あえる ヤれる アイドル『TRK26』まな板ショー 作:添牙いろは
高校進学の際に関西を選び、しばらくこの地で過ごしてみたものの……どうやら関西弁を話すのはご年配の方くらいのものだったようです。
「熱野くん、今度は東京行くんやろ」
「ええ、まあ、部活の試合で」
高校正門前からまっすぐ伸びる商店街の一角にある創業三〇年の定食屋『まんぷく食堂』――我々男子学生の胃袋と財布に優しいボリュームと価格が売りの人気店であります。……いえ、自分が入学した当時の方が、もっと繁盛していたかもしれません。その理由は……看板娘の存在があったからでしょう。
「あーのバカ娘、あっちでナニやっとるか知らんけど、もし会ったらたまには顔見せぇゆーといてなー」
「ははは……」
顔を見せろと言っている本人曰く、店の手伝いをさせていたが、あまりにもやる気がなかったんで蹴り出してやった、とのことなのですが――かといって、それを根に持つような人ではありません。大将の娘さん――
世の中、とびっきりの美人が受けるとは限りません。そういう意味で、夜白さんは実に庶民的でありました。愛想のない美人より愛想のいい――という話もありますが、夜白さんはとびっきり愛想がいいわけでもありません。あえていうなら――自然体、でしょうか。もしくは平等主義とも。一見さんから常連さんまで分け隔てなく、また、誰かと特別親密になることもなく……あー……苦手なお客さんが来たときはさり気なく厨房の奥に逃げ込んでいたこともありましたけれど。とはいえ少なくとも、自分ら学生たちに対しては等しく穏やかでした。大将のいうやる気のなささえ、肩肘を張らない、という美徳として映ったものです。ここに来れば、そんな夜白さんがいつでも迎えてくれる――期末テスト――試合の前――いつも通りでいいんだ、と励ましてもらえるような――そんな癒やしが、集客に繋がっていたことは否めません。
いまも経営に困るほど閑散としているわけではなさそうですが、少し寂しくなった気がします。いつものお好み焼き定食を平らげると、代金支払いはそのままカウンターの上へ。
「ほーい、まいどー。また来てなー」
夜白さんがいた頃は出入り口前のレジにて支払っていたものですが……もうそこにお金は入ってないとのことです。レジ台に座ってくつろいでいた夜白さんのことを思うと……少し寂しく思うのでした。
できれば……再び戻ってきてもらいたいものです。自分がこの学校を卒業するまでには。
***
もし東京で会ったら――大将もおそらく本気で言っていたのではないでしょう。街は広く、人も多く……フラリと立ち寄ったところで人ひとりを見つけることなどできるはずがありません。
ただ、気になっていたのも事実です。そして、もし本当に会うことができたら――
ですので……東京の高校に通っている兄に連絡を取り、一応尋ねてみることにしました。前に、まんぷく食堂で祝勝会を開いた際に撮った写真を送って。
当然、期待はしておりませんでした。しかし――
“お前が言ってた雪見夜白って、この人じゃないか?”
兄から送られてきたURL――そこに映っていたのは紛れもなく……夜白さん……ッ!? しかし……化粧は濃いし、画面は妙に暗く、それでいて不自然にきらびやかで……どこもかしこも怪しい雰囲気なのは否めません。それもそのはず、そのサイトは――ストリップ劇場のもの……!? 夜白さんが……ストリッパーに……!?
二度見、三度見して、間違いなく本人だと確認したところで……当然、そのようなことを実家の大将に言えるはずもなく……しかし、安くもないファンクラブに、自分は……つい、入会してしまいました……。それで、初めて気づいたのです。自分は夜白さんに、食堂の看板娘以上の感情を持ち合わせていたことに。
***
詳しく調べてみると、それはTRK26というストリッパーのグループであり――兄はそのファンであったため、すぐに気がついた、とのことです。
ファンクラブには様々な特典があり――チケット優遇もそのひとつでした。ダメ元で申し込んでみたところ……試合前夜の公演に当選してしまったのです。
自分は兄のところに泊まると言って、他の部員たちより一足先に現地入りしました。兄もまたTRKのファンであるため、最大限に口裏は合わせてくれる、とのことです。
東京……というか、関東についてはこれまでも試合で何度か来たことがありました。けれどここ、新歌舞伎町――しかも、夜の――初めて来た日本有数の繁華街は、やはり物々しい雰囲気です。時間帯のこともあり、学生がうろつくには不健全な地域であるため変装も兼ねて――久々に夜白さんに会うということで浮ついていた一面もあったのでしょう。少々大人びた服装を一式揃え、自分は、ストリップ劇場へ……ッ!
中は思ったより小さく、地元のライブハウスのようでした。ただ、ひとつ大きく違うのは、奥のステージから客席中央へと迫り出した……特別舞台? というべきでしょうか。自分にはよくわかりませんが……異色な世界に来たのだ、と実感させられます。
もちろんグッズ販売もあり――夜白さんの――ブロマイドも――! 欲しい……ッ! けれど……胸まで顕にしたその写真を店員に指し示すことができず……! ……これから写真どころか、直接それを拝もうというのに情けない限りです。……今夜の公演を乗り越えれば、何か変わるかもしれません。
様々な葛藤を抱えた中、ついに公演が始まり――この時代、女性の裸の写真や動画はネット上にありふれています。ですので、いまさら動じることはない……と思っていたのですが……やはり、ナマで……目の前で女性に脱がれるというのは……それが、ホームページに載せられていた写真のような露骨な雰囲気であればまだ心の準備もできようものなのですが……一番手として現れたふたり組は――正直、最初は余興かと思いました。外部の地下アイドル? のような女のコたちが出てきて、普通に唄っていたので。しかし、二番のあたりから雲行きが怪しくなり、大サビに至る頃には――いつの間にか引き込まれており、そして――そんな女のコたちが平然と裸になっていたことに、驚きを隠せません。
けれど、これで自分の覚悟も決まりました。そして、受け入れられるでしょう。これから出てくる夜白さんが……急に、脱ぎ始めたとしても。
そして、その出番がついにやってきました。夜白さんもまた、ストリッパーとは思えないような、カラフルな……もこもこっとした大きなフリルに彩られたパッションカラーに包まれています。……こっちの衣装の方が、ホームページの写真より夜白さんらしいと思うのですが。
そして歌もまた、実に夜白さんらしいものでした。
【やしろのうた】
作詞:雪見夜白
レモン3個分と3個分で6個
お揚げの美味しい昆布ダシのラーメン
7つ道具箱の8個目の予備
23区端の24つ目の区
そりゃ練馬 そりゃ田無
もしくは多摩
そんか そりゃ町田 そりゃ田町
もしくは西東京
さあ? 知らんがな
築13年の訳ありな神社
グローバルデザイン
ジェンダーレスの銭湯
やりすぎて やさぐれて
安売り やっほー から
丸裸 丸儲け 丸焼け 炎上商法
もう… 好きにして
……なんとも不思議な歌であります。何かを言っているのですが、あまり意味がないような、そんな。童謡のようでもあり、かといって、言葉選びが子供向けにしてはどことなく危うく。何か意味があるのかもしれませんが……多分、何もないのでしょう。それが、夜白さんという女性なのですから。
だからこそ――その光景はあまりにも異様で。何かの間違いというか、現実離れしているというか。そんなほんわかした楽曲に合わせて……夜白さんが、自分の服に手をかけて――
――ふわさ。
中から現れたのは……おそらく水着でしょう。左が水色、右が白色のブラと――パンツは白色とピンクで、テイストは合っているものの色彩的に落ち着きがありません。にも関わらず、相変わらずのんびりとした夜白さん――何もかもがちぐはぐで、それがまた夜白さんらしいとも思えるのです。何に対しても動じないというか。
それゆえに。
背中に両手を回し、再び左右に広げられたとき――よく見ると、右手にはブラが垂れ下がっていたようです。そんな目立つもの、注視するまでもない、とは思うのですが――このとき、自分は別の場所に釘付けになっておりました。パンツ一枚となった夜白さん――その胸を隠すことなく、乳首の先まで露わにさせた夜白さん――夜白さんの胸が――夜白さんが胸を揺らしながら唄って踊って――!
レジ台にいたときから、開いた襟元やズリ落ち気味なズボン――どことなく無防備なところはありました。それが男子高校生たちを惑わせているとの自覚もなしに。いまの夜白さんに――その自覚はあるのでしょうか。柔らかく湛えたふたつの乳房を惜しげもなく魅せつけて――自分にはもう――ただひとついえるのは、これほど美しいものを見たことがない、ということだけです。
しかし、これだけでは終わりませんでした。パンツの両脇に指をかけ、お尻を振りながらくい、くい、と下げてゆき――丸いお尻に見惚れていたのは最初だけ。胸を起こした夜白さんは――女性の胸だけでなく、下腹部まで――ふわっとした下の毛まで、我々の前に――すべてを曝け出した夜白さんが――舞台の上に――!
音楽は淡々と流れ続けています。その中で、楽しげに踊る裸の夜白さん――それは異様な気もするのですが、夜白さんだから逆におかしくない、とさえも思えて……もう、何が何だかよくわかりません。けれども、だからこそ――夜白さんが際立つような気がします。夜白の美しさ、可愛らしさを――劇場のすべてが引き立てているような。
夜白さんが裸のままステージの奥へと下がった後も、せっかくなので最後まで鑑賞して……ついにカーテンコールが。そこに現れた夜白さんはやはり……裸でした。出演者が揃って裸で、その中の裸――目移りしそうな視線を懸命に夜白さんに固定しなくては――その姿を脳裏に焼きつけるために――
そして、幕は下りました。ここで、ようやくひと息つけた気がします。ずっと緊張の連続でしたが、ようやく――
しかしここで、さらに緊張感を醸し出すドラムロールが。な、何事……? 何が起きるのかわからないまま――鳴り響くシンバルと共にスポットライトが……何故か……自分に……?
***
よくわからないまま自分はステージに連れてこられ、係の女性に示されるままに幕を掻き分けると……やはりそこは……ステージ上……ッ! 客席もそのまま、人もぎっしりと詰め込まれたままで――慌てて振り向くと、係の女性は相変わらず微笑んでおられました。つまり――自分に大勢の前へ出ろ、ということなのでしょう。
何のために? 自分には何が何だかわからないのですが……そこへ出たい理由はありました。決して、目立ちたいわけではありません。ただ、覗き見たその一瞬でその存在を確かめられたので。
まっすぐに伸びる花道の両脇には先程肩を並べた観客たちがおり……天井からは眩い光が降り注ぎ――しかし、何よりも眩しかったのは……その正面――細い通路の先に立っていたのは――!
こんな形であっても、あの
実家を出た後、もう一度どこかで――ずっとそんなことは考えていました。しかし、まさかこんな場所で――しかも、こんな姿で――!
膨張する股間を抑えることができず、少し腰を引きながら――不自然な姿勢で現れた自分に対して、夜白さんは相変わらず――それは、食堂にやって来たときと同じように。
「やー……あっくん、こんなとこでどーしたんよ」
「いえっ、それは、えー……」
「ま、いーけど」
一応訊きはしたものの、愚問だと本人も気づいたのでしょう。ここはストリップ劇場――自分は、夜白さんの裸を観に来たのです。
ですが。
「んじゃー、自分で脱いでくれるー? 脱がすのめんどいから」
言うと夜白さんの方はステージに横たわり、そして――
それは、女性としては極めてはしたなく、けれど、男にとっては極めて魅力的な――膝を立て、腿を開いた――M字開脚――! ただ、そこに露骨な強調はなく、ただゆったりと脱力しているだけ……それがとても夜白さんらしく。
女性の
「ほーい、早く脱いじゃってよー。あたしは寝ながら待ってるからさー」
少しだけ身を起こして――それだけで形を変える両胸に惹かれながらも――自分は、何かに操られるように――当然、未だ恥ずかしさはあります。けれど、もっと恥ずかしいであろう夜白さん――彼女が同じ姿になれと言うのであれば、それに従ってみたいとさえ思えたのです。
結局のところ、新品の服は必要なかったのかもしれません。夜白さんと向き合うために必要だったのはむしろ、そのすべてを脱ぎ捨てる勇気――!
自分はもう――隠すことはありません。自ら開かしてくれている夜白さんと向き合いながら、これ以上みっともないことはできませんから。股間は当然、興奮して勃起しております。そう、それは当然のこと。裸の夜白さんを前にして、落ち着いている方が逆に不自然です。
しかし、ここで夜白さんから再び指示が。
「うーん、
「しょ、ショー……?」
戸惑う自分に微笑む夜白さんはどこか諦めたような色を含んでいました。
「あー……ホントに何も知らずに来たんだねー」
よいしょと身を起こして立ち上がると……夜白さんはこちらへと近づき……裸の夜白さんが、自分の目の前に……それどころか、肌と肌が触れそうなほど……いえ、しっかりと、胸と胸が……柔らかな胸が、自分の男の胸に……! その柔らかさ、それに乳首の存在感。それを味わう間もなく、脇の下から腕が通され、しなやかな女性の腕が、手の平が自分の背に。そんな夜白さんに――裸の夜白さんに包まれながら、自分の顔に……唇に……唇を……近づけて……
「ん、ん……ん……」
ただ口先を交わしただけでなく……舌が……夜白さんの舌が……自分の内側に……ッ!?
「あん……ん……ん……♡」
これはまさに、触れてはいけないところをいじられているようで……徐々に、理解が追いついてきました。自分が、ここにいる意味を。
「……っぷぅ……」
と夜白さんは一杯やった後のような息をつき――
「そんじゃ、あとは好きにしてね。あたしのカラダを、好きなように」
言うと、再び夜白さんは男の裸身を解き放ち……再びゴロリと横になりました。本当に、何もなかったかのように。
す……好きなようにして……? 裸の夜白さん……見下ろすと、胸から……お腹から……股に生えている毛も……その奥の割れ目まで……両腕はてろりと広げられ、太ももも隠したり守ったりすることなくゆったりと。そんな夜白さんを……好きな……ように……?
きっと先程の口づけで自分の中の何かが取り外されたのでしょう。不安や恐れのようなものよりも――目下に横たわる夜白さんが……欲しい……そんな……思いに突き動かされ……!
自分が目指したのは、女性の唇ではなく……もっと象徴的なところ……恐る恐る胸の先に顔を近づけ……ついばんでみると……
『はぅんっ』
突然大きな声が場内に響き、一瞬ドキリとさせられました。しかし、思い出したのです。これは、ショーであると。夜白さんを官能的に……魅せるためなのだと。そのために、マイクを入れたのでしょう。
『あぁん……やぁん……♪』
唇を、舌先を受け入れてもらっては、もう堪えることなどできません。空いているもう片方の胸もしっかりと掴み、しっかりと固まった乳首をもクリクリと
『やぁ……あ、あ、あぁぁ……♡』
しかし、裸の夜白さんに、そんな可愛らしく喘がれていると……これ以上は……っ!
「夜白さん……自分は……もう……もう……ッ!」
これに、彼女が多くを答えることはありません。
『ん、いいよ。キて』
ただ、目線だけで。それだけで、自分は吸い込まれるように――けれど、股間の
『あぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡』
これは……この感覚は……まさに夢のようです……! 自分の息子が、夜白さんのナカに――
しかし――だからこそどこまでも貪欲に。ここでジッとなどしていられません。最初は、試すように小刻みで。それは次第に強く大きく。
『あっ、んっ、んっ、あぁんっ』
夜白さんが――裸の夜白さんが、自分の胸の下で――
『はぁん……あぁん……いいよぉ……いいよぉ……♡』
男の衝動を受け止めながらウットリと……それでいて、嬉しそうに……!
『えへへ……えへへ……うん、うん……いいっ、いいねぇ……♪』
夜白さんの女性としてのすべてが愛おしく……それが、自分の男としての欲望を膨れ上がらせます。このまま……このまま……? いいのか……? いいのか……!? そんな迷いをも、夜白さんは吹き飛ばしてくれます。
『えへへ……あたし、
夜白さんが照れながら告げてくれました。
「は、はい……自分……も……っ」
だからこそ、こちらからも告げると……その返答は夜白さんらしく、それでいて……どこまでも魅力的な。
『うん、うん、いいよぉ……
夜白さんの甘い誘惑に、込み上げてくるものを抑えられそうにありません……っ!
『
夜白さんにそのように言われては……自分は……自分は……ッ!
びゅるっ! びゅるっ! びゅくっ! びゅくっ! びゅるるるっ!!
『あはぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡♡』
夜白さんの
男とは、愚かな生き物です。ヤることを最後までヤリきったところで、ようやく我に返るのですから。そういえば、ここはステージの上で、こんなところで自分は夜白さんと……。
そんなオドオドしている男子に、夜白さんは、やはりいつもと変わらず。
『んー、どーだった?』
まるで、いつもの定食の出来を尋ねるかのように。けれど、自分には……裸の夜白さん――事後の夜白さんに、同じようには答えられそうにありません。
「は、はい……良かった……です……」
彼女は、自分にはもったいないほどの女性であり……このような形で巡り逢えたあらゆる幸運に感謝していました。感無量な自分に対しても、夜白さんはやはりのほほんと。
『はは~、良かったか~。それは結構結構』
夜白さんの口調は、男女を為した直後とは思えないほどあっけらかんとして。そして。
『そんじゃ、それからも応援よろしくねー』
意識してか無意識か、やはりどこか一線を引いているような。それで、自分は実感できたのです。自分はいま初めてセックスをして、その相手は紛れもなく、夜白さんだったのだと。
***
当然ですが、まんぷく食堂の大将には、見つからなかったと話しました。
「はっはっは、まー、毎年正月には一報来るし……しぶとく生きとんやろな、あのバカはよ」
しぶとく――あのような世界に身を置きながら、決して腐ることなく、夜白さんらしく――それは、しぶとい、と表現していいのかさえもわかりません。まるで人知を超えているような――だからこそ、ご利益がありそうな気がします。財布の中の――夜白さんのブロマイド――ホームページの紹介写真は何かの間違いでは、と疑わしくなるほど購入した一枚は可愛らしく――映された胸の先から股の割れ目まで可愛らしく――!
その姿がちらりと目に入り、少しほっこりしたところで、いつもの五百円玉と百円玉三枚を。
「大将、お勘定」
「オゥッ、八〇〇円なー」
いつも通り、自分はカウンターにお釣りなく置きました。そのまま帰ろうとしたのですが……大将が少し不思議そうに。
「……ウン? そーいや東京での試合には勝ったんか?」
「は、はい……けど、どうしたんです?」
東京での出来事について迂闊に口を開けば夜白さんのことを話してしまいそうで……つい避けていたのですが。
「なーんか熱野くんが自信に溢れてるよーに見えてよ」
「ははは……ありがとうございます」
愛想笑いで返すと、入口前のレジスターが目に入りました。懐かしい気持ちはあります。が、戻ってきてほしいとは思いませんでした。いえ、きっと戻っては来ないのでしょう。
だから、自分が会いに行くしかありません。学校を卒業したら……今度は、自分が夜白さんを応援するために。