その後暫く嗚咽を漏らし続けたカヤメは、漸く落ち着いてきたらしく眞穹の胸に顔を埋め、涙を拭くように擦りつける。
涙を流しすぎたためか目元は少し赤く、高揚した気分も沈静化して愛液の分泌も滞り、女陰の潤いはなくなり渇いてしまっている。
しかし彼女は依然裸のまま、眞穹も上半身は裸で、股間の性器もまだ露出しているが既に萎縮し、男根全体が包皮に被われている。
「茅芽ちゃん……」
小柄な少女を抱きしめたまま耳元で囁き、何とか安心させようと頭を撫でる。体の震えと激しい拍動が生身の肌を通じて直に伝わり、こちらも同じように少し冷や汗を垂らす。
「……ふう……はあっ……はあっ……」
今の彼女は全身が恐怖で萎縮し、緊張で硬直している。息もまだ荒いままで、恐怖を上書きするかのように眞穹にひしと抱きついている。
「大丈夫、落ち着いて」
穏やかに温かい掌で触れ続ければ、自然と心が解れると思ったのだろう。気付けばカヤメの頭だけではなく、背中全体を撫で擦り、体と体、肌と肌を密着させていた。
促されるままにゆっくりと、深く息を吸って吐き出し、意識が途切れないように呼吸を続け、少し時間が過ぎてからもう一度顔を上げる。
目元は赤く腫れ、頬も赤いままだ。
「あ、の……ひつぎっ、さん……」
声が震えている。行為を途中で止めてしまったことに罪悪感があるのだろうか、体の震えもまだ落ち着いておらず、見上げる目付きも眞穹の顔を見ていない。
カヤメは自分の謝罪にどのような答えが返されるか分からない恐怖から、次の言葉を出すべきか否かを迷っているようで、眞穹自身ももう一度謝るべきか、気にせず慰めるべきか、判断に迷うところである。
だが、せっかくここまで進んだ以上、後に退いては意味がないと心の中で頷き、彼女が言葉を続ける前に口を開く。
「茅芽ちゃん」
カヤメは体をびくっと跳ねさせ、顔を隠すように眞穹の胸に抱きつく。その様子を感じ取り、少しばかりの呆れを含んだ溜め息を吐いて再び頭を撫でる。
僅かながら躊躇はあるが、どうしても今したいと思っている。だから止めようとはしない。
「続き……しようか」
続けて声をかけると、体を震わせる代わりに、長い耳をぴくりと動かす。しかし、今度は理由が違う。胸に押し付けていた顔が離れ、少し上を向く。
泣き顔であるのは変わらないが、どこか安心しているようにも見える。
「……はい……お願い、します……」
また顔が赤く染まりつつあることを誤魔化すように、少し視線をずらしてこくりと小さく首肯すると、自分からベッドに倒れ込んで全身を晒す。
幅の小さな肩、細身の腕と脚、適度な膨らみ具合の乳房、贅のない腹周り、その中心にある小さなへそ、肩幅より少し広い程度の小さな腰。そして……
「……本当に女の子のところだけ子供っぽいね」
眞穹の指摘通り、幼女の股間と全く同じ状態の性器周辺。女陰の縦筋からはまた愛液が分泌され始め、カヤメが再び性的興奮を覚えていることが理解できる。
「いやぁ……言わないでください……」
一気に真っ赤になった顔を両手で覆い、恥ずかしそうに股を閉じて女陰を隠そうとする。
「あ、ごめん……でも……かわいいよ」
苦笑いを浮かべながら失言を詫びると、股にあるものを隠すために閉じられた両膝に手を触れる。何をしようとしているのかなど知れたことで、抵抗らしい抵抗もなくすんなりと足が開かれ、女陰がまたも露になった。
「……あ……んうっ……」
そのまま慣れない手つきで女陰を撫でれば、じゅんっ、という音が聞こえそうな勢いで愛液が溢れ、カヤメも口から嬌声を漏らし、行為を始めた眞穹自身も驚いて動きを止め、彼女の女陰に釘付けになる。
自分の発言を思い出せば先ほどカヤメを“女の子”、“子供”と例えたが、この女陰の反応を見る限り彼女は“女の子”でもなければ“女”でもない。言ってしまえば彼女は、初な処女であるなりに貪欲に異性を求める“雌”であり、これは姉であるかななの影響を受けた結果であろうことは予想できる。
だが、今は盛り返した情欲が脳を満たし、冷静に思考していられるほどの理性はない。愛液で濡れた指と女陰から目を離し、手を筋の辺りでゆっくりと上下させながら目下の少女に覆い被さる。
目を見開いてこちらを見るカヤメと確と目を合わせると、互いの唇を重ねて啄み始めた。
「んあ!?……やっ……ん!…………んむ……!」
思考を蕩けさせるほどの快楽の中でも、普段はおとなしく、それこそ戦闘ぐらいでしか見せたことのない積極性は、2ヶ月以上も活動を中断していた現在もなお健在であった。そしてそれを、今自分に向けられているという事実は、カヤメを驚愕させるに値する行為。
(無理やりキスされてる……なのに……こんなに嬉しい……)
ディープキスがもたらす興奮で体温が上昇し、女陰への刺激で全身に快感が駆け抜ける。この人になら奪われてもいい、という言い表しようのない感情が心中を満たすのが分かる。
眞穹という人物に好意を持ったこと。これが間違いではなかったとさえ思え、心身の一切を彼に委ねていられるほどに、カヤメの心は歓びと幸福感に満ちていた。
「んくっ!んん!」
性感が更に昂り、絶頂も近付いている。
もちろん眞穹に他人の、それも異性の感覚など理解できるはずもないが、女陰への刺激を止めないのは、「彼女に快感を与えたい」という純粋な行動原理によるものである。
「んうっ!?~~~~~っ!」
喉の奥で塞き止められた声にならない叫びとともに、カヤメは遂に絶頂へと導かれる。
同時に、愛液が女陰から溢れ出し、眞穹の手指全体を湿らせる。
「……ん…………ぷはっ……!……」
なんとなくカヤメの絶頂を感じ取った眞穹は、彼女をディープキスと女陰への愛撫から解放し、深く空気を吸って息を整えるのを見下ろしながら、改めて体を起こし自身の股間へと視線を移す。
(うわあ……すごい……)
そこを見れば、性器はカヤメを思いのままにしていた興奮で限界まで勃起し、先走りで赤々しく湿った亀頭が顔を出していた。これでもかと欲望が蓄えられ、少し刺激するだけでもすぐに吐精してしまいそうだが、弱りきった理性に任せてぐっと堪える。
次にカヤメの女陰に目を向ければ、行為を始める前はぴったりと閉じていた縦筋の部分に隙間があり、痙攣のような動きで開閉し内部の粘膜が見え隠れしている。
「茅芽ちゃん……」
彼女の顔に視線を戻して呼び掛ければ、ぐったりと脱力した様子ながらこちらを向いてくれた。まだ快感で惚けているらしく、眞穹が何をしようとしているのかは分からないようだ。
カヤメから向けられる目線に少し身震いし、乳房に片方の手を伸ばす。だが、乳房に掌が触れる前に両手でその手を握り、抱きしめるように胸に置いてアピールする。
(……本当にもう……)
彼女とて決して無知ではない。だが、自分も女心が分からないように、男心を分かっていないともとれるその態度に少し呆れを覚えるものの、これも彼女の魅力であることに変わりはない。
溜め息を一つ吐くと半脱ぎの下着とぶかぶかのズボンを脱ぎ去って全裸になり、カヤメの足を掴んで股を広げる。今度こそ眞穹の魂胆に気付いたらしく、抵抗はないがその表情は不安そうな色を浮かべている。
「……これから、僕のこれを茅芽ちゃんのところに入れちゃうけど……」
膝立ちになって見せつけるように己の巨大な性器を彼女の狭い入り口へとあてがい、先端の粘膜が触れ た瞬間、また二人の心音が大きくなる。
「本当に大丈夫?」
体を倒して顔を近付け、しっかりと目を見据えて問いかけると、紫色の瞳を潤ませながら、こくこくと首肯する。
「うん……うんっ大丈夫っ!」
緊張のあまり敬語が崩れ、素の口調が出てしまっているが、眞穹も理性が限界に達し、もう言葉遣いを気にしていられない。
なまじ昨夜の出来事を思い出してしまったばかりに、目の前のカヤメを完全に異性として認識しており、すぐに彼女を犯してしまいたい衝動が全身を駆け巡っているのだ。
「じゃあ……ゆっくり……」
眞穹はやっと許しを得ることができたことで、我慢できないとばかり自らの剛直を握りカヤメの女陰へと挿し込み始める。無論入り口こそ小さく閉じる力も決して弱くはないが、柔軟性に富んだ粘膜が鈍い痛みを伴ってゆっくりと広がっていく感覚は、性に疎いカヤメにもはっきりと感じ取れた。
「……あっ……うっ……んくっ!…………痛っ……っ!」
性器を無理やり広げて大きすぎる異物が入り込む痛み、破瓜によって処女膜が破られる痛み、どちらも初めて経験することであり、痛みに耐えるため歯を食い縛っている。
「んぐ……はぁっ……ごめんねっ……ごめん……」
対する眞穹も自身の性器をきつく締め付ける小さな女陰によって、火傷を負いそうなほどの圧迫感と痛みをもたらされている。カヤメへの負担を考えても、覆被っているだけで思うように動けない。
つまり、今彼女の女陰に入り込んでいるのは亀頭だけ。前にも進めず、後ろにも退けないのでは、カヤメの体に余計に負担をかけるだけで何の意味もない。
「……んっ……!…………ひ……ひつぎ……さんっ……!」
しかし、彼女は苦しそうな表情を少し和らげ、自分の顔のほぼ真上にある眞穹の顔、そして頬に手を伸ばして包み、涙を浮かべたまま笑顔で伝える。
「……わた……しっ……は……あっ!……ん…………だいじょうぶ……」
そのまま手を背中へと回し、彼を抱き寄せて軽くキスをし、唇を離すと更に続ける。
「……うごいて……いっぱい……いっぱい、きもちよくして……」
この言葉で眞穹の理性は崩壊した。
──好き──
その女顔の口から出たのはたったの一言。
「……好き……」
そして、彼はうわごとのようにその言葉を繰り返しながら、腰をゆっくりと動かし始める。
「……好き」
女陰の中の男根を前後に動かし、粘膜を刺激して快感を共有する。
「好き」
カヤメは痛みと快感が同時に全身を満たす感覚で意識が薄れ、眞穹から与えられる温もりを拒めない。
「うん……うんっ……わたしも……好き!」
目には涙が溜まっていたが、心からの笑顔を浮かべて答える。こうして二人は抱き合ったまま、半刻近い時間を目交いに費やし、快楽に身を委ねていた。