※この作品はR-18です。

竜族の少女をただ絶望させたかったんだ   作:色寺美夜

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☆今回の登場人物

辰巳(たつみ) 竜人族の少女、人型ではあるものの一部に硬い鱗、角を持つ種族
子供に普通に人気

敷島(しきじま) 辰巳に母屋を貸している青年、辰巳とよく出歩いているところを目撃されている

軟派男(やわ おとこ) 人間族の士族の三男、村にいる女手当たり次第に声をかけているという噂や、代官に金を払って罪をもみ消したり陥れたりしているという噂もある。
通称「なんぱおとこ」と呼ばれている

大男(おお おとこ) 巨人ともいえるが人間族、岩を軽々持ち上げる、軟派男とは悪友

代官 (だいかん) 良くも悪くもない一般的な代官、堂々と賄賂を受け取り色々便宜を計る人間族


0,1話 はじまり、そして確執

●プロローグ

 

 

 

「どうして、こんなことになってしまったのじゃ……」

 

 

 

我は、滝の陰でそう独り言ちた。

 

もう何年、何十年目の後悔だろう。

 

人の子らの村に足を踏み入れることができなくなって、数えることは無くなった。

 

我はどこで間違えたのだろう、そのようなことを考えながら

 

今日も無為な一日を過ごす。

 

首を絞めても舌を噛んでも

尚、死ぬことのない

”人ならざるバケモノ”

そんな我が、人と関わる事は確かに過ちだと

確かに思う

 

今でもあの地獄の二週間を夢に見て毎夜飛び起きる

 

大事にしていたものはとても脆く

 

「……我のせいで、いとも容易く壊れてしまったのじゃ……」

夜闇の中で嗚咽だけが響く

「ごめんなさい」

 

 

―――― これは竜族の血を継ぐ少女の後悔と懺悔の物語である ――――

 

________________________________________________________

 

●第一話 はじまり、そして確執

 

 私は辰巳、竜族の末裔で

人間族の里へよく遊びに来ていた

 

「よう、辰!」

この人間は、敷島、雨の日になると母屋を借りている人間だ

 

「―――それでさ、西国には膠灰でできた犬がいるらしくて、口を大きく開けているらしい」

 

敷島は他の国のことをよく知っていて

生まれて、ここから離れたことがない我には話題に尽きない男だ

伊豆の国では井戸を掘れば走り湯が、窯の中から雑兵がというが、本当だろうか

 

ある日、一人の男に口説かれた

 

「ねぇねぇ、君かわいいね、辰巳ちゃんっていうんだっけ?俺と良いことしない?

竜族にしては胸が小さいけど舐めれば大きくなるかもしれないよ?」

尻をつままれる不快感を感じながらも答える

 

「なんなのじゃ?貴様より長く生きてるこの我より大きい態度を取りよって……ほれっ!」

軽く男の股間を蹴り上げた

「ぐぅっ……!っぁ……っはぁあぁあああああ、痛ぇぇぇ!」

男は立っていられないようだ

 

「せめてこの我の角よりデカく立派な男になって出直してくるのじゃ、この軟派男」

 

「まてやぁ!!っぁあああああ痛ぇ!!!!、手前を絶対許さねえからな!!!!」

 

 

――――――――――――

 

 

夕餉を敷島と取っているときに、その時の話をする。

 

「はっはっはっ、そんなことがあったとは、辰も辰で竜人というのに短気が過ぎないか、くはは」

笑いを抑えられないといった顔で箸を進める

 

「むぅ……」

「とは言えだ、短気は損気という言葉もあるし、

単純な腕節ではおそらく並の人間より強いのだから,よくよく気を付けるようにするんだぞ」

「次からは気を付けるのじゃ…」

「まぁ、今日のところは飲んで忘れろ、今夜も止まっていくのだろう?」

 

他にとりとめのない話をして夜が更けていく

酒の力もあって、すべて忘れて眠ることができた

 

――――――――――――

 

 あくる日、今日も人の子らと遊ぶために村に降り、

子供らと合流した時のこと

 

「お?辰巳ちゃんじゃ~ん、こないだのツケ返させてもらうよ」

この間の軟派男と見覚えのない大男が現れる

 

「(……ガキどもを痛い目に合わせたくなければ、おとなしくするんだな)」

耳元で不敵にささやく男は懐に小刀を仕込んでいるのを

敢えて見せてくる

「ぐっ……軟派なくせに頭は回るみたいじゃな……)人の子らよ、急用ができた故

先に行って待っておるのじゃ」

子供達を先に行かせた、不満げであるが仕方がない

「懸命だ、俺も子供に手をかけるような事は後が大変でやりたくない」

「それで、ツケってのは、口説くことに失敗した時のことなのじゃ?」

「ははは、それだけのことでは怒らないだ……ろっ!!」

軟派男のこぶしが顔面に入る。

いきなりのことに驚いてしまい受け身を取れなかった

 

「このクソ人間モドキが!!、大人の男をなめるとこうなるんだよ!!……おさえとけ」

大男に組み伏せられ軟派男に頭を踏み付けにされる

「こないだの蹴り、痛かったなぁ……、尻の骨にひびが入ったみたいで痛むんだよ。おい」

辰巳の頭を踏みにじる

「自業自得じゃないのかの?この畜生以下」

「人じゃない化け物のくせに、生意気なこと抜かしてんじゃねえぞ!!!!」

「それとも一人前に着物なんて着てるから増長してるのかな~?」

小刀で着物を切り裂かれる。

 

「どうした?力ずくで慰み者にでもする気なのじゃ?下種が……」

精いっぱい睨み付ける

 

「おっ、いいねぇその目!!見世物小屋にでも売り払おうかなぁ、おらぁ!!」

腹に蹴りが入る

 

「お前のせいでっ!!町中の笑いものだよ!!父上には大目玉食らうわ!!仕事もままなりやしねぇ!!どうしてくれるんだ!!」

「あがっ……!」

顔には鼻血と涙が浮かんでくる

 

「痛い?痛くないよね?俺の尻と心の痛みに比べたらさぁ?」

「うぅ……う゛ぅ゛……」

痛みで暴れなくなったことを良いことに力技で足を開こうとする男

 

「さて、御開帳と思ったら、なんだこれ?股んとこに鱗みたいなのが生えてんだ」

「や……やめろ……」

「んー、これ初物についてるって鱗かな、つくづくバケモンだな」

「……触るな、やめろ、触らないでくれ……」

「いや邪魔だし金になるっていうから剥がすけど」

男は豪快に初物の証である鱗を力の限り無理矢理にはがす

 

「ん゛ぎぃいいいいい!!!いだいいだいいだいいいいいいぃぃぃ!!!!」

強烈な痛みに体をよじらせ男たちから逃げようと必死にもがく

「さっきからうるせぇな!!!」

男が辰巳の喉を殴る

「あがぁっ!?……っあ……っ……っはぇ……っう……」

息をするのが難しくなり、鯉のように口を開きつぶれかけた喉で

必死に息を吸おうとする辰巳の白い顔が徐々に赤く染まる

 

「静かになったな、じゃあ見世物小屋に売り飛ばす前に折角だから、初物をいただくか……」

待ってましたといわんばかりに下を脱ぎだす男、

 

竜人の初めては儀式が行われた後と決めているため

掟破りの行為に、一気に血の気が引いてくる

(殺さなければ、本当に売り飛ばされる……)

 

「辰巳ちゃん、顔怖いよ笑えよ、ほらこんな風にさ……!子種をもらうんだからさ感謝の意ってのがあんだろうがよ!」

口に指を突っ込んで笑い顔をつくらせてくる

 

「そもそも、人とバケモンの間に子ができんのかな、まぁ俺は面倒見ないけどっていってっええええ!!!!」

男の右手の親指を付け根からかみちぎった

 

「いっでぇ……あーーーー……いてえな畜生が……クソ気が変わった、殺してやる!!!!」

 

男が無事な左手と右手の四本指を使い辰巳の首を絞める

 

「っ・・・・・・!!!!」

 

辰巳も負けじと男の手を全力で引き剥がそうともがく、その時

 

「貴様ら!そこでなにをやってるか!!」

 

「!?お…お代官様……見てください!!この竜人に食い殺されそうになって」

 

「何ぃ?面倒くさいな、そいつの身柄をこちらに渡せ、一応形式上でも罪を検める必要がある」

 

「それは、もう!もちろんすっかり見てください」

 

こうして辰巳は捕らえられ

被害者の男たちだけの聞取りが行われた後

拘束当日中という異例の速さで

3日間連続の処刑場での公開懲罰と1日の非公開懲罰が決定された




なんとかここまで書き上げることができました
そういえば昔の女性は下着を着ていないという事実に
一工程分考えていたセリフとシーンがポシャってしまいました

さて次回の「竜族少女ただ絶望(略称)」ですが
公的機関による竜人族への懲罰とは
そして、様々な人間の悪意に蹂躙される辰巳の絶望
仲良くしていた人間の裏切り・敵対・追放
タツミゼツボウ、サクシャナヤム、サクシャモオマエヨロコブ
ご期待ください
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