敵幹部でも主人公見たらテンションあがる…やらかし 作:苦味100%(後悔)
衝動的に書きたくなった単発話です、特に本編とは関係ないです(予防線)
ヒトリゴト、フタリゴト
ブラスが席を外している時、ボクはふと彼が普段使っているベッドに意識が向いた。
彼が普段使っていて、たまにボクも一緒に使う。
でも、そう言えば1人で入ったことないかも。
そう思いながら、魔が差して、彼のベッドに潜り込む。別に悪いことでは無いはずだけど、少しドキドキしている。
でも、入ってから後悔した。
これはヤバい。何がって、異常な程に安心するし、同時にひどく寂しい気持ちにもなった。
彼を感じられても、彼がいないことを克明にする。
そんな寂寥感が、ボクを血迷わせる。
「…ちょっと、だけ」
すん、と鼻を鳴らして匂いを嗅ぐ。
当然だけどブラスの匂いがする。いつも使っているシーツに染みついたそれは、呆気なくボクの思考を溶かして、何が何だか分からない多幸感に浸らせに来た。
…お腹の下が疼く。それと鼓動が早めに。あっという間にスイッチが入る情けないボクの身体。すっかり彼のものを覚えさせられて、もう戻れない、屈服し切った肢体。
加減なく抱き潰すキミのせいだ、そう思いながらボクは彼の使っているシーツに身を包む。
「…ぁ…これ、いいかも」
抱き締められているような錯覚。誰にも渡さないと言わんばかりに、独占されているような気分。呼吸が荒くなってしまう。閉じ込められるのも良いのかも、そう思ってしまうくらい、ボクにとっては危険な香り。
想起する幾つかの夜。噛みつかれた痛み。呼吸が苦しくなるキス。酸欠で蕩かされる思考。奥の奥まで埋め尽くされるナカ。そこをお腹から押される時の感覚。何度も快楽の海に突き落とされる激しさ。息すら苦しいまぐわいは、それでもひどく甘くて───思い出すだけでも、危うい。
ダメだって分かってる。酷いことだ、しちゃいけないこと。幻滅されても仕方ない。けど、疼きが治らない。苦しい、欲しい。息をして揺れる体すら、今は猛毒。
堪え性のないボクは、無様に自分を慰める。情けを乞うこともしないで、自分だけ気持ち良くなりたいって浅ましい。濡れた肉を撫でながら、恥いる気持ちと謝意がずっとあって、でもそれに興奮してるどうしようもない自分もいた。
「…んっ…ぁ…やぁ…ッ、…ぁ、ぅく…っ!」
掻き回す水音。取り繕うように静かに、密やかに。彼はこの場にいないのに、自分の羞恥心から自分を守ろうとしている。ああ、ボクってばどうしようもないくらい終わってる。
足りない。媚肉を撫でながら、擦りながら、緩い快楽があって、でも満たされない。切なさだけが募り始めて、心細くて寂しくて涙が滲んで、喉の奥から唇が震える。
「…ぁぇ…っ! ぁ、ぅ…! ふぁ…ぁ、…!」
彼の熱さが欲しい。彼の重さが欲しい。彼の匂いが欲しい。彼の痛みが欲しい。彼の声が欲しい。彼の吐息が欲しい。彼の唇が欲しい。足りない、足りない足りない足りない足りない何もかも。
さみしいよ、つらいよ、せつないよ。
いくら慰めても果てられない。本当に情けなくて、厚かましくて、無様で、滑稽な自分がいる。いつの間にか、ボクはシーツを噛みながら腰を揺らしてる。
卑しいにも程がある、涙が強く滲む。
「ぅ…っ、ゔぅ…〜、〜〜…っ!」
イきたいのに、イけない。
そんな辛さと、じくじくとした疼きが溜まって、本当に訳のわからない孤独感みたいなのがいっぱいで、泣きじゃくりそうな時だった。
聞きたかったけど、今じゃない。
そんな彼の声が、ボクの耳朶を打ったのは。
「……あー…えっと」
困ったような、気まずそうな声。
ボクは慌てて起きて声の方を見る。顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに顔を逸らしてるブラスがいた。いつの間にか帰って来て、ええと、あれ、どうしたら、ダメだよ、血の気が引いていって、ボクはどうしたら。
言葉も、うまく繋げられなくって。
「これ、えと、ちがくて!ちが、ちがくないけど、ぼく…」
「…………いいよ、また横になって」
顔を手で隠しながら、少し低い声で彼は言う。
ボクはなぜとか、聞ける立場じゃないから、大人しく彼の言う通りさっきと同じように横向きに寝転んだ。
そうして、恐る恐るのまま聞いてみる。
「こ、こう…?」
「ん、そう」
すると、ボクの背中側に彼も寝転ぶ。
何をするつもりなんだろう、そう思っていると。
「…んっ…!?」
硬い手が、ボクの服の中に潜り込んできて、体を後ろから撫でた。
お腹をゆっくりと、五指全体で滑るように。中途半端な暖かさが、ボクの皮膚に熱を這わせて、感覚をより鋭利にする。
じんわりとした気持ちよさが駆け上って来て、訳が分からなくて、でも恥ずかしくはあって、何を考えたら良いかわからないのに、畳み掛けてくるようにブラスは囁く。
「…人のベッドで何してんの?」
「ひ、ぐ…ッ!」
耳を這うような囁きは、羞恥心と罪悪感を煽る事実だ。
言い逃れはできない。ボクは彼の寝床で、自慰に走った。軽蔑されても仕方ないくらいの酷いことだ。
申し訳ないとも、顔を向けられないとも思ってる。
なのに、こんな風にされた途端に。
「ごめ、なさ……っ、ごめんなさいぃ……!!」
「今日は、ちょっと許したくない」
身体が勝手に、悦んじゃう。
謝罪を口にしても、ボクは甘えるみたいに、体を這う手に肌を擦り寄せてしまう。謝ってるくせに、行動は真反対だった。
頭がぴりぴりする。呼吸が浅くなって、体のうちも外も熱い。
強く濡れたのが、自分でも分かる。
「……ぅ、うぅ…っ、…うぁ、ぁっ!?」
胸を這う手が、先端に触れる。
それに合わせて腰が引くけど、背後にいる彼が逃してくれるはずもなくて、むしろより深く密着するように抱き寄せられる。
そうして、彼の荒い呼吸がボクの首筋を這い回る。ざわざわとした感覚が、背骨まで登ってくる。その間にも、彼の手はボクの体をまさぐってくる。いいように触られている。ボクが好きなこと全部知ってる動き。
「ぁ、ぁっ……ぁぅっ、ぁ、ぁぁ……っ」
触れられたところから熱が広がる。思考が蕩ける。彼に染まり切る準備が整っていく。きもちいい、ほしい、もっと、そんな風に強く求めてしまって、抱きしめたいのに、彼は背後にいるからそれは出来なくて、ボクはずっと生殺し。
「ん……ぁ……はぁ……ふ……っ!」
声が抑えられない。抑えるつもりもないけど、どうしても漏れ出ちゃう。息が上がって、目の前がちかちかする。ボクは彼にずっと弄ばれてるだけ。
どうしてか、それが嬉しくって、悔しくて、もどかしくて、おかしくなりそうで。
「な、んで…さっ、ぃ! から、さわる、だけ…っ、なの…!」
下腹部を緩く撫でられて、我慢出来なくなりそうで、早く壊して欲しくて、もう限界が近くて仕方ない。
きっと、ボクの体はもうすっかりと彼のモノを受け入れられるようになっているはずだ。
それを分かってるくせに、ブラスは何もしてくれない。ただボクの体を愛撫して、砂糖を煮詰めるように、じっくりと追い詰めていく。
焦燥ばかりが強くなって、焦ったい気持ちが抑えられない。
「…言っただろ、許したくないって」
おしおき、そう囁かされて、ボクのお尻に何かが当たる。
硬さも熱さもあるそれが何なのか、理解した瞬間にお腹の奥がきゅんとした。
「……腰、カクついた。…ヘンタイ」
「っ───〜〜〜……!!!」
耳元で、そんなことを言われてしまって、羞恥心で死にたくなって、だけど興奮してるどうしようもないボク。
むくり、と彼は起き上がって、こんなボクを見下す。顔は紅潮していて、瞳には情欲の色が灯っていたけれど、同時に加虐心がありありと。
ボクの体を仰向けに転がした彼は、つぅとボクの喉元から下腹部まで、ゆっくりと指を滑らせた。
「ゃん…ッ!」
お腹に当てられた手のひら。その裏側には、ボクのナカがある。いつも彼のものを受け入れている所を、肌の上から、他ならぬ彼から触られているって自覚させられて、そのせいで余計に意識してしまう。
「…欲しい?」
ここで、確かめるような声。ボクは恥ずかしくて、でも否定できなくって、こくりと小さく首肯する。
情けをもらえると思っていた、溜まってばかりの熱と疼きや、もの寂しさが、やっと治ると思っていた。
「…じゃあ、あげない」
「へ、ぇ───?」
ぐり、と布越しに彼の張羅が、ボクの秘部を押す。
お腹の下の方が甘く痺れて、だけど、欲しかった熱も重さもなくて、泣きそうなほど心が痛くて、なのに気持ちいいのは本当で、鼻の奥にツンとした感覚が来た。
「ぁ、う、ゃぁ…っ!」
布越しに擦れ合う、お互いの秘部。ボクのとブラスのが重なって、何度も何度も触れ合って、ボクはその度に軽くイってしまいそうになる。
ああ、だめだこれ、きもちよすぎる。なのに、おあずけされて、とってもせつない…!
「ん……ぅっ!? ひぅ、ゃあっ…! なん、で…? なんで、これだけ…い、ぅ…っ!」
「言っただろ、おしおきって」
「そっ……だ、けど……っ!」
キスも…くちに、してくれなくて、おでこだけ、で。
舌を入れてほしくって、いっぱい舐められたくって、吸われたくって、唾液を飲まされたくって、もう何もかもブラスに犯されたくって…。
なのに、欲しいものがもらえない。
ずっと衣服を介して擦れ合うだけ。熱さと重さだけが、あると分かっていて、なのに一つになれない。
満たされない。
ボクが求めてるものなんて、全部わかってるはずなのに、彼は与えてくれなかった。
それでも、ボクの体は浅ましく快楽を求めてしまって、勝手に腰が動いてしまう。
ぐちゅり、と下着が更に濡れた音がする。
「や、ぁ…!ぁ、ぁ、ぁぁぁぁぁ……っ!……ぁっ!? ふ、ぅぅぅ……っ!!」
少しだけ擦れるだけで、脳が焼け付きそうになるくらい気持ちよくて、また軽く達してしまった。
呼吸を整える時間ももらえない。
彼の手がボクの顎先を押さえて、親指が唇をなぞる。
「口、開けて」
「んぁ……」
言われた通りにすると、彼の指先がボクの歯に触れて、そのままゆっくりと口腔内に入り込む。
ボクのよりも大きくて、硬い手。
それにボクは夢中になって、彼を感じてしまう。
「んぅ…っ、ふぁ……がっ!?」
「もっと奥まで」
「んぅ…ー!! ん……んっ……んんっ……ん ゚~…っ!!!」
最初に、優しく舌を撫でられる。
そして上口蓋を爪先で引っ掻かれて、ボクの弱いところを責め立てられる。
お腹の下が切なくて仕方ない。
こんな風に酷くされればされるほど、もっとして欲しくなっちゃって、体が言うことを聞いてくれな───っ!?
「ふ、くぁ、やぁっ…!? あ、ぅ…がっ…! ひゃら、ひゃ、らぁ…ッ!」
「わかんないよ」
やだ、これやだ…! いき、なり、強く擦り合わせながらっ、口の中、ぐちゃぐちゃに触られるの、やだ…!ダメなの、息できないし、苦しくて、なのに気持ち良くて、頭おかしくなりそうだし、声も抑えられないし……!
「んぶっ……! ん……ん ゚ッ…ぷぁ…!!」
「……すき」
「ん ゚───ッ……!!」
ぐりぐり、て……熱いの押しつけられて、だめだ、これほんとにだめだ……! 息、辛くて、くるしいのに、きもちいい、きもちいいのが止まらない……っ、こんなの続けられたらボク……!
「ぁ、ぐっ…! んぶっ…!? ゃぐ、ぅあ…ひゃぁ、やぁ、やらっ、ひぐっ…ぅ! ぁ、っん゜ん゛ッ……ッ〜!」
「…い゛っ…!」
おなかの奥が、びぐんって、なって、すごいのが、きて、このままだと、ざわざわした感じ、がぁ…ぁ゛…ぁ…〜……っ♡!
「…んっ、ぐぁ゜ッ…!? えほっ、こほっ…!」
きゅう、に、くち、から、ゆび、が引きぬかて、る…? だめ、だ…あたま、くらくらして、からだに、ちから、入んない…!
「…痕付いた」
「ん…ぁ」
……ちょっと、おち着く。
ブラスの指に、まっかな痕。
ぼくが、さっき噛んで、つけたあと。
「ぁ……ごめ、なさ……」
「気にしてない…いや、嬉しい」
ブラスが、ボクに、覆い被さる。
それで、ぎゅっと抱きしめられて、ボクは安心しきって、目を閉じちゃう。
…あぁ、大好きな香り。
「……ね、キミ、このまま抱き枕にして良い?」
「ドーゾ、思う存分に」
やった、そう思ってボクは目を閉じる。
果てた体はあっけなく眠りに落ちた。
情けないったらありゃしない。入れてもないのに、擦られただけでこの有り様。
…ボクってば彼のこと好きすぎじゃなかろうか。このままだとマズいかも、そんなことを思いながら、ボクは幸せな匂いと温もりに意識を預けた。