バシャッ!
突然襲いかかってきた冷たい水の感覚に意識が覚醒する。
まず最初に頭に思い浮かんだのは、ここが何処か?という疑問だった。
まだ目覚めきっていない頭をフル回転させ、自身の状況を把握しようと辺りを見渡す。
そして、すぐに気づく。
自身の前に立つ、人の存在に。
「おはよ~♪どう?目、冴えた?」
片手できゅっと摘み上げたようなひっつめ髪。天井の光が反射し、光沢を辺りに散らばせている眩い金色の髪。
そして、何よりも目を引いたのは服の上からでも分かる程、たわわに実った胸。
絶世の美女。そう呼ぶに相応しい女がそこには居た。
そんな女を前にして、目覚めたばかりで覚醒しきっていないにも関わらず、ごくりと喉が鳴る。
「ちょいちょい、初対面なのにおっぱい見すぎ。盛りすぎでしょ」
こちらを嘲笑するような表情を浮かべながら、女から指摘される。
その言葉を聞き、思わず女から顔を逸してしまう。
そこで気付く。
顔は動かせど、体が動かない。
動きに不自由を感じた俺は、自らの状態を改めて確認する。
俺は椅子に座らされ、手足が縄で縛られていた。
後ろ手に拘束された腕は、ご丁寧に親指同士も結ばれており、満足に肩を動かすことすら叶わない。
そして何より特筆するべき点として、俺は服を着ていなかった。
文字通り、生まれたての状態。パンツの一つもなく、陰茎が丸見えの状態が。
何故こんな事になっているのか。目覚めて時間が経ったお陰か、頭の回転が早まりこの状態へ陥る前の記憶を思い出す。
そうだ。俺は、製薬会社の情報を盗むよう依頼主に雇われ、その会社へと侵入した。
警備員の目を掻い潜り、製薬会社が裏で行っている人体実験の証拠となる書類を手に入れ、持ち帰ろうと振り返った所……
それより先の記憶がない。ということは、俺が今置かれているこの状況……
「お、ようやく自分の状況を理解できた?そうだよ~、君は捕まったの」
女は俺の心を読むように言葉を投げかけてくる。
俺は心の中で舌打ちをした。
椅子に縛られ、裸のこの状況。
加え、見える限りの部屋の内部は無機質で窓も無ければ、どう見ても会社内のオフィスと言えそうな場所ではない。
元々、依頼主からはこの製薬会社では表に出せないような実験を行っており、その証拠を掴んで欲しいという話を聞いていた。
それらの情報と、今自分が置かれている状況を見ればすぐに分かる。
俺は捕まり、今から尋問される。そういうことだろう
「説明の必要は無さそうだね?」
女が口角を上げ、不敵な笑みを浮かべる。
どうやら、この女が俺を尋問する尋問官のようだ。
「何をされても口は割らん」
不敵な笑みを浮かべる女を見上げるようにして睨みつける。
下手は打ったが、この状況。そこまで悪くはない。
これでも俺は拷問に対しての耐性は強いほうだと自負している。ペンチで爪を剥がされ肉体的な苦痛を与えられようが、精神的な苦痛を与えられようが決して情報を吐くことはない。
加え、この依頼を受け、侵入するにあたって万が一に備え、薬物に対しての耐性もつけてきた。
ある程度の自白剤であれば、少し酩酊感を覚えたとしてもそれで情報を吐くような状態には陥らない。
俺はこのまま、この女から与えられる苦痛に対して耐え、仲間が駆けつけてくるのを待てば良い。
仲間が駆けつけてくるまで、俺は何十日、何ヶ月だって耐えれる自信がある。
もしこの女が加減を誤り、俺を殺してしまったのならそれはそれで好都合。この製薬会社は一切の手がかりを掴めず、今後襲いかかる危機に恐怖を覚えることとなる。
加え、相手は女だ。大したことが出来るような奴にも見えない。
そう思いながら、俺は内心でほくそ笑む。
「ふ~~~ん?本当に何されても口割らないの?」
女は腕を組みながら、俺を見下す。
それに対して返答をしない。もはや、何も話す必要はない。
「……ふふっ、その強情いつまで続くか見ものだね♪」
尋問官の常套句のような台詞を吐く女を見て、俺は心中で失笑した。
甘っちょろい拷問で眠ってしまわないか、そんな余裕さえ出てくる。
さて、こういう輩の最初に出してくる手は肉体的な痛みを与えてくることだ。
うめき声すら上げず、平然と耐えてやろう。
俺がそんなことを思っていると、女突如としてその場で服を脱ぎだす。
「ん、しょっ……」
ボンテージのような服が、ゆっくりと開けていきたわわに実った胸元が少しずつ顕になって行く。
前面についたジッパーが、みぞおちの辺りまで下げられると、長い谷間が見えてきた。
通気性の悪い素材を使った服だった為か、谷間は見てわかるほどにしっとりと湿っており、汗がしずくとなって谷間へと落ちていく。
……デカい。
俺が今まで抱いてきた、どんな女の胸よりも。
一目見ただけで分かる。恐らく、Hカップ以上はあるだろう。
なのにも関わらず、その胸は贅肉のように垂れておらず、程よく形を保ったままだ。
女が腕を動かせば餅のように形を変え、見ているだけなのに、もにゅ♥と擬音が聞こえた気がした。
「……」
そんな光景を見せられ、俺は思わず胸へと視線が釘付けになってしまう。
先程まで痛みに耐えようと身構えていた身体は弛緩し、一体どんな事が起きるのか。そのさきのことを期待してしまう。
「私おっぱい大きいでしょ。ほれほれ~」
俺の視線に気づいたのか、女は前屈みになりより谷間を強調する。
たぷっ♥ぶるんっ♥
長い谷間から、汗が雫となって落ちていく。何とも淫靡な光景か。
前屈みとなり、ユサユサと左右に揺れる胸を自然と目が追いかけてしまう。
「うわ、目ギンギン。きも~」
女は俺をバカにするような嘲笑を向けてくる。
その言葉にハッ、と我に返り目を瞑る。
ダメだ、この女は魔性の身体を持っている。思えば、目覚めた時もそうだった。
意識していなかったにも関わらず、自然と視線がいってしまい釘付けになる。
今も拷問に耐えようと気を張っていたにも関わらず、思わず意識が逸らされた。
これ以上、女のペースに乗せられてはいけない。そう思いながら、閉じた瞼に力を入れる。
どうしても見てしまうのならば、見なければ良いだけの話。
次起こる行動に対して、身構えれないのは辛いが、致し方ない。
そう思い、俺は目を瞑り、口を閉じたまま深呼吸をする。
「……ふふっ♪」
女を小さな笑い声が聞こえる。
笑ってられるのも今のうちだ。これ以上、無様な姿は見せない。
そう考えていると、正面からゴソゴソとなにかを漁る音が聞こえる。
恐らく、女が拷問に使う器具でも用意しているのだろう。
……しかし、この女。何をするつもりだ?
拷問をするだけなら、わざわざ胸元を顕にする必要はない。
わざわざそんな姿を見せた意味が、俺には分からない。
単に俺の動揺を誘っているのだろうか……?
ぷしゅっ♥
何かを吹きかけるような音が聞こえる。
無論、音の出どころは正面の女からだ。
……胸をはだけさせて、吹きかける?この女はどんな拷問をしようとしているんだ。
ますますわけが分からない。
そう混乱する俺を差し置いて、女は準備が終えたのか声が近付いてくる。
「それじゃあ、いきま~す♥」
媚びるような、甘い声。一体これから何が…。
そう考えた瞬間、俺の顔になにか柔らかいモノがぶつかってきた。
むにゅぅ~♥
「んむっ……!?」
思わずうめき声をあげる。何だこれは!?
柔らかく、そしてしっとりとして俺の顔に吸い付くような感覚。
そして、何より……
「んっ……んふぅ……」
甘く、蕩けるような濃厚な香り。
その香りを嗅ぐと、思わず身体から力が抜ける。
そして自然と鼻の穴が膨らみ、心を落ち着けようとしていた深呼吸は、その匂いを嗅ぐ為の深呼吸に移り変わっていく。
ゆっくりと鼻から息を吸うと、鼻の奥に広がる花の密のような香り。
そんな香りが呼吸器官を通り、肺へと送られていく。
そして、肺に送り込まれた空気を口から吐き出すと、ミルクのような香りが口内に充満する。
何だ、この香りは?
分からない、分からないが……。
「ふごっ……むふぅ~……」
俺はその香りを吸うことを止められない。
一呼吸するだけで、頭の中でプチ、プチと何かが潰れていくような音が気がする。
その音が聞こえる度に、俺はよりこの香りに夢中になっていく。
ぱふっ、ぱふ……♥もにゅぅぅ……♥
極めつけは、顔全体を覆う柔らかい感触。
人肌より少し熱いそれは、俺の顔を揉みほぐすように圧力をかけてくる。
圧力をかけられると、緩んだ口元が左右から揺さぶられ、だらしなく開いていくのが分かる。
「んおぉ~……」
だらしなく開いた口から、間抜けな声が出る。
しかし、声を抑えることが出来ない。この匂いを嗅ぐと、自分の置かれている状況がどうでもよくなって……
「ぷっ……はい、終わり~♥」
不意に女の声が聞こえる。
その言葉と共に、顔を覆っていた柔らかい感触と、芳しい匂いが離れていく。
「んぁ……」
いつの間にか半開きになった目に室内の光が届き、女が離れていく姿が見えた。
女は、今にも吹き出し笑ってしまいそうな顔で俺を見ている。
何がそんあにおかしいのか、よくわからない。
俺はただ、心地よい感触を……。
そこまで考え、目を見開く。
心地よい感触?いや、何を考えているんだ俺は。
もし手が自由であれば、俺は自分の両頬を思い切り叩いただろう。
それほどまでに、俺の思考はかき乱されいていた。
何度も首を振り、顔中の筋肉をブルブルと震わせながらハッキリとした意識を取り戻す。
そして、数度深呼吸をして……俺は、ようやく冷静を取り戻せた。
「ぶふっ、あははは!何やってるの~?眠たいのかな~?」
女はそんな俺の様子を見て、口に手を当てながら笑い出す。
俺の顔が赤くなっていくのが分かる。数分前まで、もう無様な姿は見せないと心に決めておきながら、このザマだ。
可能ならば、今すぐここから逃げ出したい気持ちでいっぱいになる。
「俺に、何をした……」
羞恥心を何とか抑え込もうと、俺は女を睨みつけながら問いかける。
そんな俺を見て、女は見下しながら口を開いた。
「何をした?う~ん、そうだな~……何されたと思う?」
女は嘲笑するような笑みを浮かべたまま、俺に対して問い返す。
その言葉を受け、俺は返す言葉を失う。
自分で何をしたか、そう言っておきながら、俺は今何をされたか頭では理解していた。
……恐らく、胸で顔全体を包み込まれ、顔を揉み潰された。
所謂、”ぱふぱふ”というやつだ。
勿論、現実で女にそんなことをされた経験はない。
だが、ゲームや漫画等の創作物の知識としてその存在は知っている。
……なら、何故俺はそれを理解しているにも関わらず女に対して問いただしたのか。
答えは明白だ。
『ぱふぱふされました。そして、ぱふぱふされて呆けてました』
そんな事、口が裂けても言えない。
いや、言うどころか認めたくすら無い。
俺は今この女から拷問を受けると身構えていたにも関わらず、ぱふぱふされただけで固く閉じた口を開き、無意識の内に瞼を開いていた。
そんな事を認めてしまった次の日には、俺は男として生きていけないだろう。
だからこそ、俺は女からの問い返しに対して返事ができなかった。
しかし、そんな俺の様子を見透かし、女が口を開く。
「答えは~、ぱふぱふ拷問でした♪」
「……」
「あれ~?黙ってどうしたの?もしかして、ぱふぱふ拷問が何か分からない?
いいよ~、説明してあげる♪ぱふぱふ拷問って言うのは、こうやって大きなおっぱいで男の顔を包んで~……
むにゅむにゅ~って、顔を揉み潰すみたいにしてあげるの♪そしたら男は、ぱふぱふが気持ち良すぎてバカになって~……
『なんでも話ましゅ~♥だからもっとぱふぱふしてくだしゃ~い♥』
……って、情報を全部吐いちゃう。それがぱふぱふ拷問で~す♪」
俺は女のその言葉を聞いても反論することができなかった。
事実、先程胸で顔を挟まれ少しの間ぱふぱふされただけで、俺は自分が置かれている状況すらどうでも良くなっていた。
もし、あのまま続けられていたらどうなっていたか……
正直に言って、俺ですら想像がつかない。
……しかし、今の女の説明には幾つか疑問が残る。
確かに俺は、ぱふぱふをされた。しかし、その前に女は何かを吹きかけるような行動をしていたのを俺は忘れていない。
まさか、霧状の自白剤……?
いや、そんなモノは聞いたことがない。そもそも、吹きかけただけで効果がある自白剤等存在するのだろうか。
俺が何も答えず、眉間に皺を寄せていると、女はその様子に気づいたのか楽しげに語りだす。
「何が何だかって顔してるから、折角だしもう少し解説してあげる」
「確かに男は、ぱふぱふされただけですぐ盛るバカばっかりだけど~……流石にそれだけで自白させるのは難しいじゃん?」
「だから~、ウチの製薬会社では~……ぱふぱふの時に、これを使いま~す」
女はそう言い、足元に置いていたバッグから小瓶を取り出した。
ピンク色のガラスで出来た小瓶。その中には、並々と液体が入っている。
……形状等から推測するに、香水だろうか?
「これはウチが作った特別な香水で、中に色んな成分が入ってるんだけど……まあそこは企業秘密で♪」
「大事なのは効果!この香水は、女の子に吹きかけて~…」
女はそう言いながら、自らの谷間を軽く開きそこへ香水を吹きかける。
ぷしゅっ♥
俺が目を瞑っていた時に聞いた音だ。あの音は、香水を吹きかけている音だったのか。
音の真相がわかり、俺は心の中で一人でに頷く。
納得する俺を置いて、女は説明を続ける。
「吹きかけてから、人肌で5秒から10秒その場所を温めます♪そして~……温めた場所を開くと~♪」
「はい♥」
女は不意に俺に近づき、谷間を開いて見せる。
俺の顔よりも大きい胸が、突然眼前で厭らしく動き思わず心臓がドキリと鳴る。
しかし、それだけだ。先程のように、理性が無くなるほどのようなことは……
「……♪」
ような、こと、は……
むわぁ……♥
開かれた谷間から、甘い蜜のような香りが漂う。その匂いを嗅いだ瞬間、目がグルリと上を向き、自分の脳がコントロールできなくなる。
顔を包まれていた時ほどではない。しかし、先程たっぷりと嗅がされた匂いは脳に刻み込まれており、少し嗅ぐだけで顔の筋肉が緩んでくる。そして……
「んぉぉ……」
鼻の穴を開き、口が半開きになったまま間抜けな声が俺の口から零れ出る。
もはや自分の意識とは無関係に、この匂いを嗅ぐだけですべてがどうでも良くなって……
「……ぁっ!?」
俺は急いで顔を横へと背ける。
今の一瞬で確信する。俺をおかしくさせているのはこの匂いだ。
この匂いを嗅ぐだけで、俺の本能とも言える部分が刺激され、思考や理性は頭の隅に追いやられる。
「という風に、この香水は男の脳みそをバカにする効果があるわけ♪」
女は楽しそうにそう言い、俺から一歩離れる。
それと同時に谷間から漂っていた芳しい匂いが薄れていく。
俺は息を吐き安堵する。危なかった、何とか顔を背けられたが、後一歩遅ければ動けない身体を揺らしてでも谷間に近付こうとしていただろう。
……そう思いながらも、俺の視線は胸の谷間に釘付けになっていた。
「この香水は、吹きかけた女の子のフェロモンを数十倍まで引き上げる効果があって、こういうおっぱいの間とか、脇とかに吹きかけるとその部分に応じた匂いに変化してくれるって訳」
「まあ、人によっては太ももとかに吹きかけてる人も居るけど、私は断然おっぱいかな~。おっぱいに吹きかけて、ちょっと顔をぱふぱふマッサージしてあげたら、君みたいに呆けてー……最終的に情報を吐いてくれるんだよね♪」
女は楽しげに俺に香水の効力を説明してくる。
その説明を聞いて、俺は内心穏やかではなかった。
フェロモンを数十倍に引き上げただけで、あそこまで男はバカになってしまうのか?
自分で言うのも何だが、これでも性欲を抑えるのは得意な方だ。
確かにこの女は一瞬目が釘付けになってしまう程の美貌と、それに見合うだけのプロポーションを持っている。打からと言って、香水を吹きかけただけでここまでの効果が……?
背筋が凍りつく感覚を身に感じながら、俺は対抗策を考える。
息を止める?
無理だ。数分間ならまだしも、その場しのぎにしかならない。いつか5分以上ぱふぱふされたら、また同じ状態に陥る。
なら、性欲を頑張って抑える?
……それも正直に言えば、無理だろう。話を聞き、自分の身に危険だと分かっているにも関わらず……俺の陰茎は大きく腫れ上がっていた。
それも、今まで女を抱いてきた時とは比べ物にならない程、硬くなっている。
もし、こんな状況でなければ、俺は今すぐこの女を抱きしめて中に精を吐き出そうと腰を振っていることだろう。
……ダメだ、対抗策が思いつかない。
やはり、何とか理性を保つしか……。
「あ、後もう一ついい忘れてた」
俺の思考を遮るように女が喋りだす。
「この香水にはキャッチフレーズがあって~……『一振りで恋人、二振りで結婚、』」
女はそう言いながら、自らの谷間に香水を吹きかけていく。
ぷしゅっ♥ぷしゅっ♥
一度、二度、そして香水にかける指に力が入れられ……
ぷしゅぅ~♥
三振り目が吹きかけられた。そして、そのまま流れるような動きで俺の顔へ胸を近づけ……
「『そして三振りで……奴隷♥』」
「やめっ……んぐっ!?」
俺の顔を胸が挟み込み、顔全体を揉み潰すマッサージが始まった。
むにゅっ♥むにゅっ♥むぎゅぅぅ~♥
「おっ、ふぉっ……ほぉぉ~……」
口から間抜けな声が溢れ出る。花の蜜を更に濃縮させた、女のフェロモンが俺の顔全体に塗り込められる。
顔にしっとりと張り付き、柔らかくもハリのあるおっぱいが俺の理性という凝りを解していく。
「やめっ、やめへぇ~……」
すでに呂律の回らない口で、女に静止を懇願する。
しかし、俺の顔を揉み潰す動きは止まらない。むしろ、激しさを増しているようにすら覚える。
女の顔は見えないが、先程まで俺を見下していた嘲笑の顔をしているのが容易に想像できる。
しかし、それにさえ怒りが湧いてこない。むしろ、嘲笑されながらぱふぱふされ、それに対して反抗できないという無様な自分に対して興奮を覚え始める。
今まで感じたことのない情欲に振り回されながらも、俺は何とか頭の中で対抗策を考える。
とりあえず、その場しのぎでも良い。息を止めて、この状態から抜け出さなければ……。
「シェイク失礼しま~す♥」
女が馬鹿にするような声が、くぐもって聞こえる。
シェイク?どういうことだ、一体何が――
ぶるぶるぶる♥たぷたぷたぷ♥
「ぁぁぁぁぁああ♥」
揉み潰すような動きから、頭全体を強烈に揺さぶるような動きに変わる。それと同時に俺の頭の中で浮かんでいた考えは、まるで砕け散るように破壊され、抵抗しよう等という考えが霧散していく。
もはや自分の口から出る声は、女の手によって操作されている。
発声しようとも考えていない、喘ぎに似た間抜けな声が喉から絞り出される。
「は~い、お次は揉み擦り~♥」
むにゅぅぅぅ♥ずりっ♥ずりっ♥
「ほひっ、ほぉぉ~」
顔全体をおっぱいが擦り上げるようにして上下左右に擦る。
それだけで頭の中が幸福感で満たされ、身体が意思に反してビクビクと震える。
先程のフェロモンを塗り込められるような動きとは異なり、無理やりフェロモンを顔全体に擦り付けるような動き。
それだけで、俺の陰茎からはドクドクと我慢汁が流れ、まるでパイズリをされているかのような錯覚に陥る。
「もう一度揉み潰し~♥」
むにゅっ♥むにゅっ♥むぎゅぅぅ~♥
「次はお顔シェイク~♥」
ぶるぶるぶる♥たぷたぷたぷ♥
「最後に揉み擦り~♥これが終わったら、もう一度最初から1セットするからね~♪」
むにゅぅぅぅ♥ずりっ♥ずりっ♥
強烈な快楽と、濃厚なフェロモンを味合わされる度に俺の頭からブチブチと脳細胞が潰れていく音が聞こえる。
無論、幻聴だろう。しかし、今の俺にそれを幻聴と認識する余裕すらなく、まるで自分の頭の中が壊され、塗り替えられていく拷問を受けていると感じることしか出来なかった。
…………
………
……
…
「……はい、10セット終わり♪気分はどう?」
女が男顔に押し付ける胸の圧を弱め、そう聞いてくる。
1セットで大体数分の拷問。それが10セットともなれば、女にとっては少し激しめの筋トレにも感じただろう。
そのせいか、谷間の中は汗で蒸れ、香水と汗の匂いが混じりフェロモンの匂いがより濃くなっている。
そんなフェロモンを直に浴び、おっぱいという牢獄に顔を捉えられていた男は……
「ひゃい……♥きもひいです……♥」
おっぱいの中で完全に表情を崩し、呂律の回らない舌で自らが快楽を感じていることだけを伝える。
それを聞き、女は男が完全にバカになっていると実感し笑みを浮かべる。
そして、男の顔を胸に挟んだまま、視線を下にやる。そこには、歓喜の涙を流し続け、ベトベトとなった男の陰茎がビクビクと震えている。
直接的な刺激だけは与えられず、ただ性的興奮を煽られ続けた男の陰茎は爆発寸前の風船と同じ。
少し突けば、空気の代わりに精を吹き出しそうな状態だった。
「良かった~♪それじゃあ、最後におっぱいで顔押しつぶして、おちんちんシコシコッて止めさしてあげるから……自分の依頼主の名前叫んでお射精してね~♪」
一見聞けば、意味の分からない言葉。射精と依頼主の名前を叫ぶことに何の関連性はない。
しかし、今の男の脳はすでにフェロモンとおっぱいの事で溢れかえり、自らの置かれている状況、依頼主の秘密を守るということすら考えれなくなっていた。
「ひゃいっ♥言いまひゅっ♥」
故に男は直接的な刺激が与えられず、限界寸前となっていた状態に射精の許可を貰えたと誤認し、喜々として返事をする。
元気のよい返事に、女は満足げな笑みを浮かべ。男の陰茎をそっと手で包み込む
まるでシャボン玉を割らず包み込むかのような握り込み。こんな弱い刺激での手コキでは、童貞すらイカせることはできないだろう。しかし、女は確信していた。この握り込みで一コキするだけで、男は無様に射精すると。
「それじゃあいくよ~♪依頼主の名前をど~……ぞっ♪」
むぎゅぅぅぅぅぅ♥
胸で男の顔を挟み込み、男の口がタコのようになるほどの圧をかける。
そして、陰茎を包み込んでいた手をシュッ、と軽くカリに引っ掛ける程度に扱く。
しこっ♥
「〇〇会社の…か、会長でひゅぅぅ~~~♥♥♥」
どくっ、どびゅぅぅぅ~♥
たった一コキ。それだけで男は自らの依頼主の名を叫びながら、陰茎から白い汁を撒き散らす。
顔を潰され、まともに喋るのすら難しいにも関わらず、自らの射精の為に頑張って発音しようと、胸の中で口を精一杯動かし、陰茎を脈動させる。
びゅるっっ♥びゅくぅ♥……ぴゅっ♥
女によって高め続けられた興奮によって製造させ続けられた精液は、全て吐き出され、男はそれと同時にガクリと意識を失う。
「……は~い♪尋問完了♥」
女はゆっくりと男から離れ、胸を服の中にしまう。
白目をむきながら、アヘ顔を晒している男を見て、女はフッと吹き出すように笑う。
何ともあっけない。最初はあれだけ粋がっていた男が最後にはこの程度だ。
「じゃあね~♪ばいばい……お間抜けさん♪」
意識のない男に手を振り、女は部屋を出ていく。
こうして、製薬会社の秘密は無事に守られた。
後日、とある会社の会長が、公園で裸のまま寝ており露出行為として警察に捕まったことが報道された。
その時、会長の表情がまるでアヘ顔だったことは、警察の内部だけで知られる情報となった。