断っておきますが文章が尻切れ蜻蛉です。
ベッドの上。
「先生はしばらくじっとしておいてください」
「......なんでですか」
「先生を堪能したいからです」
「はあ。いいですよ」
「ルディはしょうがないですね」と言わんばかりの溜め息、呆れ顔。しかし口角が上がっているのが隠しきれていない。見れば目線が忙しなくあっちこっち動いている。具体的に言うと胸とか胸とか唇とか鼻筋とか目元とかを見ては視線を外して、視線を戻して、目を伏せてを繰り返している。人差し指と人差し指を突き合わせてもじもじやっている。かわいい。
立ち上がる。ロキシーの顔に一瞬残念そうな色が浮かんだ。ふふ、と息が漏れる。
後ろに回り声をかける。ベッドの上に座る。
「先生、失礼しますよ」
腕を回し体を引き寄せ、掻き抱く。髪に鼻を埋め思い切り吸い込んだ。密着する体が硬くなるのにも顧みず欲を満たす。
「すぅ~~っ。~~っ!! はぁっ、はあっ!」
夢中になって髪を掻き分け、嗅ぎ、戻し、顔を押し付け嗅ぐ。体の内に溢れる多幸感に負けて体が跳ねる。先生の匂いで一杯になった頭に甘く痺れが走る。唾液が溢れ出てくる。堪らなくなって体を、胸を押し付ける。背中に当たって潰れる胸を意識したのか、抱く体がかっと熱くなる。耳に唇をつけ、外縁の一部を口に含み、噛んだ。ロキシーの背中が伸びたり曲がったりする。
顎下に手をやり撫でながら、何度も耳元を舐る。少し出っ張った喉仏が、彼は男だと主張していた。
耳から垂れた涎が首と肩、背を伝って落ちる。耳を強く吸って、口を離すとその部分の肌色が変わっていた。反対の耳も同じようにする。背が震えている。なんと愛おしいのだろう。
顔をこちらに向かせる。惚けてぼうっとしている彼の顔に優越感と征服感がぐちゃぐちゃに混ざった何かを覚えた。
体を離し後ろから片腕を回す。首筋から肩に向けて指を這わせる。肌越しに、細い体の鼓動を感じる。綺麗な体。小さな背。これで前世を合わせた自分と同い年と言うのだから嫉妬したくなる。いや欠片の嫉妬も湧かんがね。ロキシーは神であるがゆえ、信仰こそすれ、容姿に嫉妬するような対象ではない。
名残惜しいが背から離れ移動し、向かい合わせになる。伸ばされた彼の足の上、彼の彼の上に馬乗りになるような格好。目の前にある恥ずかしそうな顔に口角が上がってしまう。口を開く。
「ほら先生、手を出して」
「はい」
手が伸ばされる。片手を繋ぐ。指を絡める。嬉しそうにはにかんだ顔に不意打ちを食らい心臓が跳ねあがった。
仕返しがしたくなった。少し横にズレて太腿を彼の肉棒にあてがう。彼のおどおどとした表情とは裏腹に、下のモノは雄々しく反り立っていた。硬い。
上体を前傾させ、内股で彼を擦りながら彼の唇に口づけをする。繋いでいない方の手でロキシーの後頭部を支える。
一旦顔を離す。体重をかけて彼を押し倒す。片膝を立てるような姿勢で、太腿の内側を使ってロキシーのロキシーを擦る。
「ん」
アイコンタクトで口を開かせ舌を入れる。腰遣いで彼の彼を擦るのも忘れない。繋ぐ手に汗が滲みだす。心地のいい匂いがする。大好きな匂い。嗅いでいて安心するロキシーの匂いだ。いつこの匂いが好きだと気付いたのだったか。初めて授業を受けた日か。馬に乗せてもらった日か。転移迷宮で彼を見つけて掻き抱いたときだったか。それともこの家に来て初めて彼を抱いた日だったか。分からない。絡む舌と、口の中が快楽に溶けてゆく。頭が心地よさに浸されてゆく。くちゅくちゅと水音も強くなってくる。
ロキシーの手に力がこもった。
口が離れる。糸を引いて舌が離れる。繋いでいない方の手で体を押された。押し退けるほどの力ではなかったが、私は半ば圧し掛かる形になっていた上体を起こす。苦しかったのかもしれない。息が上がっているようにも感じられた。ロキシーの半開きになった口から唾液が垂れていた。見られるのが恥ずかしいのか、そっぽを向き片腕で顔を隠していた。
仰向けだった体が起き上がり、顔を背けたまま近づいてくる。頭は私の頭の横に来た。額が私の肩に乗る。胸元に唾液がかかった。匂いが強くなった。ちらと見えた顔は目の焦点が合っていなかった。激しく呼吸しながら片手で胸を揉んでくる。私はやさしく背中を撫でる。
「っ......!!」
私が腰を振るのに合わせ、繋ぐ手に力が入ってびくびくと震える。肉棒が擦られるのに合わせて彼の腰が浮いたりくねったりして、擦れ方が変わって気持ちよさそうだった。荒くなった呼気が首筋にかかる。形の整った歯がそっと当てられ、徐々に力が強まる。小さな舌が踊っているのが分かる。
自然と頬が緩む。なんなんだこの生き物は。かわいい。
「かわいい」
愛おしさが溢れてつい言葉に出してしまった。怒ったのか、歯型を付けようとする力が強まった。愛らしさがより一層強く感じられるような気がして、高まってくる。愛液で滑りが良くなった彼の彼に高まりをぶつける。水音が激しくなる。しばらく激しく擦っていると、彼の上体がかく、かくん、と眠たげな子供のように傾げ始めた。同時に彼の足がぴん、と伸び腰が浮く。とても気持ちよさそうだ。私は少し意地悪をすることにした。
腰の動きを止める。
「る、ルディ?」
眠たげな目を精一杯広げて私を見ている。
「先生、今からちょっと我慢できますか?」
浮いたまま動いていた彼の腰が止まった。無意識でやっていたのを自覚したらしい。膨張した肉棒が辛そうにどくどくと脈打っている。
「我慢、できますよね? ロキシー先生」
嚢袋を優しく掌で包み、ゆっくり揉みしだく。
「私がイくまで我慢してください」
「ぼ、僕は......」
目の前の顔が怯えるような顔をする。ちょっと満足。
「なんて、冗談ですよ。さっさと
心地良さのままに微笑む。乱れた青髪の下にある、照れたような顔は綺麗だった。
夜は更けていく。