えっち大好きな美人家庭教師が可愛い教え子くんに手を出した結果押しかけてきたカノジョがやばすぎた話 作:萩萩
先生は、私に協力してくれると言っていた。
だけど、私一人でどうにかできることを、人の手を借りてやるなんて少しもったいない。私だけの力で聡くんを振り向かせるのがきっと楽しいし正しいことのように思う。
だから、ひとりでやりました。
水曜日、井川先生の授業はない。鍵をもらったのが昨日。貞操帯を着けたのは先週の金曜日だと先生から聞いています。思えば、聡くんの様子がおかしかったのは週明けからだった。
もちろん今も様子がおかしい。隣の席だからすぐにわかります。授業の間もずっと私の方を見てた。休み時間もちらちら、バレないようにみてた。バレないようにしなきゃいけないって気持ちまで、私にはバレています。
私たちはなぜか放課後以外あまり話さない。なぜかある暗黙のルール。別に話しかけてくれたっていいのに。
射精禁止が辛いであろう今日も、聡くんは暗黙のルールを律儀に守っていた。終業の鐘が鳴って、人が少しずつ減っていく。
私に話しかけようか迷っている聡くんがいた。絵を描くふりをして、ずっと、なにもしていませんでした。
「聡くん」
「……えっ、あっ、く、黒木さんっ……」
「話があるから、ついて来て」
いつもと違う流れ、私は聡くんの手を取って教室を出ました。聡くんは何か言いたそうな顔をしていた。それを見つめると目を逸らされた。いつものことかもしれないけど、どこか意味ありげに見えました。私の行動こそ怪しいだろうけど。ずっと、歩いていく。
適当に人通りの少ないところについて、私は止まった。
「聡くん」
「あ……は、はいっ……」
「ごめんなさい」
「え、えっ……」
聡くんは、あの先生の言う通り鍵が欲しいはず。だけど私は今日、鍵を持っていない。
でも私にとってはこれが正しい。聡くんにとっても、これはきっといいこと。
「鍵、忘れちゃって」
「……え」
落胆、というより、もはや絶望みたいな顔でした。それでも浮かんでくる感想は「可愛い」だけです。聡くんは何をしても可愛い、何をされても可愛い。
「ごめんね」
私は聡くんの表情を操れる。自在に。何を言ったらどうなるか全部わかってます。
絶望が、次の瞬間には喜びに変わる。聡くんは感情が顔に出にくいタイプだから少しタイムラグがあるけど、その方が変化の過程を楽しめるので良いです。
「家、すぐそこだから」
「……えっ?」
「今日、先生来ないよね? 時間ある?」
「え、ぁ……うん……えっ──」
「直接取りに来ていいよ。私の家」
まず、驚いて。疑いながら困惑する。聡くんはわかりやすい。わかりやすい自分のことを恥ずかしいと思っている聡くんは一連の表情をごまかすため、心にもないことを言う。
「え、い、いやっ……別に、明日、でも」
「でも、大事なものなんでしょ?」
「え……ま、まぁ……そう、だけど……」
「いいから、来てよ」
こうして気持ちを汲み取ってあげることが大事。押して押して、押し切られないと、聡くんは自分で納得できない性格なんです。
「明日も忘れるかもだし」
「そ、それはやめてっ……」
「でしょ? だから今日渡したい」
聡くんはいつも、なかなか目を合わせてくれません。だけど、一度目を合わせたらしばらく離さない。離すタイミングがつかめなくなるみたいです。そんなものないのに。
この場所。人通りが少ないと言っても、足音はします。どこから聞こえてくるのかわからないから、かえって気が散る。ここをふたりきりの空間にしてあげるのが私の役目だと思う。
ぐっと近寄った。私の視界が聡くんでいっぱいになるくらい。
「聡くんを家に誘うために、わざと忘れたのかも」
嘘は必ずばれるから。ばらし方まで考えておくのが得策です。
「……え、えっ…………?」
「期待していいよってこと」
私は学校の近くで一人暮らしをしています。なんとなく親元を離れたくて、偶然機会に恵まれた。私は幸運です。でもまさか、男の子を招き入れることになるなんて誰が予想したことでしょうか。私の人生の計画が狂う……というよりかは、大きな空白が聡くんによって埋められようとしています。
私は、ずっと孤独に生きていく、漠然とそう思っていました。他人に馴染むことは得意だったけれど、あくまで他人。他人としての適切な距離で終わり。内情の分からない他人に平気で自分の多くを晒すのが嫌だったし、人の晒け出たのを見るのも物凄く気持ちが悪かったから、私は私、私の世界の中で生きていく、そう心に決めていた。だけど、私の世界の中心にいるのが私であるというのは思い込みでした。多くの場合、何もいないか、他人がいるかのどちらかなのだと思います。
私の世界の中心には、聡くんがいた。昔からずっといた、そんな気がしてる。私はそのためにずっと生きてきた。私の世界から抜け落ちていた唯一のピースが聡くん。聡くんと出会って、私の世界が始まった。
完成しようとしている。隣で歩いている聡くんにも早くこの喜びを共有したい。
「く、黒木さんの家って……近く?」
「うん」
学校の窓からも見えるマンションに私は住んでいる。家の窓からも学校が見える。
「あれだよ」
200mほど直進して左を向いたら入口。私の家は近い。聡くんの家も学校から徒歩の距離。つまり、私の家から聡くんの家も徒歩で行き来できそうな距離にあるということになります。ラッキー。
「え、あ、あそこに住んでるの……?」
「近いでしょ、いいでしょ」
「うん、いいなぁ」
以前に私が聡くんを尾行したことは多分気づかれてないはずです。家庭教師がいらないことまで教えていなければ。
距離が近くても信号があって、だいたい引っかかる。すると、歩いてる時間より待ってる時間のほうが長くなることもある。車なんて通らないからいつも無視してるけど、聡くんの前でそんなことはできません。信号を無視するのはいけないことだから。
「あの信号、長いよ」
「え、そうなんだ……?」
「早く行きたいでしょ」
信号は少し遠くて、青。
そしたら、聡くんの手を掴んで走るのがいちばんいい。
「あれ、走ったら間に合うから」
「え、えっ……ちょっ……とっ……」
繋がった手を引いて、走る。
「ま、まってっ……!」
信号が赤になったら意味がなくなるから急ぐ。聡くんはちゃんとついてきてくれたから、気にせず走ることにしました。運動不足にはちょうどいい。
「聡くん、はやく」
「ちょっ、ま、まって……急にっ……」
「ふふ、すぐそこだよ」
走りながら振り返ると、苦しそうに息をする聡くんがいた。私の息を分けてあげたいくらいに、すごい苦しそう。
「あ、はぁっ……む、無理っ、もうっ……速い」
「はやいよー」
アスファルトの上をとたとた駆けていく。駆け抜けると呼べるくらいに風を切る。
信号が点滅し始めた。それと同時くらいに横断歩道の白線、1本目を通過。そのまま数歩で全部飛び越えた。
そして、点滅する信号機を追い抜いた。満足した私が徐々に減速すると、勢い余った聡くんが私の前に出てふらふら、だいぶ先に行きました。
「あ、あっ……はぁっ、はあ……はぁ…………」
「私たち、恋人同士だよね」
「はぁっ……はぁ…………えぇっ……?」
私にとってはいい運動、気持ちよかった。
「両想いでしょ、私たち」
「え、……そ、そう……かな…………」
「おととい、月曜日。私と井川先生のどっちが好きなのって聞いたら、私って言ってた。黒木さんですって言ってた」
「い、言った……」
手を繋いで走ったのがちゃんと恋人みたいだなと思って、なんとなく気になった。
「まず、美智って呼んで」
「え、ええっ……?」
「聡くんは私のこと嫌い? そしたら、恋人とは言えないかも」
「あ、い、いやっ……好き、だ、だけど…………」
「じゃあいいじゃん。聡くん、彼氏だね。彼女のお願い聞いてよ」
「あ、あはは……それ、なんか変だよ……?」
そう言いながらも、聡くんは笑ってました。
私の全部が温かく受け入れられた気がした。
「そうやって笑ってくれるの、聡くんだけなんだ」
早く部屋でふたりきりになりたい。残りの信号は都合よく青でした。
「この中だよ」
そう言って私が指差したのは自宅のマンション。到着しました。
オートロック、手慣れた手順でエントランスを抜ける。
「こ、こういうところ、初めてかも……」
「そうなの? まぁ、私も最初は慣れなかったかも」
聡くんは、どう見ても凄く緊張していた。だけど私はそれをほぐすことはしなかった。それは、私も緊張していたからです。右に曲がるとすぐ見えるところにエレベーターがあるから、それに乗る。いつも通り7階のボタンを押して、上がっていきました。朝は人の出入りが多くてスムーズにいかないこともあるけど、帰りは大丈夫。狭いところにふたりきりってことを意識し始めたところでちょうど扉が開いた。降りて直進して左を向く、703号室が私の部屋。
「ここ」
「うん」
普通に、いつも通り。そう意識してしまう時点で普通ではないのかもしれないけど、ここまでうまくいってる。あとは貞操帯を外してあげて、すこし遊ぶだけです。
間取りは1K、部屋とキッチンがあるだけ。一人暮らしには少し広いくらいの部屋だけど、案外すぐ慣れました。毎日快適に過ごしています。
「なんか、黒木さんの部屋って感じ……イメージ通りかも」
「ふふ、そう?」
「無駄がないっていうか……」
と、聡くんは言葉を濁してくれているけど、家具が極めて少ないということは自覚しています。趣味とかも特にないし。聡くんが頻繁に来てくれるなら聡くんコーナーを作ってもいい。
部屋の奥にある大きな窓の近くに一応のテーブルとベッドがある。その下の床に本棚用の仕切りと教科書を置いて、本棚みたくしていた。その、背表紙が並んでいるところのすぐ前に、貞操帯の鍵をぽつんと置いていました。聡くんはそれを見たはずだけど、あえて口にしようとは思わなかったみたいです。
「鍵、そこに置いてるやつ」
「え、あ、うんっ」
しゃがんでその鍵を手に取って、指先で摘まむ。掲げるようにして、聡くんに見せつけました。
「欲しい?」
「え……う、うんっ……」
「このために来たんだもんね」
最初は嫌そうにしてたし、走らされたら気持ち悪そうにしてた。聡くんにとっては散々だったかもしれない。それを乗り越えてくる来るだけの価値が、この鍵にはあったのかも。
「美智って呼んでってお願いしたの、忘れてるでしょ」
「え、あっ……ご、ごめん…………み、美智、ちゃん」
「ちゃん、なの? まぁ、いっか」
私も「聡くん」と呼んでいることに気が付いて、それはよしとした。
「聡くん、緊張してる……?」
「う、うん……」
「かわいいから、いいよ」
怯えて震える小動物みたいでした。もっと近くで観察したいと思って顔を近づけても、聡くんは動きません。いつもは恥ずかしそうにして逃げるのに……あまりに緊張しすぎて、動けないみたいです。
ここは私の部屋だから、逃げる先はない。逃げられたって走れば追いつける。聡くんは幸せ者です。
「もう一つお願いしてもいい?」
そういうと、聡くんは黙って頷きました。いつもの、緊張してるとき聡くん。私の話を聞きながら頷いて、顔が徐々に俯いていって、その顔が上目づかいでこっちを覗いてくる。
だけど、驚くときには顔を上げる。
「聡くんのこと、いじめさせて」
「え……えっ……?」
顔を上げた聡くんが目を見開いて私の方を見る。せっかく開いた目もすぐに泳いで、どこかを見ている。だけどここは私の部屋だから、どこを見ても落ち着かないと思います。
「私、人のことをいじめるのが好きみたいなの」
「え、えっと……?」
「前からずっと。自分は頭がおかしいんだって思ってたけど。別に変なことじゃないんだよって、井川先生が教えてくれた」
「あ……う、うん……鍵も、先生からもらったんだよね……?」
「うん」
「──っていうか……先生と、仲いいの……?」
「んー、良くはない」
なんて関係ない会話がいくら続いても、聡くんは私の手の中。無理やり押し切ったってなんとかなるはず、今までもそうしてきたし、聡くんは押されるのが好きだから。
「聡くん、こっち向いて」
「え、う、うん……」
その顔はずっと、きょとんとしていました。
聡くんは意外と、表情が豊かなんです。
だから、こうして。
ぱちん、ぱちんっ──。
叩いたら、良い反応をしてくれる。
「うっ……え、っ……」
「好き」
ぱち、ぱちんっ。右側、聡くんからみたら左側だけを何回も叩いた。普通の人は怒ったり、逃げたりする。だけど聡くんは違う。びっくりして動けなくなって怯えて、私から目を離さなくなる。
「好き、聡くん。好きだよ」
痛くてつらそうな顔も、私の言葉ですぐに緩む。両想いって素敵。恋人って素敵。
「み、美智……ちゃんっ……い、いたっ──」
「聡くん、かわいい」
人の表情を想像するのは意外と難しい。緊張に固まる顔。無理やり走らされて苦しそうにしてた顔。叩かれて痛そうにする顔。どれも、私が想像していたものとは違った。
というより。私の想像の及ばないほどに綺麗なものだったというのが正しいかもしれません。
「聡くんが私にぐちゃぐちゃにされるところ、見たい」
こう見えて衝動に駆られている私は冷静さを欠いていた。顔を叩く以外にやりたいことが思いつかなかった。いじめがいはまだたくさんあるはずなのに。
聡くんの顔を叩くたび、可愛らしい表情は目まぐるしく変わる。ただ同じことを繰り返しているだけなのに不思議です。
右側がバランス悪く赤く腫れてしまったので、私は反対側にも手をやる。
「や、やめっ……痛っ……」
「……好き、好き」
ぱしぱし、叩く速さを上げると、聡くんの頬の皮膚がどんどん熱くなってきた。顔の全体を赤くして涙目になっている。それでも聡くんは逃げなかった、けど。ついに、限界を迎えたのか、俯いて手を上げた。腕で顔を守るようにして、うずくまってしまった。
「う、うっ……痛い……ま、待って」
「……ごめん。もう叩かないから、顔上げて」
「う、ううっ……」
うずくまる直前の真っ赤な顔、限界を迎えた刹那に見えた表情がいままでで一番綺麗だった。その続きをどうしても見たい。
言葉でいうことを聞かせるのはやっぱり難しいと思います。髪の毛を引っ張って無理やり顔を上げさせるので精一杯です。
「あ、ああ……っ」
ぶちぶち何本か毛が抜けて、それは私の指の間に挟まった。なんとなく本数を数えてから、床に捨てました。
「ふふ、やっぱり、いい顔してる」
皮膚は赤いのに表情は真っ青みたいな、それをしている本人も訳が分からなさそうな表情。涙の垂れた跡と拭った跡がきらきら光っていました。それを見た私はやっぱり、私を抑えきれなかった。
今までで一番強い力で。
ばちん。
顔を叩いた。
聡くんは、人生初めてみたいな大声で叫んでくれた。嬉しかったけど、すこしやりすぎたかも。
「あ、あ……な、なん、でっ」
「ごめん。今のはやりすぎたかも」
聡くんの身体が傾いて、そんなに強かったかなと少し反省したとき、ようやく冷静になれた気がしました。こういうことには高揚感が伴うと言うけれど、私は少し違った。
ただの好奇心のようにも思うけど、違うようにも思う。私の手のひらが聡くんに影響するのが面白かった。思い通りになると嬉しいし、予想外の反応が返ってきてもそれはそれで楽しい。理科の実験みたいな感じかもしれません。
冷静になれば頭が回る。私の欲求を満たすためにすべきことが、次々と浮かんできた。
「聡くんは私から逃げない。従う、逆らえない。そうだよね」
そう言いながら、聡くんを床に押し倒す。なんの抵抗もなかった。身長は同じくらいだけど、聡くんは細い。力も弱い。加えて心も弱い。お腹に跨るとそれだけで苦しそうにされた。口が動いて何か言おうとしているのを遮って。聡くんの細い、首に手を掛ける。
両手で、体重を押し込むようにして、ぐっと絞める。
「ふあ、ぁ……」
「死にそうになったら、逃げていいよ」
返事がないから、ちゃんと聞こえているのか確認できません。逃がすつもりはないから別にいいけど。
「聡くんが本気になっても私には勝てないってこと、確かめてみたい」
「ぅ、ぁ、あ、あ」
「ふふ、もっとがんばって?」
首に重くのしかかる手を持ち上げようと頑張っているのが可愛い。少しの間だけ気道に空気が通ってもすぐ力尽きるから、また遠慮なく絞めちゃいます。
「そのままだと死んじゃうよ」
「あ、ぁ……はぁっ、はあ……ぐ……」
本当に、聡くんは弱い。私がその気になれば、簡単に殺せちゃうのかも。
「私がどういう人か、聡くんは知ってるでしょ?」
ずっとずっと、聡くんは泣いている。その理由は、私にはわからない。でも、聡くんが泣いてくれればそれでいい。
「苦しい?」
ふっと首から手を離して聞く。気管支からひゅうひゅう聴こえる悲鳴はなかなか鳴り止まない。
仰向けの聡くんに馬乗りの私。休ませてあげているつもりでも、聡くんは次の責めをいろいろ想像して怯えているようでした。
「はぁっ、はぁ……ぁっ……はぁっ……」
生きるので精一杯な聡くん、かわいい。何も考えずに呼吸だけをしようと必死。私から逃げ出すことを忘れたくせに生きようするのはやめない。どうして、どうして聡くんはこんなにも健気で愛しいの。
「聡くん、苦しいけど、苦しいって言いたくないんだよね。私のことが好きでたまらないから、これが苦しいことだって認めたくないんだ。好きな人の本性がこんなのだって、認めたくない。──それか、苦しいはずなのに気持ちよくなっちゃってる自分が恥ずかしいとか」
肌の感触、色、動き、すべてが私のために作られた人形のようでした。なのにどこも不気味じゃない。私の独りよがりでもない。むしろ、聡くんの方が私のことを求めているかのような、不思議な感覚。
私が壊したいと願う前から、きみは壊れたがっていたに違いない、そう思えるほどに聡くんは私にとって都合の良い反応をする。
「聡くん」
そう呼びかけても喋らないから、本当に人形みたいだった。息が落ち着いて、部屋が少し寂しくなった。
私は聡くんから降りて、横で足を崩して座る。
「貞操帯、外してあげる」
それを言うと、聡くんは少しだけ驚いて、私がチャックを下ろすのを真剣に見つめていました。ボタンも外して、聡くんの下着が見える。それも邪魔にしか思えなくて、無理やりずり下げます。
黒いプラスチックの貞操帯。性器を閉じ込めるところと南京錠がカチカチとぶつかり合う。
聡くんには、見られるのが恥ずかしいとか、そういう感情は残っていないようでした。
貞操帯を外したくてたまらない。今はそれだけが聡くんを突き動かしてる。
鍵を挿して、回す。
かちりとすぐに外れて、南京錠をすぐ隣の床へ放り投げた。
聡くんはすぐに勃起した。気持ちよさそうな声をあげながら、おちんちんで、もう支えのない貞操帯を押し上げていく。すでにだらだらと透明なものが垂れていました。男の子のこういうものを直接見たことはなかった。だけど、私の中にいる私はどうすればいいかを知っていた。
部屋はさっきからずっと静まり返っています。私が性器に手を添えると、ぬちぬちと、地を這う水のような音がよく聞こえます。触ると、ねとねと、とろとろ。不思議と気持ち悪くはありません。握って力を強めると、ここからどうすればいいかの答えが次々に見えてくる。
筒になった手を上下に動かした。ここで、聡くんがようやく声を上げる。
「あ、あっ……ああ」
「ふふ、どうしたの?」
今までで一番苦しそうな声。膝をかくかく繰り返し曲げて怯えて、それでいて私から離れたくないような、もう何回も見た光景。見るたびに、一番可愛く思える。なのに、これ以上のものはもうないと思わされる。なにも合っていないのに、心地がいいから許してしまうような、堕落、でもそれがきっと正しいと、聡くんが教えてくれている。
「勝手に出したら、だめだからね」
「あ、だめっ……もう、うああっ……」
手足をばたばたと動かして、降参したみたい。
私は手を止める。優しいから。顔を叩くのも首を絞めるのも、やめどきはわかっている。
聡くんの、いちばん気持ちいいとき、もどかしいときに、突き放してあげる。そうすると聡くんは、もう二度と離れたくなさそうな顔で私を求めます、そういう顔が私は好きです。それだけのために私は生きている。
「あ、あっ……みのり、ちゃんっ……おね、がいっ……」
「ふふ、もう、大丈夫だから」
そういって手をまた動かす。なにが大丈夫なのか知らない。射精させるつもりはない。ずっとずっとそうやって苦しんでいればいい、私のために、ずっとそうしていてほしい。
射精させたらもったいないなと、そんな幼稚な考えも、私に逆らえない聡くんは受け入れるしかないんです。
脚に力を入れてぱたぱたさせているのを見れば、聡くんの中身がどうなっているのかは容易にわかります。少しずつ手を速めて、じっくり追い詰めていく。綺麗な肌色のおちんちんはつるつるで触り心地がよく、子供みたいだった。顔や態度だけでなく、身体までがこんなにも幼い。
「あ、う……い、いっちゃうっ……」
触れてはいけないものを触れているみたいだった。弱い者いじめをしているみたいな感じ。悪いどきどきがする。
聡くんをこの部屋に招き入れる前は隣の席のただ少し仲が良い友達くらいだったように思います。恋人のつもりでも、実感はなくて。
でも、わかった。私を夢中にさせるだけのものを生み出す聡くんは、私の思うよりもっと美しいものだった。私はそれを詳しく知りたいと思った。こんな行為を介さなくたってわかる聡くんの魅力も知りたい。
私は夢中だった。今も目の前できらめいている聡くんの命。ついに私のものにできたことがうれしくて、うれしくて。興奮して壊してしまわないかが不安です。
私に私のことはわかりません。知っているのは聡くんのことだけ。聡くんをどうしたいのかも私にはわからない。これからどうしてしまうのかも、わからない。
私は手を離した。射精してしまいそうな聡くんは、腰を突きあげて私を追いかけた。
「あ、あっ……だ、だしたいっ……美智ちゃんっ……」
「先生ともこういうことしてるの?」
「……え、え、っと」
「井川先生」
射精管理を教えてくれたのは先生だった。身体に貞操帯を着ける。たったそれだけで、聡くんは素直になった。今までとは違う、見たことのない顔を見せてくれた。でも、人が変わったわけではありません。聡くんが、より聡くんになっただけのこと。
射精ができないぐらいなんでもないと思ってた。気持ちはわからないけど、死ぬわけじゃないし、そういうことに興味がない人もたまにいると聞く。だけど、苦しむ聡くんのことをずっと見てきて、考えて、理解できた。
射精管理って、やばいんだ。
人間のつくった社会とか、ルールとか、常識とか、そんなありあわせじゃない。生き物が、気の遠くなるほどの時間をかけて作り出した[[rb:理 > ことわり]]。本当に従うべきもの。逆らえないもの。私はいま、その上に立っている。射精を管理するっていうのはそういうことなのかも。
聡くんは私に逆らえない。貞操帯をつけたら、その支配関係は確定する。私がよしと言うまで解放されることはない。無理やり破壊して外すことだってできるかもしれない。だけど、私に逆らうことは難しいこと。
仮に逆らえたとしても、一人では到底抱えきれない罪悪感が聡くんの心をずっと刺し続ける。それを、聡くんは理解している。恐怖という本能がそう言ってくるはずだから。
聡くんが先生について話すときの口ぶりは、普通じゃない。あきらかになにか、先生を先生以上の何かだと思っている。私が直接話した時も、どこかおかしいと思った。あの人は、聡くんのことが好きなんじゃない。弱い人間を玩具にして弄びたいだけの酷い人。私には聡くんしかいないというのに。その聡くんがいま、年下の男の子を無差別にいじめるひどい人に奪われようとしている。
私と先生のどちらが先とか偉いとか強いとか、そんなのは関係ありません。悪いのが先生で、正しいのは私。
「聡くんには、私のことを好きでいてほしい。そしてそれと同じくらい、井川先生のことを好きでいてほしくない。あの人は、聡くんを騙そうとしてるから。仮に私から離れても、あの人には近づかないでほしい」
「……え、み、みのり、ちゃんっ……」
「私は、聡くんのこと幸せにできる。でもあの女は違うよね。聡くんのことを人間として見ていない」
否定のような表情はされなかった。
私は、聡くんのことを好きにいじめたい、ぐちゃぐちゃにしたいと思ってる。
だけど先生のように、聡くんを観葉植物にしたいと思っているわけではありません。そんな、死んだも同然の運命を辿らせたくはありせん。先生のためだけに生きるよう躾けられてしまうなんて許せない。そうなった聡くんは、生きているのが身体だけの、抜け殻になってしまいます。ただ息があって血が流れているだけなら、それはただの花と同じ。花が好きだという人も、いるのかもしれないけど。
聡くんには、気持ちよさそうに息をしていてほしい。息を奪われたら苦しそうに喘いでほしい、もどかしそうに呻いてほしい。血が流れたら痛がって怯えてほしいし、愛してあげたら笑ってほしい。それらは私だけじゃなく、聡くんにも幸せを与える。私は聡くんのことを一番にわかってる。聡くんには幸せになって欲しい。私と幸せを共有してほしい。私の願いは、どこにでもある、普通の、何の変哲もない願いのはずです。
脚に力を入れてぱたぱたさせているのを見れば、聡くんの中身がどうなっているのかは容易にわかります。少しずつ手を速めて、じっくり追い詰めていく。綺麗な肌色のおちんちんはつるつるで触り心地がよく、子供みたいだった。顔や態度だけでなく、身体までがこんなにも幼い。
「あ、う……い、いっちゃうっ……」
「我慢してね」
一言告げて、手の勢いを強めた。さっきからすごく敏感になっているのがわかる。こすらなくても、握る力を変えるだけでもう射精しそうです。
「あ、も、もうっ……だ、めっ……あ……」
「まだ、我慢して」
限界を迎えそうなところで手を離す。今日、射精させるつもりはありません。聡くんは、さっきみたいに腰を振ることはありませんでした。必死に堪えて、自分の気持ちも抑えて、私のために頑張ってくれています。
指先で、つんつん、少しつついただけで、おちんちんがびくびく跳ねる。透明な汁がたくさん溢れて、先っぽから根本までゆっくりと垂れていく。
それをすくって、舐めてみた。見せつけるみたいに舌を出して、そこに指を押しつけてにっこり笑う。
「おいしい、聡くんの味」
聡くんの苦しそうなのは変わらない。まだまだ溢れてるのをまたすくって、今度は聡くんの口に指を入れた。
「口、開けて。噛まないでね」
「ん、んあ、ぁ」
舌を指で押さえつけると、優しい力で反抗される。それをもっと強く押してみると、やっぱり舌の力じゃ勝てないみたいで、私の指は聡君の口の中へ深く食い込んでいった。少しでも油断したら噛まれてしまいそう、逆に聡くんのほうは噛んでしまいそうだという懸念に駆られていそうです。
聡くんの舌が乾いてきたら、唾液を流し込む。
「んぐっ、んぇ、れるっ……」
「……ん、んぐっ」
互いの舌がくっつくほどに近づいて、漏れないように、溢れないように、慎重に流し込んだ。聡くんは嫌がらなかったし、すぐに全部飲んでくれた。
「ふふ、聡くん、好き」
「……あ、ありがと」
「約束できる? もう先生と変なことしないって」
「う、うん……」
「先生とのことは全部忘れるの。これからは私と生きる。私だけを見て生きていく」
聡くんは安堵して、ふっと息をつきました。
握る力を強めて少し擦ると、すぐに射精した。
どろっと、想像していたものよりすごく濃いのが出てきた。そして先っぽから、何回かに分けて、びゅっと飛び出てくると、勢いの良いそれは聡くんのお腹から鎖骨のあたりまでに跡を作って、余韻のようにまだ出てるのは根元にまとわりついた。
その白い跡を、舌で追っていく。お腹から鎖骨まで。
「ん……れろ、れるっ……」
苦しみからようやく解き放たれた聡くんには、明らかに余裕があった。さっきまでの泣き声は、蜂蜜のようにどろりとした感じ。今は、さりげなく香りを主張するクッキーのようだった。もちろん、噛めばちゃんと味がする。わたしはこっちのほうが好き。
身体の白いのが綺麗になくなったら、まだ救いを求めてるところがある。
小さく、ぷっくりとついている乳首。ずっと気になっていたけど、使い方がわからなくてあまり触らないでいました。
「ん、れる、んっ……」
優しく舐めると思わせて。
かぷ。噛みつく。
「んっ、ふふっ」
「んぁっ、み、みのり、ちゃっ……」
男の子がこんな声、なんてところはもう過ぎて、完全に女の子だった。脚をきゅっと閉じて身をよじらせて背中は仰け反って顔が赤くなっていくと、聡くんばかりずるいってなるくらいに気持ちよさそうです。
キスが一瞬頭をよぎったけど、精液を舐めた口でするのは、たぶん嫌だろうなと思った。
だから指で口の中をかきまわす。指なら、舌を入れるよりもっと奥までいけるし、感触もわかりやすい。赤くて柔らかくて美味しそうなのが文字通り、手に取るように伝わってきます。
「んむ、ん、んっ」
聡くんを鳴かせている間、私はずっと黙っていました。聡くんの声だけを聞きたくて、それを突き詰めたら、自分の声すら邪魔になってしまった。
聡くんは私の声を聞きたいだろうか。
どんな言葉を聞きたいだろうか。
「聡くん、貞操帯。着けよっか」
「んあ、ん、ぐ……」
中指の先っぽで喉の奥を擦って、強引に可愛く鳴かせる。喋らせるつもりはない。
私が聡くんに着けるのは金属製で、小さくて、丈夫なもの。先生に着けられていたのはプラスチック製でした。
聡くんは、先生のものじゃない。
聡くんは私のもの。
不安なわけではないけれど、やっぱり壊せない丈夫なものの方が、身に着けたときにどきどきすると思います。管理する方もされる方も、互いに。
本当の貞操帯は、腰に金属のベルトを回してに固定する堅牢なもののことを言います。おちんちんの根元で簡易的に固定するものは貞操具と呼んで、本当の貞操帯ではありません。いつかは、絶対に外せないちゃんとした本物の貞操帯を着けさせてみたいです。
「見て、聡くん。これ」
中まで滑らかに磨かれた金属の筒、そこに聡くんのおちんちんが詰め込まれて、私がよしというまでそのままになる。それを考えるだけで楽しくなれてしまう。こんなもので気持ちを昂らせていいのか少し迷う、そのくらいの後ろめたさはあったけど、好奇心のようなものが私を推し進めて、それがさっきからずっと止まらなかった。
なんて言い訳で聡くんをいじめます。
これまでもこれからも変わらない、独りよがりな理由です。
「おっきくしたらだめだからね」
大きいままではもちろん着けられない。小さいときに詰め込んで、大きくなろうとするのを固い金属で無理やり止める。今までのものよりも余裕がないから、聡くんはさらにつらくなる。と思います。
着けるのは、少し難しいです。皮を挟まないようにとか、痛いところを強く押したりしないようにとか、気を付けるところがたくさんあります。パズルを組んでいくみたいにワクワクする作業でもあり、子供に服を着せてあげるときみたいに緊張する作業でもある。どちらにも共通するのは、無事に終えたらすごくうれしいってこと。
「先生には、どうやって着けられたの?」
「…………こ、怖くて」
「逆らえなかった?」
「……うん」
私の手によって自由を奪われる瞬間、かちり。聡くんはそれをじっと見つめていた。
私は、性的なものとはまた違った心地よさを味わっていました。
聡くんは、少し怯えた顔をしています。
「あと一回くらい出したかった?」
「べ、別に……」
「えー、あんまり気持ち良くなかった?」
「い、いや、そ、そういうことじゃっ……」
「私の手が気持ち良すぎて、一回で全部出しきれたってこと?」
「い、いやっ……あの……あ、ぁ」
恥ずかしそうに顔を背けちゃった。仰向けで裸で、恥ずかしそうなところはもっと他にあるというに。
しばらくふたりで静かな時間を過ごした。私はその間、射精管理のことについて考えていました。聡くんには言わないけど、いつ射精させようとか、どのくらいの頻度で外してあげようとか。射精はさせなくたって問題ないけど、定期的に外して身体を洗ってあげることは必要かな、とか。
「明日、授業の日でしょ」
「う、うん……」
「先生に惑わされたらだめだからね。今までのぶんは許すけど、明日もそういうことしたら、浮気だから」
「き、気をつけます……」
先生は卑怯だ。
卑怯は臆病でもある。私と面を向かって争おうなんてことはしないはず。間に挟まれる聡くんが無駄に傷つくだけです。
聡くんが本当に先生のことを好きだとしても、もう遅い。
翌日の放課後、木曜日。
案の定、先生は聡くんに手を出した。
聡くんは、終わってからメールで教えてくれた。だけど、私は聡くんの家に忍び込んで直接見ていたから、聡くんがあえて隠したことまで全部知っている。
わかったことがふたつ。
ひとつめ、先生は私のことを何も理解していないということ
ふたつめ、聡くんは私の恋人としてまだまだ不十分だということ。この困難は、聡くんに自分で乗り越えてもらわないといけない。でないと私は先生を殺してしまうかもしれない。
聡くんに電話を掛けると、すぐに出てくれた。
『ずっとこっそり覗いてたけど。物音とかで気づかなかったの?』
『え、えっ』
『最初は乱暴にされてたみたいだけど、途中から先生のこと責めてたよね。──まぁ、良いけど。明日行くから。聡くんの部屋』
『え、えっ、でも、先生がっ……』
『来るんでしょ。聡くんの目の前で先生のこと殺してあげる』
『……え』
もちろん、本当に殺すわけじゃないけど。
先生を、聡くんと同じにする。聡くんの射精は私が管理する。先生の可愛い可愛い[[rb:天橋君 > ・・・・・・・・・]]も、私が管理する。
射精を奪われた男の子は死んだも同然。たとえ身体が生きていたとしても、そこに意味はない。ただの抜け殻です。
だけど、射精を奪うだけが射精管理ではない。時には甘やかして、快楽をあげて。でも、また取り上げる。そうしているうちに、抜け殻には命が宿る。希望の光を求めてずっと、ずっと、さまよい続ける。
とても幸せなことです。
金曜日。先生に教えてあげました。懲らしめただけではありません。希望を見せてあげたんです。
先生は、私を拒まない限りは聡くんに触れることができる。
でも、逆らえば終わり。言うこと聞けない玩具はいらないということ、先生はよく知ってるはず。
聡くんを通して、はっきりと理解させました。
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