ポケモンSV二次エロ小説(タイトル仮) 作:火野荒シオンLv.X-ビリオン
ぼちぼち執筆はしているのですがまた行き詰まってますね…
とまぁそんな個人の事情はさておき、今回は前回の続きでピーニャ戦となってます
「それじゃあこっちから攻めさせてもらうよ!コマタナ、相手を撹乱しながら〈メタルクロー〉だ!」
「ハリテヤマ〈つっぱり〉で対抗して!」
互いにポケモンを出し、先手必勝と言わんばかりにピーニャはコマタナという刃物を体に生やしたポケモンに攻撃を指示し、それに抵抗すべくハルトもハリテヤマに攻撃の指示を行う
その指示を聞いたハリテヤマが迫りくるコマタナに狙いを定め攻撃を行う…のだが、その攻撃が届くより先に、コマタナがハリテヤマの懐に潜り込み、刃物と一体化した手をハリテヤマに叩き込んでくる
「コマッ…!」
「ハリッ…!?」
(駄目だ、思った以上にコマタナの機動力が高い…!交代してもいいけど、他の手持ちが分からないし、カウンターで攻撃を当てることを狙うしか…)
「おっと、レベル差で勝てると思ったら油断してた感じかい?だったらそのまま攻めさせてもらうよ!〈メタルクロー〉でハリテヤマの足元を狙うんだ!」
コマタナの動きの速さにハルトはカウンターを狙おうとするも、それより先にピーニャはハリテヤマの足に攻撃するよう指示し、コマタナの攻撃がハリテヤマの足に命中する
その攻撃を受けたハリテヤマはその場で軽く膝をつくも、その隙を突くようにコマタナが攻撃を立て続けに行い、じわじわとハリテヤマの体力を削っていく…
「ハ、リッ…」
「ハリテヤマ!ッ…(体力はまだ余裕がありそうだけど…)戻って!」
「おやおや、早速交代か?」
「頼んだよ、ケンタロス!!」
「ブモォォォォ!!」
流石に相性が悪いと判断したのか、ハルトはハリテヤマをボールに戻し、代わりにケンタロスを繰り出す
…が、彼がケンタロスを繰り出したことに対し、ピーニャは一切動じず、悠々とヘッドフォンから聞こえる音楽のリズムに乗りながら、彼もコマタナもボールに戻していた
「おっと、ケンタロスか…素早さじゃこっちが不利だね…だとしたら、僕もポケモンを交代させてもらうよ。戻ってくれ、コマタナ」
「えぇ!?あっちも交代してきたんだけど!?他のボスたちは交代して来なかったのに!?」
「ポケモンバトルに置いて交代は駆け引きも同然だからな…聞く限り向こうはハルトのポケモンたちと比べて育ち切ってない、となると交代も駆使して相手のポケモンに合わせようという事だろう」
「それじゃあケンタロス相手にはこのポケモンだ。頼んだよ、ヤミカラス!」
「カァー!」
ピーニャがそう告げたと同時に、ボールからヤミカラスを繰り出してくる
タイプ相性の時点で有利を取られ、その上空中に逃げられるのもあり、ケンタロスと相性が悪いポケモンを繰り出されたハルトはどう立ち回るのかと必死に考える
「(うぅ…空中に逃げられたら〈アクアジェット〉で飛び掛かっても届きそうにないけど…かといってまた交代しても裏のポケモンたちにダメージが入っちゃう…ダメ元で攻めて相手の技を知りつつ、相手が攻撃を仕掛けてきたタイミングでカウンターするしか…)…よし、ケンタロス、〈アクアジェット〉!」
「ブモォォォォォ!!」
「ヤミカラス、上に逃げながら〈かぜおこし〉で吹き飛ばして」
「カァーッ!!」
一通り攻撃を仕掛けてみようと考えたハルトは、手始めに〈アクアジェット〉の勢いでヤミカラスを狙おうとケンタロスに指示を出す
それに対しピーニャは冷静に指示を繰り出し、ヤミカラスはより高度を上げながら翼を力強く羽ばたかせ、強い風を引き起こす
その風に無理矢理空中にいるケンタロスは軽く吹き飛ばされてしまい、そのまま地上へと落ちてしまっていた
「ブモッ…!」
「ケンタロス!ッ…やっぱり届かない…」
「中々脳筋なことをするね、君。ならこれはキマっちゃうかな?ヤミカラス、相手の反撃に注意しながら〈イカサマ〉!」
「カァーッ!」
「!来るよ」
攻撃を仕掛けてくるピーニャに対し、ハルトは迎え撃つようケンタロスに指示を出す
そして接近してきたヤミカラスに対しケンタロスが角で弾き返そうと頭を振るう…その瞬間、ヤミカラスが体を逸らし、まるでその勢いを利用するかの如くそのまま顔面に体当たりをかましていた
「ブモッ!?」
「いいねぇ!タイプ相性で半減されていてもこの威力!!そのままリズミカルに〈つばさでうつ〉だよ!」
「カァーッ!カァッ!!」
「ブモォッ…!?」
「ッ…ケンタロス、なんとかチャンスを伺って!」
思わぬ攻撃を受けケンタロスが怯んだのを見て、ヤミカラスが翼で攻撃を何度も叩き込んでくる
それを見たハルトはもう一度隙を伺うように指示し、ケンタロスは再び攻撃を当てられそうなタイミングを狙う
そして二度目のチャンスが来たタイミングで今度は後ろ蹴りをかまそうとケンタロスは後ろを振り向くのだが、ピーニャの指示と共に再びヤミカラスがその攻撃を利用する形で避けながら攻撃をケンタロスに叩き込んでいた
「今度はそこで〈イカサマ〉!」
「カァーッ!!」
「ブモォォ!?」
「ケンタロス!?」
「な、なんかめっちゃくちゃ押されてない…!?」
「弱点の技を立て続けに叩き込まれている上に、〈イカサマ〉は相手の物理攻撃を利用して攻撃する技…ケンタロスは元々物理での攻撃力が高いポケモンだから、〈つばさでうつ〉に近いダメージを受けているんだろう…」
まるで手も足も出ないと言わんばかりにケンタロスは立て続けに攻撃を受け続け、次第にそのダメージが蓄積し始めたのか、ケンタロスが体をふらつかせ始める…
「ケンタロス、大丈夫!?」
「ブ、ブモォ…!」
「かなり消耗している…けど、ある程度相手の技を知ることが出来た。戻って、ケンタロス」
「あらあら、また交代か?」
「フラエッテ、頼んだよ!」
ある程度ヤミカラスの技や行動を知ることが出来たのもあってか、ハルトはケンタロスをボールに戻すと、そのまま花を持った小さいポケモン―――フラエッテを繰り出す
それを見たピーニャは彼が徹底的にこちらの相性が不利であるポケモンを優先して連れてきていることに言葉を溢しながらも弱点を突けるコマタナに交代していた
「フラエッテ…フェアリータイプかぁ…徹底的に弱点を突けるポケモンを連れて来たみたいだね。そうなるとここはコマタナに任せるか。もう一度頼んだよ、コマタナ!」
「コマッ!」
「ああっ!また交代された!」
「フェアリータイプには鋼が効く!コマタナ、〈メタルクロー〉!!」
そのままフラエッテに攻撃するよう指示が行われ、コマタナは手の刃物を構えながらそのまま突撃する
…それに対しフラエッテは何故か避けようとせず、そのままコマタナの攻撃がフラエッテに叩き込まれていた
「よしっ、いいのが入った…」
―――カッ…
「―――キューン!」
「「!?」」
…が、フラエッテが攻撃を受けた直後、フラエッテが突然怪しく光り…その光が消えると同時に、【そこにいたはずのフラエッテはゾロアの姿に変わっていた】…
突然攻撃したポケモンがゾロアになり、コマタナはおろかピーニャすら目を見開きながら驚いており、その隙を突くかの如くハルトがゾロアに指示を出していた
「ゾロア!〈こわいかお〉!!」
「キュッ!キュゥゥゥゥゥ…!」
「コ、コマッ…!」
「怯んだ!今だよ!〈みだれひっかき〉!!」
「キュッ!キュッ!キューウ!!」
「コマッ…!?」
「はっ!?コマタナ!一旦身を引いて!」
コマタナが攻撃を受けたのもあり、ピーニャは慌ててコマタナを後ろに下げる
そんな彼に合わせてハルトはゾロアをボールに戻し、次のポケモンを繰り出そうとボールを構えていた
「よしっ、戻ってゾロア!」
「…まさかゾロアを潜ませてゾロアの特性【イリュージョン】で他のポケモンに化けさせて油断を誘ってくるなんて…」
「あはは…悪タイプのポケモンに対抗できるタイプを持ったポケモンがあまりいなかったので、念のために連れて来たんですけど…まさかいい感じに刺さるは思わなかったです…けど、これでようやく攻撃を当てやすくなりました。頼んだよ、ハリテヤマ!」
ピーニャの投げ掛けた言葉に対しハルトはそう答えながら、再びハリテヤマを繰り出す
それに対しピーニャはというと…ヤミカラスへ交代せず、コマタナの力を甘く見ていると叫び出していた
「…成程、〈こわいかお〉で素早さを下げさせてハリテヤマで一撃を叩き込ませるって算段だね。けど…ちょっとコマタナを甘く見過ぎだよ!」
「え?」
「―――コマァ…!」
瞬間、彼の言葉に呼応するかの如く、コマタナから赤いオーラのようなものが一瞬放たれる
…そしてそのオーラが消えると同時に、コマタナから威圧感のようなものが発せられ、それを見たハルトは思わずびくりと背筋を震わせる
「コ、コマタナの気迫が…」
「このコマタナの特性は【まけんき】。何かしらの方法で能力を下げられると、攻撃力をぐーんと跳ね上げる。素早さを下げられたのは痛手だけど…コマタナ、〈つばめがえし〉!」
「!ハリテヤマ、〈はっけい〉で迎え撃って!!」
まるでこの一撃で終わらせると言わんばかりに、コマタナがハリテヤマに向かった走り出す
それを見たハルトは慌てて迎え撃つように指示を出し、ハリテヤマは突っ張りの構えを取る
そして…ハリテヤマの〈はっけい〉とコマタナの〈ツッパリ〉が衝突し、互いの技がぶつかった衝撃が辺りに吹き荒れだす…
「ハ…リ…ハリィィィィ!?」
「コマァ!?」
「ハリテヤマ!」
互いの攻撃が相殺され、同時に互いが手負いだったのもあってか、両者のポケモンたちは攻撃がぶつかった衝撃に耐えきれず後ろに吹き飛ばされる
ハリテヤマが吹き飛んだのを見てハルトは慌ててハリテヤマに駆け寄るも…かなりのダメージを受けていたのもあってか、ハリテヤマは既に気絶してしまっていた
それを見たハルトは同時にコマタナの方を見るのだが…コマタナの方も弱点である攻撃を受けた影響か気絶しており、ピーニャも気絶したコマタナに労いの言葉を掛けながらボールに戻す
「…どっちも戦闘不能かぁ…素早さを下げられなければ返り討ちにできてたっぽいけど…お疲れ、コマタナ」
「…お疲れ様、ハリテヤマ。…〈つばめがえし〉を持っていたなんて…」
「コマタナは格闘に対し滅法弱いからね。…さて、続きを始めるよ」
冷静にそう告げたピーニャは、再びヤミカラスを繰り出してくる
再びヤミカラスを繰り出してきたのを見て、ハルトはポケモンを構えつつ、他にポケモンはいないのかと疑いを掛ける
「(ヤミカラスを出してきた…てことは他にポケモンはいない…?いるとしてもブロロロームだけ…?とにかく目の前のヤミカラスを倒さないと…!)フラエッテ、お願い!」
「フラー!」
「フラエッテ…今度は本物かな。ヤミカラス、相手の攻撃に注意して物理技で攻めるんだ!」
「フラエッテ、〈ようせいのかぜ〉で近づけさせないで!」
フラエッテに対し近接での戦いを持ち込むべきと考えたのか、ピーニャが攻撃の指示を行う
対するハルトは接近させないように指示を出し、フラエッテはピンク色の光を風に漂わせ、それらをヤミカラスに向けて放つ
その攻撃に対しヤミカラスは不味いと判断したのか攻撃を避けることに専念しだすのだが、そのせいでフラエッテに近づけなくなってしまう
「くっ…中々近づけさせてはくれないか…!」
「フラエッテ!そのまま攻撃を続けて!」
「フラエ!」
「ならば…ヤミカラス、こっちも〈かぜおこし〉で対抗するよ!」
風には風をと言わんばかりに、ヤミカラスは翼を力強く羽ばたかせ、フラエッテに風を巻き起こす
…互いに出す風が空中でぶつかり合い、時折その攻撃のエネルギーが相殺し合っているのか、空中で爆発を引き起こす
しかし互いに攻撃をやめず、ひたすら風による攻撃をぶつけ合っており、互いに根競べの状態へとなっていた
そして…先に変化が訪れたのはヤミカラスの方で、風を巻き起こしながらも飛ぶのに集中しなければならないのもあり、何処か疲労している表情を見せ始める…
その疲労がヤミカラスの動きを緩めてしまい…ヤミカラスが放つ〈かぜおこし〉の威力が弱まり始め、それを押し返すかのごとく、〈ようせいのかぜ〉が吹き荒れ始める
…その結果、遂にヤミカラスの〈かぜおこし〉に競り勝ち、フラエッテの攻撃がヤミカラスに命中していた
「カァーッ!?」
「!ヤミカラス!」
「今だ!〈つるのムチ〉で捕まえて地面に投げつけて!」
攻撃を受け怯んだのを見て、すかさずハルトが次の指示をフラエッテに出し、フラエッテは自身の体から蔦で出来た鞭を生やしながらヤミカラスを捉える
そして…そのまま力強く地面へと叩きつけ、攻撃を受けたヤミカラスは大ダメージを負っていた
辛うじて体力が残っているようだが、既にヤミカラスはふらつく…
それを見たピーニャが「急いでそこから離脱して!」と叫ぶのだが…それよりも先にフラエッテの〈ようせいのかぜ〉が放たれ、飛び立とうとしていたヤミカラスに命中していた
…その攻撃がトドメになったのか、ヤミカラスはその場で戦闘不能となり、ピーニャは悔しそうに歯を噛み締めながらも、労うようにヤミカラスをボールに戻す
そしてハルトの方を見ると、彼の戦い方に称賛を送りつつも、負けるわけにはいかないと固い意志を見せつけるように告げてくる
「…お疲れ様、ヤミカラス…中々やるね、ハルト君。けど…ボクだって負けるわけにはいかないんだよね」
「…やっぱりピーニャさんも、マジボスって人が帰って来るのを待ってるんですか?」
「!…驚いたな、誰からその名を…?」
「シュウメイさんからです。それに、メロコさんからいじめが切っ掛けでスター団を結成されたことも聞きました」
「…そっか…あの二人はそこまで話してるんだ…」
ハルトの話を聞き、ピーニャは驚きつつも、何処か悲しげな表情をしながら軽く俯く…
それを見たハルトは思わず申し訳なさそうな表情をするも、直後にネルケが二人の間に入り、ピーニャに向けて問いかけてくる
「…バトルの最中にすまないが、ピーニャ、アンタは何故いじめられていたんだ?」
「何?そんなことを聞きたいの、イかした髪型のおっさん」
「イかした…とと、…あぁ。アンタはかつて生徒会長だと聞いた。そんなアンタがいじめられた理由が知りたいんだ」
「「えぇ!?」」
ピーニャが元生徒会長、そう告げたネルケの言葉にハルトとアオイは思わず驚きの声を上げる
一方でピーニャはというと、少々驚いた顔をしながらネルケを見つめるも、自身の気持ちを落ち着かせるのも合わせようとしているのか、彼の問いかけに答え始める
「…そうだね。ボクはスター団に入る前、アカデミーの生徒会長として頑張っていた…けど、ボクが生徒会長を全うしていた頃、ボクは色んな校則を作ってたんだ」
「校則…?」
「そ。例えば襟足の長さは3センチまでとか、ネクタイ着用時はしっかり締めるとか、勉強道具はしっかり持ち帰るとか。お洒落も今以上にガチガチに禁止してたし、授業を受けるときは5分前には教室にいるべきとか、そんなルールばっかり作ってたよ」
「うわぁ…聞いただけでも嫌になりそうなのばっか…」
「実際他のボスたちにも言われたよ。バチバチにウザい校則だった、って。…それが理由で他の生徒たちから反感を買って、校則は即撤回されたけど…それでもボクが作った校則になおも怒りを覚えてた人たちが多かったみたいでね」
「…それでいじめられていた、と」
ピーニャの話を聞いたネルケは彼にそう問い掛け、ピーニャは静かにこくりと頷きながら、話を続けていく
「来る日も来る日もボクが作った校則についての嫌味を投げかけられ、他には堅苦しいだのなんだのと揶揄され…酷い時にはボクの勉強道具にまで手を出されて…それである日、こう…心がポッキリと、折れちゃったんだよね」
「「「…」」」
「そうしていじめられる毎日を送っていたある日…ボクのスマホに一通のメッセージが訪れた。君のようにいじめられている人たちを、共にいじめっ子たちから救わないか、ってね」
「…それがアンタたちを集めていたマジボスだった、と」
再度ネルケの問いかけに対し、ピーニャはそうだよと言葉にして答える
「最初はボクを含め、5人が集められた。単純に実力があるのと、アカデミーでいじめが激化する前の段階で酷かったのが理由だったらしい。そこから少しずつ、団員を増やしていって…そしてスター大作戦を決行した。結果としては大勝利。だけど…事が大きくなったせいで、マジボスはケジメを取るって言って、ボクたちの元から去っていっちゃった…」
「…」
「それからは一切連絡なし。解散せずにアジトで待っていたら、マジボスも帰って来るんじゃないかって考えたけど、今日に至るまで連絡が来なかった。その上で先生たちは団を解散しろとうっさいし…遂には君達みたいなのがやってきて、今まさにアジトを解体される危機に晒されているってわけ。…だからボクは、負けるわけにはいかないんだよ」
一通り話し終えたピーニャは深呼吸をした後、ヘッドフォンから流れるリズムに乗ろうとしているのか、体を揺らし始める
そして…一通り心を落ち着かせた彼は、最後のポケモンとしてブロロローム・セギン・スターモービルを繰り出していた
「…さて、今の話をして心のリズムも正せて来たしそれじゃあバトルを再開しようか…ボクのライヴは、こっからBPMを上げていくのさ!」
「―――ブロロロロァァァァ!!」
彼の叫びに呼応するかの如く、ブロロロームは吼えるように鳴き声を発する
三度目のスターモービルとの戦いというのもあってか、ハルトは再び気を引き締めながらフラエッテに気を付けるよう叫ぶ
「ッ…!フラエッテ、気を付けて!」
「先ずは相手の動きを止める!セギン・スターモービル!〈きんぞくおん〉!!」
「ブロロロロァァァァァァァ!」
「エッテ…!?」
ピーニャの指示と同時にブロロロームは全身の金属を派手に鳴らし始め、周囲に煩い音を響かせ始める
その煩い音にフラエッテは思わず怯んでしまい、その隙を狙うようにピーニャは攻撃の指示を行う
「そのまま〈バークアウト〉を聞かせるんだ!!」
「ブロロロロァァァァ!!」
「フラ…エッテェーッ!?」
「フラエッテ!」
爆音に近い咆哮がブロロロームから放たれ、その衝撃波が怯んだフラエッテに命中する
それを見たハルトは慌ててブロロロームから距離を取らせながら攻撃を指示しようとするのだが、フラエッテが攻撃を放つより先にブロロロームの次の攻撃が放たれる
「よ、〈ようせいのかぜ〉を撃ちながら距離を取って!」
「フラァ…!」
「逃がさないよ!〈スピードスター〉!!」
「ブロッ!ブロロロロロ!!」
「フラッ!?フラァ!?」
星のような形をしたエネルギーによる攻撃がフラエッテに命中し、攻撃を受けたフラエッテはふらつきながら地面に落ち始める…
それを見たピーニャが攻撃の指示を行い、ブロロロームはタイヤを怪しく光らせながらフラエッテに突撃してくる
「今だ!〈ダークアクセル〉!」
「ブロロロロァァァァ!!」
「!(この距離じゃ間に合わない…!だったら…!)フラエッテ、〈ねがいごと〉を…!」
「フ、ラァ…!」
フラエッテに迫りくるブロロロームに対し、ハルトは交代も間に合わないと判断すると、フラエッテに〈ねがいごと〉という技を指示する
その指示を聞いたフラエッテは祈るようなポーズを取った後…そのままブロロロームの攻撃が命中し、そのまま大きく吹っ飛んでしまっていた
そのまま吹っ飛ばされた後地面に叩きつけられ、フラエッテはそのまま戦闘不能となってしまい、ハルトはフラエッテに謝りながらボールへと戻す
「…ごめんね、フラエッテ…後は他の皆に任せて…」
(倒される間際に〈ねがいごと〉を使ってきた…確かあれは暫くしたらポケモンを回復させる技…そしてそれは技を使ったポケモン以外も回復させられる。てことは既に消耗しているケンタロスかゾロアを出すはず…)
「…行ってきて、マンキー!」
「ウッキャー!」
ピーニャが先程フラエッテが放った技の力を思い出しつつ、既にダメージを負ったポケモンが出てくると考える
…が、ハルトが出してきたのはマンキーと呼ばれたブタザルのようなポケモンを繰り出しており、それを見たピーニャは思わず拍子抜けした表情をしながら手負いのポケモンじゃないのかと問い掛けていた
「…?ケンタロスとかじゃないの?」
「〈ねがいごと〉で回復させるのに時間を有しますので…マンキー!〈クロスチョップ〉!!」
「ウキャ!ウッキャー!!」
ハルトはピーニャの問いにそう答えた後、マンキーに攻撃の指示を出す
その指示に従いマンキーは腕をクロスさせながらブロロロームの顔面に飛び掛かり、そのままチョップをかましていた
その威力は見た目以上なのかブロロロームは軽く怯んでおり、このままマンキーで戦ってくるつもりだと知ったピーニャはブロロロームに指示を出していた
「ブロッ…!」
「くっ…このままマンキーで削る気か…!いいよ、やってやろうじゃん!セギン・スターモービル!〈ダークアクセル〉!!」
「〈にどげり〉の横領で飛んで逃げて!」
再びタイヤを怪しく光らせ突撃するブロロロームに対し、マンキーは飛ぶように攻撃を回避する
それを見たピーニャは逃がさないと言わんばかりに〈スピードスター〉を指示し、星形のエネルギーをマンキーにぶつけていた
「〈スピードスター〉!」
「ブロロロロァァァ!」
「ウキャッ…!?」
「今だ!〈ダークアクセル〉!!」
「ブロロロロァァァァ!!」
「ウキッ…ウキャァァァァ!?」
攻撃を受けマンキーがよろけたのを見て、ピーニャは急いで倒すべきだとブロロロームに指示を出す
その指示を受け、再びブロロロームはマンキーに向かって走り出し…遂にブロロロームの強烈な一撃がマンキーに命中していた
それを見てピーニャは思わず「よしっ!」と叫びながらガッツポーズを…とった瞬間だった
攻撃を受け吹っ飛ばされたマンキーの体が突然白い光に包まれ始め、それを見たピーニャは「まさか」と言葉を溢す
…するとその光が消えたと同時にマンキーはきりっとした顔つきになり、吹っ飛ばされたにも拘らずその場で体勢を立て直し、まるで先程の攻撃がなかったかの如く元気に動き回っていた
「ウッキャー!!」
「くっ…ここで〈ねがいごと〉が発動してしまったか…!」
「よしっ…マンキー!テラスタルだよ!!」
どうやら吹っ飛ばされたタイミングで〈ねがいごと〉がようやく発動したらしく、マンキーが気絶するより先に体力が回復したようで、一気に体力を回復したのを見たハルトがテラスタルオーブをマンキーに向けて投げる
そして…テラスタルオーブによってマンキーは格闘テラス状態となり、それを見たピーニャは不味いと考え急いで攻撃の指示を出そうとしていた
「マズいッ…!ブロロローム!〈ダーク〉…」
「マンキー!〈にどげり〉!」
「ウキャッ!ウキャーッ!」
「ブロッ!?」
「ッ…!〈バークアウト〉で追い払うんだ!」
「させない!!マンキー!〈クロスチョップ〉だ!!」
しかしブロロロームに攻撃を出させる前にハルトは素早く指示を出し、マンキーは格闘テラスジュエルを輝かせながら〈クロスチョップ〉をブロロロームに叩き込む
攻撃を受けたブロロロームは何とか堪えようとするのだが、次第に耐え切れなくなってきたのか、改造されたボディが次々に壊れ始めていく…
そして…最終的に体力が尽きてしまったのか、そのままブロロロームは気絶し、戦闘不能になったのを確認したマンキーはテラスタル状態を解除していた
「た、倒した…!」
「……負けて、しまった…」
ブロロロームを倒せたことを知りハルトが喜ぶ一行、負けたことを理解したピーニャはというと、その場で膝から崩れ落ちる
それに気づいたハルトが思わず気まずそうな表情をしながら彼を見つめるのだが…彼は負けたことに対し何処か悔しそうに呟きながらも、大人しく敗北を認めていた
「…まぁ、こんなもん、かなぁ……やれることは、十分…やったよね…」
「ピーニャさん…」
「…自分で作った掟だし、潔く団を去ることにするよ…」
「!…スター団の掟って、ピーニャさんが作ったんですか…?」
「そうだよ。ある日マジボスにスター大作戦の事と一緒に、団の掟を作るのを相談されてね…その頃から他の団員たちが増えてきたのもあって、それでルールっていうか、掟を作ろうって話になってさ。最初は生徒会長をやってた時を思い出して超プレッシャーを感じてたけど、皆ボクを信頼してくれるって言ってくれてね…」
そう話しながら、ピーニャは微笑むようにハルトを見つめる
…しかし彼の表情からは未だにバトルに負けてしまったことの後悔や団を去ることへの悲しみが滲み出ており、そんな彼に対しハルトは無理を承知で彼に話しかける
「というわけでこのダンバッジは君が持つことに…」
「…あの、ピーニャさんは掟だからって理由で、アジトに残りたいって、思わないんですか?」
「…え?」
「あ、いや…シュウメイさんが出ていくときにも言ったんですけど、もしここを出ていきたくないのであれば、気持ちの整理がつくまで、アジトにいてもらっても構わないですよ。幸いにもその事を許可してる先生もいるので…」
そう告げながら、ハルトは後ろにいるネルケの方を振り向く
不意に視線を向けられたネルケはというと軽く咳払いをしつつ、あえて何も言わずに頷いており、それを確認したハルトはピーニャにどうですかと尋ねる
…が、ピーニャの掟に対する覚悟はすでに決まっているようで、自身の気持ちを押し殺すように、彼の提案を断っていた
「…残念だけど、ボクは超が付くほど堅物だから、君が思うような掟に縛られない生き方はちょっと厳しいかな…皆にはあくまでお願いって形でやってたけどね…」
「…そう、ですか…」
彼の返答を聞き、ハルトは落ち込むように返事をしながら、気まずそうに顔をそらす
そんな彼に対し、ピーニャは気になることがあったのか、彼にとある質問を投げかけていた
「…ねぇ、ハルト君。君はさ、今のアカデミーが楽しかったりする?」
「…はい。元々僕は、とある人を目標にしてたのもあったので…授業も楽しいし、友達も出来たのは確かです」
「へぇ…ふーん…そっかぁ…」
「…逆に聞きますけど…ピーニャさんは、スター団の事、どう思ってたんですか…?」
彼の問いかけに答え、ハルト自身もピーニャがスター団に対する思いを知りたいと思い、逆に彼に問い返す
その問い返しにピーニャは軽く恥ずかしそうに頭を掻き毟りながら、ゆっくりと答えていた
「そうだなぁ…最初は色々思うところはあったね…けど…団の皆と過ごしてるうちに、楽しくなってきたね…今となっては、アカデミー的に言うと…スター団での思い出は、宝だよ」
「……そう、ですか…」
「…それにしても、結局マジボスが戻ってくる前に、ボスの座を下ろされるなんてね…まぁでも、あの時のマジボス、団を解散させたがってたみたいだし……もしかして、見捨てられちゃったのかなぁ……」
不意に、自身のスター団に対する思いを告げ終えたピーニャが、マジボスが自分たちを見捨てたのではないかと、ポツリと言葉をこぼす
…シュウメイがそうだったように、ピーニャもマジボスの帰りを、ただひたすら待っていたのであろう…
そんな彼から哀愁が漂い始め、ハルトがなんとか元気づけるべきかと彼に話そうとした…その瞬間だった
「―――そんなこと、ないと思うわよ」
突然ハルトとピーニャの話を黙って聞いていたアオイが、ピーニャに向けて口を出す
突然話に割って入ってきたアオイを見てハルトは困惑するも、そんな彼を無視してアオイはピーニャに伝える
「…アオイちゃん?」
「そのマジボスって人は、ケジメのために皆から離れたけど…もしかしたら今でも、本当はみんなに会いたいと思ってるんじゃないかな…だから、そんな悲しいこと、言っちゃ駄目だよ…待ってたらきっと、貴方たちの前に、現れると思う…」
「…」
…先程のピーニャの話を聞き、唯一マジボスの事を知っているアオイは思うところがあったのだろう…故に彼女は彼の言葉に対し、悲観的な言葉を言わず、ただ信じて待ってあげるべきだと告げる
そんな彼女の言葉を聞き、ピーニャはしばらく沈黙を続け…彼女の言葉に正しさを見出したのか、彼女に礼を告げていた
「…確かに、見捨てたなんて決めつけるのは、よくないか…ありがとう…えっと…」
「アオイです」
「アオイ君…ありがとう…それと、気が変わった。アカデミーに戻るつもりはまだないけど、ハルト君が言うように、暫くここに残ることにするよ」
「「!」」
それと同時に、彼は先程のハルトの提案を受け入れると言い出し、それを聞いたハルトとアオイは驚いた表情で彼を見る
…自身の定めた掟を破ったにも関わらず、彼の表情は何処か晴れやかな顔をしている…
「…掟を破りたくない気持ちもあるけど、本当はボクだってそれに従って、マジボスを待つのをやめるなんてしたくない。マジボスも、ボクらにとって大切な宝物の、一部だから…」
そう本心からの思いを告げた後、ピーニャはハルトたちの方をじっと見つめると…ピーニャはもう迷いはないと言わんばかりの笑顔を彼らに向けていた…
~~~
その後ダンバッジをピーニャから受け取り、ネルケと別れた二人はアジトの入口から出て来ていた
…それとほぼ同時にハルトのスマホロトムに連絡が入り、彼が通話を取ると、カシオペアの声が聞こえてくる
『ピーニャからボスの証を手に入れたようだな。確認の為見せてくれ』
「は、はい」
『…確かに…これでチーム・セギンは壊滅寸前となっただろう』
「…あ、そのことなんですが…」
ダンバッジを確認し終え、アジトが解体されるだろうと告げたカシオペアに向けて、ハルトはピーニャの事について話を行う
そして…一通りの事情を聞き終えたカシオペアはピーニャ…と以前伝え損ねていたシュウメイがアジトにとどまるということに、まるで呆れるような言動をしていた
『…全く、君というやつは…』
「す、すいません…でも、無理やり追い出すのもどうかなぁ、って思いまして…」
『…まぁ、君が勝った事実は団員たちも見ているだろうし、事実上のボスの権限はなくなったにも等しい。となるとどのみちチームとしては機能しなくなるだろう。…しかしシュウメイはともかく、あのピーニャが…』
一応ボスとしての地位を下ろしているのもあってか、カシオペアは大丈夫だろうと考えるのだが、ピーニャが掟に背いてでも残ることになったのには驚きを隠せないのか、ボソボソと何かを呟く
何を言っているのかはハルトの方で聞き取れないものの、その話の内容を聞くよりも先に、気を取り直したカシオペアが報酬のLPを渡してきていた
『…さて、約束通り報酬を渡そう。残りの報酬はまた補給班から受け取ってくれたまえ』
「は、はい…また凄い額のLPが…」
『…残りのアジトは後2箇所。倒したボスがアジトに残るのは想定外だが、それを除けばスターダスト大作戦も順調だな』
「…あの、ちょっと気になったんですけど…そのスターダスト大作戦って…最終的にどうなるんです…?」
ふと、ハルトはスターダスト大作戦が最終的にどこに着地するのかという疑問を抱き、カシオペアに問い掛ける
その質問に対しカシオペアは軽い沈黙を貫いた後、重く閉じた口をゆっくりと開き始めていた
『…そうだな。そろそろ君たちにも、この作戦の最終目的を話すべきか…この作戦の最終目的、それは5人のボスを集めた、真の黒幕であるマジボスを倒すことだ』
「!」
『最も、そのマジボスについての詳細は名以外一切不明なのだがな…だが、やつを倒して解散宣言をさせれば、スター団は完璧に終わるだろう』
(うわぁ、白々しいこと言ってる…)
ハルトにスターダスト大作戦の最終目標を話すカシオペア…なのだが、既に事情を知っているアオイにとっては正体が不明であるという部分に白々しさを感じ取ったのか心の中でぼそりと呟く
一方でハルトはというと、マジボスを倒すためにスター団のボスたちを倒す必要があるのかという疑問を抱き、その必要性を問い掛ける
「…それって、全員倒さないといけないことなのですか…?」
『…あぁ。創設者であるとされるマジボスにとって、スター団を解体させられるのは癪に障るだろう。だからこそ、最終的に自ら表立ってでてくるはずだ。…故に、必要なことなのだ…』
「…」
『…では、次の健闘を祈る』
彼の質問に対し、カシオペアは必要なことだと淡々と告げると、そのまま通話を切ってしまう
通話を終えたハルトは思うところがあるのか暫く沈黙した後、マジボスがどういう人物なのかという疑念を呟いていた
「…こうでもしないと、でてこないって…マジボスって、どんな人なんだろう…」
「さぁねぇー(まぁ私は先に知っちゃったんだけど…にしてもやっぱ回りくどいわね、この作戦…)…まぁでも、仲間が大切だと思うなら、きっとのこのこと出てくるでしょ。その時になんで団を去ったのかーとか聞いてみればいいんじゃない?」
「…それしか、方法はないかぁ…なんか、ボスたちを倒すたびに、どんどん倒すのが心苦しくなってくるよ…」
彼女の言葉に対し、ハルトは気を沈めながらため息を付く
…流石にカシオペアから聞いた最終目標に思うところがあるのもあってか、気持ちを切り替えるのに時間が掛かっているようで、それを見たアオイはどうしたもんかと考えながら辺りを軽くキョロキョロする
…と、その際彼女の視線の先に一人の少女が歩いてきているのが視界に映る
同時にハルトも気付いたようで、その少女―――ボタンは二人にぎこちなく挨拶をしてくる
「う、うーっす…ハルト…と、アオイ…」
(さっきの会話と比べると違いすぎて風邪引きそうになるわ。何よそのちょっと気さくさを出しときながらなんかぎこちない挨拶)
「あ、ボタンさ…」
「―――アギャス!!」
するとボタンが二人の前まで辿り着いた瞬間、突然ボールからコライドンが飛び出してくる
コライドンを見たボタンは前回体中を舐められたのを思い出し引き気味の姿勢を取る…のだが、そんな彼女に対しコライドンは涎を垂らしながら、前回同様べろべろと彼女を舐め回し始めていた
「うげっ!?またで…いぃっ!?」
「あぁっ!?コライドン、ボタンさんを舐めたら駄目だってば!」
「アギャ!アギャー!!」
「ちょ、だからそこ舐めるやめ…だからって顔を舐めるのも……あぁぁー……!」
「コーラーイードーンー!!だーめーだーってばー!!?」
(…絵面面白いし、写真でも撮っとこ)
…それから暫くして、コライドンを引き剥がしてもらえたボタンは以前の反省を生かしてかタオルで出来る限り涎を拭き落としていた
「うぅ…前回より被害少ないけど…またベタベタ……」
「ほんっっっとうにごめんなさい!!!」
「い、いや…もういいから頭上げて…それよりも、さっき暗そうな顔してたけど…なんかあったん?」
またもやボタンに対し失礼を働いたコライドンの代わりにハルトは全力で謝罪しており、そんな彼をボタンは大丈夫だからと顔を上げさせる
それと同時に先程ハルトの暗い表情が見えたのか、ボタンは何かあったのかと問い掛けており、その問いかけにハルトは気まずそうにしながら、ボタンに先程のカシオペアとの会話の内容を話していた
彼から話を聞き終えたボタンは先程カシオペアとして話していたことを彼が思っていた以上に重く捉えていることに申し訳なさを抱きつつも、彼の話に合わせるように語り始める…
「…ウチもマジボスの話はカシオペアから聞いた。スター団の創設者、諸悪の根源…」
「でも、スター団は元々いじめに対抗しようとして設立されたみたいだし…」
「それでも、今のスター団のやってることは、あまりにも周りに迷惑をかけすぎてる。そしてマジボスは、そんなスター団を野放しにしてる、極悪人ってことになる。…そいつを倒さなきゃ、このままじゃ、ウチの宝は…」
ハルトの言葉に対しボタンは何処か言葉を詰まらせながら話す…
その際彼女の口から宝という言葉が聞こえ、ハルトは思わずその言葉の意味を問おうとする
「…ボタンさんの…宝…?」
「あ、いや、その……えと………ほ、報酬!!忘れないうちに…んっ!」
「あ、ありがとうございます……」
(ポロッとこぼしそうになったのを誤魔化したわね…)
「じゃ、渡したから…」
…が、ボタンは慌てて自身の言葉を誤魔化すように報酬を渡し始め、そんな様子をアオイは寝ているコライドンの上に乗っかりながらまじまじと見つめる
そうして一通り報酬を渡し終えたボタンはその場から去ろうとするのだが、突然足を止めたかと思うと、顔を向けないままハルトに向けてポツリと告げてくる
「……ハルト…」
「は、はい…なんですか…?」
「……負けないで…」
そう告げ終えたボタンは、今度こそその場から去っていく…
彼女を見送った後、ハルトは先程の言葉の意味と、ボタンが呟いていた宝がなんなのかと疑問を抱いていた
「…今の、どういう意味だったんだろ…それに、ボタンさんの、宝って…」
「(あそこまで言うなら、もう全部話しちゃえばいいのに…)…はぁー…」
「…アオイちゃん、なんで僕より疲れた表情してるのさ…」
一方でアオイはというと、ボタンの最後の言葉に対し全部さっさと話してしまえと言わんばかりの表情をした後、まるで疲れたかのようにため息を付く
そんな彼女を見てハルトが思わずツッコミを入れるのだが、そんな彼の言葉を無視してアオイはこの後はどうするかと尋ねていた
「とりあえずどうする?こっからほぼ真っすぐ行けばすぐに次の町に着くみたいだけど…ハルトのポケモン回復させに戻る?」
「でも向こうにもポケモンセンターもあるし、距離もそこまで変わらないみたいだから、このままカラフシティの方に向かおっか」
「おっけー。それじゃあカラフシティへレッツゴー!」
(…アオイちゃん、今日なんかテンションの落差が激しいなぁ…。…僕も気持ちを切り替えないと…)
そうして次の目的地を決め終えた二人は、少しは慣れた先にあるカラフシティへと向かって進み始めていた…
まぁでもボタンが言ったところでボスたちが納得するかと言われると…ではある。そんな98話
開幕早々コマタナの機敏な動きに翻弄されるハルト
タイプ相性で有利でも機敏さで不利を取られているのもあり、ハリテヤマからケンタロスに交代…したところ、まさかのピーニャもコマタナからヤミカラスへと交代
本来ならどのシリーズにおいてもNPCに該当するキャラは余程なことがない限り自分からポケモンを交代することはないようになってるのですが、今回の話を書くうえでピーニャも交代してくるようにしました
だってそうでもしないとレベル差+相性ゲーのゴリ押しというひどい絵面が続くだけですもん…それやるならまるまるカットしたほうが早いだろうし…←
そんなこんなであらゆる手で相性不利を覆しながらじわじわと追い詰めるピーニャ
しかしハルトも負けじと策を練っていたようで、フラエッテに擬態したゾロアを繰り出し、コマタナへデバフを掛けます
そしてハリテヤマで一気に攻めようと…したところでコマタナが特性によって逆に火力を上げ、ハリテヤマ相手に一矢報いるかのように相打ちしてきます
ピーニャ的には素早さを活かして自身はノーダメを狙ってたようですが、それでも冷静さを欠かずにヤミカラスを繰り出してきます
他にポケモンがいないのかと内心疑うハルトですが、不透明な存在を気にするよりも目の前の存在を倒すべきと切り替え、今度は本物のフラエッテを繰り出します
そうしてフラエッテとヤミカラスの技のぶつけ合いが勃発…以下に相手に技をうまく当てられるかというせめぎ合いが行われます
そして…先にヤミカラスが疲弊したようで、そこからフラエッテの怒涛の攻撃が命中、ハルトはヤミカラスを撃破します
ヤミカラスまで倒され追い詰められるピーニャですがなおも抵抗の意思を見せます
そんな彼に対しハルトは他のボス同様マジボスが帰ってくるのを待っているのかと尋ね、その間に割り込むようにネルケが彼がいじめられていた理由を追求してきます
その際彼が元生徒会長だと聞いて驚くハルトたち…そんな彼らを他所にピーニャが自身がいじめられていた理由、そしてスター大作戦の経緯を語ります
そして一通り語り終え、最後の一体としてブロロロームを繰り出すピーニャ
ブロロロームから繰り出される攻撃は一切の反撃を許さないと言わんばかりの猛攻で、ハルトは次のポケモンに任せるといった形でフラエッテに技の指示を出し、フラエッテを戦闘不能にさせられます
そして〈ねがいごと〉の発動するまでの時間を考慮し、マンキーを繰り出したハルトは攻撃を指示
弱点もあってか手堅いダメージを与えているようで、それを見たピーニャも先程同様手出しをさせないと言わんばかりに攻撃を仕掛けます
…が、攻撃の競り合い自体はブロロロームに軍配が上がっていたものの、大技を当てたタイミングで〈ねがいごと〉の回復がマンキーに入ってしまうというピーニャにとっては最悪な形に
一方でハルトはマンキーの回復具合を見て逆にここで使うべきと判断したのか即座にマンキーをテラスタル
そして先程とは打って変わってブロロロームに反撃の隙を与えないと言わんばかりの猛攻を行います
その結果…耐えきれなくなったブロロロームは戦闘不能となり、ハルトが無事勝利を収めるという形になりました
自身の敗北を理解したピーニャは思わずその場で膝が崩れ落ちるのですが、自身が決めた掟を守ろうと思いを押し込めながらハルトにダンバッチを渡そうとしてきます
その際ハルトが他のボス同様アジトに残りたくないのかと彼に尋ねるのですが、掟だからと自身の気持ちを押し殺すように答えます
そしてハルトに対し学校が楽しいかと尋ね、それに対しハルトも彼にスター団の事をどう思っているのかを尋ねられ、思い出に浸るように語るピーニャ…その際ポロリと、マジボスに見捨てられたのかと吐露します
…が、その言葉を聞いたアオイが割って入るかのように彼の言葉を否定
一人先にマジボス…ボタンの気持ちを知っているのもある彼女は、そんなことを言わず、待ったらきっと会えるはずだとピーニャに伝えます
彼女の言葉を聞いたピーニャはというとその発言に反省し彼女に礼を告げると同時に、自身の本心に嘘は付けなかったのもあり、彼は自身が決めた掟を破ってまでアジトに残ると答えます
それからアジトを出てネルケと別れたタイミングでカシオペアから状況確認の連絡が来ます
その際解散したものの団のリーダーたちがアジトで待つことにしたという報告をし、それを聞いたカシオペアは困りつつもピーニャが掟を破ってまで残ることを知った事実に驚きを隠せない模様…
その後報酬のLPを渡しつつ、ハルトにスターダスト大作戦の終着点がどうなるのかと聞かれたためにカシオペアは予定しているシナリオを淡々と答えます。…その際アオイに白々しいと思われますが…
カシオペアの話を聞き終え、わざわざ回りくどいとアオイが思っているようなことをしないと出てこないマジボスに疑念を抱くハルト
と、そんな彼らの前にすっげぇぎこちない挨拶をかましながらボタンが現れ…るのですが、以前舐めた時に味でも覚えられたのかコライドンがボールから飛び出し、ボタンを舐めだしてしまいます。そしてそんな絵面を撮影するアオイェ…
何とかコライドンを引き剥がしつつ、ハルトが暗い表情をしているのが見えてたようでボタンが何かあったのかと尋ね、事情を話すハルト…
彼の話を聞いたボタンは少々気まずい気持ちになりつつも、自身が倒されるべき存在であると言わんばかりの言葉をなおも告げ、彼に激励を送ってその場を後にします
その際ボロっとスター団が自身にとっての宝であることを漏らしてしまい、それに疑問を抱くハルト…と隣で聞いててもう全部さっさと話せよと思いため息をつくアオイ
そんな彼女を見てなんで逆に疲れたような行動をしているのかとハルトが突っ込みますが、流れるように無視され次の町であるカラフシティに向かうことに…といったところで次回へと続きます
というわけで今回はピーニャ戦だったわけですが、こんな感じで『ゲーム基準で相性不利且つレベル差不利を交代で凌ごうとする』といった形になりました
ゲームだと何処からでも攻略できるってのが逆に仇となって先にメロコ辺りをやってから後で挑んだ人も絶対多いだろうってぐらい団のメンバーの中では弱くされてたので、物語的にこうした方がいいかなって感じで書きました
一応小説クオリティってことでレベルを上げてもよかったんだけどね…それはそれで書くの大変だと思って…←
後はシュウメイ同様ピーニャもアジトに残って待つことになりました
思ったよりあっさりとした感じになってますけど、彼自身掟に縛られて去るのが嫌だったというのが強く出た感じですね…そういう意味ではアオイの発言はファインプレー
さて次回ですが…他の話を書く上で特に何も思い浮かばなかったために挟まれたようなエロ回です←