※この作品はR-18です。

異哲偽作断片集   作:小沼高希

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断片019-A-3

ケトの服を脱がせるのは簡単だった。灯りに照らされて、身体の凹凸がわかりやすくなっている。綺麗な形の鎖骨と滑らかで荒れていない肌。少し湿っているのを感じる。

 

私が祖先から継いできた遺伝子が、彼の身体に感染症の傾向も栄養失調の傾向もないことを胸の高鳴りの形で教えてくれる。いや私だって理性というものがあるし、聞いた限りでは感染症による死も珍しくない世界で綺麗な肌というのは価値あるものなのかもしれないけれど。

 

「……綺麗、です」

 

「そうかな。ケトくんの身体もいいよ」

 

そう言って私はケトに抱きついて、首の横にキスをする。

 

「……っ」

 

「どんな感じがする?気持ちいい?怖いとか痛いとかなら止めるから、ちゃんと言ってね」

 

「ぁ……いい、です」

 

「そうなんだ」

 

ケトはこういうのに敏感らしい。私は舌を伸ばして唾液で線を描くようにしていく。男子高校生の裸は多少は見たことあるが、それと比較してもちゃんと筋肉があって、よく動いてよく食べてよく寝ているように思える。

 

「……僕もキイさんの身体に、唇をつけてもいいですか?」

 

「……いいよ。どこがいい?」

 

私は少し身体を引いて、背筋を伸ばして、腕を広げて、ケトに自分の身体の前面を見せるようにする。

 

「恥ずかしいんだ」

 

そういうこと言っている私も結構辛いけど。あまり柔らかくはない胸に、最近は少なくなってきたけど脂肪のもちりとしたお腹に、手入れのされていない陰毛とか。

 

「……喉、舐めさせてください」

 

「いいよ」

 

ちょっと安心している自分と、ちょっと残念な自分がいる。まあ感染症のリスクとか考えたり、あと私は身体をそこまで念入りに綺麗にしていないのもあって別にいいかと思う。

 

というより、正直ケトに舐められるのだけでも相当恥ずかしいというか変な気分になっている。意味もなく脚を組かえたりしてしまうし、下腹部に勝手に力がはいってしまったりもする。

 

ケトの顔は見えないが、舌の動きからするに啄むような、と表現されるような方法で私の肌に唇を当てている。長く吸われると皮下出血を起こすけど、そういうやり方ではない。

 

少し慣れたので、私はゆっくりケトの身体に触れていく。腰、背中、少し下腹部をなぞって、脇腹。手のひらで、指先で、滑らせるように、揉むように。

 

指に触れる柔らかさからするとタナー発達段階のIIIかIVといったところだろうか。まあこっちの人間が私の知っているような発達と同一の成長をするとは限らないか。臍があるから胎生なのは間違いないけど。

 

「……ゃ、その、キイさん」

 

私が少しその先まで指を伸ばすと、ケトは可愛い声を出して私から口を離した。

 

「どうしたの?」

 

「……なんでも、ないです」

 

「そう。好きなところ舐めてていいからね」

 

右腕を動かしながら、左腕でケトを抱きしめるようにする。こういう行為は初めてだからな。正直どうすればいいのかわからない。

 

ケトの舌が鎖骨から小胸筋の上あたりを通って私の胸にまで伸びてくる。胸に興味ある年齢なのかな。ああいうのって本能的なものと経験と、どっちの要因が大きいのだろう。

 

手探りで右手を動かしていく。私の手よりも小さいが、中指よりは長い、と。手の中から熱と脈を感じる。根元を撫でるようにしてあげるだけでケトが私を舐める舌の動きとか抱きしめている左手とかに敏感にフィードバックが返ってくるのは面白い。

 

軽く握るようにして動かすと包皮が多少剥けているのがわかる。割礼とかはされていないみたいだ。

 

痛くはしないように注意して、恐る恐る先の方に手を動かしていく。完全に剥けるんだ。正直ここらへんは成人のならともかく発達中のものについての情報は本で読むのも憚られるし、実物を見る機会はなかったし、というわけであまりわからない。

 

指先にとろりとした液体がついたので、掬うようにして私は指を目の前に持っていく。ケトが舐める場所は胸の間のあたりに移っていた。背中を曲げていると谷間ができるけど、今はできていない。

 

指先で粘液をいじって伸ばすと、それなりの長さにまで伸びる。尿道球腺液、だったか。ケトのほうは生理的には準備ができている、と見ていいだろう。

 

同じ指で私は自分の方の様子を確認するべく手を伸ばす。ケトの背中をさする左手を動かすのを忘れていたのでしばらく撫でてから、私は息を吐いて様子を確認しようと触れる。

 

想像以上に、というより今まで経験したことがないぐらいの液体の感触が伝わってきた。漏らしたりしているわけじゃないよな。あまり、というかほとんど自分でいじる事はなかったので正直驚きだ。

 

これから先のことは意図的に考えないようにしていたが、正直欲しい、と思っている自分がいる。そのリスクや文化的意味を天秤にかけても、それで生まれる感覚が私にとっては未知のものであっても、求めてしまう。

 

「……ねえ」

 

声は私の方からかけた。

 

「手を、貸して」

 

ケトは無言で舌を動かしながら、私を抱きしめていた両手のうち右の方を出す。ちょっと面倒だな。ケトの背中を撫でる手を左手から濡れている右手に変えて、私はケトの右手首を掴んだ。

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