※この作品はR-18です。

ポケモンSV二次エロ小説(タイトル仮)   作:火野荒シオンLv.X-ビリオン

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さて、微妙なところで区切り所を見失ったために文字数がすごいことになった第4話
マジで長いのでご注意を


第4話 将来の夢とそれぞれの思惑

スター団と呼ばれる者たちに戦いを挑まれたハルトとアオイは、どうあがいても闘いから避けられないと悟り、諦めて彼らと戦っていた

 

「シルシュルー!その猫ちゃんを引っ掻いてやりなさい!!」

「ヤングース!お前はそのワニに〈たいあたり〉だ!」

「シュルシュルシュー!」

「ヤングー!」

「ニャオハ!かわして〈このは〉を!」

「ホゲータ!〈ひのこ〉で返り討ちにして!!」

「はーにゃあぁぁぁぁ!!」

「ホゲワーッ!!」

 

スター団の二人組はそれぞれシルシュルーという黒いポケモンとヤングースという茶色いポケモンでそれぞれを攻撃してくるが、二人は的確に指示を仰ぎ応戦する

ニャオハたちの攻撃は命中するも、それでもまだ攻撃してくる辺り、二人にとってとても手ごわい相手だというのが伝わってくる

 

「て、手ごわい…」

「でも、ワンチャン押し切れそうだよ!」

「ぐむむ…この二人、意外とやるではないか…!スター団に欲しい人材だが…このままでは負けてしまう!」

「こうなったら…片方を集中狙いよ!!シルシュルー!あの遅い動きをしたワニに引っ掻きなさい!!」

「お前もだヤングース!〈かみつく〉で後輩ちゃんを援護しろ!!」

「嘘っ、集中狙い!?ほ、ホゲータ避けて!!」

 

スター団側もハルトたちが意外とやれると理解したのか、今度は集中狙いでアオイのホゲータを攻撃する

アオイは慌てて避けるように指示し、ホゲータは精一杯避けるも、流石に2方向から攻撃が飛んでくるのに無理があったか、遂にホゲータは同時に攻撃を受けていた

 

「ホ、ホゲ、ホゲ…ワ…ホゲェェ!!」

「ああっ、ホゲータ!?」

「よっしダブルヒットォ!!」

「あと少しでそいつは倒せそうだしこのまま…」

「!ニャオハ!!このはでホゲータのサポートを!!」

「はにゃ…はーにゃー!!」

 

このままではまずいと判断したハルトは、ニャオハにホゲータを守るように指示をする

その際ニャオハはアオイを一瞬だけ見て嫌そうな顔をするも、仕方なしと言わんばかりにホゲータにとどめを刺しに行こうとするシルシュルーたちに攻撃する

しかしシルシュルーたちはそれに気付くと咄嗟に攻撃をよけ、今度はニャオハに狙いを定めようとしていた

 

「シュルルルルル…!」

「ヤンヤングー…!」

「おいおい邪魔するなら今度は君の方を狙ってやろうかー?」

「さっさとあっち倒したいけど、流石に片方が手負いの状態なら、ある程度放置しててもいけるよね!」

(ど、どうしよう…このままじゃ…)

 

ホゲータはかなりのダメージを受けてあまり動けず、その上で2対1の状態になってしまい、ハルトはマズいと感じる

どうすればこの状況を切り抜けられるのか…そう考えていた時だった

 

「―――あーっ!見つけたー!!」

「!その声は…」

 

突然聞きなれた声がアカデミー側から聞こえ、ハルトは声が聞こえた方を見る

…視線の先にはネモが走ってきており、彼女はバトルの間に割って入るとハルトたちに話しかけていた

 

「もー二人ともどこに行ってたのさー!」

「ネモさん!」

「げっ、生徒会長…!!」

「先に行かせたはずなのにまだ学校に到着してないって聞いて、そんでもってテラスタルオーブの手続きを代わりにやっといたけどそれでも遅いから探しに行こうとしたら、なんかそこでバトルしてるって聞いて、駆け寄ってみたらバトルしてるし…ていうかバトルするならわ、た、し、と!!でしょ!?」

「ひっ…!?」

「あっ、しまった、ごめん怖がらせて…」

「えっ、あの生徒会長がなんか謝ってるぞ…!?」

 

あまりにも気迫にハルトは軽く怯え、それを見たネモは先程の件もあり即座に謝罪する

そんな彼女にスター団たちは驚愕するが、そんな彼らを無視してアオイは話しかける

 

「あ、あの…今それどころじゃなくて…アカデミーに向かおうとしたら、なんかそこの連中が道を塞いでて…そこからなんか絡まれてバトルって感じになって…」

(あれ、寄り道したこと説明しないの…?)

「わっ、今気づいたけどスター団いるじゃん!全く、また強引な勧誘してたんだね!」

「Σ今頃私たちを認識した!?」

 

アオイの言葉にようやくスター団の存在に気付いたネモは、彼らに向かって叫ぶ

その一方でそれまで存在を認識されてなかった事実にスター団の女性は膝をついてうなだれるも、ネモは構わずに状況を見る

そして何を思ったのか、ハルトたちにあるものを渡していた

 

「うーん、本来なら生徒会長の私がこの場を収めることになってるんだけど…よし、この際二人がこれを使って解決しちゃえ!」

「!これは…」

「テラスタル…オーブ…!?」

「そうだよ!と言ってもこれはさっき言った授業で使う貸し出し用だけどね。本来ならそれは授業の時にしか使えないようになってるんだけど…手続する際に私が推薦してもらって特別に使えるようにしてもらったんだ!だから気にせずに使ってよ!!」

「「…はい!」」

 

二人は元気よく頷くと、テラスタルボールを構える

その一方でスター団の男性は二人のテラスタルのお試しにされるのではと呟いていた

 

「…あれ、これもしかして俺ら、あの新人二人のテラスタルのお試しにされる感じっすか…?」

「それがいやなら私が乱入して相手してあげるけど?」

「あ、いや…ぐぬぬ…テラスタル使ってくるとは言え流石に新人、それに片方は手負いなら流石になんとかなるはず…!行くよ後輩ちゃん…!!」

「アオイちゃん、行ける…?」

「多分なんとか…行くよハルト…!」

 

二人はテラスタルボールを掲げると、テラスタルボールは強い威圧感を放ちだす

そして二人は自身のポケモンの頭上に投げると、ニャオハとホゲータが結晶に包まれる

そして二匹を包んだ結晶が砕けると…ニャオハには複数の花のような結晶体が、ホゲータには蠟燭のような結晶体が頭上から生えていた

 

「はにゃああああ!!」

「ホゲワァァァァァ!!」

「これが…ニャオハたちのテラスタル…」

「テラスタルは基本的に元々のタイプであることが多い。ニャオハは草、ホゲータは炎って感じでね。そしてテラスタルしているときはそのタイプの技を強化できる…特に元々のタイプの技は、テラスタルで大幅に強化されるんだよ!!」

「!…ということは…ニャオハ、〈このは〉!!」

「ホゲータ!〈ひのこ〉で燃やしちゃって!!」

「はぁぁぁぁにゃあぁぁぁぁぁ!!!」

「ホゲェェェェワァァァァァ!!!」

「シュ…シュルルゥ―!?」

「ヤングゥゥゥゥ!!?」

 

ネモの説明を聞いた二人はそれぞれのタイプの技を放つ

…テラスタル化した姿の状態で放たれた技は、先程より威力が増しているのか、通常の時より強く攻撃が放たれており、それを食らったシルシュルーたちはその場で気絶していた

まさかの一撃で沈められたスター団の二人はショックでその場に崩れ落ちる

 

「あぁ、負けちまった…」

「あたしたちが、お星さまにされちゃった…」

「や、やった…勝ったー!!」

「あ、危なかっ…うわぁ!?」

「はにゃあーん♪」

「流石だね二人共♪」

 

バトルに勝利したアオイは大喜びをし、ハルトは疲れたと言わんばかりに地面にへたれ込んだ…その瞬間をいつの間にか元の姿に戻ったニャオハが彼に飛びつき、彼の頬を舐めていた

そんな二人にネモは誉め言葉を送りながら近づいてきた

 

「い、いえ…これもネモさんのお陰です…」

「本当にありがとうございます!」

「いいっていいって。…それで、そこの二人はどうするの…?」

「えっ!?あっ、その…き、今日はこの辺で…お疲れ様でスター!」

「わ、あたしもこの辺で…お疲れ様でスター!!」

 

ネモはスター団の方を見て彼らに話しかけるが、まずいと察したのか謎のポーズを素早くした後、謎の挨拶をしてその場から逃げ去って行った

それを見たアオイは「何今のダサいポーズと挨拶…」と小声で呟きながらネモに尋ねる

 

「…結局あのスター団っての、なんなんですか…?」

「僕たちと同じ制服を着てたみたいですけど…アカデミーの生徒ですよね…?」

「スター団は所謂やんちゃな性格をした子たちの集まりみたいなもので、アカデミーの授業の出席率もかなり低いらしいし、あんな感じで集団で暴走してるしで先生たちも頭を抱えてるみたいなんだよね…」

「…所謂不良ってやつですか…?」

「うーん…概ねそんな感じかなー?たまに迷惑行為をしていることはあるらしいけど…基本的にはさっきみたいな強引な勧誘とかで収まってるみたいだから何とも…」

「―――あ、あの…」

 

ネモがスター団について説明していると、先程スター団に絡まれていた眼鏡の少女が、ハルトたちに話しかけて来ていた

 

「あ、確かさっきの人たちに絡まれてた…」

「えと…助けて、くれて…ありがと…ございます……特に…そこの君…」

「え、と…僕の事…?」

「………先、行くので…では…」

「あっ…」

 

眼鏡の少女はそう告げると、学校の方へ走り去っていく

ハルトは彼女に話しかけようとするも、既に去っていく彼女の後姿を眺めていた

そんな彼の傍らでネモは彼女の後姿を見つめながら呟く

 

「今の子、見かけない顔だったな…ハルトたちみたいに新入生って感じじゃなさそうだけど…転入生の子なのかな…?にしてもあのイーブイのバッグ、もっふもふだったなぁ…とと、そんな話はさておき、学校へ行こうか!…また地獄のような階段を上らないといけないけど…」

「「な、なんかすいません…」」

 

二人は階段を見ながら目を虚ろにしているネモに対し、申し訳なさそうな声で二人は謝っていた

 

 

 

~~~

 

 

 

それから三人は階段を上りきった後、ようやく見えた校舎の正門の前に辿り着く

ハルトたちは心を躍らせながら扉を開けると、辺り一面には本がずらっと並んでおり、彼らから見て正面には受付が設置されていて、周りには本を読んだり、友達と話したり、ポケモンを連れ歩いた生徒たちが沢山いた

 

 

「「わぁぁぁ…!」」

「それじゃあ改めまして…二人とも、オレンジアカデミーにようこそ!!ここは学校のエントランスホールだよ!ここの受付で受けたい授業を選ぶことができて、色んな授業を受けることができるんだ!他にもエントランスから色んな施設に繋がってたりしてるから、二人共ぜひ有効活用してほしいな!あ、後、ここのエントランスホールってバトルできそうなぐらい広いんだけど…ここ、校則でバトルが禁止されてるんだよね…」

(ネモさん…それは当たり前なんじゃ…)

「―――おや、遅かったですねぇ…お昼前にはぎりぎり着くと思ってたので心配してましたよ」

 

しれっととんでもないことを言うネモにハルトは心の中でドン引きする

すると彼らを待っていたのか、クラベルが彼らの元へ歩み寄ってきていた

 

「校長先生!!」

「ネモさん、ここまでご案内ご苦労様でした…ハルトさん、アオイさん。初登校はいかがでしたか?」

「あはは…色々あり過ぎて大変でした…崖に落ちたりとか…」

「正直色んなことがあり過ぎて疲れました…」

「おやおや、大変だったみたいですね…ん?崖に落ち…」

「あっ、そういえば校長先生、少し前にスター団の人たちを見ました!」

「なんですって!?どちらでですか!?」

 

ネモの報告を聞いたクラベルは驚いた表情で彼女に詳細を尋ねる

彼女は一通り説明し、その合間にハルトとアオイが捕捉を入れるかのようにクラベルに説明した後、彼は頭を抱えていた

 

「あぁ、何という事でしょう…お二人方、入学早々ワイルドなことはほどほどにしてくださいね…」

「「ご、ごめんなさい…」」

「ネモさんも、そういう時はすぐに先生をお呼びください…」

「…成程、ですねー…」

「…しかし、イーブイバッグを背負ってた…ボタンさんでしょうか…学校にいらしてくれて何よりです…」

「…?」

 

クラベルの言葉にハルトは一瞬疑問を抱くが、クラベルはそんな彼に気付かずに、ネモへ話しかける

 

「…一応ですがネモさん、スター団の事は担任のジニア先生に報告しておいてください」

「はーい!それじゃあ二人共、さっそく教室へいこっか!二人とも私と同じクラスだから付いてきて!」

「…あ、その前にちょっと…校長先生…ここって洗濯できる場所って…ありますか…?」

「洗濯ですか?確かハルトさんは寮生活でしたね?一応寮の方に洗濯機は設置しておりますが…何か汚れ物が出た感じですか?」

「は、はい、その…」

 

ようやく教室へと向かおうとした矢先、ハルトは自身の汚した衣類の事を思い出し、クラベルに尋ねる

それに対しクラベルは疑問を問いかけるが、ハルトはそれに口ごもる

そんな彼の反応を見たクラベルは何か言えない事情があるのであろうと思い、先に寮へ入ることを許可していた

 

「ふむ…事情は分かりませんが…先にそちらを済ませたいのであれば、構いませんよ。向こうへは私が伝えておくので、通してくれるはずです」

「!ありがとうございます!!で、では…!」

「あっ、ハルトさん、もうすぐホームルームなので遅くならないように…行ってしまわれましたか…しかしあの慌てようはいったい…」

「あはは…校長先生は知らないほうがいいかもですね…」

 

クラベルの許可を貰うや否や、ハルトは大急ぎで寮へと向かい走り出す

そんな彼を見ながら、アオイは苦笑いをしながら、今日起きたことを離さないでおこうと考えていた

 

 

 

~~~

 

 

 

「はぁいみなさぁん、ホームルームを始めますよー…と、その前にちょっと遅めの大ニュースがありますよぉ。知りたい人はいますかぁ?」

「はいはい!知りたーい!!」

 

『1‐A』と書かれた教室…そこではポケットに沢山の本が入った白衣を着た紫色の髪の男性が、気の抜けた声でクラスの生徒たちに話しかけていた

生徒の一人が元気よく知りたいと叫び、白衣の男性―――ジニアはにっこりと笑いながら

 

「本来ならお昼ごろに紹介する予定だったのですが…今日から新しくこのクラスに入るお友達が増えまぁす」

 

彼の言葉を聞き、クラスの生徒たちがざわつき始める…

その一方で、外で待機しているハルトたちは、緊張に包まれていた

 

(あぁ、緊張する…ってハルト、大丈夫?)

(う、うん…緊張しすぎてちょっとだけお腹痛いけど…大丈夫…)

(頼むから漏らさないでよね…前科あるから…)

(さ、流石にもうしないよ…!)

「二人ともぉ、入ってきてくださいなぁー」

「は、はい!い、行くよ…!」

 

ジニアに声を掛けられ、二人は教室に入っていく…

教室の一番前の席にネモが座っており、二人に頑張れと言わんばかりの視線を送っている…

そして教壇の前に並ぶと、ジニアが自己紹介するように二人に告げていた

 

「さて、お二人とも、自己紹介できるかなぁ?」

「えーっと…アオイです!」

「ハ、ハル、ハル…ハルト、でしっ…!」

(あ、嚙んだ…)

 

緊張のあまりハルトは思わず噛んでしまう

そんな彼を見た生徒たちはより一層ざわつきだし、それを見たハルトは動揺していた

 

(あ、あわわわわわわ…!どうしよどうしよどうしよどうしよ…!!)

(こ、これ大丈夫かな…)

「あららぁ、緊張しちゃってますねぇ…一度深呼吸しましょうか…息をぉー吸ってぇー吐いてぇー」

「は、はい…すぅ…はぁ………、…」

「…うん、ひとまず落ち着いたようだね…では改めて、お二人に質問がある人はいますかぁ?あ、ハルトさんには優しめにお願いしますねぇ」

 

彼の動揺っぷりを見たジニアは深呼吸をするようにゆっくりと諭す

ハルトは彼の言葉に従い、深呼吸をすると、ある程度落ちつけたのかすぐに大人しくなっていた

彼の様子を見て大丈夫だと判断したジニアは、クラスの生徒たちに質問があるかどうかを尋ねる

すると男の子が元気よく手を挙げ、二人に質問をしていた

 

「はいはーい!えーっと、アオイさんとハルトさんはポケモンのどういうところが好きなんですかー?」

「おぉ、良い質問ですねぇお二人方、お答えできますか?」

「ポケモンのどういうところ…うーん…私は可愛いところかなぁ」

「え、と…僕も、です…」

「そうなんだー!僕も同じだよー!!」

 

二人の返答に質問した男の子は喜びながら自分も同じだと伝える

そんな彼をニッコリ見て笑いながら、ジニアが他に質問がある人はいるかと尋ねると、ネモが挙手しながら立ち上がった

 

 

「あ、じゃあ私、良いですか?ハルト、…さんとアオイさんはそれぞれこの学校で勉強していって……将来、何を目指したいですか?」

「つまり、将来の夢、ですか?」

「そうとも言えますね」

 

アオイの返答に真剣な眼差しでネモはそう答える

それを聞いたアオイは少し悩みながら、答えを出していた

 

「えーっと…私は元々、色んな場所で色んな思い出を作りたいなーって思ってて…だから将来についてはまだ考えてないです!けど、そのためにもひとまずは色んなところを探検して、色んな思い出を作っていきたいです!!」

「…そっかそっか!可能性は無限大だもんね!!」

 

アオイの答えを聞いたネモは、笑顔で彼女の返答に頷く

そんなネモの表情を見て、アオイは心なしかほっとしていた

こうしてアオイの番が終わり、残りはハルトと番になり、ジニアは彼に答えられるか尋ねていた

 

「さて、次はハルトさんの番ですねぇ…大丈夫です?答えられますか?」

「は…はい……え、っと…僕は…その…ポケモン博士に、憧れてて…それで…色々…世界を巡って……ポケモンの事を知りたいなー……って…」

「「「…」」」

「だ、だから…そのために…まずは…このパルデア地方の、図鑑を…埋めて……完成させたい、です…!…こんな、内容じゃあ、駄目、ですか…?」

 

彼の答えにクラスは一斉に静まる…

この状況にハルトは不安を持ってしまうが…一人の生徒が叫びながら、彼を誉め出し始めた

 

「……す…すげぇぇぇぇぇ!!そんなデカい夢を持ってるなんて!!」

「…え…?」

「図鑑を完成させるってマジで言ってるのかよ…気弱そうなやつだと思ってたけどスゲェな…」

「図鑑埋め着々と進んでるって聞いたけどそれでも全然データが足りないってジニア先生も行ってたから大変だと思うけど、勇気をもって言えるなんてすごいよねー」

 

その男の子に釣られるように、生徒たちが次々とハルトを称賛する

それらを聞いたハルトが唖然しながらネモの方を見る

それに気付いたネモは…満面の笑みを浮かべながら、クラスの生徒たち以上に興奮していた

 

「ハルトの将来の夢…すっごく感動したよ!!とてもとても大変だろうけど…ハルトならきっとできるよ!!」

「ネモさん…」

「はいはい、皆さん落ち着いてくださぁい。ハルトさんもあんなに緊張していたのに、しっかり勇気を出して伝えられましたね。僕も君のこと、期待してますよぉ」

「せ、先生…!」

「…さて、クラスの雰囲気もいい感じですが…そろそろホームルームを行わないといけませんので質問はここまで。それじゃあお二人共、空いてる席に座ってください」

 

ジニアの言葉を聞いた二人は強く頷くと、それぞれ空いている席へと座わりに行った

 

 

 

 

~~~

 

 

 

それからホームルームを終え、生徒たちが帰宅したり、寮へと戻る時間帯になり…ハルトたちは色んなクラスメイトから挨拶を交わされていた

特にハルトに対して挨拶していく者が多く、ハルトは軽く困惑した表情をしていた

 

「じゃあなー新入生ー」

「これからよろしくねー」

「あ、うん…よろしく…なんか、すごいことになっちゃった」

「そりゃああんなに大きな目標を宣言したら、誰だって応援したくなっちゃうよ!」

 

そんな彼に対しネモは白熱した声で先程の事を語る

その一方でアオイは軽く背伸びをしながらハルトに話しかけてくる

 

「にしてもハルト、そんな夢持ってたんだ…正直スケールの大きさのあまりあの場で無言になっちゃってたけど…大丈夫なの…?」

「うっ…わからないけど…そのためにこのアカデミーに来たんだ…絶対叶えてみせたいよ…」

「ふーん…なら私も応援しなきゃ。お互いに頑張ろうね」

「う、うん…アオイちゃんも、夢を見つけられるといいね…」

「…さて!それじゃあ軽く施設を案内しながら学食を食べようか!!」

 

二人はお互いに激励を送っていると、ネモがアカデミーを案内すると二人に告げる

二人はそれに頷くと、彼女と共に学食を目指しながら各施設を回ることにした

 

 

 

~~~

 

 

 

一通りアカデミーの施設を回った後、三人はようやく学食へと辿り着いていた

既に夕食の時間というのもあり、既に人が大勢並んでいた

 

「ここが学食だよ!ここの学食は日替わりと固定メニューがあるんだけど、どれもとてもおいしんだよねー」

「わー、何食べよー…えっ、お金取るの?」

「そだねー。一応学食扱いだし」

「うっ…昼間にボールとか買いこんだからお金が心もとない…」

「あはは…まぁ、レストランとかで売られてるのよりは安く設定されてるって聞いたから、安いの探したらいいよ…」

「…あれ…」

 

まさかの有料制というのを知り、アオイは所持金を軽く確認しながらメニューを見つめる

そんな彼女にハルトとネモは苦笑いしていると、ハルトはふと、とある人物を見かける

ハルトはその人物―――ペパーに話しかけようとして近づくと、ペパーも彼に気付いたのか話しかけていた

 

「!お前は確か昼間の…また会ったな!」

「(昼間となんか雰囲気が違う…)あの、ペパーさん、でしたっけ…」

「おぉ、あの時俺は名乗ってなかったのによく覚えてんな…んじゃあ改めて…俺の名前はペパーだ。んでお前さんはハルトだったか?よろしくな」

「は、はい…」

 

灯台であった時よりフランクに接してくる彼に戸惑いを感じながらも、ハルトは彼が差し出した手を握り、握手する

 

「…なぁ、お前さん、確か生徒会長とつるんでるんだよな?」

「えっ?えっと…つるんでいる、のかなぁ…?」

「あん?そういう関係じゃねーのか?まぁいいが…さっきそこで学食食ってるやつらがお前さんと…後一応アオイって嬢ちゃんの噂をしてたんだ。不良のスター団を追っ払ってたとか、あのバトル大好き人間とか言われてる生徒会長がお前さんをべた褒めするぐらいバトルの筋がいいとか…後なんか聞いた記憶あるけど忘れちまった」

(に、入学初日なのに、なんか変な噂が広まっている…!?)

 

まだアカデミーに入学して早々に何故か変な噂が広まっており、ハルトは心の中で驚愕する

しかしそんな彼の気持ちも露知らずに、ペパーはバッグの中から赤い本を取り出しながら話を続けていた

 

「本来ならちょっとした用事を済ませたらすぐに学校から去るつもりだったが…悪いがお前さん、俺の野望の手伝いをしてくれないか?」

「…野望…?」

「そうだ!意外だと思われそうだが、俺、実はピクニックが好きで、料理するんも得意なわけなんよ」

「は、はぁ…」

「んで、今俺はポケモンを元気にする健康料理を研究しているんだが…この前見つけたこの本に、食べればたちまち元気になる『秘伝スパイス』っていう食材の情報が載ってたんだよ!」

「秘伝スパイス…?」

 

ペパーの話を聞き、ハルトは首を傾げる

それを見たペパーは彼が興味を持ったと思い込んだのか、更に話を続ける

 

「お?興味を持ったか?とりあえず続けるぞ。…その秘伝スパイスってのは5種類あって、その粉末を舐めただけでなんと!滋養強壮!健康促進!老化防止に免疫力アップ!」

「な、なんか胡散臭い…」

「そんなこと言うなよ…とにかく、そんな効力が満載の食材が、このパルデア地方にしかないガチで珍しい食材らしいんだよ!」

「そんなに珍しいんだ…えと、つまり…それを探すのを手伝ってほしい…ってこと…?」

「まぁそんな感じなんだが…どうやらこの本によると、この秘伝スパイスはヌシポケモンっつーやつに守られているらしくてな…簡単に手に入らないらしいんだとよ…んで、そのヌシってのが…えーと、あった。多分、こんな奴!」

 

ペパーはそう言いながら、手に持ってた本をハルトに見せる

…そのページには、『エリアゼロの怪物』という項目と、それらに記された記述が掛かれており、ハルトはそれに釘付けになっていた

 

「エリア、ゼロの…怪物…?」

「このパッと見ドンファンみたいなやつがヌシでスパイスを守ってるらしい…本来なら自分で取りに行きたいんだけどよ、俺、ポケモン勝負が苦手でさ…色々あってポケモンが強いダチのアテねぇし、かといって生徒会長に頼むにしても…その…想像しただけでも色々うぜぇし…」

(あぁ…確かに、事あるごとにバトル挑んできそうなのが…)

「そこでだ!お前さん生徒会長に見止められるぐらいにはまぁまぁな強さに保証はあるっぽいし、是非ともお前さんの力を貸してほしいんだ!」

「え、えぇぇぇ!?」

 

突然ペパーから協力を申し込まれ、ハルトは思わず叫んでしまう

その声のに学食にいた者たちが数人ほど彼らに視線を向けるが構わずペパーはハルトに必死に頼み込む

 

「いや、俺もこの学校に来たばかりのお前さんに頼むのもどうかとは思ったんだが…それでも猫ちゃんの手を借りたいぐらいなんだよ!」

「え、っと…その…」

「ハルトーさっきから何して…あ、確か灯台の…」

 

そうこうしているとハルトの声に反応したのか、サラダサンドを片手に持ったアオイがやってくる

するとこれ以上は学食の人々の邪魔になってしまうと考えたのか、ペパーは彼のスマホロトムを強引に借りると、素早く自身の連絡先とヌシポケモンがいると思われる場所をマッピングしたデータを送っていた

 

「…これ以上は飯食ってるやつらに迷惑掛かるか…スマンハルト、ちょいとこれ借りるぜ!?」

「えっ…うわっ!?」

「…これでよしと。ちょいと強引だが、俺の連絡先とさっき言ってたヌシポケモンがいそうなところのマップデータを送っておいた。決まったら連絡してくれ!じゃあな!!」

「あっ、ちょっと…!」

 

ハルトはペパーを引き留めようとするが、彼は既にその場を去ってしまう

あまりにも強引な手段を取られたハルトは唖然しており、そんな彼にアオイが何があったのかを尋ねる

 

「今のってペパー…って人だっけ?なんかコライドンについて話してたの?」

「いや…そういうわけじゃ…あれ、ネモさんは?」

「さっきなんか知り合いが来たって連絡が入ったらしくて、職員室に行ったよ。先に食べてていいって言ってたけど、ハルトも早く何か買って食べなよ」

「うん、そうする…?」

 

ハルトは気を持ち直して夕食を取ろうと考えていた瞬間だった

彼のスマホロトムに一通の通話通知が来ており、彼はその場で通話を開始する

 

「なんか来てる…ペパーさん…じゃない…誰だろ…!?」

「ちょ、堂々と人がいるところで得体の知れない人物からの通話に反応するのは…」

「そ、それが…スマホロトムが勝手に…」

『……ハルトだな?』

「「!?」」

 

突然ハルトのスマホロトムががってに通話機能を行い始め、そこから機械的な音声が通話から聞こえると同時に、ハルトかどうかを確認してくる

得体の知れない人物から自分の名前を呼ばれハルトと近くで聞いてるアオイは思わず驚いていた

 

「え、名前、何で知って…」

『…この通話は君のスマホをハッキングして行っているものだ』

「はっ、ハッキング…!?」

『む?そこに誰かいるのか…?まぁいい。今用があるのはハルト、君なのでね。…私の名はカシオペア。貴方の事は知っている。不安定でありながらも、高い素質を持つポケモントレーナー…そんな君に、頼みがある』

「頼み…ですか…?」

 

カシオペアと名乗る人物から突然頼みがあると言われ、ハルトは恐る恐る尋ねる

 

『君はスター団という組織を、知っているな?』

「え、あ、はい…」

「ちょっとハルト、ぺらぺらと話しすぎでしょ!?」

『話が早くて助かる…スター団とは、アカデミーに通う生徒たちが作った、所謂不良グループ。彼らはアカデミーの風紀を乱し、周囲に迷惑をかけている』

「確かネモさんも言ってましたね…」

『私はそんなスター団を解散させ、星屑に変える作戦…『スターダスト大作戦』を考えている』

「スター…ダスト…」

「大作戦…?」

 

カシオペアの話を聞いた二人…特にハルトは、なんとなく嫌な予感を感じ始める

しかしそんな彼らにお構いなしに、カシオペアは話を続けていた

 

『この計画には同志が必要…その結果ハルト、君の力が必要だと判断した。すまないが、君の手を貸してほしい』

「え、っと…なんで僕が…?」

「そ、そうだよ!なんかそのスターなんとか大作戦?っての、怪しさ満点だし、なんか危険な香りがするんだけど!」

『『スターダスト大作戦』だ。…勿論この件は危険だとこちらも思っている。だからその代価として、報酬を渡すことを約束しよう』

「え、いや、あの…」

『詳細は後日、また追って説明する…今日のところはこれで…』

「えっ、ちょ…!切れちゃった…」

「ハルト、スマホロトム貸して!」

「うわっ!?ま、また強奪された…」

 

一方的に通知を切られ、ハルトは困惑するも、同時にアオイからスマホロトムを強奪する

そして彼の通話履歴を検索するが…向こう側がハッキングでこちらの履歴を消したのか、どこを探してもそれらしきものは見つからなかった

 

「なんか消されてるっぽいんだけど…どんだけ一方的なの、あのカシオペアっての…!」

「あ、あの…そろそろ返して…」

「あ、ごめん…ていうかハルトもあんまりペラペラと喋っちゃ駄目でしょ…」

「―――その通りですよ、ハルトさん」

 

すると二人に割って入るように、突然クラベルが彼らの元へ歩いてくる

彼の存在に気付いたアオイはその場で挨拶をしていた

 

「あ、校長先生、こんばんわ」

「こんばんわ、何やら騒がしい声が聞こえたので来てみたのですが…ハルトさん、アオイさん、校内でのスマホ通話はもう少し小さな声でお願いしますね…特にハルトさんはアオイさんが先程申したように、迂闊にご自身の事を喋らないようにしてくださいね。大切な個人情報が聞かれてしまうと危険ですし、そういった情報が何に使われるかわかりませんから」

「は、はい…すいません」

「…しかし今の時代、気を付けることが多くて大変ですね…」

「…?」

 

どことなく哀愁ともいえるようなクラベルの言葉に、アオイは何か違和感を感じる

しかしそんな彼女に気付いてないクラベルは思い出したように二人にあることを告げる

 

「あぁ、そうだ…お二人方、ネモさんが合わせたい人物がいるので、夕食を食べ終わったら職員室に来てほしいとのことです」

「ネモさんが?」

「えぇ。私としても、一度会っておいて損はないと思う人物ですね」

「わ、分かりました」

「あぁそれから…ちょっと大変でしょうが、ネモさんたちとのお話が終わった後、お二人共校長室に来てもらえないでしょうか?ちょっとお話があるので…あぁ、別に悪い話とかではないですので、そう身構えないでください」

 

ネモに呼ばれていることよりも校長室に呼ばれると聞いた二人は一瞬何かしらの説教でもされるのかと身構えるが、クラベルはそういうわけではないと告げる

二人は内心不安を感じるも、先にネモのところで用事を済ませるために、夕食をとることにしていた

 

「…と、とりあえずお腹すいたから、何か食べよう…」

「私はもう買ってるから、先に食べておくねー」

「分かった…何食べよう…」

「あー…ようやく食べられる…ていうか喧嘩した時色々酷い目に遭ったって言っちゃったけど、なんかハルトの方がより酷い目に遭ってるような……まだお互い初めて出会って一日目のはずなのに…」

「…スター団…」

「…?」

 

ふと、誰かがスター団と呟いた声が聞こえ、アオイは周囲を見回す

先程の話を聞いていたものがいるのかと彼女は考えるも、周囲を見ても彼女には愚かハルトの方を見ているもの特にはいなかった

周囲を一度確認した後、聞き間違いかと考えた彼女は少し前に購入したサラダサンドにかぶりついていた

 

 

 

~~~

 

 

 

夕食を終えた後、二人はクラベルに言われたとおり、ネモに会いに職員室に来ていた

 

「えーっと、ここだよね…」

「ネモさん、私たちに会わせたい人がいるらしいけど…どんな人だろう…」

「わ、わかんないけど…とにかく入ろう…し、失礼します…」

 

ハルトはそう言うと、恐る恐る職員室の扉を開き、中の様子を見る

…周りには様々な教師たちが提出物をまとめたり、資料を作成したりと仕事をしており、正直邪魔になるのではと思えるような雰囲気が出ている

それを見たハルトは職員室に入るのを一瞬ためらうも…近くで誰かと話しているネモが彼の存在に気付き、入ってくるように告げる

 

「あっ、おーい二人共ー!早く入ってきなよー!」

「ネモ、お静かに」

「あっ、すいません、つい…」

「し、失礼します…」

「失礼します…」

 

二人は教師たちの邪魔にならないよう静かに入りながら、ネモと、その隣にいる褐色の女性の元へ歩み寄る

 

「二人とも、紹介するね。この人はオモダカさん。このパルデア地方のポケモンジム、およびポケモンリーグのリーグ委員長をやってる人で、チャンピオンランクのトップの人だよ!」

「チャ、チャンピオンランクの…」

「トップ…!?」

「初めまして、ハルトさん、アオイさん。私はポケモンリーグ委員長、およびアカデミーの理事長を務めているオモダカと申します。お二人の事はチャンピオンネモから聞いていますよ」

 

オモダカと名乗る女性は二人にそう告げると、二人に向けてニッコリ笑う

 

「チ、チャンピオンランクのトップって…それってつまり…とても強いって、事、ですよね…?」

「そうだよ!とても強くてその上格好良くて、それでいて凄くて…私の目指す目標の人…いや、ほとんどのトレーナーなら憧れるような人なんだよ!」

「ネモ、お静かに」

「あ、すいません…つい興奮しちゃって…」

 

興奮するネモを宥めながら、オモダカはハルトとアオイを見る

まじまじと見られた二人は緊張するも、オモダカはすぐに「成程…」と呟く

 

「…確かに、ネモが私を引き留めてまで会ってほしいというだけありますね…彼の方に関しては特に…」

「そうですよね!?」

「え、と…一体何を…」

「…と、流石にそろそろ行かなければ…もう少し観察してみたかったのですが、仕方ありませんね…それではチャンピオンネモ、例の件、代わりをお願いしますね」

「はい!任せてください!!」

「では、私はこれで失礼します…またお会いできることを祈ってますね」

 

オモダカは二人に向かってそう告げると、その場を去っていく

彼女を見送った3人は静かに呟く

 

「…行っちゃった…」

「あの人、とても忙しいからね…まぁとりあえず、二人をトップに会わせられてよかったよ」

「何か頼まれていたみたいですけど…」

「あぁ、ちょっとね…あぁそうだ、二人共、ちょっといいかな?二人はさっき、教室で私の質問に将来について答えてくれたよね?ハルトはパルデア地方のポケモン図鑑を完成させたい、アオイはまだ決まってないけどとりあえず今は色んなところを巡って思い出を作ったりしたいって」

 

ネモは教室での二人の将来の夢について再度確認される

 

「はい…そうですけど…」

「そこでなんだけどね…その通過点として二人共、チャンピオンランクを目指さない?」

「えっ…」

「えぇぇぇぇぇ!?」

「…オホン」

「あっ、すいません…」

 

ネモの一言に二人は驚くも、近くにいた教師にわざとらしい咳払いをされ、無理矢理落ち着く

そしてハルトが何故急にそんなことを言い出したのかと疑問に思い、彼女に尋ねていた

 

「え、っと…なんで急にそんなことを…」

「いやぁ、今後二人が冒険する上で、その通過点として丁度いいんじゃないかなって思ってね…ハルトの場合は特に図鑑を埋めるためにポケモンをゲットしないといけないってなると、より高性能のモンスターボールが必要になるだろうし、アオイに関してはジムテストに挑んだりするのも思い出作りになるかなー…って思って…駄目かな?」

「急にそんなことを言われても…でも確かに一理あるのが…」

 

ネモから理由を聞いた二人は軽く困惑するも、彼女の言葉に一理あると思い始める…

…特にハルトに関しては、ジムバッジの数によって品揃えが増える仕組みになっているフレンドリィショップで、扱えるボールが増えるのを考えると、この先より高性能のボールが使えたほうがいいのは確かである

その上利点として、珍しいポケモンを持ったトレーナーとも出会える可能性がある…特にジムリーダーなどは様々なポケモンを使ってくるとされているため、珍しいポケモンを出してくる可能性も有りうる

ハルトは暫く悩んだ後、ネモにゆっくり告げていた

 

「…確かに図鑑埋めに役立つかもだし…ちょっと不安だけど…ネモさん、ちょっとずつでいいなら僕やります」

「本当!?ありがとうハルト!!」

「えっ、なんでお礼を…?」

「それでアオイはどうするの?」

「わ、私は…まだ保留でいいですか…?」

「全然オッケーだよ!」

 

突然お礼を言われハルトは困惑するも、気にせずネモはアオイの返答も聞いてくる

それに対しアオイはまだ決めきれてないのか保留中と答えていた

その返答に対しネモは大丈夫と答えると、二人にジムがある場所をマッピングしたデータを送信していた

 

「そうと決まれば、ハルトにジムのある場所のデータを送っておくね!…あ、アオイにも送っておくよ」

(あれ、これってデジャヴ…って言うんだっけ…)

(なんか強引に渡された…)

「私は前回の『宝探し』でチャンピオンになったんだ。あ、宝探しってのは、この学校の特別な課外授業で、学校の外に出て、色んな場所を冒険しながら自由に学べるんだけど、定期的に行われているんだ!確か次の宝探しは…1ヶ月後だったかな?」

「宝探し…」

「アオイにとってはうってつけな機会だと思うよ!私の時は入学早々にあったんだよね…そこからチャンピオンになるために戦って、戦って、がむしゃらに戦い続けて…今思えば、あの時の冒険が、宝物…だったのかな……?」

 

ネモはそう告げると、当時の事を思い出すように呟く

…昼間のバトルを求めているときと打って変わった、静かな雰囲気を放つ彼女を、二人はただじっと見つめる…

そんな二人に気付いたネモは咄嗟に笑顔を向けていた

 

「…ははっ、なんてね♪」

「「…」」

「…二人にこんなことを言うのもなんだけど…私、多分二人と一緒なら…もっと強くなれると思うんだ…だから…もし二人が、ジムに挑むとして…そしてどちらかがチャンピオンになったら…その時は…ううん、何でもない」

 

静かにそう告げる彼女の眼差しは、何故かどことなく悲しそうな眼をしていた…

 

 

 

~~~

 

 

 

その後ネモと別れたハルトたちは校長室へと辿り着くと、部屋のドアをノックする

 

「し、失礼します…校長先生いますか…?」

「はい。お二人とも入ってください」

 

クラベルに言われる通りに二人は校長室へ入る

…部屋に入ると、周りに様々な機械があり、その少し先でクラベルが立っていた

 

「夜分遅くに申し訳ないですね…オモダカさんとお会いできましたか?」

「はい、そのあと忙しいらしくてすぐ帰りましたけど…」

「あの…校長先生…僕たち、なんで呼ばれたのでしょうか…?」

「その件に関してですが…実は私の友人の方が、お二人…特にハルトさんに大事なお話があるそうなのですよ」

 

ハルトの疑問に答えるようにクラベルは答える

しかし辺りを見回しても彼の言う友人の姿は見えず、二人は首を傾げていた

 

「…えと、そのご友人は何処に…」

「あぁ、申し訳ない。ここにいるというわけではないんですよ。今繋ぎますね…」

 

クラベルはそう告げると、机に置いてあったリモコンを手に取り、近くの大型のモニターの電源を入れる

そしてモニターに映ったのは…白衣の下に何処か原始時代をほうふつとさせる服を着た女性だった

彼女を見たハルトは驚きの表情をしながら、画面に釘付けになっていた

 

「!この人は確か…」

『ハロー、ハルトとアオイ。私の名はオーリム。パルデアの大穴と呼ばれる場所の『エリアゼロ』にてポケモンの研究をしているものだ』

「やっぱりオーリム博士だ…!」

 

ハルトはそう呟きながら、目をキラキラとさせる

そんな彼を見たクラベルが傍らで彼女の事を知っていると聞き、驚いた表情で彼に語り掛ける

 

「おや、ハルトさんは知っているようですね。少なくともパルデアの大穴を担当する前の情報は古いはずなのですが…」

「はい!元アカデミーの卒業生で、その若くしてでポケモン博士になるほどの天才の一人と呼ばれている人ですよね!!僕がこのアカデミーに入ろうとしたきっかけも、この人たちを知ったからなんですよ!!」

「な、なんかすごい語り出した…!?」

『はははっ、そう言われると、とても光栄だよ。…そう、とてもね…』

 

少し前までおどおどしていたハルトを見ていたアオイは、突然の語りっぷりに軽くドン引きする

それに対しオーリムはにっこりとした笑顔で、ハルトの言葉を受け止めていた

 

『…さて、本題に入るのだが、単刀直入に聞こう…学籍番号『805C393』ハルト…君は今、コライドンという不思議なポケモンを連れているな?』

「!そ、そうですけど…何故オーリム博士が…」

『正直な情報提供、大変感謝する…いや、何、別に責めるつもりではない。ただ、君たちに協力してほしいのだ』

「…協力…ですか?」

「―――アギャア!」

「うわっ!?」

 

突然コライドンの事を聞かれ、ハルトは動揺しつつも正直に答える

彼の返答を聞いたオーリムはそんな彼らに対し、協力をしてほしいと頼んでくる

オーリムの言葉に首を傾げていた…その瞬間、ペパーから渡されたコライドンのボールから、突然コライドンが飛び出してくる

 

「!この生き物は…」

「コライドン、なんで勝手に出て来て…」

『やぁ、久しぶり。元気そうで何よりだな』

「ギャス!」

 

ハルトたちは突然飛び出したコライドンに困惑するが、オーリムは彼らを機にせずにコライドンに話しかけ、コライドンも彼女の事を知っているのか返事をするように鳴いていた

 

『実はコライドンは、私が管理していたポケモンでね…ペパーという青年から受け取ったであろうボールも、元々は私の物なのだ』

「そ、そうなんですか!?だったら返却した方が…」

『それに関してはやむ負えない事情があってね…現在私はそのポケモンを管理できない状態となっていてね…それでなんだが、ハルトたちには引き続きコライドンを可愛がっててほしい』

「えっ…いいんですかそれ…?」

『あぁ、君に懐いてるというのは見てわかるからね。私としては、ハルトたちに預かっててもらえるとありがたいのだ』

 

オーリムの頼みを聞いたハルトは少し悩んだ後、オーリムに答えていた

 

「…分かりました。僕もコライドンには色々助けてもらったので…その話、引き受けます」

『そう言ってもらえると、助かるよ。ただ…コライドンは今、弱っている状態であり、戦闘能力はほぼ失っている』

「えっ、割と元気に動いてるけど…これでも弱ってる状態なの…?」

『あぁ。移動に特化したライドフォルムにはなれそうだが、元々持っていた能力を完全に取り戻すには時間を必要とするであろう』

 

オーリムの言葉を聞いたハルトは、コライドンの方をじっと見つめる

…アオイの言うように傍から見てる分には元気にしているようだが、それでもまだコライドンは完全に回復をしていないとのこと…

そして彼女の言葉を照らし合わせると、それほどまでに強大な力を持つということ…そしてそれを一人でやっていけるかということ…

引き受けたはいいものの無事にコライドンの世話が務まるのかとハルトは不安を感じ始める

その一方でオーリムは状況確認のためにと連絡先を登録したいと告げハルト…とアオイにスマホロトムを出すように指示していた

 

(…引き受けたのは良いんだけど…僕に務まるのかな…)

『すまないが、今後の状況確認のために定期連絡ができるようにしたいので、私の連絡先をスマホに登録しておこう。すまないがスマホロトムを出してくれないか?アオイ、君も頼む』

「あ、はい…」

「…あの、さっきから気になってたんですけど…ハルトが全面的にコライドンの世話をするみたいな形で隠れてるようだけど、なんか私もコライドンの世話に一任されてるのは気のせいですか…?じゃないと私も呼ばれる意味が分からないし…なんなら連絡先交換する意味ないんじゃ…」

 

アオイは先程から何故か自身がひっそりと、コライドンの世話役にされてる気がしていると感じ、オーリムに尋ねる

それに対しオーリムは少々口ごもりながら説明をし始める

 

『それなのだが…理由は2つある。1つは君も、コライドンが倒れていたところの周辺にいたのであろう?』

「それはそうですけど…」

『私が調べた限りでは状況が違えば、君がコライドンを助けてた可能性もある。その可能性を考えた結果…君ももしかしたら、ハルト同様、コライドンの力を取り戻すための手助けになれるだろうと』

「どこからそんな根拠が出たんですか!?」

『そしてもう1つは、ハルトだけではコライドンの世話をするのに負担がかかるかもしれないと思ったからだ。君たちをここに呼ぶ前に事前にデータを調べていたが、ハルトの性格を見る限り、もしかしたら負担をかけてしまうと思ったのでね。一人で世話をするという重圧に耐えきれない可能性も、一応考慮していたのだ』

 

2つ目のオーリムの説明を聞き、ハルトはピクリと体を震わせる

…彼自身も先程から思っているように、確かにコライドンを一人で世話するのは厳しいと思っていた

そこにある程度事情を知っているアオイがいたら、負担を減らせるだろう

だがしかし、彼女も世話役になるということは、下手すれば常日頃から共に行動しないといけないという事…

特にネモが言っていた宝探しの事を考えると、コライドンの世話で彼女も共に行動しないといけなくなるため、事実上彼女の行動が制限されることにもなる

なんなら共に行動するとなると、生活面でも色々不備が起きかねない…特に異性同士だとなおさらだ

 

何より彼女は『様々なところへ行って色んな思い出を作りたい』とホームルームで語っており、最悪その願いを壊しかねない…

そこまで踏まえると彼女にも当然選ぶ権利はあるし、無理強いをさせてしまう可能性もあるということだ

そうでなくても今日だけで既にたくさんの迷惑を彼女にかけてきたのもあり、流石にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないと思い、ハルトはその提案自ら断りを入れようとする

…が、その前にアオイは彼女の頼みを断っていた

 

「確かにコライドンの事はまぁ気になるし…今日初めて会って、たった1日過ごしただけでも何となくハルトの性格はわかるぐらいにはあれですけど…流石にそれとこれは別ですとしか…なので申し訳ないんですけど…この話、断らせてください…」

『うぅむ…そうか…ならば仕方ない…そういうわけでハルト。すまないが君一人でコライドンの世話を任せることになるが…よろしいか?』

「は、はい。僕も元々断るつもりだったので…彼女に負担とかかけさせたくないですし…」

『そうか…ならばすまないが、ハルト。君にコライドンの世話を任せるよ。それでは達者でな』

 

流石に無理強いは駄目かと考えたオーリムは、コライドンの世話をハルト一人に任せる方針にする

そして互いの確認を取った後、オーリムは通話を切っていた

突然画面が真っ暗になり、コライドンはオーリムがいなくなったのを見て、悲しむような鳴き声を発する

そしてクラベルとアオイはハルトの方を向くと、心配そうにハルトに尋ねていた

 

「アギャギャ!ギャス…!」

「…大きなお願い事をされてしまいましたね」

「…ああ言っておいてなんだけど、本当に一人で大丈夫…?」

「うん…大変だろうけど…頑張っていくよ…」

「生徒一人に負担を掛けさせるわけにはいきません…アカデミーの方でも出来る限り、全力で貴方をサポートしますので、コライドンとともに、学園生活を楽しんでくださいね」

「あ、ありがとうございます…!」

「…」

 

クラベルの気遣いを受けたハルトは深くお辞儀をして礼を言う

…その傍らでアオイは、何とも言えない表情をしていたが…

 

こうして話が終わり、時間も遅いという事でクラベルが「部屋に戻ってゆっくり休むように」と二人に告げる

明日から本格的に授業に参加することもあり、二人はクラベルにお辞儀をした後、校長室を出ていく

…そして二人が出て行ったあと、クラベルは静かに考え事をしていた…

 

 

(…ふむ…色々大変なことになりましたね…それにしても、先程のコライドンというポケモン…もしや、エリアゼロの…、…オーリム、まさか…貴方は…)




実は主人公二人共この1日でとんでもないぐらい色んな目に遭ってるし何ならゲーム基準でも割とこの段階で色々起きてるという恐怖
ゲーム本編の会話を所々改変しながら書いてて思ったけど、やっぱあのチュートリアルボリューム相当あったんだなって…しかも確かチュートリアル中ゲーム内の時間変わらないからマジで教室に入るまで数時間単位で起こり過ぎでしょ…

今回の話の小説として落とし込むうえで原作と変えたりしたところ

・スター団の戦いをダブルバトルにした(これは前回も書いた)
・ゲーム本編出貰ったテラスタルオーブは授業で使える貸し出し式にした(そもそもゲーム本編の主人公そのままもらったけど結局その授業受けたんだろうか…?)
・主人公たちが教室に辿り着いた時間帯をホームルームが始まる頃にした(むしろゲームの方荒れだけ色々あったのに教室着いた後自己紹介済ませたら普通に授業突入してびっくりした)
・ペパーがハルトに会うときの内容を変えた(ゲームだとわざわざ主人公に会いに来たらしい。短時間で噂広がり過ぎだろ)
・ペパーがハルトのスマホロトムに無理矢理データを入れる(ゲームでも大体こんな感じだったけどこっちは地味に物理的)
・ゲームで言ってたクラベル校長の「スター団…」の部分を誰が言ってるか風にぼかした
・オモダカとの会話加えた(ゲームだと軽く顔合わせ程度で済ませてる)
・宝探しが始まるまでの期間作った(一応ゲームでもそれなりに時間流れてた)
・ダブル主人公であるがためにアオイもコライドンの世話役(メインはハルト)に巻き込んだ←

大体こんな感じですね
因みにオモダカの下りに関しては最初顔合わせだけで済んでたことを軽く忘れてた結果生まれた部分です←

アオイはとりあえずいろんな思い出作りをしたい、ハルトはパルデアのポケモン図鑑を自分の手で完成させたいという夢持ち
…その上でハルトのその設定を出来る限り死に設定にしないために、この小説でやらないといけないのがバイオレット側のポケモンをどう登場させるのかという事。特にミライドンとかその辺
まぁその辺はゲームにないオリジナルストーリーを作ろうかとは思ってますね。某ポケモンの進化関係で使うシステムがワンチャン悪用できそうと思ってるし
…もっともそこまで続くかと言われると不明だけどね!!!←

後その上でフトゥー博士どうするか問題。公式だとペパーの父親ではあるけどそれはあくまでバイオレットの話で、スカーレットだとペパーの父親も変わらずフトゥーであるかどうかは不明扱いされてるので…
後、DLCで片方のバージョンに出てこない博士が出てくるかどうかってのもわりとあるので下手に出しづらいのが問題という
…まぁこれ二次創作だから好き勝手出来るとは思うので何とかなるでしょうけど

そういうわけで次回でようやくゲームでのチュートリアル部分が終わりです。その前にちょっとハルトとアオイの二人の会話イベント的なのを挟んでる感じ
流石にここまで殆どが本編の内容そのものだし(一応所々改変してはいる)
なんなら二次創作のやつ投稿するときのやつの『利用規約の禁止事項「原作の大幅コピー」』に所々引っ掛かってそうなのが…ね…?←
まぁ更新停滞じゃなくてこの作品が消えた場合はそっち方面で怒られたと思ってください←←
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