼女と子孫を残せるかと思うだけで、緑谷の興奮は最高潮になり。最後の一滴まで、己の分身は放ち切りたいとばかりに長く吐精した後、彼女と共に倒れこむ。緑谷は荒い息のまま告げる。

 

「はぁふぅ……冷さん。大好きです、愛してます。何かあっても責任は絶対取ります」

 

「私も愛してるわ……緑谷くん❤️ 二人目としてでもいいかしら……?」

 

「もちろん。冷さんのNo.1はエンデヴァーのものですから」

 

「……ありがとう。出久くん❤️❤️❤️」

 

 冷の言葉を聞けば緑谷は笑みを作る。その笑顔を見てか、彼女の表情も綻びをみせ、まるで花の咲いたような笑顔を浮かべた。二人はその後も激しく求めるように交わり、朝になるまで身体を重ねた。その結果は言うまでもない。冷は四十半ばにして五人目の子を授かったのであった。

 

 ──────

 ────

 ──

 

 緑谷と冷の子作りから約十ヶ月後。轟家に緑谷は久しぶりにやってきた。冷の五人目の出産が無事に済み、生活が落ちついたのもあって焦凍は緑谷や一部の級友を家に誘ったのだ。

 

「いらっしゃい。ふふ、今日は大勢ね」

 

「はじめまして、飯田天哉です! 今日は轟くんにお誘いをいただき──」

 

「うわめっちゃ美人に、めっっちゃ豪邸……! あ、私は麗日お茶子です! これ、つまらないものですが──」

 

「二人とも堅いな。遊びに来ただけなんだからもっと気楽に……これ前も言ったな」

 

「お、お久しぶりです、冷さん。あ──その子が」

 

 緑谷は冷が抱く赤子に目を見開き驚いていた。彼と彼女が初めての寝取らせを行ってから既に一年以上経過している。それにも拘わらず緑谷の中には、その日の記憶は色褪せることはなかった。あの時のことを思い返すたびに、緑谷は脈拍が上がる。その結実がこの赤子なのだろう。

 

「親父のやつ、コソコソしてると思ったら、外でやることしてやがった……まったく人騒がせな」

 

(っ……本当はそうじゃないかもとは言えない。この子の父親が僕かもだなんて……僕と冷さんの赤ちゃん)

 

「あーあーあ!」

 

 赤子は両の手を伸ばして、緑谷に手を伸ばした。まるで抱き上げてとねだるようなその仕草に、彼は思わず胸が高まった。そして、その小さき手をぎゅっと握るのであった。

 

「ああ、やっぱり。あの人には全然懐かないのに、緑谷くんにはすぐ懐いた」

 

「ッ〜〜!!」

 

 それを見た緑谷の中の何かが燃え上がる。これが父性なのだろうか。そんことを考えていると飯田やお茶子も赤子を見ようと集まる。お茶子や飯田も緑谷のように手を差し出そうとすると、赤子は口から暖かい息と冷たい息が吐き出される。

 

「これは……温風と冷風かい!? なんと轟くんと同じ複数の個性持ち、半冷半暖といったところか!」

 

「暖かくて涼しい〜〜。エアコンみたい!」

 

「……エアコンか。いいなその表現。俺も使おうかな」

 

(暖かい息、熱、炎……エンデヴァーの個性!? ってことは、僕の子じゃない……?)

 

 緑谷は赤子が発した個性から冷とエンデヴァーの子供なのかと推測する。そのことにほんの少しだけ緑谷はがっかりしたような気持ちを抱いてしまう。そんな緑谷の心情を読んでか、冷は子供を焦凍達に預けると彼の側に寄りひっそりと呟く。

 

「出久くん。あの子は──間違いなく貴方の子よ❤️ DNA検査で確認したの」

 

「えっ……! で、でも今エンデヴァーの炎の個性に近しい、熱の個性を使ってましたよね? 僕は無個性だから、冷さんの個性以外発現しない筈……あ」

 

 緑谷は一つの可能性に行き着く。緑谷出久は無個性で、その子供は無個性か或いは冷の個性しか発現しない筈だと思っていた。だが。緑谷出久の両親は息子と違い個性持ちであった。母は軽い物を引き寄せる個性を。そして父は──。

 

「火を吹く個性……! 隔世遺伝したんだ……!」

 

「ふふ、皮肉なものよね。あの人が求めていた子が、こうもあっさり生まれてきてくれるなんて。私と緑谷くんの相性の良さからなのかしら❤️」

 

 冷は緑谷にだけ微笑む。彼女の微笑みは緑谷への変わらぬ愛を示しているようであった。二人は一瞬のうちだけ手を重ねる。これだけで二人が思い合っていたのは充分に示せられた。

 

「今日、泊まれるかしら? 久しぶりに……ね❤️」

 

「ッ……! はい、是非!」

 

 これから始まる時間に期待しながら、二人は赤子の元へと歩いていく。歪だった家庭は、より歪さを増していた。しかしてそれでも以前より、各家族は幸せな日常を送るのであった。

 

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