ナツキ・スバルは異世界から召喚された元引きこもりの高校生である。ないない尽くしの平凡な少年だが、自身に宿った死に戻りの力を使い、苦難を乗り越え未来を変えていく。全ては異世界で最初に助けてくれた、エミリアという少女の助けになるために。これはそれだけの物語だったのだが、ある些細な変化で物語は大きく捻じ曲がるのであった。
故郷の人々を助けるため王様になろうとしている、エミリアを支援する男──ロズワール。道化師に扮する彼がとある悲願のため、聖域と呼ばれる場所でスバル達を巻き込んだ策謀から半年ほど。スバルは元々生活していたロズワールの所有する屋敷の一つが、彼自身が手配した刺客と別個の意図によって焼け落ちてしまったので、以前の屋敷と同等以上のロズワール本邸で過ごしていた。
前と同じような緑に囲まれた中で、スバルは平穏な日々をただ怠惰に過ごすのではなく、身体を鍛えるため今日もアスレチックゾーンを、鞭で立体的に駆け回っていた。鞭捌きやパルクールも様になってきたなとスバルが汗を拭って息を整えていると、近付く影が一つあった。スバルが視線を上げた先、メイド服に身を包んだ非常識なまでに美しい女がそこには立っていた。
「鼻息が荒いわね、バルス。ラムを見て卑猥な妄想は辞めなさい」
「姉様で妄想して、息切れしてんじゃねぇーし! 何しに──っと!」
いつものように切れ味鋭い毒舌が飛んでてきて、スバルも負けじと言い返す。スバルの反論に鼻を鳴らしたのは、ロズワールに仕え彼を心の底から愛する鬼族のメイド──ラムである。そこまで言うなら何故近付いてきたのかと言いかけた所で、ラムがタオルを投げ渡してきた。洗い立てのフカフカした感触を顔に感じ、スバルはそういえばタオルを持ってくるのを忘れていたと思い出す。
「それで拭くといいわ。最近平和だからって、抜けてるわよ。いつも以上に……いかがわしい匂いを漂わせて、エミリア様と会うつもりだったの?」
「サンキューな姉様! ちょっとゴタゴタしてて持ってくるの忘れてたんだ。汗でビショビショのまま、エミリアたんに会うのは避けてぇからすげー助かる」
ラムはスバルがタオルを持っていくのを、忘れていたのをどこかから見ていたのだろう。こうしてわざわざ届けに来てくれる所に、いつもはツンツンしている彼女の隠れたデレが垣間見えていた。最初に渡さないで毒舌からお見舞いするのも、何とも姉様らしいなとスバルは愉快になってしまう。
受け取ったタオルで汗を拭きながら、スバルはラムを見る。白い肌に薄紅の瞳。大切な
「潰してへし折るわよ」
「目以外も!? 見るだけでそこまで脅されるとか、姉様厳し過ぎだろ!」
「視姦の代価としては安いものでしょ……アスレチック、と言ったかしら?」
「ん? ああ、俺の所ではこう言う障害物やら高低差が激しい遊び場のことをそう言うんだよ。語源はなんだったけな」
「そこに興味はないわ……多少は、マシになってきたようね」
ラムはアスレチックを見渡し、続いてスバルの体を足から見上げて珍しく褒め言葉を送る。この世界に来て、何度自分の力不足を呪ったか分からないスバル。微かにあった魔法の才能も過去の無茶で潰してしまった今、せめて体力やら身のこなしはつけようと、アスレチックで奮闘していたのだ。その甲斐あって、スバル自身かなり筋肉がついてきたと感じていた。それを他ならぬ毒舌メイドのラムに褒められたとあれば、ニヤついてしまうのは止められなかった。
「へっへっ、そうだろ、そうだろ! いやー、流石姉様は分かってくれるよなぁ! この調子でもっと鍛えて、剣術とかも──」
「自惚れないで。一が五になろうと、百や千に勝てる道理はないし、バルスの戦闘に関する才能はミソッカスよ。荒事は大人しくラムやガーフ、エミリア様やベアトリス様に任せておきなさい」
「──ぐぇっ! う、うぐぐっっ! 姉様、もう少し夢見させてくれよぉ……」
「白昼夢から覚めて何よりよバルス。ただでさえ危なかっしいのだから、現実をちゃんと見なさい。バルスの役割は切った張ったではないわ。戦うより、味方との合流や逃げることが最善よ。動けるようになって、マシになったと言ったのよ」
スバルはこれ見よがしに大きくため息を吐いてしまう。ラムの言う通り、スバル自身己に戦闘の才能がないのは分かりきっていた。前述した通りもう魔法は使えない。動物や大地を操るような加護は持ち得ず、大罪司教という世界を脅かす者達が振るう、他を圧倒する理不尽な権能にはどうやっても届かない。
強いて人にはない長所を上げるとすれば、見えない腕を死ぬ物狂いで一本だけ操れるのと、コントロールの出来ない制約多めの死に戻りだけである。直接的な戦闘力でいえば、新ロズワール邸でメイドをしている幼女のペトラよりは上だと信じていたいが、ロズワールに魔法を習い初めていることから、若干危うさを感じているのであった。
「はぁ……分かってる。俺がラインハルトやユリウスみたいになれないのは、俺自身が身をもってよーく分かってるさ。けどよぉ、好きな子に守られるより、守りたいのは男の性だろ? はああ……強くなりてぇな」
「ハッ! そこで剣聖に最優の騎士が知己として出てくる辺り、バルスは自分の縁の貴重をよく顧みるべきだわ……フン。バルスの人頼みは、戦う術よりよっぽど強いものよ」
ラムの一件厳しい言葉も、スバルの戦闘力をよく知っているからのことで。彼が少しでも生き延びられるよう、増長を嗜めただけのことだった。スバルもそれをよく分かっており、最後にフォローで締める辺りも、ラムの優しさが隠しきれてないと苦笑してしまう。それはそれとして、もう少し優しい言い方を望んでしまう。
「姉様の厳しくも、ありがたいお言葉が身に染みるぜ。ただ、姉様はもう少し語彙を柔らかくしてくんねぇ?
スバルはラムとの
「全く……エミリア様とガーフの訓練に行くのでしょう? 二人とも心待ちにしていたわよ」
「なら急いで行かないとな。姉様も、一緒に行くか?」
「いいわ、特別に隣を歩くことを許してあげる。ラムの慈悲に感謝しなさい」
「へぇへぇ。ありがとうごぜぇます!」
先程の件で機嫌を大層損ねてしまったラムが応じるか不安であったが、以外にもラムは提案に頷くのであった。悪臭だなんだと口ではどうこう言いつつも、すぐ隣を歩く彼女を見てニマニマとした顔が戻らなかったスバル。ラムに冷たい視線を向けられながら、共にエミリア達の訓練風景を見に向かうのであった。
新ロズワール邸は広大な自然の中に建てられており、スバルとガーフィールが協力して建築したアスレチックゾーンとは別に、戦闘訓練を行うための広大な空き地も存在していた。スバルが到着すると、そこには砕け散った氷を踏み締める黄金の少年と、空を舞い氷華を散らす白銀の姫君が対峙していたのであった。両者見合って距離をジリジリと詰めている最中だったが、スバルとラムが来たのに気がつくと、二人の方へと一斉に顔を向ける。
「大将ォ、ラムッ!」
「あ、スバル! 来てくれたのね! ラムも呼んできてくれてありがとね!」
「おう! 二人の勇姿を見に来たぜ。俺達に構わず、思いっきりやってくれ!」
「聞いたか、エミリア様よォ。次はもっとマジできてくれや。ガフガロンの実は風で落ちないってなァ。お互いカッコつけたい相手の前なんだ、もっと派手にやろうぜッ!」
「あっ! ごめんね、ガーフィール! 本気出してなかったわけじゃないのよ。ちょっと、まだ上手く出来るか分かんなくて。でも……うん! スバルが見てるんだもの、思いっきりやってみるわね! アイスブランド・アーツ! アイシクルラインと、氷の兵隊さん!」
スバルの激励を受け、ガーフィールは自身の拳を叩きつけ雄々しくニヤリと口角を上げると、エミリアにもっと本気でくるよう挑発する。それを受けてエミリアはスバルを横目で見ると、失敗しても全力でやろうと意気込む。月下の夜。太陽に、星々に、世界に、誇りに、両親に誓い、自分の一の騎士となってくれた彼が見ているのだからと。
スバルと一緒に考えていた新技を、エミリアは力強く繰り出す。周囲に氷の武器が立ち並び、武器を掴むように氷像が出現していく。スバルがとあるゲームに登場する英雄の
「おっ! ありゃ俺と考えていた──って、何あれ!?」
「エミリア様らしい、趣味の悪い」
スバルとラムはその氷像の姿に驚き、顔を顰める。氷像は明らかにスバルをイメージしており、まるでダンスをするかにように立つ奇怪なスバルの氷像も出現していた。ガーフィールはマジかよと歯を見せて笑い声を上げるが、無数の手数という外見以上の圧に闘志を漲らせる。ガーフィールは両腕を虎のように変化させると、低く構えて迎え撃とうとした。
「ハッ! 外見が大将で気が緩んじッまうがよぉ、見かけ以上にヤバい技じゃねかァ! アイスブランド・アーツつったか。面白れぇ! 全部、砕いてやらァァッッッ!」
「いくわよガーフィール! 痛かったらごめんねっ!」
エミリアは氷の大槌を振りかぶりガーフィールに叩きつける。そこにスバルを模した氷像が畳み掛け、ガーフに氷の武器を振りかぶる。だがガーフの有する地霊の加護が震脚と共に大地を隆起させ、氷の兵士達を砕き、宙から迫る氷像もガーフィールの獣拳が次々と砕いていく。スバルは死に戻りで耐性があるとはいえ、自分と同じ姿の氷が砕け散っていく光景に、口をあんぐりと開けてしまう。そんなスバルに対してラムはというと──。
「冷気のおかげか涼しく感じるわね。そうでしょう、バルス?」
「んッなわけあるか──っっ!! 涼しい通り越して寒気がしてるわっ! 何とも思わない!? 目の前で俺の姿したものが、どんどんバラバラになってるだけど!?」
「清々しいわね。後でエミリア様に一体貸してもらおうかしら」
「何する気だよ! 鬼畜、ドS、鬼女神!」
そんなやり取りをしているとは露知らず、エミリアとガーフは至近距離で拳や蹴りの格闘戦を繰り広げていた。エミリアの腕に氷塊が出現したかと思えば、蹴り上げた足のつま先から氷刃が飛び出す。だがガーフはそれを最小限の動きでいなし、背後から迫る氷像に蹴りを入れ、反動を利用してエミリアに殴りかかる。エミリアも軽やかな身のこなしで、ガーフの獣化で巨大化した腕を踏み台に、くるりと一回転して離脱する。凡人のスバルがその動きを全て見切ったとはとても言えないが、高レベルな戦いだとは理解出来、二人の戦いに大いに感動していた──のだが。スバルはどうしても気になることがあった。
(いつもの服で飛び回るのもあれだけど、あの服で動き回ってるのもヤバいなぁ。ガーフィールのやつ、よく平常心で戦えるぜ……!)
スバルの目の前で華麗に戦うエミリアは、いつもの白と紫を基調とした上半身の露出が多い衣装ではなく、全身にフィットした紫のボディスーツを身に纏っていた。それだけなら露出が減って、不埒な輩の視線を遮れるぜと喜ぶ所。けれどもピッチリした姿で動くものだから、彼女の陣営でも抜きん出た胸が縦横無尽に揺れているのだ。扇情的にすら見えるそれに、何十の死を経験しているスバルといえど、普通の男子高校生のような反応──性的欲求を感じてしまうのだった。スバルは見られないようにスッと後ろに下がろうとする。しかし、隣に立つ薄紅の瞳は目ざとく。否、
「バルス」
「は、はい! なんでしょうか、ラムお姉様……!?」
「ラムはバルスの姉じゃないわ。また勃ってるわね」
「ッ──!!」
ラムはスバルの言葉を待たずに股座を掴む。もはや
「一体どういう気持ちなのかしら? 主と仰ぐ彼女が戦っている姿を見て、肉棒を勃たせるなんて。そんなに揺れ続ける駄肉が気になるのかしら。ねぇ、バルス」
「っ、ぁぁ、ふっ、ぁっ! ラムぅっっ……!!」
「エミリア様も可哀想ね。折角張り切って戦っているのに、一の騎士は揺れ動く脂肪に夢中なんですから。まあ、これを
「ぁ──ら、ラム」
「昨日あれだけ抜いてあげたのに、まだ勃つ余裕があるなんて。やっぱり性獣、種馬ね。ロズワール様からのご指示、エミリア様や他の娘に狼藉を働かせないため。そして、ラムのために。全部搾り取ってあげるわ……バルス」
ラムはその薄紅の瞳を輝かせ、興奮を抑えきれないように頬を紅潮させていた。彼女はスバルの首根っ子を掴むと、鬼の怪力で引っ張りその場を後にする。後には二人に褒めてもらおうと、特訓の成果を発揮する健気な二人だけだった。
数十分後。エミリアは急にスバルとラムがいなくなっていることに気が付き探しに出るが、二人は夕食の時間になるまで姿を見せなかった。ロズワールからスバルとラムには現在あることを手伝ってもらっているから、急にいなくなることもあるから心配無用だと聞かされてはいたが、スバルが自分に何も言わず消えるのは何度されても慣れなかったエミリア。
時間は飛び夕方頃。何もなかったかのように歩いているスバルとラムを見て、エミリアが二人は無事だったと喜ぶのも一瞬だった。いなかった理由を並び立てるスバルの横、澄ました顔をしているラムを見て、エミリアは言いようのない黒いモヤモヤを感じるのであった。その感情がを嫉妬と呼ぶのを知るのは、もう少し先のことだった。
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スバルは思い返す。どうしてラムと関係を持ってしまったのか、その始まりを。あれは聖域解放した少し後のことだった。その頃になるとエミリアは今まで以上にスバルへと積極的に迫るようになっており、相棒となったベアトリスや、メイドのペトラもスバルにベタベタとくっ付くようになる。異世界に来てから解放する機会がなかったことで、スバルの性欲は女体に触れるだけで敏感に反応するようになってしまったのだった。
このままじゃ暴発しかねないと、スバルは一人でさっさと処理しようと自室でシゴいていた。そんな時、ラムが丁度スバルの新調した服を持ってきたのである。ラムの薄紅の瞳は、片手の指だけでは回りきらないふとましい竿を擦るスバルの姿が映っていた。本来のラムなら「いやらしい」と告げてから、そういう時もあるかと去るだけであろう。だが、ことこの世界線のスバルの発する匂いが問題だった。
「ぁ、はぁっ、ッッッ──! バルスっ……この匂いは、どういう……ふぅ、ふぅ、ふぅ〜〜!!」
「ら、ラム!? いきなりどうした!? 匂いって何のことだ──魔女の残り香のことかっ!? でも、ラムは匂いを感じないはずじゃ──ッ!?」
スバルは死に戻りを繰り返すと、魔女の残り香というものが強くなる。それが原因でラムの妹であるレムから、強い殺意を抱かれ殺されたこともあった。だが過去に鬼族特有の角が折れたらしいラムは、魔女の残り香は感じなくなっていた筈だった。どういうことだとスバルが動揺していると、ラムは一瞬でスバルを押し倒す。マウントポジションを取られる形で、スバルの天高く勃起した肉棒は、ラムの小ぶりながら柔らかな尻肉の下敷きになっていた。
下敷きにした肉から感じる熱い滾りに、蒸気した顔でスバルを見つめるラム。スバルを手で押さえ込んだまま、煩わしいと言わんばかりに自らのメイド服を引きちぎる。その鮮烈な光景に呆気に取られた後、その千切れた服の下から現れる純白の柔肌に目を奪われてしまう。ラムは熱い息を吐きながら、スバルに告げる。
「光栄に思いなさい。ラムが抜くのを手伝ってあげるわ。拒否権はないから、天井のシミでも数えていなさい」
「天井のシミって、きょうび聞かねぇ──ちょ、マジでタンマ! ラム、止まってくれ! 俺にもお前にも、心に決めた人がいるだろ!? 俺にはエミリアやレム、お前にはロズワールが──」
「ごちゃごちゃと……いつも以上に煩いわね。その口、塞いであげるわ」
「ラム──んむぅッ!!」
スバルは諦めずマウントを取られ、腕を塞がれても懸命にラムを止めようとする。スバルにはこの異世界で一目惚れし、彼女の良いところも面倒くさい所も引っくるめて好きになった銀色の彼女。何もかも諦めて逃げ出そうとした時、自分を振るい立たせ英雄と言ってくれや青い彼女がいた。心に決めた二人以外と、ラムとするなんてダメだと懸命に訴える。ラムにも愛していると伝えた男がいる筈だが、彼女は止まらなかった。
「んっ、ちゅっ、ふぅ、んむむぅっ! れっ……れぅっ、ちゅっぱ、ちゅる、じゅっ、ちゅっぱっ……!」
初めての口づけは、冷たい死の味が。二度目の口づけは、熱い命の味がした。三度目の口づけは、粘ついた欲の味がした。スバルは頑なに口を閉じようとしていたが、ラムが身じろぎすることで跨られているスバルの突起が擦られ、抗う理性が徐々に削がれていく。ラムの乱心を表すかのように、舌がスバルの口内にねじ込まれ、スバルの舌を巻き込んで暴れ狂う。
くちゅくちゅ、ぐちゅぐちゅ。いやらしい水音もスバルの理性を溶かすようで、いつの間にかスバルの舌もラムの舌に巻きつこうと動いていた。数分の濃厚な口づけの末、そこには二人の絡みを示す銀の橋がかかる。一度目、二度目、エミリアとした時とはまるで違う。ピュアとは程遠い不純なキスを、スバルはラムとしてしまったのだった。
「ふぁ……これがエミリア様を孕ませたキスね。ぞんがい、やるじゃない」
「ラムっ……!」
「んっ……もう辛抱堪らないって顔ね。いいわ。ラムも、同じだから……さっさと初めてあげるっ」
エミリアの性知識のなさから、スバルとのキスで大騒ぎしていたことをからかうラム。スバルはラムとのキスや、彼女の美尻に圧迫される肉棒の刺激から、まともな返答をすることが出来なかった。その様子にラムも熱い吐息をスバルの耳元にかけてから、腰を上げて下着をずらす。
ふと、彼女は下ろしかけていた腰を静止する。そして視線をスバルから別の方向に向けた。何を思っているのか、スバルは思考を巡らせ行きつく。その視線の先には、自分の心から片時も忘れてことはなく、そしてラムが大切にしていた妹──レムの眠る部屋があったと想起する。たとえ記憶がなくなったとしても、妹が思いを寄せていたと言う男の童貞を奪っていいものか、一瞬の逡巡がラムを押し留めた。だがやがて彼女はスバルに向き直ると、惚れ惚れするような色気がよだつ笑みを浮かべた。腰が下りていき、彼女のピッタリと密着している秘裂に、スバルの肉棒が割り込むように挿入されてしまう。
「あぁっ、ふぐぅっ、んっ、これ、は……! 大きい……っ! バルスの癖に生意気過ぎるわっ、ぁぁぁ、まだ入ってぇ……っ!」
「ぐぅ……!! ふぅ……! くっぅ〜〜!!」
肉棒が挿入された瞬間、襲い来る快楽の責め苦に、スバルは歯を食い縛って中にだけは出さないようにしようとする。だがラムのみっちりと絡みついてくる膣肉は、スバルの理性を一瞬で削り取る。そのうえ、スバルの剛直はまだ先端の部分しか入っていなかったのである。これが最奥、子宮まで深々と入りきったら。そう思うと、二人の全身は小刻みに震えた。
ラムは一息ついてから再び挿入を再開する。ゆっくりと、着実に。ラムが愛し敬うロズワールも知らない膣道を、スバルの剛立が開墾していく。スバルは歯を食い縛り、ラムは浮ついたように口を半開きにして、その瞬間に備えた。スバルの鋭き肉棒の切っ先がラムの子宮を捉える。
「くぅ、あぁ、はぁ──挿っ、た……ぁっ!!」
「ぐぅ〜〜〜〜くぅぅ!! ラムっっ!!」
刹那、ラムの全身に稲妻が走ったかのように快感が迸る。ラムは僅かに残されたプライドから、スバルの前ではしたない声はあげまいと口を閉じて声を押し殺す。だが肉体の反応は言葉より雄弁で、ラムの秘所はスバルの全てに執着して包み込み、その精を吸い付くさんと密着する。スバルはもはや声を我慢することなど出来ず、彼女の最奥にねじ込むように射精を開放してしまった。
「ぁ!!? ぁっ、ぁぁ……!! ラムの中に……っ!!」
「ラム……っ、ラム───ッ!」
スバルはただラムの名を呼ぶことしか出来なかった。その射精は一人でオナニーしていた時に出していた、倍以上はある精液がラムの未踏だった奥底を満たしていた。子宮だけでなく、逆流して膣道もスバル色で染め上げる。十数秒か、或いは一分は経っていたか、極上の快楽に耽るスバルには正確に測ることは叶わなかった。お互いに呼吸を整える中、先に口を開いたのはラムであった。
「あぁ、はぁ……バルス。挿れただけで射精するなんて、情けないわね。堪え性のない男は嫌われるわよ。まあ、それだけラムの中が良かったということかしら。天から全てを授かっていて、申し訳ないわ」
「はぁ、はぁ、ラム。ごめん。中に出して、本当に、ごめん……! 間に合うって絶対には言えないけど、早く洗わないと! このままじゃ──」
ラムとスバルの結合部から、白と純血が混じった液体が溢れる。ラムは挿れただけで出すなんてとスバルを詰っていたが、スバルはそれどころではなく、ラムに中出ししてしまったことを何度も謝る。このままでは、彼女は望まぬ男との赤子が出来てしまうと焦りを極めていたスバル。だが一方のラムは、呆れたように鼻を鳴らすのだった。
「ラムとバルスの赤ん坊が出来る? ハッ! ラムの子宮はロズワール様専用よ。バルスとの子なんて、天地がひっくり返ってもあり得ない」
「は、はぁっ!? こ、根拠はあるのかよ!? あ、もしかして避妊の魔法とかあるのか!?」
「根拠はラムがラムだからよ。ラムが孕まないと思ってるのなら、バルスがどう足掻こうが孕まないのよ」
「そんな、無茶苦茶な──っっっ〜〜!!」
「バルスがどう言おうが、ラムの中を突き上げてビクビク震えているのは変わらないわ……っ。二回目、次はラムが満足するまで射精んじゃないわよ……んっ!」
ラムは言うだけで言って、再び腰を動かし始める。スバルの射精によって潤滑が増した彼女の膣は、スバルの肉棒をいとも容易く咥え込む。まだ満足を知らない肉槍はラムの奥を突き上げ、先にスバルが吐精した精液が押し出される。ラムの蜜液と混じり合い、いやらしい音が断続的に響き続けていた。
ラムの男を屈服させるためにあるかのような蜜壺に、スバルは再び射精したい欲求が全身を支配しようとしていた。対するラムはまだ二回目だというのに、どれだけ腰を上げても抜けないか、こう動けば気持ちが良い、そんな腰の動かし方を熟知し始めていた。荒い息を吐きながらスバルを見下ろし、ラムは言葉を紡ぐ。
「バルスっ。ふっ、はっ、まだっ、射精んじゃないわよっ。早いだけなら、ゾッタ虫以下よっ。バルスが人であると証明したいのなら、ラムを愉しませてみせなさい……っ、ぁっ!」
「くっ、がぁぁぁッッッ!! ラ、ムっっっ!!」
「ぁンンンッッ! んっ、はぁ〜〜!! やれば、できるじゃないっ! バルス、バルスっ! 死の物狂いでラムを興じ、させなさいっ!」
元いた世界で言うゴキブリと同じだと、ラムの挑発を受けてスバルの闘志に火が付く。スバルは腰を振り、ラムの降下に合わせて子宮を突き上げる。その反撃はラムの芯を捉え、彼女の蕩けた声を部屋中に響かせる。荒れ狂う獣のような責め苦に、ラムは期待通りと微笑みながら、熱い眼差しと息をスバルに向けた。
「あぁン、ふぁぁっ、ぁ、ぁっ、ぁンッ!! もっと、もっと……っ!!」
「ラム、ラム、ラム……ッッ!」
互いに高め合い、貪り合い、射精の瞬間を見極めようとする。二人は今までに味わったことのない絶頂へと一歩ずつ近付いていき、そして行き着く。一歩を残した所で、スバルはラムの太ももを掴み、腰を最奥にねじ込む。ラムは目を見開き、薄紅の瞳で天を仰ぎ見た。二人の叫びが一つになって、第二射が行われた。
「ラムッッッ!!」
「んんんっ、ぁ、ぁぁッッ、んぅっっっ──アァァッッ!!」
二度目においても大量の射精は、ラムの膣内を満たし、先程よりも多くの精液が膣の外へと零れ落ちた。意識を飛ばしかける二人だが、ラムの膣はスバルの竿を締め付けるようにしがみつき、最後の一滴まで絞り尽くさんとしていた。最終的にスバルは脱力し、ラムはその上に崩れ落ちる。暫くの間、二人は呼吸の音だけを響かせながら、相手の身体の感触を感じて絶頂の余韻に耽る。スバルは堪えきれない慕情に突き動かされ、ラムの細く今にも折れてしまいそうな肉体を抱きしめる。ラムはむず痒そうにしたがそれ以上は抵抗せず、スバルの目を見てニヤりと笑みを浮かべる。絶頂したことでか、普段の彼女と同じような顔色に戻っていた。
「はぁ、ふぅ、はぁ……バルスにしては、上出来ね。ゾッタ虫と言ったことは訂正してあげる」
「はぁはぁ、そりゃ、良かった。ゾッタ虫だったら、オットーに飼われちまう」
「バルスは虫けらなんかじゃなく、雌に腰を振るしか能のない性獣だったわ。ウルガルムもびっくりのケダモノね」
「性獣!? 虫の次は獣って、俺はれっきとした人ですけどぉ!!?」
「あら、人間のつもりだったの? こんなにラムの中に出しおいて、人間と思えるわけないじゃない。よく見るといいわ、ラムの中にどれだけ射精したのかを」
そう言ってラムは腰を浮かし、スバルの剛直を己の秘所から抜いていく。ラムの膣肉はスバルの剛直と離れたくないとでも言いたげに、ひっついていたのをラムは呻きながら腰を浮かす。そして竿という栓を失ったことで、ラムの中からスバルの放った精液がゆっくりと降下を始める。その量たるや、ラムの蜜液と混ざった白濁の滝がドロリと流れて、ベッドのシーツに滝壺を作る。目の前に広がるその光景を見たスバルは、それら全てが自分の放ったものと理解して戦慄する。そんなスバルを見て、ラムは彼の男性器をしなやかな指先で掴む。手には続きを待ち望んでいるかのように、ラムへと向かって反り立つ剛直が震えていた。
「種馬の方が相応しい言い方だったわね。これだけ射精しているのに、まだこんなに固いなんて」
「ッ!! どうしちまったんだ、俺っ!? こんなに出しても出しても、まだ治まらないなんて……!」
「なら、ラムが責任を取ってあげるしかないようね。ええ、エミリア様やベアトリス様……眠っている
「ぅっ、あぁっ、ラム……! も、もう、ここまでにしよう、な! ラムも大分落ち着いたみたいだし、後は俺一人で出来るから。これ以上、自分を傷つけるようなこと、辞めようぜ!?」
元いた世界では考えられない、性欲の増大に苛まれるスバル。満足するまで付き合うと言ったラムに、スバルはもう何もかも投げ出して縋り付きたくなる。だがスバルには心に決めた人達がいたし、それはラムもそうだと知っている。彼女は聖域で魔女の妄執に囚われていたロズワールを、命がけで奪いにいった女傑なのだ。そんな彼女がこれを本気で臨んでいるわけがない、スバルはそう確信していた。だから彼女がこれ以上自分なんかとして、完全に正気に戻った時に後悔してほしくない。スバルはそう強く思い拒絶した。だがそんなスバルのちっぽけな抵抗を、ラムは嘲笑う。
「ハッ! バルス。まさかあなた、自分とロズワール様が同等だと思っているの? だとしたら、思い上がりも甚だしいわ」
「思い上がりって……」
「だってラムにとって、飼い犬の世話をしているだけに過ぎないわ。バルスとの性欲処理と、いずれ行われるロズワール様との房事。同列なわけないじゃない。ラムの人生において、バルスが何かの要因になることなんて一欠片もないわ」
「ッ……!!」
「まあ
そう言ってラムは再び、腰をゆっくりと下ろす。スバルの剛直に適応した蜜壺が、巨立の帰りを待ち侘びていたかのように吸い付き、締め付けを緩やかに強める。口では毒づきながらも、その実態は相手のために尽くすツンデレの鑑のような。まさしくラムのような秘窟に、スバルの巨根は三度取り込まれる。
スバルはエミリアとレムとの想いを頼りに意識を保とうとするが、それも限界だった。ぐりぐりと子宮口を剛直の切っ先、亀頭に擦り付けられると、目の前にいる彼女のことしか考えられなくなる。彼女が言う性獣のように荒い息を吐き出し、そして彼女の細くくびれた腰を両手で掴むと、腰を突き上げたくなってしまう。
「くっ、ふぐぅぅっっ、ら、ラム──ッッ!!!」
「──ァッ~~、ンンッ、くッッ~~!!? っはぁ、ぁ、はぁぁぁっ……! やってくれたわね、バルスっ。いきなり、突き上げてくるなんてっ」
「はぁはぁ、ラムっ、くそっ! あれだけ言われて、もう止まらねぇからなっ! 全力でイかせまくってやるっ……!」
「ハッ! ますます獣染みた顔つきになったわねっ。いいわ、ラムが徹底的に調教してあげるッ!」
もはやスバルの行動を遮る理性も想いも、記憶の隅に追いやられてしまう。今あるのは、目の前で気丈に傲岸に振る舞う彼女の顔を、自分が崩したいという獣欲だけだった。そしてそれはラムも同じ気持ちのようで、頬を赤らめ恍惚とした表情でスバルを見下ろしていた。お互いに、離れる気はもうなかった。
その日。スバルはラムによって、女をよがらせる性技を徹底的に叩き込まれる。怒鳴られ、罵倒され、偶に褒められ、労われ。スバルは雌を感じさせる術理を学んだ。ラムもまた同様、スバルを介して雄を手玉に取る技術を熟達していく。全てはロズワール様のためとラムは言っていたが、その本心は定かではなかった。窓の外が茜色から、暗闇に。そして淡い暁色の光が差す、朝方まで二人の行為は続いた。不自然なほど誰にも呼びにこないのを疑問にも思わず、スバルとラムは二人だけの世界で快楽に溺れ続けた。
最後にスバルが覚えていたのは、自分の腕を枕にして横たわるラムの姿。今までに見たことがない、全てに満たされたような微笑み。彼女が誇るロズワールから授かったメイド服は引き裂かれ床に落ち、彼女の透き通るような純白の肌は、スバルのだとマーキングされるように白濁が付着していた。そして、ラムの最奥。ロズワール専用を謳っていた子宮には、スバルの精がこれでもかと詰め込まれており、彼女の細い臍を持ち上げるようにぽっこりと膨らんでいた。スバルはそのお腹が愛おしく、守るように手を置いた所で意識が霞む。その手の上から温もりを感じたのを最後に、スバルの意識は闇に落ちたのであった。
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エミリアとガーフィールの模擬戦から離れ、スバルとラムはロズワール本邸の地下室にいた。ロズワールの屋敷を襲った刺客──メイリィ・ポートルートが捕らえられている座敷牢とはまた異なり、その部屋は特殊な道を行かねばならなない秘密の部屋だった。ベッドや机、水という最低限の物しか置いていない部屋だが、スバルとラムにとっては十二分過ぎる寝床だった。彼等がする御勤めが露見する可能性が低ければ低いほど、二人にとって理想の部屋に他ならないからだ。
老朽化から軋む音が激しいベッドの上で寝転がるスバルは、ラムの慎ましい胸に吸い付きながら、肉竿をシゴかれていた。ラムの手付きはこれまでに幾度となくスバルを抜いてきたことで、速さの強弱、どこを弄れば唸らせられるか、スバル以上にその全てを把握している。ラムはニヤニヤと自分の胸を吸うスバルを見ながら、シゴく手を止めず嘲る。
「っ、んふっ、大きい赤ちゃんでちゅね。エミリア様のおっぱいに固くさせて、ラムのおっぱいを吸ってまた固くする。ラムのおっぱいは美味しいでちゅか?」
「んっ、ちゅっ、ちゅっぱぁ、ちゅ、ちゅ」
「んっふっ。そう、言葉もないということかしら。あぁ、赤ん坊だから喋らないわよね。ふふっ、んっ、はぁっ」
小馬鹿にしたようなラムの言葉がスバルの耳をくすぐるが、スバルは一心不乱にラムの胸に吸い付いていた。彼女の白桃のような乳房は、エミリアやレムと比べると遥かに小さい。しかしラム自身このスタイルを完璧だと確信しており、スバル自身もラムには慎ましい胸が一番似合ってると大好きだった。故にスバルはどれだけなじられようと、ラムの胸を吸い続けた。
そんな恋慕こもったスバルの吸い付きに、ラムも熱っぽい息を吐き出すのが抑えられなくなる。彼女のすべすべしてた華奢な手は、本能的に男を喜ばせようと動きが激しくなる。数刻の後、スバルはラムの胸に顔を埋めたまま、体をビクビクと震わせラムの白魚の如き手に射精をしてしまう。大量の精液は手のひらを伝い、ラムのへその辺りまで飛び散る。ラムは手に付着したダマのような精液の塊を舌ですくい、口で転がしてから飲み込む。スバルは乳首から口を離し、射精の余韻で頬を染めながら口を開いた。
「はぁっ、はぁっ……ラムの手コキ、日に日に上達していくな。はぁ、気持ち良かったぜ」
「ちゅる……そういうバルスは、日に日に速くなっていくわね。このままだとラムを目視したり、匂いを嗅いだだけで射精しそうよ。早めに目や鼻を潰しておきましょうか?」
「いきなり怖いこと言うなよなっ! しっかし、あれから数ヶ月も経ったのか」
「昔を懐かしむには早いんじゃない、バルス。赤子になったり、老人になったり。今度は幼児になるつもりかしら? まあ小さくなっても、バルスはバルスでしょうけど」
「確かに、昔からあんま変わったつもりはねぇかな。この世界なら案外、小さなくなる魔法やら加護やら、どっかにありそうなもんだな」
スバルは流石に子供になるような魔法はないかと笑う。尚、後のスバルは力こそが全ての帝国に放り込まれるのだが、その時幼児になる術をかけられるとは、この時はまだ知る由もなかったのであった。
閑話休題。既に数発は連続して出しているのだが、スバルの剛直は全く萎える様子を見せなかった。これにはスバルも苦笑を浮かべ、ラムはこれ見よがしにため息を吐く。最も彼女の瞳は爛々としており、スバルをもっと搾り取りたいという、嗜虐心に満ち溢れているようにも見えた。ラムは残っていた上着や下着をさっさと脱ぐと、スバルを押し倒し跨る。その腹部には彼女の主であるロズワールが万が一のためと施した、避妊効果のある陰属性の魔法陣が輝いていた。
「まだまだ搾られ足りないようね。なら、次はバルスの好きなとこで出させてあげる。感涙で咽び泣いてもいいわよ」
「別の意味で涙が溢れそうだぜ。けどさ、これ以上長引かせて大丈夫か? 今頃俺達がいつの間にかいなくなって、エミリアたんやガーフも心配しているんじゃ……?」
「前に説明したでしょう? バルスとラムには手伝ってもらっていることがあるから、急にいなくなっても詮索するなとロズワール様からお達しが出ているわ。心配性なエミリア様や、ロズワール様を疑っているオットーはともかく、他はラム達が半日くらいいなくても大丈夫よ」
初めてラムとした日の翌日。スバル達はロズワールの元に向かい、行為に及んでしまった件について全て洗いざらい話しをしていた。それを聴いたロズワールは、自身の目的からスバルとラムの行為を続けるよう促し、その後押しをしていた。ラムはロズワールのためになり、何より自分の健康に影響するため、スバルを最後の一滴まで搾り取ろうと常に全力であった。
「ロズっちも抜かりねぇよな。 そういうことなら、今日こそラムに敗北宣言させてやるか……!」
「ハッ! 後何回、バルスの情けない敗北宣言を聞くことになるのかしらね」
こうしてスバルとラムは外のことを一旦忘れて、相手を絶頂させることにだけ意識を集中させる。これまでに積み重ねてきた技や知識を総動員して、スバルは鬼神の再来と謳われた彼女へと挑み続ける。地下室には、何十回と絶頂の嬌声が響く。
しかし最後に音を上げたのは、やはり氷結の魔女に仕えし一の騎士だった。まだまだ鬼の女神を屈服させるには力不足だと、スバルは不甲斐ない思いを息にして吐き出す。だが傍に寄り添う薄紅の鬼は、それはそれはとても至極安らかな吐息を立てており、スバルの髪を撫でるのであった。
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スバルとラムが最初にした日の翌日。目が覚めると、そこは見知った天井と壁が広がっていた。しかし部屋の至る所は荒れており、床のカーペットには大量の水をこぼしたかのようなシミが広がっていた。そして横にはこれまで見たことも想像したことすらない、全裸のラムがいた。
彼女は穏やかに寝息を立てているが、その体には一切何も身につけておらず、全身は白濁に染められていた。昨夜は夢のような出来事だったが、夢ではなかったとスバルは思い知る。一晩経って落ち着いてきたスバルは、何故この時間になってもエミリアやベアトリスがこないのか、この惨状をどこから片付けるべきかと頭を巡らせる。すると隣の変化に気がついてか、ラムがゆっくりと目を開ける。見開いた瞳は昨晩の理性が飛んだ狂乱の様子はなく、普段のラムのままだった。そして彼女は自分の手のひらを見て、握ったり開いたりしては感触を確かめるようにしていた。スバルはどう声をかけていいか分からなかったが、何か言おうと口を開いていた。
「あ。えっと、あー……おはよう、ラム。昨日のこと、覚えてる……?」
「えぇ、憶えているわ。ラムが何をしたのか、全て余すことなく。バルスも途中から乗り気だったけど、最初に襲ったのはラム。やり過ぎたわ……悪かったわね、バルス」
「姉様から……謝られるなんてな。まあ、なんだ。まさか姉様があそこまでベッドの上でも乱暴だとは思いもしなかったぜっ! なんつーか、これも良い経験的な感じだからさ! あんま、気にしすぎなくても……!」
スバルはラムが思い詰めているように見えた。無理矢理襲ったと自責しているのかもしれないと思い、彼女のせいだけではないと伝えたく、おちゃらけた態度を取ってみるスバル。洞察力に優れて察しの良いラムにはお見通しだったようで、彼女もいつものような皮肉を言ってみせた。
「フッ、馬鹿ね……バルスの方こそ、顔に相応しい野蛮で野卑な野獣みたいだったわ。エミリア様達を襲わせないため、去勢も検討する必要がありそうね」
「俺の顔は野にいる荒くれみたいだとおしゃってる!? しかも襲われたのはこっちなのに去勢しろって酷くねぇっ!? はぁ……姉様はほんとにタフなお人だよ」
スバルのツッコミにラムは鼻を鳴らして、そんなことも分からないのとでも言いたげに頬杖をついていた。いつものような遠慮のない会話にお互いに調子が出てきたと感じ、スバルは昨日のこととこれからについて話し合おうとするのだった。
「結局、ラムはなんであんなに暴走しちまったんだ? 匂いがどうとか言ってたけど」
「……推測だけど、バルスの精の匂いが鬼族の血を誘引したのでしょうね。バルスにこんな隠れた特性があったなんて、不覚を取ったわ」
「それが本当だとしたら、また変な特性だな。レムにも効果あるのか……? まあ取り敢えず、この件は置いといてだ。なんでエミリアたんや、ベア子がここに来てないんだと思う? この時間に俺とラムのどっちかがいないと、起しにきてもおかしくなさそうなもんだが」
「バルスの姿が見えないとなれば、エミリア様やベアトリス様が騒ぎ立てるのは目に見えているわね。となれば、ロズワール様の采配以外に考えられないわ。バルス、着替えが済んだらロズワール様の元に行くわよ」
スバルの疑問にラムは憶測混じりながら答え、一先ずの方針としてロズワールの元に向かうことにした。ラムは無残に引き裂かれたメイド服を一瞥した後、遠慮なくクローゼットを開くとスバルの着替えを取り出し、自分も着るか迷っている素振りを見せる。きっと匂いがどうとか気にしてるんだろうなと、スバルは苦笑いでその背中を見るのだった。それからラムは苦渋の決断とでも言いたげにスバルの服を着て、人目につかないように二人でロズワールの書斎へと向かった。
部屋の前につくと、ロズワールはまるで来ているのが分かっているかのように、扉の先から二人へ入ってくるよう声をかけてきたのだった。スバルとラムは部屋に入ると、左右色違いの目で二人を見て、笑みを浮かべている道化師メイクの男と対面する。彼こそこの屋敷の主人である辺境伯にして、六属性の魔法を操る宮廷筆頭魔術師──ロズワール・L・メイザースであった。
「やあやあ。昨夜は、お楽しみだったよーぉだね」
「まさかお前にそんな台詞言われるとはな。きょうび聞かないぜ、それ。多分、つーかそうなんだろうけど、エミリアたん達が俺の部屋にこなかったのってお前の仕業なんだろ? まあ一応礼を言っとくぜ、ありがとうな」
「くくっ、いやいやぁ構わないとーぉも。お若いお二人さんは盛り上がったようで、実に何よりだ」
「ロズワール様。昨夜は申し訳ありませんでした。ロズワール様との御勤めに行けず、あまつさえ事後処理を任せてしまう始末。ラムはいかような罰も受けるつもりです」
表面的には言葉を伸ばし、揶揄うような道化師染みた口ぶりは普段通りのように見えた。だが、どこか、スバルにはロズワールの表情が硬いようにも思えた。そんなスバルが思案する横、ラムが一歩前に出て深々と頭を下げる。ラムとロズワールは急な用事がない限り、夜ごとにする
「それも構わないよぉ。罰する気も、怒る気もないさ。むしろ興味深い事例を目にすることが出来て、僕としては二人の関係に祝福をしたい気分だーぁね」
「は? 祝福ぅ? どういう意味だよ、それ。俺とラムが祝福されるような関係に見えるか?」
「いかにロズワール様といえど、この性獣との関係を祝福されるのは遺憾です」
「くくっ、仲が良いねぇほんと。スバルくんの疑問に答えるとね、ラムが角をなくして以前とは比べ物にならないくらい弱くなった。という話はどこかで聞いたことはあるかい? ラムはね、角が補う筈の肉体を動かす莫大なマナ──体を動かす燃料が用意出来ないことで、肉体は常に苦痛と倦怠に蝕まれているんだ」
ロズワールの言葉にスバルはラムの方に顔を向けると、彼女は視線でスバルの疑問を肯定した。以前、レムがまだ健在の時にはラムはよくサボっているなと思っていたが、今の話を聞くとスバルはそう思ってしまった自分の無知を恥じてしまう。しかも昨日ラムと散々交わったことで、負担をかけてしまったんじゃないかも思い顔を曇らせる。スバルはラムに謝ろうとした所で、ロズワールが話を続ける。
「そのまま放置すれば、ラムの肉体は急速に衰えていく。ラムの肉体は角があった時と同等のマナを、摂取することを常に求めているんだーぁね。角がある時と同等のマナを自力で供給出来ないのであれば、外部から与えられる必要がある。普段は夜、こっそりと私が補給を担当しているんだーぁよ」
「……あ!?」
ロズワールの言葉に、スバルは自分が目撃した光景──御勤めはマナ補給のことだったかと納得する。昨晩の血が混じった精のことを考えると、ラムとロズワールに肉体関係はなかったのかもしれないともスバルは思う。ロズワールは夜のことに強く反応を示したスバルを見て、その道化師染みた口元を三日月のようにして笑みを浮かべる。
「おんやぁ? スバルくん、何か心当たりがあるのかーぁな? ふふふ。どうやら私達の密会を、どこかで見ていたようだーぁね?」
「いやらしい。人の蜜時を覗くなんて万死に値するわ。苦しみぬいた末に絶命しなさい」
「んなじっくり見たわけじゃじゃねぇーから!! ラムがロズッちの部屋に入っていくの見ただけだからっ! ほら、話しを戻すぞっ! つまりラムはマナの補給がないとヤバいってことなんだろ? じゃあ昨日しなかったってことは、今めちゃくちゃヤバいんじゃないか? 俺の──」
「思いあがらないでちょうだい。ラムの負担をバルスが背負おうだなんて烏滸がましいにもほどがある。一日しなかったくらいで死ぬわけじゃないわ」
「まーぁ、そうだね。マナを節約して使えば、暫く補給しなくとも問題はなーぁいね。本題に戻ると、私が祝福したいと言ったのは、目に見えるくらい、ラムのマナが潤っているのが分かるかーぁらさ。不思議なことに、ね」
その言葉に、少なからずロズワールの言葉に熱がともったのをスバルは感じ取った。同時に横にいるラムも不愉快そうに、しかしどこか活力に満ちているようにも見えた。二人ともこの行為に思う所は大きいようで、スバルは襲われたのだというのに、申し訳なさを感じてしまう。ロズワールは一息つくと、普段と同じように努めて話し始めた。
「本来、他者へのマナの供給は火・水・風・地の四種類の属性を均一にし、無属性にすることで可能となる高度な術。スバルくんじゃ絶対に無理。だーぁというのにラムにはマナが満ちている。即ちスバルくんの精が、他者のマナを満たすことが出来る特性があるということに他ならない。夜ごと苦労していた私が、馬鹿らしくなーぁるね」
「ううむ……まさかの才能発覚。なんでこういう力ばっかあるんだか。もっと戦えるような力が欲しいものだぜ」
「そう卑下するものじゃなーぁいよ。むしろ戦力という点なら、エミリア陣営は鬼札──スバルくん風に言うなら、ジョーカーを手にしたといっても過言じゃーぁないよ」
「マジで? この姉様が?」
「愚問ね……鬼神の再来、そう言われたこともあるわ。厭わしい表現だけど、それにたる力は持っていたもの」
確かに彼女は聖域で今やエミリア陣営の盾となったガーフィール、地霊の加護という大地を統べる力を持つ強者を、一時は押しとどめた活躍はスバルも知る所だった。ロクにマナを使えない中でそれを成し遂げたのであるなら、あながち噓ではないと感じられた。スバルが納得したのを見て、ロズワールはある提案を切り出した。
「さーぁてスバルくんも納得した所で。私としてはこのまま、ラムのマナ補給をお願いしたいと思っているよ。エミリア様の王選を支援する根回しのため、私が遠出しやすくなるというのは大きな利点だーぁからね」
「っ、いや、それは、ダメだろ? そもそも今回のはどうもアレの匂いでラムが暴走しちまったのが始まりで、望んでしたわけじゃねぇ。ロズワールだって、俺とラムがするのは、嫌じゃないないのか? そういうことするのは、想い合う人同士ってのが俺の本音だ」
「くくっ。生きながらえるために結婚し、子孫の体に乗り移ってきた私には純真過ぎる反応だーぁね。叡智の書もない今、私には未来を知ることは出来ない。王選を勝ち抜いたその先のため、そしてエミリア様を狙う魔女教や大罪司教。少しでも戦力の充実を求めるのは自然なことだーぁよ。それ以外、ないとも」
「ッ……! ラム、ラムは嫌だろ!? 俺みたいなやつと、好きでもない相手とするなんてっ! ラムからも、何か言ってやってくれよ!」
「ラムはロズワール様のためになるのなら、一切の迷いはないわ。ただ、一つ言わせてもらうなら……ラムはたとえどれだけ汚されようとも、ロズワール様を愛していると。それだけは覚えていてほしいのです」
「……ああ、よく覚えているとも」
ラムの滅多に口にしない、愛の告白。ロズワールはラムの言葉を、眩しそうに目を細めながら受け止めていた。暫し、ロズワールの藍色と黄色のオッドアイがラムの薄紅の瞳と交錯してたい。まるでスバルがいないかのように二人だけの空気になる中、スバルはぽつりと思ってしまったことを口走ってしまう。
「……俺って、汚れ扱い?」
「当たり前でしょ。何の確認かしら? ベタベタと人の体にぶっかける男なんて、汚物以下の所を汚れと称しているのよ。ラムとロズワール様に五体投地して感謝しなさい」
「ぐぅ、一言言ったら二言三言以上で返ってくる……っ! つ、つーか俺はまだ納得してねぇーからな! エミリアたんやレムがいるってのに、他の娘とするのはよぉ……俺の心情的には絶対ノーだ!」
なんだか納得したような雰囲気を感じ、スバルは二人に指を刺して異を唱える。行為の最中に度々口にしていた通り、スバルには二人の大事な人──エミリアとラムがいた。彼女達のことを考えると、ラムと肉体関係を持ち続けるのは、異世界の常識からも受け入れ難いことだった。
「ふーぅむ。先に述べた利点だけでは納得出来ないと? 誰も見捨てないというスバルくんの目的に沿うなら、ラムの力はこれ以上ないほど役に立つと思うよ。何より、私の補給ではラムの健康までは良くならないが、君の補給ならラムは健康そのもので活動出来る。これは素晴らしいことじゃないかーぁな?」
「バルス。何時までも女々しいことを言ってないで腹をくくりなさい。それにこれはバルスのためでもあるのよ。バルスは愚図だから、きっとエミリア様や
「ん、ぬぅ、ぐぅっ……! 否定し辛いこと言うよな、姉様は……後悔するなよ。ロズワール、ラム」
「ふん、誰に言ってるのかしら。バルス、後悔させないであげるわ」
スバルはラムの言葉にも一理あると感じ、ラムが心身ともに健やかに過ごせるようになるのならと、受け入れることにした。スバルの最後の確認に、スバルよりよっぽど男らしく返すラムの心意気に感心しながら話は纏まった。こうしてロズワールの許可の元、スバルはラムにマナを供給することになった。餞別のつもりか、彼からマナを補給をする際に利用するといいと、隠された地下室への抜け道も教えてもらう。
それから数カ月。どことなく二人の様子が違うことに勘付いている皆の目を盗んでは、スバルはラムにマナ補給するため文字通り精を出すのであった。
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スバルとラムのマナ補給は主に地下室で行われていたが、時折我慢しきれずその場でしてしまうこともあった。スバルやラムの部屋はもちろん、掃除をしている最中に屋敷の倉庫で、買い物に出かけて帰ってくる竜車の中ですることもあった。尚、竜車での行為はスバルに懐いている竜のパトラッシュに訝しまれ、メイド長でありガーフの姉でもあるフレデリカには、獣人の嗅覚故か匂いに勘付かれ、二人してお説教を受けることもあった。それでもスバルはラムを求めるのを止められず、彼女が眠るレムの着替えを済ました直後に襲ってしまうこともあったのだった。
「ごめん、ラムっ。ごめんレム……っ! ふっ、ふっ~~!!」
「んっ、ぉ゛っ、ぁ゛ぁぁっ……いつも以上に、激し……っ! さいてい、ねっ! この娘の、レムの前でっ、ラムを犯すなんてっ──ぁ゛ぁ゛ぁ゛っっ!!」
最後に別れた時から時が止まったとうに、皆の記憶から消えて眠り続けるレム。普段彼女の眠る部屋は人が訪れない限り無音で支配されていたが、今はレムの眠るベッドにつく手から伝わる揺れが、ベッドを軋ませる音を響かせていた。手をついているのはラムで、彼女は挿れやすいように腰を突き上げ、後ろからスバルに突かれまくっている。妹らしい彼女の前だから、ラムは普段以上に感じているようで、押し殺そうにも盛りのついた雌のように嬌声をあげてしまう。スバルも自分を大好きだと言ってくれて、英雄として立ち上がらせてくれた彼女の前で姉とヤるのは、得も言われぬ快感が全身を巡っていた。ラムは慈しみや申し訳なさを目に浮かべてレムを撫でながら、何発もスバルの中出しを受けるのであった。
こうしてマナ補給という名の性交が、日常的になったある日。スバルは遅めの朝食兼昼食を取っていた。ラム特性のふかし芋を頬張りながら、
「スバル! やっぱりここにいたのかしら!」
「ぉっ! ぉおお、ベア子おはよう! い、いやー、んっ、ちょっと、寝坊しちまってな。ベア子は、もう昼飯食べたんだろ?」
「ベティーはもう食べたかしら。って、そんなこと今はどうでもいいのよ! スバル、ここ最近寝坊が多くないかしら! ベティーの契約者として、そんな不健全な生活は見過ごせないのよ!」
「それは、すまん──ぁっ! ら、ラム、ちょっと止まってくれ……」
「スバル? 何か言ったかしら?」
こてんと首を傾げる少女──ベアトリスに、スバルは必死に笑みを浮かべてなんでもないと身振り手振りで対応する。ベアトリスはとある
テーブルクロスで隠されたスバルの足元、そこにはラムがバルスのまだ猛り勃つ剛直を咥えながら膝をついていた。ここ最近のスバルの性欲の盛り具合は尋常ではなく、異世界に来てから出していなかった分を放出するかのように、滾り荒ぶっていた。最初こそ食堂に来た時は、ラムの芋を食べながら和気あいあいと喋っていた。しかし腹を満たすと性欲も盛り上がってきてしまい、匂いを嗅ぎつけたラムは悪態交じりに愚息をしゃぶり始めたのであった。
「ぁ、いやぁ……いつ見てもベア子は超可愛いっ! そんな気持ちが口に出てたかもだ!」
「んにゃっ!? も、もうスバルったら何を言ってるのかしらっ! 調子の良いことを言っても、今日のベティーは誤魔化されないのよ! 寝坊もそうだけど、ロズワールが言っていた御勤めでここ最近ずっと忙しそうなのよ。いい加減、ベティーにくらいワケを話したらどうかしら。ペトラもエミリアも、心配してるのよ……」
「そう、だよな……ベア子にも心配かけてるよな」
スバルはベアトリスの心配そうに見上げる瞳の直視に、胸を抉られるようだった。彼女やエミリア達に本当のことを話したいと思ったことは何度もあった。だがロズワールにスバルの精の特性は、よからぬ者を引き寄せることに繋がると話し、秘密を知る者が多ければ多いほど露見するリスクが高くなると語った。故にこのことは三人だけの内密にした方がいい、よしんば関係が完全にバレたり見抜かれたら話せばいいと、ロズワールは結論付けた。スバルも考慮の上、ピュアな者も多いエミリア陣営の皆には明かさない方がいいと結論付けたのだった。
「すまねぇ、御勤めに関しては話せない。ただ危ないことはしてないのは本当だ。それとこっちにかかりっきりで、ベア子達を寂しがらせて本当にごめん」
「べ、別にベティーは寂しがってないかしら! むぅ……スバルがそう言うなら、それで今は納得しておいてあげるのよ。契約者を立てるベティーに感謝するかしら」
「ああ、何度感謝してもしきれねぇよ。ありがとうベアトリス。これからは、御勤めに関してはほどほどにしておくよ──っぉ!!」
今後は御勤めを控えるように言いかけた所で、ラムが頬をすぼめスバルの肉棒に吸い付いた。気の緩んでいた所の不意の一撃はスバルに甲高い声を響かせる。下を見れば、勝手に決めるなんてバルスの癖に生意気ねとでも言いたげな、ラムの口淫でも崩れない美貌があった。
スバルはラムに勝手に話を進めたのは悪かったから、今は止まってくれと目でジェスチャーする。が、ラムは舌を伸ばすとゆっくりと焦らすかのように反り立つ巨根の茎部分を舐め上げる。匂いで発情状態なのか、ラムは止まらない。スバルは背筋に鋭い稲妻が奔るかのような快感を受け、身を震わせながら平静を保とうとする。
「じゅる……じゅぽぉ……ずりゅっ……じゅるるるっっ」
「あぁ、はぁぅ、うぉぉおおお……っ!」
スバルのことなど知り尽くしたラムの口淫を受け、とても冷静さなどは保てなかった。すぐそこにベアトリスがいるという極限の緊張感が、感度を倍増させているようにも感じられた。ラムの小さな舌が肉を擦り上げ、亀頭の先端を唇で吸い、そして竿の根元まで一気に強く吸い上げる。喉まで使った至高の口淫は、溜まった精と一緒に竿を引き抜くような、底抜けの快感となってスバルを襲う。スバルが突如顔をテーブルに突っ伏すと、ベアトリスは驚きつつも彼の身を案じ近づこうとする。
「ぴゃっ!!? お、驚かすんじゃないのよ!! スバル、本当に大丈夫なのよ? ロズワールの怪しげな実験に付き合って、何か後遺症が出たんじゃないかしら?」
「ま、待ってくれっベア子! だ、大丈夫だ。そ、それよりだな、俺が飯食い終わったら、今日は一緒に過ごそうぜっ! ペトラも一緒にさ。だから、ペトラにも伝えてきてほしい……頼めるかっ?」
「スバル……はぁ、分かったのよ。その代わり、絶対来るかしら! 約束を破ったら承知しないのよ!」
「あ、あんがとよ。ベア子……っ」
これ以上聞き出そうとしてスバルを困らせたくない。そうベアトリスは判断したのか、スバルの伝言を引き受けるのだった。健気なベアトリスは、食堂から離れる前に一度振り返ると、スバルに声をかける。それと同時にラムが剛直に強く吸い付き、スバルの射精感の枷を解き放ったのであった。
「スバル。話せるようになったら、ベティーじゃなくていいから話すかしら。皆スバルの力になりたいと思っているのよ」
「ぉ──っっっ、はぁ、あぁぁ、分かった。ベア子、愛してるぜ……」
「っ、もう! スバルは本気でそう思ってるからたちが悪いのよ……ベティーも、愛しやらんこともないのよっ」
スバルの言葉にベアトリスはまた言ってるとでも言いたげに赤面するが、彼女も本心からの好意を口にして去っていくのであった。バレてしまうかの緊張から解放され、どっと疲れたスバルは椅子の奥深く体を沈めた。そして静かにテーブルから這い出てくるラムへ話しかける。
「っ……はぁ〜〜! ラムっ、お前なぁ……流石にこれは反則だろ」
「んぐっ、んくっ、んんっ……はぁっ。そう言う割に、全く萎える気配がなかったのは何故かしら。それにダメというなら、誰彼構わず愛していると言うバルスの不潔な態度を問いただす必要があるわね」
「不潔って、別に仲間のこと愛してるっていうくらいは普通だろ。もちろんラムのことだって愛してるぜ! ラムも口に出すようにすれば、俺の気持ちが分かると思うぜ。ロズっちに言うみたいに、一回だけで良いから俺にも愛してるって言ってみてくれよっ!」
「……想像するだけで、おぞましさで吐き気が止まらないわ。そういう言葉は、ここぞという時に言うもの。軽々しく、何度も使えば重みが薄れるもの。よって断固拒否するわ、バカス」
ラムにとって愛の言葉とは軽々しく使うものじゃないと考えており、決してスバルに好意を直接口にしたことはなかった。物は試しと提案してみるが呆気なく断られ、まあそうなるだろうなと分かっていたが、残念な気持ちもあるスバル。ラムの意見も間違いではないと思いつつ、スバルはラムへのここ最近高まっている、抑えきれない想いを言葉にするのだった。
「いつも以上に辛辣な罵倒ネームッ! まあラムの理由も一理あるかもだ、無理強いは出来ねぇ。が、俺からは言わせてもらうぜ。ラム、いつも飲んでくれてありがとな。ラムにはしてもらいっぱなしで、ほんと助かってる。大好きだし、愛してるぜ」
「……フン。別に飲みたくて飲んでるわけじゃないわ。ただバルスの粘着質で中々落ちない、大量の精液を床にぶち撒けられると、掃除が大変だから飲んでるだけよ。それにバルスの精からマナを補給するのは、ロズワールの指示だもの。バルスが感謝することじゃないわ」
「へへ、そういうことでもいいけどさ」
口さがないラムではあるが、これまでしてもらってきた奉仕で、彼女が口にした精液を吐き出している所をスバルは見たことがなかった。それは食堂のような共用のスペースから、吐き出しても問題のない地下室でも。スバルの精からマナを補給する都合もあるだろうが、喜んでいるのが察せられているからだと、スバルは考えていた。ラムが優し過ぎるとは、彼女の
射精の余韻が過ぎ、スバルは思考を巡らせる。今日のようにハプニングもあるが、スバルはラムとすることに後悔は全く感じていなかった。だがエミリア達が不審がっているのも確かなので、一旦御勤めを中止するべきなのかもとスバルは考えた。
「なあラム。ベア子も言ってたけど、皆俺達のこと心配してるみたいだし、御勤めの頻度減らさないか? あ、決してラムとするのが嫌ってわけじゃないからな!」
「大声で言い訳しなくてもいいわ。確かに、ペトラやフレデリカに探られて、少し面倒だったし……いいわ。暫くは御勤めを辞めましょう」
「お……てっきり、ラム的にはもっと渋るもんかと。さっきも俺がベア子にほどほどにするって言ったら、急にしてきたくらいぞっこんだったのに。暫くしないで、体調の方は大丈夫そうか?」
「ハッ! あれはラムに伺いなく、バルスが勝手に話しを進めたから虐めただけ。体調の方はバルスの脂ぎった精のせいで、一ヶ月は持つと思うわ。ラムどうこうより、バルスの方が我慢出来なくなるんじゃないかと危惧しているけど?」
「俺が? いやーここ最近ずっと出しっぱなしだったからなぁ。そういうラムの方こそ、俺と出来なくて溜まるんじゃ──」
「冗談はその顔だけにしないと、その面引っ剝がすわよ」
「発言が物騒だって! ま、まあラムがいいなら、暫くは前みたいにお互い過ごそうぜ。もし我慢出来なくなったらいつでも言ってくれていいからな」
スバルのまとめにラムが鼻を鳴らしたのを皮切りに、ここ暫く熱中してしまっていた御勤めを中止することに決定した二人。関係を待つ前のようにベアトリスやペトラ、座敷牢にいるメイリィと遊んだり、オットーやフレデリカを手伝う。トレーニングも継続し、時にエミリアやガーフとの訓練に付き合ったりしていた。何気ない充実した日常を送るスバル。だが。前と同じとはいかないのであった。
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ラムとの御勤めを中止してから数週間。ラムとはその日の挨拶以外では殆ど会話をしておらず、雑談をする時もエミリアやガーフィール等の、第三者もいる中での至って健全な交流のみであった。どこか他人行儀なラムの態度に、寂しく感じていたある日のこと。その日は、スバルにとって試練の連続となるのだった。
午前中はアスレチックゾーンでガーフィールやエミリアと一緒に走り込みをして健康的な汗をかく。そして正午からベアトリスやペトラと一緒に本を読んだりしていたのだが、二人の接し方が問題だった。本を読み合う途中で、悪戯しようと思ってか、ペトラがスバルの膝に座ってきたりしたのである。赤みがかった茶髪をリボンでまとめたおしゃまな彼女は、普段は子供扱いされるのが嫌な女の子なのだが、こうして甘えてくることも多々あった。以前なら問題なかったことだが、こと己の性欲を自覚したスバルにはあまりにも毒だった。
「ん、んんっ~~~~! ペトラ、ちょっといいか?」
「どうしたのスバル? 本よみづらかった? もしかして……わたしって、重い?」
「いやいや全然ッ重くない! むしろ育ち盛りなんだから、もっと食べてもいいくらいだっ! いや重くないんだけどな、その、女の子が男にこうやって座るのは良くないというかだな……」
「え、そうなの? 村の人には好きな人にはこうしてあげたら喜ぶって教えてもらったのになー」
スバルはありのまま伝えるわけにもいかず、モゴモゴと諭そうとすると、ペトラはどこか楽しげにスバルの上で体を揺らす。少女から女へと成長しつつある、柔らかな肉の擦れと振動が、スバルの肉欲を刺激する。反応しては駄目だとスバルは己の理性を強く保とうとし、天を見上げて口を一文字にキツく結ぶ。
(煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散ンンンンッッ!! くそぉ、俺は至ってノーマルだってのに……!)
「ふにゃ!? ペトラ、お前一体何をしてるのかしら!」
「あ、ベアトリスちゃん! 今ね、スバルの上でお話してたの。スバルったら、わたしが膝に座ったら恥ずかしがってるみたい! ベアトリスちゃんも乗ってみる?」
「ペトラ!? 俺の膝の上は乗り物じゃないからなっ!?」
「ふ、ふーん? ペトラはお子ちゃまね。ベティーからしたら面白くもなんともないように見えるのよ。け、けどお遊びに付き合ってあげるのも一人前のレディの務めかしら」
煩悩と戦っているとおすすめの本を持ってきたベアトリスが、スバルの膝に座っているペトラを見て声を上げる。自分だけ仲間外れにされている、とでも言いたげに頬を膨らませてむくれているのを見て、ペトラは抜け駆けしちゃってごめんと舌を出して謝っていた。
ベアトリスは口では子供っぽいとか言って素直じゃなかったが、体はおずおずとスバルの膝に座るよう動いていた。ベアトリスはペトラ以上に積極的で、抱きつくようにスバルの膝に座ったのであった。
(ぬぅわあああ!!! ベア子の抱きつきで俺がヤバいッ! 理性、もってくれぇぇぇっっ……!!)
「お、重いとか言ったら許さないのよ!」
「そ、その心配はない、ぞ。むしろ軽すぎて心配──ベア子、あんまり動かないでくれっ!」
「わぁ、ベアトリスちゃん大胆! いいな、私もそうやって座ればよかったなぁ。ね、ね、次はわたしもそうやって座りたいな~~」
「だ、ダメなのよ! これは唯一の契約精霊である、ベティーの特権! 今そうなったかしら! ペトラはダメなのよ!」
縋り付くように対面で座るベア子に、スバルは微笑ましく暖かい目を向けるが、彼女のゆらゆらとした動き、甘く香る匂いがスバルの獣欲を刺激し続ける。ペトラはベアトリスの座り方に感心したようで、次は自分もとスバルの膝をさわさわと撫でていると、ベアトリスが自分だけの特権だと独占しようとする。
「えぇぇ、ずるいよベアトリスちゃん! むぅ。そんなこと言うだったら、ベアトリスちゃんがいない所で、スバルにもっとすごいことしてもらうんだから!」
「こ、これよりもすごいこと!? そんなのがあるのかしらっ!?」
「ふっふっふっ。わたし、村の皆からベアトリスちゃんも知らないこと、たっくさん教えてもらってるんだから!」
「ぅぉ……! 二人とも仲が良くて何よりだけど、もうちょっと落ち着いてくれ……っ」
スバルの膝の上で、ベアトリスとペトラはヒソヒソとスバルに聞こえない声で軽やかに話していた。純真無垢な幼き少女二人の絡みは眼福極まりなく、知り合いの
幼女達の猛攻を耐えきり、辺りがすっかり暗くなった頃。スバルは庭園で銀鈴の声を持つハーフエルフ──エミリアと二人きりで会っていた。ひっそりとした庭園で、エミリアはスバルのすぐ隣に座る。生地の薄い、肩や胸上の露出の激しい寝衣を少しも恥ずかし気もなく晒しており、スバルは彼女の体を見ないように顔を凝視する。だがむしろ彼女の心底嬉しそうな笑顔、自分だけを見つめる紫紺のような瞳が、スバルの心臓の鼓動を加速させる。
当の本人はスバルをそんな気にさせているとは露知らず、今日あったこと、話せていなかったことを、弾むような声色で話し続ける。身振り手振り、屈託のない緩んだ表情で話す彼女を見るだけで、スバルはエミリアが大好きなんだと魂で理解する。頭の先から足の先まで、魂に至るまで全身全霊で、エミリアが好きだった。それだけにラムとしている御勤めを話せないのが心苦しかった。笑顔で相槌を打っていたつもりだったが、スバルの苦心に気が付いたのか、更に体を寄せるエミリア。心音が聞こえそうな距離で、スバルは朝から感じてた中で一番の興奮を感受する。
「スバル。何か困っていることがあったら、てんてこ舞いになる前にちゃーんと言ってね? 私、絶対力になるから!」
「っ……! てんてこ舞いって、きょうび聞かねぇな。もちろん。俺だけじゃどうにもならなくなったら、エミリアたんを頼らせてもらうぜ!」
「追いつめられた時じゃなくても、頼ってほしいんだけどね……」
スバルの強がりに、困ったような笑顔を浮かべながらエミリアはスバルの肩に頭を寄せる。スバルの鼻腔をくすぐる石鹼や彼女自身の匂いが、スバルの愛情やら欲情やらを昂らせる。今すぐにでも彼女を押し倒して、その白磁の肌や幼い内面に反するかのように成長した双丘を堪能したかった。だがスバルは彼女が恋愛感情を理解し、振り向いてくれるのを待つし、振り向かせるために頑張ろうと心に誓ったのだ。無理やり襲うのは最低だと、心を厳しく律する。
そんなスバルの矮小な理性を嘲笑うかのように、エミリアは急にスバルの腕をその豊満な胸で抱きしめた。数多の逢瀬でスバルの心を占めていたラムの存在に比類するように、彼女の圧倒的な弾力がスバルの心に割り込んできた。
「ッッ~~~~!!? え、エミリアたんっ!? 今日は、ずいぶんと大胆だねぇ!?」
「え、そう? 普段とそんなに変わらない気がするけど……今日のスバルは、すごーく百面相ね。ねぇ、スバル。ここ最近ラムと協力してロズワールからのお願いを頑張ってるみたいだけど、息抜きもとーっても大事なお仕事よ。だから今度、でえとしましょう!」
「うぇ!? でえと……デートっ!? エミリアたんとまたデート出来るの!?」
「うん。コスツールはまだ私もよく見て回ってないから、一緒に見て回りたいと思って。いやだったり、した?」
「そ、そんなわけないない!! エミリアたんの都合がつきしだい、デート、行こうぜ!」
そう言うと、エミリアはぎゅっとスバルの腕を掴む力を強くして喜んだ。極上の感触にスバルはもう我慢ならなかったが、エミリアが自分を心配してくれているのに邪な思いを向けてはいけないと、エミリアに見えないように自分の肉を抓る。痛みで性欲を制し、エミリアとのデートを大歓迎する笑みを浮かべるのだった。それから暫くエミリアに腕を挟まれたまま会話は続き、スバルは限界がもう間近に迫っているのを深く実感するのだった。
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性欲が抑えられなくなるのはスバルの方だという、ラムの予想は見事的中していた。昼夜問わずスバルに好意を抱いてくれる彼女達の激しいスキンシップは、性欲を煽るには十二分であった。ギンギンと勃起が治まらない愚息を前に、スバルはあれだけ啖呵を切ったのだから、自分一人で処理しようと試みる。妄想の中だからと、大好きなエミリアや今は眠るレム、他にもスバルが出会ってきた多種多様な美女達を妄想に自慰で発散しようとする。だが妄想ではスバルは満足出来なかった。
言うまでもない銀髪が眩しい氷結の主、戦乙女という言葉が体現したような麗人、炎のような苛烈な生き様で魅せる太陽姫、愛らしくも抜け目ない百戦錬磨の大商人、雄々しく凛々しい赤眼の金獅子、どれもスバルを満足するまで達せられなかった。スバルの心を占めていたのは、桃色の髪を靡かせる鬼族の彼女だった。
「やっぱり……ラムじゃないとダメなんだ」
どうにか午前中を耐えきり、スバルは時折熱い鼻息を吹き出しながらラムの部屋に向かう。エミリアやベアトリス達と鉢合わせにならにようにと祈りながら、彼女の部屋の前に仁王立ちで立ち尽くす。そしておずおずと扉を叩こうとした所で、部屋の中からさっさと入りなさいと言われてしまう。ノックもしてないのに気付かれたのかと、ラムの感知力に舌を巻きながら、スバルは周囲を見てから中に入る。部屋の中でラムは、机に積み上げられた書類に書き込んだり、印章を押していたりしていた。そして彼女がスバルに向き直ったのを見て、スバルはぎこちない笑顔を浮かべる。ラムは眉を顰め、不機嫌そうにスバルを見やる。
「よ、よう姉様。建て込み中か?」
「いつにも増して気色が悪い笑みね。ロズワール様から任された仕事が、今終わった所よ。で、何?」
「いや、その、最近あんま二人だけで話してねぇなと思ってさ。体調は大丈夫か? 疲れてないか? 肩でも揉もうか?」
「……バルスの態度がおぞましくて、気分が悪くなってきたわ。どうしてくれるのかしら?」
スバルは久しぶりのように思えるラムの刺々しさに感慨深さすら感じてしまう。彼女の薄紅の瞳にじっと見られるだけで、スバルの股間の先へと向かって血流は集まり、固く隆起しそうになっていた。ああ言った手前、自分からしようと言うのは中々に恥ずかしかった。しかし背に腹は変えられないと決意を固める。
「相変わらずの鋭さに、安心すら覚えるぜ。それで、用つーのは、ええっと、な。正直、もう我慢の限界なんだ……ラム、俺としてくれないか……?」
「嫌よ」
「即答っ!? ら、ラム。御勤めを中止した時の態度が問題だったなら謝る。それとも今出来ないわけがあるのか?」
「別に。気分じゃないってだけよ。ラムに頼らなくても、いくらでも方法はあるでしょうに。自分で処理するなり、ラム以外に頼むとか……ね」
「いや、自分で処理しようと試みたけどよぉ。ラムとした時のような、スッキリする感じはなかったんだよ。他の子に頼めって言うけど……なんか、嫌なんだ。こうして話していてよく分かったけど、俺ラムじゃないとダメなんだ。だから、頼むよラム……!」
彼女と同じ空間にいて、話をするだけでもう辛抱たまらないと心から伝える。事実それまでエミリアとレムが大半を占めていた心に、ラムの存在がチラつくようになっていたのだ。スバルは惜しげなく頭を下げて頼み込むが、ラムは詰るでもなく無言であった。やはり前にあれだけ煽ったのが尾を引いているのか、スバルはそう思いながらも頭を下げ続けた。数分ほどその無言のやり取りが続いた末、ラムは大きくため息を吐いてから口を開く。
「……全く。そこまで赤裸々で無様な姿を晒すなんて、ラムだったら憤死ものね。いいわ、チャンスをあげる」
「ッ! チャンス……!?」
「そこまでラムがいいというのなら、証明してみなさい。ラムがその気になるかは、バルス次第よ」
スバルの欲望丸出しの告白を受け、慈悲深いラムは放っておけなくなったようだった。ラムはスバルにチャンスを上げると口にし、それを受けスバルは探るようにラムを見上げる。彼女は一度立ち上がると、椅子を反対に回して再び座り直す。普段は足を組んで可憐に座っている彼女は、スバルを前にして足を広げて見せる。黒白のメイド服のスカートは奥底、無地のショーツがスバルの目に映し出される。
具体的に何をするか、ラムは言葉にしなかった。だがスバルはラムの目を見て、彼女がしてほしいことが言葉でなく心で理解出来た。スバルはラムのショーツを脱がすと、その秘裂にそっと指を這わせる。何度触れても色あせない、極上の感触に指が震える。秘所の周りを指でなぞり、唾で濡らした指をまずは一本挿入する。久しぶりのラムの膣肉は、主の帰還を歓迎するかのように密着する。指の腹で膣肉に触れると、搾り取ろうとする貪欲な絡みつきが指を襲い、二人はほぼ同時に熱い息を吐き出す。
「んっ、ふっ。爪の手入れ、忘れてなかったようね……いやらしい。いつでも準備万端ってこと」
「そりゃ、な。初めてした時に、ラムに怒られたのは記憶に刻み込まれてるからな。ラムも、ちゃんと手入れして──痛ったぁ!」
ラムはスバルに教え込んだ手入れをちゃんと忘れていなかったことに、感心した風な言葉を吐露してから、取ってつけたような詰りを口にした。続けてスバルはラムも、しっかり手入れしていることを指摘してしまう。表には出さないようにしていたのだが、以前のクンニで気になっていたのを悟とられていたのか、毛の処理をしていたのだ。スバルは思い上がりかもしれないが自分のためにと嬉しくなり、口にしてしまった所、強めのデコピンをくらってしまう。
「減点一ね。わざわざ口にされるとラムは不愉快よ。エミリア様や他はどうか知らないけど」
「す、すまん。いや、俺が口でしやすいようにしてくれてるのが嬉しくて。まあ俺はあっても、全然構わないけどな……」
「っ……その減らず口は死んでも治らないでしょうね。で、そのまま見てるだけで終わり?」
「いや、続けさせてもらうぜ」
実際、何回も死んでいるけどなとは口にせず。ラムの低評価に気を取り直して、スバルは一本から二本に指を増やして秘所に攻め入る。そっぽを向いたラムの横顔は苦々しげにスバルを見るが、決して痛がっているのではなく、むしろ心地良いのが悔しいとでも言いたげな色が視線に含まれていた。じっくりと繊細に動かす指の感触に、ラムは顔を蕩けさえ感じ切った声を漏らす。指先を濡らす蜜液の量はとめどなく溢れ出しており、スバルは指を濡らす蜜液を舐めながら、ラムがそろそろ認めてくれるかと伺った。
「んっ、ぁっ、ふっ、はぁ、ぁぁん……!」
「いい具合に濡れてきたな。まだその気にはならないか、姉様?」
「まだっ、まだねっ。んくっ……! 退屈過ぎて、欠伸を嚙み殺すのに苦労しているわ……っ」
「ははっ、強情過ぎる姉様だぜ。なら、姉様の大好きなヤツで、イカせてもらうぞ」
「っ……はッ! やれるものなら──ッッ~~! バルスっ、んぅ、あぁっ、はぁん、ぁッ!!」
ラムは紅潮した顔を逸らしながら、退屈だとあからさまな強がりを口にしてみせる。スバルはそれでこそラムだと微笑み、彼女が最も好きな前戯で絶頂させようとする。濡れそぼつラムの秘所に顔を近づけ、まるで騎士が姫君の手に口づけをするように、彼女の秘所にそっと唇を落とした。瞬間、ラムの全身が震えを発する。感極まった興奮に、ラムの喘ぎは一段階高くなった。
「あむぅ、れう、れろぉ、じゅず、じゅずずぅぅ〜〜!!」
「くっ、ぁぁ、はぁっ、バルスぅ……!」
かつて性獣と言われたのを体現するかのように、スバルはラムの秘所を舐めたくる。恍惚の声を漏らしながら、ラムはスバルの頭に手を置き震える。彼女の力なら無理やり剝がすことも出来ただろうが、ラムの手はスバルの髪を撫でるように動いていた。いやらしく響く水音と、ラムの誰が聞いても感じているのが分かる艶声が、合奏となってスバルの心を滾らせる。無我夢中でありながらも、ラムをイカせようと心血を注いで舐めること数分。スバルの舌がラムの絶頂のツボを舐め上げたと同時に、ラムの押し殺した絶頂の声とおびただしい蜜液が漏れ出すのであった。
「バルス……バルスっ。んんっ、ふぐっ、ぅぁぁっ──あっ! ぁっ、ぐぅっっっっ~~~~!!!」
「んっ、んっっ、んぐっ、んん~~っ!」
「バル、スっ……! あっ、はぁぁ……っっ!」
ラムの股から滴る鬼の神水を、スバルは喉を鳴らして飲み続ける。ラムは全身を絶頂で震わせながら、無意識でかスバルの頭を股座に押し付けていた。その荒っぽい行動も慣れたもので、スバルは気にせずラムの神水を啜りまくった。数十秒の絶頂の果て、ラムは息を大きく吐くのを何度か繰り返し、押さえつけていたスバルの頭を解放した。スバルはゆっくりと口を離し、傅きながら鬼の女主人を見上げる。そこには赤鬼を思わせるほど、蕩けた目と紅潮した顔をしたラムがスバルを俯瞰していた。スバルはやりきったと言わんばかりに、満面の笑みを浮かべて喋りかける。
「へへ、久しぶりに姉様のを浴びまくったぜ。どうだった? 俺の気持ち、しっかり伝わっただろ……!?」
「ふぅ、ふぅ……嫌と言うほど伝わったわ、このバルスケベ。ペトラやベアトリス様に代わる代わるに椅子にされて悶えて、エミリア様と腕を組んで鼻を膨らませていた癖に……っ!」
「バルスケベって……あれ? なんでそのこと──って、あ! もしかして、千里眼で俺のことずっと見てたのか!?」
スバルの言葉にラムは反論しようとするが、言い訳にしかならないと甘んじる。だが何か言い返したいと蕩けた思考が口を動かしたのか、スバルが年下と年上の幼女達や、ムチムチで無知な主に翻弄されたことを皮肉る。だがその出来事は、当事者達しか知れない出来事であった。周囲に他の人物がいなかったことは、スバルがよく把握していたし、三人ともむやみやたらに話すような人物ではないと理解していた。となればラムが知る手段は限られており、この世界の人が基本先天的に持つことがある力──加護。ラムは天からも愛されており、他者の視界を覗く千里眼の加護を有していた。
即ち、ラムは御勤めが中止された後も、スバルのことを気にしていたという証明であった。恐らく部屋に来た当初不機嫌に見えたのは、ペトラ達やエミリアとのいちゃつきが不愉快に見えていたのかもしれない。スバルはそのことに思考がいきつくと、ニヤケが止まらずラムを見てしまう。ラムは不快そうに顔を顰めるが、その紅潮はより濃くなり、耳まで赤みを帯びていた。
「姉様も好きものだな、千里眼使って見てるなんて……! それで不機嫌だったのか? ラム姉様って可愛い所あるよな」
「チッ! 黙りなさいブス」
「ブスぅ!? もうスしか名前の面影ないじゃんっ!? 両親から貰った大事な顔と名前なんだがっ!?」
「顔が醜いと言ってるわけじゃないわ。人の心に土足でずけずけ踏み込む無礼な男と愚弄してるだけよ。己の性根を顧みなさい」
「ひでぇ言われようだな。まぁ、それが菜月家の家風なんだが。それでぇ、チャンスの方はどうなったんでしょうか……?」
ラムの大きな舌打ちと、じっととした視線を受けながらスバルは伺う。その視線すらも今のスバルにとっては興奮のスパイスとなってしまっていた。スバル自身全力で前戯をしたつもりだし、思いも伝わったようだが、ラムは目を逸らしてすぐには答えなかった。
一分程してから、ラムは何も答えず椅子から立ち上がる。ベッドに向かって歩き出すと、正装たるメイド服を脱ぎ、見慣れた純白の下着姿も脱ぎ捨てて、ベッドに横たわった。そのままラムは、紅の引かない横顔でスバルに語り掛ける。
「……及第点ね。バルスが勝手にやる分には、好きにしなさい」
「ッ──! ラムっ!!」
「ん! ふっ、あぁ……バルスケベ。ちゅっ、んむぅ、ちゅ……!
思わずとスバルはベッドの上に飛び乗ってしまう。スバルはラムの体に覆い被さり、恐る恐る彼女の唇を奪った。久しぶりの感触は、甘美で妖艶な味がした。たまらず舌をねじ込むと、ラムは抵抗することなく受け入れる。スバルの伸ばした舌にラムの舌も積極的に絡んでくる。スバルはキスをしたままラムの体を強く抱き寄せると、ラムの腕も目の前の男を受け入れんと緩々と抱擁する。再会を祝す、啄むような熱烈な口づけは数分に渡り、呼吸をするため離れた口と口には、ネバついた銀の橋ならぬ細糸が幾重にも絡まっていた。
脱ぎ捨てるようにスバルは自分の服を床に落とすと、ギンギンに勃起した剛直をラムの秘所に宛がう。待ち侘びた感触にスバルはもちろん、ラムの喉を鳴らす音が部屋に鳴り響く。そして最後の理性の縄を断ち切るかのように、スバルが腰を落とし、ラムの玉体へ己の愚息を沈めていく。抵抗なく受け入れる侍女の膣内は、久しぶりの来客に歓喜してか、より一層ぬめりと密着感が増していた。スバルの肉の切っ先が子宮に届くと、二人は全身をガクンと震わせ息を荒くする。
「ぐっ、ふぅぅぅっっ……! ラムの中、めっちゃキツく感じるっ。久しぶりだからか……? ラムは、大丈夫か? 一気に挿入しちゃったけど、痛くないか?」
「ぁっ、んっ、 別にっ、普段通りよ……っ。女の口から感じてるって言われないと、安心出来ないの?」
「そりゃぁ、苦しませてるかもと考えたらな。けど──っ! 大丈夫そうだなっ。ラムの顔、めっちゃ蕩けてて、すげぇ可愛いぜ」
「っっっ~~~~!!」
ほんの少しの腰を引き、コツンと突き上げただけでラムの顔は破顔した。ラムは憎々し気に不意打ちをしてきたスバルを睨むが、その瞳はトロンとしており、微かに空いた口からは唾液が一滴流れていた。スバルの匂いが鬼族を発情させているのが、ありありと目の前に広がっていた。感じ切っている彼女を目に焼き付け、快感を感じていると安心を得たスバルは、ゆっくりとだが腰を動かし始めた。
「ぁっ、んぁっ、バルスっ、バルスぅ……!!」
「はぁ、ラム、ふぅ、ふっ、ラムっ!! 自分の手でするのと、全然違うっ……! 相手がいるからだけじゃないっ。やっぱり、ラムだからこんなに気持ちいいんだ……っ! ラムっ、ラムッッッ!!」
「バル、スっっっ……!! ぅン、ンンッッ~~~~!!」
スバルは肉竿から全身を巡る極上の快楽に震えながらも、腰を振り続けた。熟知したラムの子宮口をノックしては、ラムの一番弱い膣道の天井を擦する。ラムは声を荒げないように口を閉じようとするが、雄を誘う艶めかしい声は口の端から漏れ落ちていた。スバルは自らの手で処理しようとした時と今の快感を比べ、ここまで違うのかと、ラムだからこそここまで感じられるのかと愛欲を露わにする。煮え滾るような欲に触れ続け、ラムの媚肉は収縮を繰り返し、スバルの精を搾り取らんと強烈な密着をするのだった。
「ひぁっ、あぁあぁっ、ん゛っ、お゛っぉぉ、ん゛ぅぅぅぅっっっ〜〜〜〜!!」
「ふンふンふン、ふンッッッ!!」
離れ離れになっていた時間を埋めるかの如く、スバルとラムの交合は夜半を過ぎても治まる所を知らなかった。正常位から始まり、ラムの魅惑な生足をしゃぶりながら突きまくる交差位。そんなラムの両脚を掴み、種付けしたいという意思を全力でプレスする屈曲位。生殖本能が溢れ出した、獣の交尾を思わせる後背位で突きまくる。全ての体位でスバルは沸騰しているかのような、熱に満ちた精液をラムの中に注ぎ込む。それでも二人の情事は終わろうとはしなかった。
「「じゅるっ、じゅずじゅるるっ、ちゅっちゅっ、ちゅるるるっっ〜〜!」」
今やラムの口はスバルを詰るためではなく、スバルのキスを受け入れる部位という新たな役目を果たしていた。ラムの美尻を堪能するように持ち上げられながら、重力と彼女自身の重さも合わさった、最奥を穿つ力強い体位──みこし或いは駅弁とも言われる体勢で、ラムは突き上げに身を震わせていた。落とされたとしても今のラムなら怪我一つないだろうが、本能からか腕も足も落ちないよう、スバルの体に絡まって愛着を示す。男に縋るしかない普段のラムなら忌み嫌う体位だが、今のラムは不思議と心地良いと快楽を堪能していた。この体位でスバルの種付け中出しを受けたい、ラムがそんな意思を示すようにスバルを見つめていたその時、ラムの扉を控えめに叩く音が二人の耳に入り込んだ。
「ラム! エミリアよ。今ちょっとだけ、いいかしら? 部屋に入っても大丈夫?」
(え、エミリアたんっ!? な、なんつータイミングで……っ!)
「エミリア様……っ!? 部屋に入るのは、待ってくださいっ」
扉の前にいたのはエミリアであった。部屋の中はラムの得意とする風魔法の応用により、防音がなされていた。そのため、エミリアに激しい交尾によるいやらしい音は聞こえていなかった。最高潮まで高まった興奮によって、離れるという案は二人から抜け落ちてしまい、スバルはラムと繋がったまま対応するべく歩き出す。木の扉一枚隔てた所で、スバルはラムと繋がったままエミリアに向き合う。
「ラム、もしかして今日はあんまり体調が良くないの? なんだか声が上擦ってる感じがするわ。こんな夜中に来て、ごめんね」
「ぉっ……お気に、なさらず。何かありましたか……ぁっ、バルスっ……」
「えっとね……スバルの姿が見当たらないの。ラムなら千里眼でどこにいるか、分かるかなって思って。スバルがどこにいるか、見てもらってもいい?」
「ッ~~~~!! バルスが、ですか……? あの娘……レムの部屋や、庭園にはいなかったのですか……?」
「うん。どっちも行ったんだけどいなかったの。お風呂とか、おトイレとかも見たわよ。けど、スバルはどこにもいなかったわ。もしかしたら、何かあったのかもしれないわよね?」
エミリアの口からスバルの名前が出た時点で二人の目は見開かれ、熱くなった体を冷やすかのような汗が流れる。ラムのしらばっくれた問いにも、エミリアは言いよどむことなく既に確認済みだと言い放つ。本来なら全身が縮み込むような極限状況だが、バレるかもという緊張感すら、炉に火をくべるようなもので。スバルのラムの興奮は、更に加熱されていた。熱に浮かされながらも、ラムは千里眼を使えない理由を毅然と口にする。
「っ……申し訳ありません、エミリア様。ラムは体調が優れず、少し寝込んでいました。ロズワール様が屋敷を不在にしている今、あまりマナを消費したくないと存じます。ベアトリス様が何も感じていないのであれば、バルスはひとまず無事かと。そのため、今すぐに捜索する必要はないと具申します……」
「ん…………そう、ね。謝らせてごめんなさい。そういうことなら、仕方ないわね。あの、ね。もしよ、もしスバルがラムの所に来たら、私が庭園にいるって伝えてくれる? 私、そこで少し待ってみるわ」
「ぁっ、ふぁっ、は、はい。かしこまりました。おやすみなさい、エミリア様……っ」
「おやすみ、ラム。暖かくして、ゆっくり休んでね……!」
体調が悪いというのはラムの真っ赤な噓だったが、エミリアは彼女の身を案じて去り際まで気遣った。彼女は本当にスバルの居場所に見当がついていなかったのか。どこかスバルがそこにいるのではないかという気持ちが言葉の端々に感じられたが、エミリアの本心は二人にも見通すことが出来なかった。エミリアの足音が部屋の前から遠くなったのを耳にした直後、スバルの腰は再起動し、ラムの最奥を抉るように持ち上げた。
「ぉ゛ぉ゛ッッッ~~!!? バルスっ、あなたっ、ん゛っ、はぁ゛ぅ゛、っっっ!!」
「ごめん、止めらんねぇ! 焦らされた分、めちゃくちゃツラくてっ。ラム、ラムっ……! ふっ、ふぅぅっっ!! ラム、一緒にイこう。俺っ、もう限界……ぁぁっっ!!」
「ん゛っ、ンァッ! ばるすっ、ふぅ、ひっ、ひゃぁっ! ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛っっっ──ばるすぅ!!」
スバルの絶え間ない突き上げに、ラムも嬌声を流し続けながら、力一杯抱き着く。鬼の全力であれば鯖折りされかねない状況であっても、スバルは全く怯むことなくラムを求め続ける。これまでの最高到達点を超えうる快感を、スバルもラムも予感し、全霊の突き上げと共に抱きしめ合う。渾身のピストンの末、二人は絶頂へと到達する。スバルのでっぷりとした剛直の切っ先から、噴火の如く精液が撒き散らされる。
ロズワールの魔法による避妊がなければ、ラムは大家族の母となっていたであろう凄まじい射精。気の抜けた嗚咽を漏らしながら、二人は絶頂に思考を融解させる。先ほど訪ねてきたエミリアのことなど、忘却の彼方に追いやるほど快感に耽ていた。その大量さや絶頂による脱力から、二人の股部からダマのような精液と、鬼族が誇る神童の蜜液や小水が二人の体と床を汚していた。
数分ほど二人は意識を彼方に追いやっていたが、絶頂が引くことで理性に伴い思考力も戻ってきた。スバルがラムを抱えたまま、暫し友情とも愛情とも言語化出来ない情欲に満ちた目で見つめ合い口を重ねる。ふとスバルは、エミリアが去り際に口にした言葉を思い出した。庭園で待っているという大好きな彼女が口にしたことに、どう対応すればいいのか。スバルがラムに何か口にする前に、彼女の方から口火を切った。
「はぁ、はぁ、はふぅ……バルス。エミリア様は、庭園で待つと言ったわ」
「ふぅ、ふぅ……そう、だな。確かに、聞いていた」
「んっ……それで? バルスはどうするつもり?」
「……ラムならどうする?」
「ふぅー……決まっているわ。もしラムが同じ立場、ロズワール様が待ってるとなれば、一刻も早く馳せ参じる。敬愛する主が待つのですもの、当然でしょう……エミリア様は、寂しがっているでしょうね」
「そう、だよな。俺、エミリアたんの元に行かないとな……」
ラムは生理的現象で潤んだ瞳でスバルを流し目で見つめる。呼吸するために自然と身じろぎしたことで、今だラムの最奥を突き上げたままの剛直に刺激が奔る。ラムは行くべきだとスバルに促す。が、ラムの肢体はスバルを慈しむように彼の体を這い、ラムの本能を反映した子宮口と膣肉は、スバルのモノに吸着して抜け出そうとするのに抵抗を示す。
エミリアを一人にはしておけない。スバルは彼女の元に行かなければならないと腰を引いて、今だイキり立つ剛直を抜こうとする。しかし離したくないとでも言うかのように、吸い付く子宮口や絡まる膣肉が、まるで生きているように剛直を包む。この快感にまだ浸かっていたい。寸前まで抜きかけた剛直を、スバルは完全に抜くことはなく再び中に挿入してしまう。ラムは小さく喘ぎながら、スバルを見上げる。
「ぁん……んっ、どうしたの、バルス? 抜こうとして、また挿ってきたようだけど。エミリア様の元に、行くんじゃないの?」
「そ、そうだっ! 俺はエミリアの元に……で、でも!」
「ラムのことは気にしないでいいわよ。十分、補給は済んだから。バルスも、満足したでしょう?」
「俺、は……」
今日だけでラムの口に膣に、合計して十発以上は出していた。だがスバルの利かん坊は言うことを聞かず、血管を浮き出させてラムへと深々と突き刺さっていた。スバルは荒々しく息を吹き出しながら、ラムを見る。彼女はそれ以上何も言わなかった。ただスバルがどうするかを、じっと観察していた。
自らの手で紅潮させた視界を埋め尽くす美貌が、舌に残る欲で実った果糖のような味が、雄の臭いと混じり合った雌の匂いが、触れ合う薄細の肉体から鳴る高鳴る心音が、両手を満たす瑞々しい桃尻の感触が、スバルを掴んで離さなかった。
五感全てをラムに掌握されたスバルは、エミリアの元に行くという選択肢を選べなかった。ラムの問に答えず、スバルの腰は再び抽送を繰り返す。ラムは薄く喘ぎながら、スバルに囁くように語り空ける。
「ふっ、あぁはぁっ、そう。それがバルスの選択なのね。ふふっ……エミリア様が泣くわよ」
「ッ~~~~!! ラム、ラムゥゥゥッッッ!!」
「はっ、んっ……! 主を放っておいて、女に溺れる一の騎士なんてっ! んっあっ、初めて、目にするわっ……! やっぱり、ケダモノじゃないっ」
「ぐっ、くっ~~~~!! ラム、ラムっ、ラムぅぅ──!!」
「んむっ──ん、ちゅっ、ちゅ、ちゅ、んっふっ……はぁ。いいわよ。どんなに最低な騎士だろうと、ラムは受け入れてあげるわ。だから、全部ラムに寄越しなさい。バルス❤️」
月下の夜。エミリアの騎士となった時に誓った想いをかなぐり捨てたように、ただラムへと腰を突き動かす。ラムの罵る口を、口でもって塞ぎ込む。欲望に負けた、ケダモノの舌を絡め取るラム。彼女は慈悲深き天使にも、残酷な悪魔にも見える顔で、スバルの性欲を受け入れていた。エミリアより自分を選んだというスバルの意思を、見て、味わって、嗅いで、触れて、感じて、ラムの瞳はこれまでにない淫靡の輝きに満ちる。それは欲しかったものを全て手にしたような、色欲に満ちた表情であった。
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ロズワール本邸。かつて滞在していた屋敷にもあった、彼自慢の浴場に引けを取らない大きな湯船で。スバルはエミリア陣営の内政官として、日夜活躍しているオットー・スーウェンと湯に浸かっていた。つい先程までガーフィールも一緒に入浴していたのだが、彼はのぼせて先に上がってしまっていた。スバルにとってオットーは、口にはなかなか出せないが、気兼ねなく友達と呼べる存在である。女性陣とは違う、何も気負うことのない文字通りの雑談をしていた。そんな中、オットーはスバルのここ最近の行動について切り出してきた。
「ナツキさん、丁度良いので聞いておきたいんですけど。ラムさんとお付き合いしていますよね? それも結構深い感じに」
「ぶっふ──!!? おま、いきなり何言ってるんだよ!? おおお、俺がいつ姉様とお付き合いしたっていうんだよ!?」
「あ、もうその反応で十分です。はい。いやあ、メイザース辺境伯の指示とはいえ、あれだけ二人でどっか行ったりしてたらねえ? それに二人が相手を見る目とか見りゃ、どれくらい進んでいるか分かっちゃいますよ。で、何か反論はありますか?」
「まっじか……んん、そこまでバレてるなら。まあ汚いオットーならいいか」
「汚いって、なんですか失礼な!? ナツキさん、相変わらず僕の扱いが雑ですねえ!?」
「いや元商人だからこういう下世話にも耐性あるだろうってこと。ラムとは付き合ってる、恋人関係ってわけじゃねぇんだ。けど、肉体関係的なあれこれがあって、な」
どうやらオットーにはスバルとラム関係がお見通しのようで、スバルはこれ以上嘘を重ねてもボロが出るだけと早々に誤魔化すことを諦めた。ロズワールからはなるべくスバルの特性を広めるべきじゃないと言われたが、ここまでバレているのと、ピュアとは程遠いであろうオットーならまあ大丈夫かとスバルは話してしまう。オットーは思っていた斜め上に進んでいたと、目を見開き驚愕といった様子だった。
「肉体だけの関係ですか!? いやー、なんだかややこしいことに巻き込まれているようですねえ。何故そんなことに?」
「なんつーか、俺の体液にあったある特性がラムの事情に関わってな。それをしないラムの体調が悪くなるから、ロズワールに任されたんだ」
「なるほど。それで、何か僕に手伝えることはありますか? また聖域のように、一人で何でもしようとしてないでしょうね?」
そう言ってスバルを見るオットーの眼差しに、これがオットーの本命の話なのだろうとスバルは察する。聖域の問題を解決するために一人でしっちゃかめっちゃかになっていた時に、スバルの荒唐無稽は話を最後まで聞き、協力してくれたのは他ならない彼であった。スバル一人ではどうにも局面にいるなら、友達に話してみろよと彼は再び言ってくれたのである。スバルは彼からの友情を確かに感じながら、口を開く。
「また蹲っているように見えちまったのか? あの時のこと、忘れたくても忘れらんねぇよ。マジでどうにもならなくなったら、お前や皆に頼る。約束するよ」
「……そういうことなら、分かりました。まあ、この場は素直にラムさんとの秘密を話してくれたということで納得しますよ。一つ差し出がましいことを言わせてもらうと、エミリア様や他の方々も気にかけてあげてくださいね」
「耳が痛てぇな。メリハリつけるよう、自制するよ」
「そうしてください。僕も口裏を合わせるくらいはしてあげますから。ふぅー……聞きたいことは聞けましたので、先に上がりますよ」
「俺はもう少し風呂を堪能していくぜ。あんがとな、オットー。上がった後に、酒飲み過ぎるなよ」
分かってますよとエミリア陣営でも一、二を争う酒豪にして酒乱が浴場から出ていく。本来エミリア陣営とは何の関係もなく、魔女教徒に捕まっていた彼を死に戻りで出来た縁から陣営に引っ張り込んだのだが、今やエミリア陣営とスバルにとってかけがいのない男だった。
暫し目をつぶって体を暖めながら、オットーとは末永く付き合っていきたいもんだなとスバルは黄昏る。不意に、背にある浴場の扉が再び開く音をスバルは耳にする。背後から床に落ちていく、湯水を被る音を聞いてオットーか、それともガーフィールが戻ってきたのかと安直に考える。少しの間そう考え気にしないでいたが、二人が再び入ってきて、何も声をかけてこないのはおかしいなと思いようやく目を開く。そして音のする方に目を向けると、スバルその両の眼を見開きギョッとする。
「なんでッ、姉様がいるんだよっ!!? 今男湯の時間なんですけどっ!?」
「大声で喧しいわね。仕事を片付けてて女湯の時間に入れなかったのよ。それ以上騒ぐなら叩き出すわよ」
「理不尽すぎる……ッッ!」
瑞々しい白磁の肌は水滴を弾いているようで。濡れた桃色の髪はしっとりとして、いつもと違う色気に振りまいていた。スバルの背後で体を洗っていたのはラムだった。新ロズワール邸でも浴場は一つしかないので、時間を区切って男子が入る時間、女子が入る時間と分けていた。今は女子が先で男子が後の時間になっていたのだが、ラムは入り損ねたから入ってきたとなんてことのないように告げる。とうに互いの裸なぞ見慣れたもので、それ以上に恥ずかしい所を余すことなく見せ合っていた。確かに騒ぎ立てるようなことじゃないが、青少年の健全な心がスバルの声を荒げさせた。
こうしてやきもきとしながらも湯に浸かっていたスバルの端、体を洗い終えたラムは躊躇することなく湯船に入ってきた。互いに何を話すでもなく、身じろぎによる波紋と、水音だけが静かに響いていた。つい前日したばかりだし、オットーにメリハリをつけると宣言したばかりだとスバルは思い返す。だがラムの湯によって自然と出る吐息があまりに艶めかしく、スバルはそわそわとラムの隣まで寄る。以前はエミリアに感じていたトキメキを、今やラムに感じるようになっていた。モジモジとしたスバルを一瞥すると、ラムは口元を歪めて喋り出した。
「我慢出来なくなったの?
「っ……ぁ、は、はは! 姉様だって、期待してたんじゃねーのかよ……? 俺とオットーの会話を覗き見て、わざと入ってきたんだろ」
「ハッ! ラムが期待している? 笑わせないで。ラムが入ってきたのは先に述べた理由それだけよ。スバルを待つなんて、願い下げね」
「そこまで言うなら。期待してなかったって言うんなら、避けろよな……」
そう言ってスバルはラムを引き寄せると、湯船に大きな波紋が起きる。そのままスバルは唇を近づけるも、ラムは避けようとしなかった。むしろ互いの体を擦り合わせるように、腕を背中に回し、口を啄むように重ね合わせた。ラムのほかほかした形の良い小振りの胸を胸板に感じながら、今回ばかりは俺の予想通りだとスバルは愉悦を抱いてしまう。
あの日。エミリアが待っているのを無視してラムを求めた時から、彼女は口でどう言おうともスバルに積極的な誘惑を仕掛けるようになっていた。最初にスバルを襲ってからは、あくまでスバルが興奮から勃起したのを抜いたり、求めた時に受け入れるという受動的な対応だった。だが今ではラムから積極的にスバルを興奮させようと誘惑し、彼との性交を愉しんでいた。加えてスバルの心境にも確かな変化があり、無意識から意識的にラムを求めるようになっていた。それは最愛の主や、眠り姫とかした彼女の妹より、想う時間が増えているかもしれないほどに。
「ちゅ、ちゅっ、んっ、れぅ、れろぉ、んっ、ふっ、ちゅっぱ……!」
「っぷはぁ……湯気もあって外も中も熱ちぃなっ。ラムの肌、ぷにぷにしてずっと触っていたい……っ!」
スバルは銭湯の浴槽にも匹敵する大浴場の縁に座り、ラムを抱えて所謂対面座位という体位でラムと深々と交わっていた。全身を密着させ、湯の熱気に負けないくらい熱く激しく情欲を交わす。視界の先が弾けているような、朦朧とするのも構わず突き上げまくる。スバルの激しい欲求を受け止め、ラムは熱い息を吐き出しながら、スバルの耳元で彼女の本音を囁く。
「はっ、んっ、バルスの体は固くてっ、ザラザラしていてっ、触ってて気持ちのいいものではないわねッ。ンッ、ふっ、筋肉も、ロズワール様に比べれば、まだまだ……ぁっ!」
「はぁ……ふぅー……姉様は、相変わらず口が減らな──「ただ」──いっ?」
「バルスが鍛えた体、ラムは嫌いじゃないわっ。よく、頑張ってるわねぇっ、ぁぁぁっっン❤️」
「ラムッッ……! ふぅ、ふぅ、ふぅ~~~~!! 優しくて、魔性の女過ぎるだろ……っ! そんなこと言われたらっ、もう止まれねぇよっ!!」
「ぁ゛っ、はぁ゛っ……! ばるすっ、はぁっ、んっ、ふぁ、ばるすっっ──ん゛ん゛っ〜〜ちゅっっっ❤️」
もはや、スバルに射精するまで止まるという選択肢は消去された。ラムの男心くすぐるお褒めの言葉は、間違いなくスバルの生殖本能を焚きつけた。誰にも渡したくない、彼女は俺の女だと言わんばかりにスバルの腰は加速し、ラムの唇にしゃぶりつく。窒息しても本望だと狂おしく求め、ラムの餅肌な尻肉に揉みながら突き上げまくる。
浴場故にラムの嬌声と肌と肌のぶつかる音もいつも違い、こもった湿り気の帯びた音が鼓膜から脳を震わせ、快楽物質を分泌しまくる。スバルの剛直にフィットするように拡張された肉壺が、スバルの抑えきれないラムへの愛欲を如実に示す剛直が、収縮して二人の快感は頂点に迫ることを知らせて。最高潮まで高まった本能が我を忘れて叫ばせる。
「ラム、ラム、ラムッ! 孕め、孕め、孕めッッッッ!!!」
「くっ、んぐっ、ぁ゛っぁ゛っ、はあ゛っ、ぅ゛ぁ゛っ! ば、るすぅっ──お゛っ❤️ オ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ッッッッ❤️❤️❤️」
限界まで下がりきったラムの子宮、そこにスバルのでっぷりした亀頭が触れた瞬間、かち上げるようにスバルは最奥に剛直をねじ込んだ。極限の快感がラムの秘所全体に信号を放ち、スバルの剛直を締め上げる。強烈な快感を伴う圧迫に促され、スバルのぐつぐつに煮え滾った大量の精液が、爆ぜるように噴きあがる。一拍でラムの子宮にスバルの白濁液が子宮に流れ込み埋め尽くす。ロズワールの施した陰魔法で妊娠は不発に終わるが、スバルの精子は彼の遺伝子を証明するかのように、諦め悪くラムの卵子と融合しようとするのだった。
何もかもを振り絞るような全力の性交を終え、スバルは大理石の床に仰向けになり、その上にラムが横たわる。酸欠で口の開閉を繰り返す魚のように、スバルとラムも荒い呼吸を繰り返し、絶頂に微睡んでいた。やがて数度息を大きく吸っては吐くのを繰り返し、息を整えたラムは横たわったままスバルに語り掛ける。
「お゙っ、ぉぉぉ……はぁぁ。はぁっ……バルス。ラムだけじゃなく、湯船にまでバルスのような精液が浮かんでいるわよ。責任を持って、処理するのよ……」
「はぁ、はぁ、お、おう……俺のような精液って、なんだよ……」
「はっ……弱くてちっぽけなくせに、諦めが悪い。好いた女のために、足搔き続けて本懐を成そうとする。タイミングだけが良い男。そんな感じよ」
「ははっ、ラムにはそんな風に見えてるんだな……」
ラムはその宝石のようなキラめく薄紅の瞳で、スバルだけを見つめながら語った。少し顔を近づければ口づけをしそうな距離で、彼女の評価に耳を澄ませたスバルはこそばゆくて吹き出してしまう。ラムへの愛おしさは高鳴り続け、スバルはますます彼女を好きになって離したくなくなってしまう。その衝動でスバルの手がラムの子宮を守る腹部に触れる。もし、自分とラムの子が孕んでいたらと思った刹那、ラムの優しいデコピンがスバルの額を捉えた。
「バカね。ラムがバルスの子を孕むわけないでしょ。ラムが子を産んでもいいと思う男がいるとしたら、六属性を操る宮廷筆頭魔術師で、広大な領地を持つ辺境伯の貴族、外見は濃紺の髪を長く伸ばし、藍色と黄色の瞳が眩しい、メイクを落とせば純朴そうな好青年だけよ」
「長々と言ってるけど、ロズワール以外認めないってことだろ?」
「風情のない言い方をすればそうね。ただ一人。例外がいるとすれば……世間で忌み嫌われているハーフエルフを王にした一の騎士で、魔女教暴食の大罪司教からラムの大事な妹の記憶を取り返した男だったら、一考の価値はあるかもしれないわ──そんな男だったら、愛して尽くすのも悪くないわね」
「ラム、お前っ……!」
「夢のある話よね。バルスのような、凡夫の生きる希望にはなるでしょ?」
ラムの言葉にスバルは声にならない声を絞り出していた。それはスバルを奮い立たせる激励であり、あまりに遠回しの告白だった。有力な王候補を出し抜き、半魔と忌避されるエミリアを王にする。レムの記憶を奪還するため、加護を超える権能を持つ異常者と対峙する。スバルの行く道は艱難辛苦そのものであり、事実彼は何度も死に続けてここまでたどり着いたのだ。死に戻りを知らないラムからすれば、タイミングが良く何故か生き残っているのがスバルという男だった。
いつ死んでもおかしくなく、才能もないのに戦う術を求め続ける彼に、全力で生き延びるための理由をラムは与えたのだ。全ては彼にも幸せになってほしいと言う、ラムの優しさに他ならなかった。その感情は友情という言葉では収まらず、愛と言う言葉が相応しかった。軽々しく、何度も使えば重みが薄れるからと拒んだ言葉を、今ラムはスバルに向かって口にしたのだった。
「全く、ラムもおかしくなってしまったわね。惹かれる要素は微塵もない、異性として魅力など感じなかった男にこんなことを言うなんて。全部、バルスが悪いわ」
「っ……ラム、ラムっ! 俺、絶対にレムの記憶を取り戻すっ! エミリアを王にして、彼女の故郷を救うよ! そして、ラムに……俺を愛させてやるっ!」
「はっ、身の程知らずな誓いね。期待しないで、見守っててあげる。死ぬんじゃないわよ、バルス……❤️」
スバルはラムの愛の言葉に頷く。だがラムの願いも空しく、スバルはこれから何度も、何十回も、何百回も死に続けることになるだろう。だが彼には死に戻りがあり、何度死んでも抗い続け先に進む。ラムに愛されたいという、絶対に諦めたくない理由が新たに増えたのであるから。ナツキ・スバルは改めて、必ず皆が救われる最高の結末にたどり着いて見せると、胸に誓いを秘め、深く心に刻む込むのだった。