新米気弱病弱未成熟ロリ魔法少女の災難 作:ソフトリョナ研究家
魔法少女。それは魔法を操り、人知れず世界の侵略を目論む悪魔と戦う少女のことである。
病室のベッドに腰掛け、窓の外を眺める少女『鈴森 日菜香』。彼女もまた、魔法少女の1人であった。生まれつき体が弱く、難病を患って病院のベッドで寝たきりであった日菜香は、人生経験が少ない分純粋な心を持っていた。それは魔法少女として類稀な素質であったのだ。悪魔に敵対する勢力である天使は、そんな日菜香の素質を見逃さなかった。天使は日菜香の見る夢を通して日菜香に接触し、彼女を魔法少女へと勧誘した。魔法少女としての能力があれば、日菜香の病状を抑えることも可能だ。そのような提案を日菜香は断るはずもなかった。こうして日菜香は魔法少女の使命と引き換えに、寝たきりの生活から脱出することに成功したのだった。
***
「日菜香ちゃん、先生は呼んでるわよ」
「あ、はい……今行きます」
看護師に呼ばれた日菜香が振り返る。腰まで伸びた、少し色素の薄い髪がさらりと靡いた。
鈴森日菜香、13歳、中学2年生。病気で寝たきりになっていたせいで成長が遅く、どこからどう見ても小学生にしか見えない幼い容姿をしていた。ベッドから立ちあがるときも足をもつれさせ転びかけるなど、ぎこちない動きが日菜香をより一層幼げに見せた。
ピンクのパジャマ姿で廊下を歩き、日菜香は主治医の診察室に辿り着く。
「し、失礼します……」
日菜香はドアを開けて部屋に入ると、椅子にちょこんと腰掛けた。主治医の用事は日菜香が通う学校についてだった。今までは学校に通うことなど到底できなかった日菜香だが、奇跡的な快復で体調が改善したため、学校に行けるようになったのだ。とはいえ、奇跡的な快復のため、入院は継続。病院からバスと電車を乗り継いでの通学となった。主治医は一通り日菜香に説明すると日菜香に言った。
「日菜香ちゃんの体はかなり良くなったけど、完全に治ったわけではないから気をつけて。元気になったことは確かだけど、体が弱いことには変わり無いし、体もあまり成長してないからね。くれぐれも無理はしないように」
「はい」
魔法少女としての回復能力は確かに日菜香の難病を抑えることに成功している。しかしそれは完全なものではなく、もともと病弱な日菜香の体質が改善されたわけでもない。今までと比べて元気になっていることは確かであったが、日菜香の体は同年代の少女と比べると遥かにか弱いものだった。細い手足には筋力がほとんどなく、小さな体は持久力や肺活量が少ない。白く柔らかな肌は刺激に弱く敏感だ。さらに今までカテーテルで排尿をしていた日菜香はおしっこの我慢に使う筋肉が未発達であまり我慢ができない体質だった。
日菜香は病室に帰ると、翌日の登校に備えて準備をした。カバンに荷物を入れ、何度も確認し、目覚まし時計をセットする。そして布団に入るのだが、初めての学校の前日とあって日菜香はとても緊張していた。
「学校……うまくできるかな……」
病室に篭りきりで限られた人としか会わない生活をしてきた日菜香は、同年代の少女と比べても圧倒的に人生経験が不足していた。そのため、日菜香は純真ではあるものの精神的に未熟で幼く、コミュニケーション能力も欠如していた。それに満足に勉強もできていない。日菜香が不安になるのも無理からぬことだった。
結局、日菜香は緊張によってなかなか寝つけず、眠りも浅いものになってしまった。
***
翌朝、タクシーで学校に送られた日菜香は、教室に向かう前に職員室で待機していた。担任の準備が終わり次第、共に教室に向かう予定だ。
「はぁ……はぁ……」
日菜香は緊張から荒い呼吸を繰り返していた。学校に来ているにも関わらず、彼女の服装は制服ではなかった。白いブラウスに落ち着いた紺色のスカート。公的な場に出るのに違和感のない服装ではあったが、この学校の制服ではない。急な編入のため日菜香の制服は用意ができていないのだ。特に日菜香の幼い体に合う制服を作るのはさらに時間がかかる。学校からの許可を得てはいるが、他の生徒と違う服装で過ごすという事実が、気弱な日菜香に多大なストレスをかけていた。また、職員室という知らない大人が多く過ごす空間も日菜香の緊張を高める一因だった。
「日菜香ちゃん、そろそろ行こうか」
「は、はいっ……」
担任が準備を終えて日菜香に声をかける。日菜香は上擦った声で返事を返し、立ち上がった。担任に着いて職員室を出て教室に向かう。
「はぁ……はぁ……、うぅっ……」
教室が近づくにつれて日菜香の緊張は高まって行く。白い肌は赤く上気し、大きな瞳が潤んで揺れる。精神的に未熟な日菜香は自分の感情をコントロールできずに戸惑い、混乱していく。そして過度な緊張のため、日菜香は尿意を催してしまう。
「あ……」
尿意を自覚した日菜香が立ち止まる。
「どうしたの日菜香ちゃん?」
「あ、あの……」
日菜香は担任に自分の状況を訴えようとするが、すっかり余裕を失った日菜香は言葉が出てこず、口をパクパクさせることしかできなかった。しかし日菜香の体は正直だった。日菜香は無意識のうちに内腿をもじもじと擦り合わせ、片手でぎゅっと股間を押さえてしまう。
「もしかして、おしっこしたいの?」
「あ、う……」
日菜香はぎゅっと目を瞑って頷いた。日菜香の未発達な膀胱はすぐに限界に達する。碌に返事をすることもできず、すでに一歩も歩けないほどになっていた。
「大丈夫? もう少し我慢できる? すぐにつれて行ってあげるから」
担任は日菜香の手を引いてトイレに向かおうとする。しかし歩くことに不慣れな日菜香が、限界が近く余裕のない状態で急に歩けるわけがなかった。
「あっ……!」
日菜香はバランスを崩して転倒してしまった。そして日菜香の弱い膀胱ではその衝撃に耐えらるはずもなかった。
「あ、あ……やだっ……!」
日菜香は咄嗟に両手で股間を押さえるが、そんな抵抗は全くの無意味だった。勢いよく決壊した日菜香のおしっこは、上品な紺のスカートや純白のソックスを汚しながら床に広がっていく。床に広がる水たまりの大きさはどんどん大きくなっていった。
そして今までの過度な緊張に加えて、お漏らしという失態によって、日菜香は完全にパニックを起こしてしまう。
「や、やだ……止まって……」
日菜香は泣きながら、まだ出続けているおしっこを止めようとするが、一度決壊を始めたおしっこを止めることはできない。
「日菜香ちゃん、落ち着いて。大丈夫だから、ね?」
「うっ、ひっく、うう……うわぁああん……」
泣きじゃくる日菜香の頭を担任が優しく撫でる。しかし日菜香の未熟な精神は落ち着くのにかなりの時間を要する。
「ほら、立って。保健室に行こうね」
担任は日菜香を立たせると、手を引いて歩き出す。日菜香はまだ涙を流しながら、よたよたと歩き始める。時折、ふらついて転びそうになるが、その度に担任が支えてくれるため、なんとか無事に保健室まで辿り着くことができた。
保健室にたどり着いた日菜香は、汚れた服を脱がせてもらい、体を綺麗に拭いてもらった。そして体操着に着替えさせられる。
「日菜香ちゃん、大丈夫そう? 今から教室に行ける?」
「ぐすっ……んっ……」
日菜香は無言で首を横に振った。日菜香の精神はぐちゃぐちゃで簡単に回復しそうにない。教室でクラスメイトと顔を合わせるなど、今の日菜香には到底できそうになかった。
「うん、そっか……じゃあ今日は早退してゆっくり休もうか」
「は……はい」
こうして鈴森日菜香の初めての学校生活は、盛大に失敗してしまったのだった。