※この作品はR-18です。

『冒険者アチャ子』   作:カマケル

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1帰還

『冒険者アチャ子』

 

泣きつくのは、すぐ辞めた。

その胸のうちで、もっと暖かさを味わっていたかった。

でも、助けてくれた彼に情けない姿を見せたままでいられないし、

ここから、ダンジョンから出て、イクラでもしてやると、

気合を入れ直して、なんとか離れた。

 

 

「すまないが、今着せてやれる服はない。

まずは、コレを」

彼は、バックから取り出した薬を私に手渡した。

 

 

 

 

私だって、国随一の冒険者だ。

お金だって、堅実にためてる。

でも、これはヤバイでしょ。

なんでコンナの、鞄(アイテムボックス)に入れてるのよ。

 

 

顔に出なかったのは、今までの経験の賜だろう。

初めて国のパーティーでの、嫌気が差すようなオベッカの連続に感謝した。

 

「気にしなくて良い。

 次は、コレを」

 

 

 

声が出た。

 

 

 

 

「彼女を癒せ」

 

 

 

 

 

そう言って、消える女神様。

晴れやかな清々しい空気が、浸透するかのように体を通り抜けた、

その僅かな時間で、体の疲れ、

そして、傷が全て消え去った。

感覚だけど、感覚じゃない。

そう分かるのだ。

 

 

 

正しいのは、分かる。

至る所を、触手が凌辱したのだ。

体中ぼろぼろになっていたとしても可笑しくはない。

全てを直せる、女神が最適解ではある。

 

だが、何でも直せる物の需要が低いわけない。

 

 

 

 

「気にしなくて良い。

 ……動けるか?」

 

 

 

 

 

もう、笑うしかない。

生まれたってのヤギのほうが、マシな足取り。

腰に全く力が入らない。

 

快楽による物は、状態異常でもなんでも無いということだろう。

ここまでやっても、動けないなんて、即死トラップと変わらない。

時間が経ったら治るのだろうが、ダンジョンに長時間とどまるのは、危険だ。

 

じゃあ、どうダンジョンを出るか?

 

 

幸い彼は、見るからに強靭な戦士だ。

私一人担いでも移動に支障はなさそうに思える。

 

ここはどこで、一体彼がどんな階層で探索していたのか、

分からないが、私の魔力ステータスは最高峰だ。

通じないという事はないだろう。

 

女神様に癒やしてもらったおかげで、魔力も満タンだ。

担いでもらってできる限り戦闘を避けつつ、

戦わなければならないモンスターには魔法ブッパで行ける所まで行こう。

 

自分だって、こんなにしてもらって、死ぬだなんて考えたくない。

 

正直上手くいって二人共帰れる可能性は万に一つ、あるかどうかだろう。

でも、ゼロじゃない。

 

やりきって、駄目であれば満足して逝ける。

 

 

着れる装備は、無いのはしょうがないが

武器はあるかもしれない。

杖なんかがあれば、より生存出来る可能性が上がるだろう。

今日のドロップ品に何か使える物はないか、聞こうとした私を彼が静止する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしたじゃ、無いが(憤怒)

私と同等か、少し上回るぐらいかと思っていたのだが、

予想は、全く的はずれだったようだ。

 

格が違いすぎる。

 

 

 

 

 

 

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