貞操逆転世界のおちんぽサムライ〜私は彼女ですか?いいえ。あなた“も“セフレです〜【挿絵あり】 作:たんばりん
チュチュチュチュチュチュ
窓の外から鳥のさえずる鳴き声を聞こえ俺はゆっくりと瞳をあげる。
「――ツッ……身体いてぇ……」
どうやら蒼佳の乳房をしゃぶりながら気が付けば眠れていたらしい。
俺は全身を襲う筋肉痛に思わず顔を歪めながら上半身を起こした。
「碧理に蒼佳姉は……さすがにもう起きているか」
ベッドサイドに置かれた置時計はすでに13時を指しており、どうやら俺だけ昼過ぎまで惰眠を貪っていたようだ。
「あ、タクミ!おはよー!」
手すりを頼りに痛む身体にムチを打ちながらリビングへと向かうとソファーに寝転がりテレビを見ていた碧理が俺に気づいて満面の笑みを浮かべる。
彼女はいつもプリプリしているわけではない。
機嫌のよい時(特にセックスをした次の日)はとりわけ機嫌はよく、そのままぴょんとソファーから身を起こして俺のそばにテトテトと歩みよった。
「だ、大丈夫?なかなかに……しんどそうね」
昨日の強制顔面騎乗を強要していた彼女とは打って変わって足を引きずる俺の腰に手を回してかいがいしく俺をソファーへと導く。
「……イテテテ……蒼佳姉さんは?」
碧に彼女の所在を問うと退魔庁の支部に昨日の報告をしに行ったと回答があり俺は「そうか」と返してソファーに背を預けて深く息を吐く。
「ふーーーー」
俺の顔を心配そうに覗く彼女に「なにか飯ある?」と聞くと「カップラーメンくらいなら」と彼女は返した。
「カップラーメンは、気分ではないかな」
俺の言葉に「買い物してからであればアタシ作ろうか?」と碧理が言うので俺はこの際、ついでに用事を済ませることを思いつき彼女に告げた。
「来週から高校に通う準備でいろいろ買い物にいくか……?」
俺の言葉に「え!?いいの!?」と碧理はやや大き目な声をあげて形式上は俺の身を案じているが青色の瞳はすでに期待に満ちていた。
「あぁ。どうせ今日、明日には行くつもりだったしな。それなら外で飯を食うついでに買い物も行こう」
俺の言葉に彼女は満面の笑みを浮かべて「うんッ!」と元気よく返事をした後「準備するから30分、いや!15分頂戴ッ!」と言って風のように去っていった。
「さて、俺も……っ。準備しますか……」
よっこいせ。全身を襲う筋肉痛に加えてひどく重い腰をトントンと叩いて俺も自室へと戻った。
「いらっしゃいませーーーーーー」
俺は碧理を連れて、京都の繁華街にあるファミリーレストランへと訪れていた。
「ねぇ!ねぇ!タクミはなに食べる?アタシはね!パフェ食べたい!!」
対面に座る碧理はるんるんと見るからに機嫌よくメニュー表を指さしてほほ笑んだ。
あの短い時間で彼女は簡単ながら化粧を施し、わざわざ着替えており、トップスはタートルネックで両肩と谷間だけなぜが生地が存在しない灰色のセーターにデニムのホットパンツという前世の思春期男子が見れば卒倒するような恰好してプロポーションの良さを全身より醸し出している。
くるくるとおなじみのツインテールを指に巻いてほほ笑む彼女に俺も思わず笑顔が零れた。
「ん?どうしたの?」
不意に笑った俺に碧理はきょとんとした顔をし首を傾げたので俺は「なんでもないよ。かわいいなと思っただけ」そう言って彼女の頭を撫でると碧理は顔を赤くしながら笑って返した。
「俺はこれにしようかな」
そう言って指さしたのハンバーグプレート。ここのファミレスでは至って王道のメニューに決めて店員を呼ぶインターホンを押した。
「お待たせしましたぁー。ご注文をお伺いします」
結果的に昼のピーク時を避けた来店になったため、インターホンを押すとすぐやってくる店員。
彼女もまた、碧理と同様、というかこの世界の女性は総じて巨乳が多く、目の前にいる青色髪の店員さんも制服のブラウスに胸下からしかないエプロン。いわゆる乳袋を強調する制服を来て笑顔で注文を取りに来ていた。
「あ、ハンバーグプレート大盛と、こっちのパフェを下さい」
俺がメニュー表を指さしながら店員さんに微笑んで注文をすると彼女は一瞬「ヒュッ」と息を吐いてから笑みを浮かべてメニューを復唱する。
「ドリンクバーが付いておりますので、ご利用の場合はあちらをご利用下さい」
そう言ってペコリと頭を下げて超ミニ丈のスカートから腰をフリフリと振りながら席から離れる。
「むぅ~」
店員さんに「ありがとう」と告げて手を軽く振っていると正面から不満げな声音をあげる碧理が頬をフグのようにプク~と膨らましていた。
「どうした?」
「タクミはいつもそうやって女の子に優しくする」
”拗ねてます”と顔に出す彼女に俺は『ははは』と乾いた笑いを浮かべた。
この世界では女性に優しくする男性は稀有な存在である。少数である男性を女性はどうしても立ててしまうため、多くの男性が高圧的になってしまう中での俺の行動は”周りを誤解させる”ということらしい。
「嫌いか?優しいのは?」
俺の言葉に碧理は首を横に振って答える。
「嫌いではないよ。イヤではあるけど」
そう言って更に続けた。
「タクミの良いところは誰にでも優しくて横柄じゃないところってのは私たちが一番知ってるもん。でも折角二人してデートしているのに他の女性に優しくされるのはイヤでもあるけど……でも優しくないタクミもイヤかなぁ~……」
言葉尻がどんどん尻すぼみし、最終的にその場で首をかしげる碧理に「難しいな」と返した。
「あ、でもさっきの店員さんはタクミのタイプっぽいし、警戒はしておくわね!」
ふと思い出したかのようにそう言ってにやりと口角をあげて悪戯っぽい笑みを浮かべる彼女。
「参考までにそう思った理由を尋ねても?」
「おっぱいとお尻が大きいから」
(バレテーラ)
どうやら、完全に俺の趣味は碧理に把握されているらしい。
その後、しばし歓談をする頃には注文した料理が届き俺たちはそれに舌鼓を打ったのであった。
ファミレスで食事を終えた俺たちはそのままの足で近くのショッピングモールへと訪れていた。
その理由というのも別に高校に入るからと言って買わなければならないものなどは思い浮かばず、とりあえず複合施設に行けば、なにか欲しいものが見つかるんじゃないかという安直な理由で訪れたわけだが。
「あっ!あっち見たい!タクミ!いくよ!」
「あ、あそこの服もおしゃれなの!」
「アタシここのブランドも好きなの!」
と結局は碧理の私服ショッピングへと様変わりしていた。
「ところでタクミは服買わないの?」
もはや目的を違っている碧理の言葉に俺は思わず苦笑いを浮かべた。
「服はべつにないかな。こだわりとかないし」
そう言って彼女の前で手を広げて「どうだ」と言わんばかりにアピールする。
無地の黒いパーカーにデニムの長ズボン。そしてスニーカー。すべて某有名な服の量販店で購入したシンプルイズザベストの俺の一張羅である。
「……タクミっていつも思うけど地味よね……」
ジト目をして碧理が俺の恰好を見てからそう呟いた。
「そうはいっても、派手すぎる格好もなんとなく好きになれないし、お店も少ないからね」
俺はそう言ってこの世界での男性服のすくなさを暗に彼女に告げた。
例えば、このモールでさえ、男性を専門とするショップなど2割あるかどうかである。
尤も、ファッションにそれほど執着のない俺からすればどうでもよいことだが。
「まあ、……地味だけどそれが良いものタクミなんだけど……なんかなぁ~。ねぇ!なにか買いたいものはないの?」
うーんと首を傾げた後彼女はそう言って俺に問いかける。
どうやら自分の買い物に付き合わしすぎてどこか思うことがあったのだろう。
「うーん。それじゃあ、あそこ行ってみよ」
俺の提案に碧理は「……あそこって……」と呟いた後、コクリをうなずいた。