プロローグ
小さな頃に見た本の影響。これって目茶苦茶強いと思う。
どんなものが影響するかは人それぞれだけれど、私が影響されたのは、母の持っていた本で。
父もそういった本を持っていたけれど、私には視点が違うせいか、合わなかった。
母のそれは、私にはとても魅力的なものとして見えて、いつしか私はそれを体験したいと思うようになっていった。
その延長線で、武道、舞踊、礼儀などなど様々な知識を体に身につけた。
何事も完璧でなければならないと、完璧だからこそ、それを体験した時のカタルシスが気持ちいいのだと。
震えるほどの体験をしたいと、誰も並ぶものがいないと言われるほどに努力して、努力して、努力した。
私に敵うものなどいない。そう感じられるほどに辿り着いた先。
そのカタルシスを満足に得ることなく、私は死んでしまった。
ある男に邪魔されて、そのせいで愉しむ前に、人生が終わってしまった。
許さない。影野ミノル。
―――はじまり―――
ああ、これが転生か。と気づいたのは、双子が産まれたと喜ぶ家族の声を聞いた時。
思うように動かせない体と、大きく感じる大人たち。それで察した。
クラスの一部で流行っていた、異世界転生もの。
あまりそういったものを読む機会はなかったのだけれど、私の愛読書にもそういう文化自体は流行として流れてきてはいたので、全く読まないということはなかった。
なので、私の努力はすぐにはじまった。
私の双子の兄にあたるシドも、もしかしたら転生者なのか同じように魔力を扱う練習をしていたので、二人で競い合いながら魔力を含めた能力を高めていった。
兄面するとかそういうことはないけど、なんか存在がむかつく。
喧嘩をすれば勝てないことはなかったけれど、あっちはなんか興味が無さそうだし、そもそも喧嘩にならなかった。
姉は私には優しい人で、兄のことは苛めてはいたようだけど、それでも憎んでいるとかそういう類ではなく、可愛い弟だから苛めているという感じ。
姉のことをどうも無感情というか下に見ているわけではないのに、胸がむかつくような気がして、一緒になって何度か苛めたこともあった。
あんなに弟大好きな姉がいるのにそんな態度なのはなんだか許せなくて。
なんて……思ってたら、シドは姉の悪いところ。魔力の変質を少しずつ弄って、治してしまった。
私も何度か弄ることで、治そうとしてはいたけれど、あいつも姉思いなところあったのね。
剣術も魔力も、何もかもを勉強して、努力して、鍛錬した結果、アイツも私もかなり人間離れしていったように感じる。
私やアイツを除けば、評価としてはかなり高いであろう姉ですら歯牙にかけない程には強くなった。
まあ……日夜、鍛錬と資金稼ぎ、戦闘訓練などなどのつもりで魔獣や盗賊を狩っていたのだからそれはそう。
アイツとの戦闘訓練は、嫌々からのストレス解消ではじまったことだったけれど、いつしか楽しくはなってきた。
アイツがやらかして、悪魔憑きを治療する方法を完全に手にしてからはアイツは陰の実力者として、私は悪魔憑きを発症した女の子の家族として。
私が前世から手に入れたかったカタルシスを得るために、お互いを利用しつつ高めあっていった。
いつか得る最高のカタルシスのために。
レオネ・カゲノー
この物語の主人公です。オリキャラです。
影野ミノルと同じく日本に生まれ、日本で育った女性。
完璧主義の完璧人間を目指し、日夜努力して、ヤられたいと願いながら最高のカタルシスのために生きてきた。
その最高のカタルシスを得ようとした矢先、トラックの前に飛び出した影野ミノルのせいで失敗、そのまま事故に巻き込まれて死亡&転生
シドが影野ミノルだとは気づいていないものの、転生者であることは気づいている。
社交的であることもカタルシスの一部になり得ると考えているので、他者に好感を抱いてもらえるような心理的なこともある程度は考えられてはいる。が活かしきれるかというと……。
どっちもイケるタイプなので、様々なコトに対応出来る。
シドの秘密を知っているうえに技術提供もしてもらっているので、スライムスーツとかソードとかを使えるし悪魔憑きを治すことも可能。